2013年 10月 16日

観光バスの発着場で出待ちする法輪功【タイで見かけた中国客 その2】

前回(「中国、訪タイ外国人数トップになる」)、バンコクにあふれる中国人観光客の姿を紹介しましたが、今回は、タイで彼らを待ち受けている、なんとも気の毒な光景について報告しましょう。
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バンコクの王宮広場前、中国客の乗るツアーバスの前で大きなパネルを掲げるひとりの男がいます。彼は何者なのか。そうなんです。タイ在住の中国の気功集団「法輪功」の関係者です。

なんだかいろんなメッセージが書き込まれています。わかりやすいところでいうと、「中共≠中国」。その理由として、中国には5000年の歴史があるが、中共には100年に満たない……。
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さらに、中国共産党からの脱退を呼びかける、いわゆる「脱党運動」のすすめ。

こうした彼らの活動は、イギリスやフランス、ポーランド、ギリシャ、ロシア、香港、韓国、インドネシア、日本でも行われているとパネルには書かれています。
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傍で見る限り、これは相当たちの悪い嫌がらせといえなくもありません。せっかくの楽しい海外旅行。誰もがリラックスして気を抜いているのどかなひとときです。いざ観光に出かけようとバスを降りた瞬間、彼らはこのパネルを目撃することになるからです。
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法輪功サイドもよくもまあこんな手を思いついたものです。確かに、タイを訪れる年間約300万人の中国客の大半は間違いなくここに現れるでしょう。

彼らは、バスの発着場でツアー客の出待ちをし、決してスローガンを唱えることも、騒動を引き起こすこともなく、静かにパネルを掲げるのみです。一方中国客たちも、まるで何も見なかったかのような顔をして無言でバスに乗り込みます。

中国客の無関心ぶりは、彼らの心情を察するまでもなく理解できます。とはいえ、中国の海外旅行者数が9000万人を超えたといっても、総人口からすれば数パーセントに過ぎないわけで、ここにいる彼らは自国では上位の階層に属していると一応いえます。中国社会の暗部から目を背けるな、という法輪功の主張は誰も否定できないでしょう。ただ彼らの活動が国内で禁止される以上、海外で続けるほかないため、この皮肉な光景が現出するわけです。

それにしても、中国政府が「邪教」として迫害する「反政府勢力」と、いたいけなレジャー客との接点が、バンコクの有名観光地にあったとは……。これも、なにかと騒がれがちな中国人の海外旅行のワンシーンなのです。今日の中華世界のリアルな現実を象徴する光景といえるでしょう。
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公平を期すため、日本の法輪功公式サイトと中国大使館のHPの解説を参照しておきます。

●法輪功in Japan
法輪功の日本公式サイトでは、法輪功を「中国伝統の気功修煉法」だと解説しています。
http://www.falundafa.jp/

●中華人民共和国駐日本国大使館
中国政府の見解では、法輪功は「一口で言えば、中国の『オウム真理教』」だそうです。でもそれはちょっとどうでしょう?
http://www.china-embassy.or.jp/jpn/zt/xjflg/t62971.htm
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これが彼らが配っていたパンフレットです。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-16 10:12 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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