ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2013年 07月 03日

タイ人の日本ツアーの料金は中国人ツアーの2倍近いです

では、タイ人の日本ツアーの価格帯について見ていきましょう。

タイの雑誌社Check Tour社が発行する月刊誌「Check Tour」2013年6月号に掲載されているこの夏のツアー募集広告を参考にしたいと思います。
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ツアー料金は日程やコースによって違います。タイ人の日本ツアーはどんなコースが主流なのでしょうか。タイの訪日ツアー客を扱うランドオペレーター関係者によると、現状では主に以下の3コースだそうです。

①東京・大阪ゴールデンルート4泊6日
②東京滞在(+富士山)3泊5日/4泊6日
③北海道周遊(札幌、小樽、登別、富良野など)4泊6日

すでに①と②については定着しており、この夏は③北海道ツアーが急増しそうとのこと。昨年10月に新規就航したタイ国際航空のバンコク・新千歳線は現在週4便ですが、秋から毎日運航になると先ごろ発表されましたから、今年の冬は北海道を訪れるタイ人観光客がさらに増えそうです。

また他にも、九州周遊(福岡、別府、阿蘇、熊本、長崎など)4泊6日も動き出しています。主流ではないけれど、東京・大阪ゴールデンルートの別バージョンとして、大阪または名古屋inで北陸や信州を周遊して東京outのコースも好評といいます。沖縄に行くツアーもあるようです。

では、それらのツアーの価格帯はどのくらいでしょうか。以下、「Check Tour」2013年6月号に掲載された現地旅行会社のツアー募集広告から平均的な料金(7~8月出発のコース)をいくつか挙げてみましょう。

・東京・大阪ゴールデンルート4泊7日 50900バーツ(約16万5000円)
・北海道3泊5日 43900バーツ(約14万円)

Modern Plus Travel Co.,Ltd
http://www.modernplus.com/
http://facebook.com/modernplustravel

・東京滞在(+富士山)3泊5日 39900 バーツ(約13万円)

Sun Smile Holidays & Tour Co.,Ltd
http://www.sunsmileholiday.com

・沖縄3泊5日 33900バーツ(約11万円)

Easy Holiday
http://www.goeasyholiday.com

都内の旅行会社でタイの訪日ツアーの手配をしている在日タイ人のカウィワットさんによると、「タイ人の日本ツアーは1日約1万バーツ(約3万2000円)が目安」だそうです。

これは中国人の平均的な日本ツアーに比べると、2倍近い金額になります。

以前ぼくは「やまとごころ.jp」の連載「18回 春にはちょっぴり中国客が戻ってきそうな気配ですが……。中国の旅行会社のHPを読み解く」の中で、北京、上海、広東の旅行会社のツアー料金を比較したことがあります。たとえば、中国でツアー商品の多様化が最も進んでいる上海の錦江旅游http://www.jjtravel.com/のこの夏の訪日ツアーのラインナップを見ると、だいたい以下の価格帯となっています。

・東京大阪ゴールデンルート5泊6日 4299元~7999元(約7万円~13万円)
・東京4泊5日 5699元~6999元(約9万3000円~11万5000円)

昨今の円安で以前に比べ円換算でみれば、確かにツアー料金は高くなっています。また、さすがに上海発のツアーは品質のバリエーションは比較的豊富なので、そこそこ高価格のツアーもあります。しかし、北京や広東発の平均的なツアーでみると、1日約1000元(約1万6000円)が目安といえそうです。

実際、細かくツアー行程を見ていると、明らかに中国人ツアーの内容は、タイ人のツアーに比べ見劣りします。宿泊ホテルも観光や買い物には不便な場所にあったり、観光地もなるべく費用のかからない場所を選んだりと、「安かろう悪かろう」を地でいっています。

とりわけ食事にかける費用が違います。広東省の南湖国旅http://www.nanhutravel.com/のHPには、「昼食代1000円、夕食代1500円」とはっきり書かれていますが、タイのツアー客はこんなに安い食事では満足しないことでしょう。カウィワットさんは言います。

「タイ人は食事にこだわるので、とくに夕食は5000円以上かけるのがざらです。西新宿の『六歌仙』が人気なのもそのためです。弊社では、タイにある日本企業の関係者のインセンティブツアーの企画をよく担当するのですが、とにかく食事の要望は細かいです。ご案内しようとしているレストランのメニューを用意して、具体的にどんな料理が食べられるのか、タイのクライアントのツアー担当者にプレゼンテーションすることもあります」

「タイ人は中国人に比べ日本旅行に対する思い入れが強い」と、タイのランドオペレーターの関係者は口を揃えて言います。

これまで本ブログで何度か触れたように、中国では日本は「激安ツアーの国」としてすでに認知されてしまっています。こうして期待値の低いままツアーに参加する中国人客の多くが「安いから、日本でも行ってみるか」「安いんだから、この程度の内容でも仕方がない」と考えがちなのに対し、タイ人客は「せっかく日本に行くのだから、いろんな体験をし、おいしいものをいっぱい食べよう」と素直に期待をふくらませて来日していると思われます。

こうした訪問国に対する期待値はツアー価格に当然反映します。タイ人の日本ツアーはコストからみれば必ずしも高額とはいえませんが、その2分の1の価格帯のツアーで来日する中国本土の人たちは、それなりの価値でしか日本を評価していないことを意味します。

我々はタイ人の日本に対する期待値の高さを大切に考えなければならないと思います。

ただし、今後はタイからのリピーターも増えることでしょうし、自由時間の多いスケルトン型の格安ツアーが増えてくることが予想されます。個人旅行化の流れには抗えません。たとえそうだとしても、彼らが期待にしてくれる以上、それに応えられるような日本ならではのアトラクションを次々提案してあげればいいのですから、それはやりがいがあるといえるのではないでしょうか。
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by sanyo-kansatu | 2013-07-03 18:10 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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