2011年 12月 01日

北海道ニセコにSir Gordon Wu 現わる

今回のトラベルマート会場で拾った面白いネタのひとつに、北海道ニセコの関係者から聞いたこんな話があります。

今年、香港を代表するコングロマリット、合和実業グループ(Hopewell Holdings Ltd.)会長のSir Gordon Wuこと胡應湘氏が、自らのペントハウスを兼ねたリゾートホテル建設のため、ニセコに投資したというのです(2011年11月27日のフジテレビ系『新報道2001』でも報道されたそうです)。

ニセコは日本を代表するスキーリゾートで、雪質の素晴らしさは海外にも知れ渡っています。10年くらい前からオーストラリアのスキーヤーが大挙してやって来るようになったことはご存知かもしれません。関係者によると、近年のスキーシーズンに占める海外客の比率はすでに50%。ニセコのゲレンデには日本人と外国人が半々の割合でスキーを楽しんでいるというわけです(ただし、震災後の今シーズンは外客の予約キャンセルが多数発生し、風評被害の直撃が懸念されています)。
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オーストラリア人スキーヤーの多いニセコ


さて、Sir Gordon Wuとはいかなる人物か? ネット情報を寄せ集めると、Sir Gordon Wuこと胡應湘氏は1935年香港生まれのアジアを代表する実業家です。58年に米国プリンストン大学を卒業。69年に香港で土木建築業を手がける合和実業有限公司を設立。70年代には東南アジアに高速道路や発電所などのインフラ建設を進め、80年には彼が子供時代を過ごしたという香港島湾仔に当時の香港では最も高い「合和中心(ホープウェルセンター)」を建設。80年代以降は、改革開放を迎えた中国でインフラ事業やホテル開発を行いました。香港返還の97年には英国から爵士(ナイト)の称号を授与されており、中国政府との関係は……一筋縄では説明できないところがあります。
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アメリカ人ジャーナリストの書いたGordon Wu氏の評伝


なぜそんな香港の大立者がニセコにペントハウスを? その理由は、ニセコのこの20年間の変遷と関係があります。実は、オーストラリア人ほど知られていませんが、90年代後半頃からカナダ系香港人たちがちょくちょくニセコに現れるようになっていたのです。

2010年秋頃から今年の初めにかけて、中国人が北海道で森林や水源地を購入しようとしているという一部報道がありました。昨年ニセコではマレーシア華僑によるホテルの買収がすでに行なわれています。ただし気をつけてほしいのですが、ニセコでホテル経営を始めるGordon Wu氏もマレーシア実業家も、中国本土の人間ではないということです。

それにしても、いったいニセコでは何が起きているというのでしょうか。
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繁体字で「新年快樂(Happy New Year)」。つまり、中国本土客向けではないことに注意


ひとことでいうと、ニセコは日本のグローバル化の最前線にあるといえます。日本のインバウンド時代を先取りしたさまざまな現象がこの地で起きているのです。今年1月ぼくはニセコを訪ねて、現地関係者の話を聞いているのですが、その詳細については話が少々込み入っているため、あらためて別の機会に紹介したいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2011-12-01 13:29 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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