ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2013年 07月 12日

香港客大躍進の背景に「Rail & Drive」プロモーションあり !?

このところ、タイの訪日旅行について報告を続けていますが、日本政府観光局(JNTO)の報道資料によると、香港が5月の統計では対前年同月比82.2%増とトップです。タイは確かに1~5月の総数ではトップですが、5月単月でみると香港がすごい伸びです。

タイ人もそうですが、香港人もたくさん日本旅行に来ているんです。どうしてなのか?

日本政府観光局(JNTO)2013年6月19日報道資料
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/130619_mothly.pdf

実は、先日タイ人に人気の西新宿の焼肉店「六歌仙」を訪ねたとき、「タイ人の来店も多いですが、最近は香港のお客さまの来店も増えていますよ」と社長は話していました。いま東京では特に香港の個人客が多く出没しているようなのです。

JNTOは香港の訪日客大躍進の背景について以下のように分析しています。

「香港は、仏誕節(5月17日(金))により3連休となり、近距離の海外旅行をしやすい環境だったことや、先月から続く航空会社によるプロモーション料金の設定が訪日旅行客数の大幅増加の要因となった。訪日旅行は円高の是正により都市圏へのショッピングを目的とした旅行者の増加が目立った。さらに、鉄道旅行とドライブ旅行のトレンドを醸成し、訪日旅行の需要拡大を図っている」

要するにどういうことなのか--。JNTO香港事務所所長の平田真幸さんに直接お尋ねしたところ、以下のコメントをいただきました。

「(訪日客急増の背景には)円高是正で、今まで我慢していた人たちが一気に動き出したことがあります。4月頃から割安の航空券が出ていることも、それを後押ししています。さらに、我々JNTOが今年から進めている『Rail & Drive』プロモーションで新たな日本の魅力が効果的に打ち出せていることが大きいと思います」

「Rail & Drive」プロモーションって何でしょうか?

JNTO香港の今年度のプロモーション方針によると、「『Rail & Drive』を活用した新しい訪日旅行のスタイルをテーマにプロモーションを『a different Japan Rail & Drive』と名づけて展開」しているそうです。

平成25年度 香港市場プロモーション方針・事業計画概要
http://www.jnto.go.jp/jpn/services/pdf/pp_hongkong.pdf

a different Japan Rail & Drive
http://www.welcome2japan.hk/differentjapan/
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地元香港経済新聞によると、「香港人で日本旅行に行く人は4人に1人が10回以上の渡航経験を持つ。75%がFITと呼ばれる個人旅行客で、最近では電車やレンタカーを駆使して旅行行程を組むパターンも多い。

日本人が観光するのと同じように、香港人が電車を使ったり、レンタカーを予約するなど高度な旅行プランを組めるようになったことで、これまで外国人観光客が訪れることが少なかった地域にも香港人が現れるケースはさらに増えそうだ」そうです。

レール&ドライブで渡航スタイル向上-香港人の日本旅行、過去最高の推移(香港経済新聞2013年5月13日)
http://hongkong.keizai.biz/headline/41/

要するに、我々日本人が鉄道や飛行機とレンタカーを組み合わせて国内旅行するのとまったく変わらないスタイルで香港の人たちが訪日旅行を楽しむようになったということなのです。それは日本人がハワイやアメリカでレンタカーを借りてドライブ旅行しているのと同じです。

香港の訪日客の約8割は、飛行機とホテルのみ予約を入れて来日し、自由旅行を楽しむFITです。日本人が3泊4日で香港グルメの旅に行くのと同じ気軽さで、日本を楽しみに旅行に来るのが香港人というわけです。

同記事の中には、香港客の受け入れをさらに進めるために日本側が努力しなければならない点として、前述の平田真幸JNTO香港支局長が以下の指摘をしています。

「香港人の渡航スタイルの成熟度を受けて、『訪日旅行をもっと増やすためには、日本の皆さんが海外をもっと経験する必要がある』と指摘。『ATMやWi-Fi(ワイファイ)・言語など日本はまだグローバルスタンダードに追いついていない点もある。外国人の求めるものを分かってこそ』」

香港から戻ってきた知り合いの多くが、東京ではWi-Fiが使えないとよく言います。この種のインフラ整備は、紙のパンフレットを量産するよりもっと優先しなければならないことを香港客は我々に教えてくれています。
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by sanyo-kansatu | 2013-07-12 12:06 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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