ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2013年 10月 31日

FIT向け商品が続出する台湾市場(台北ITF報告その4)

台北国際旅行博(ITF)で、広域連携化とともに目に付くのは、FIT向け商品が続出していることです。

自治体ブースがPR主体であるのに対し、企業グループはどれだけ販売できるかが勝負です。まず鉄道グループのブースから見ていきましょう。
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近畿日本ツーリストを擁する近畿鉄道グループです。なかでも注目は、国内メディア販売大手のクラブツーリズムがアジアのFIT向けに販売しているバスツアーです。
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Club Tourism YOKOSO Japan Tour
http://www.yokoso-japan.jp/tc/index.htm

一般にはとバスなどが催行する外国人向けバスツアーの多くは、英語圏の利用者の比率が高いとされますが、クラブツーリズムの催行するツアーは、アジア客に好評です。たとえば、最も人気があるのは富士山とフルーツ狩りを組み合わせたツアーだそうです。関係者によると、日本人向けと基本的に同じツアー内容で、最近では、日本人客とアジア客を混載する商品もあるといいます。

世界でいちばん目が肥えているといわれる日本の消費者を相手に長年練り上げられてきたクラブツーリズムのバスツアーが、アジアのFIT層にも受け入れられているというのです。日本人とアジア客が混載するバスツアーというのは、これからの新しい国内旅行のスタイルを先取りしているといえるかもしれません。

阪急阪神集団のブースです。近年のLCCをはじめとした台湾と関空をつなぐ路線の急増で、関西方面を訪れる台湾客は増えています。
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もちろん、富士箱根方面も定番です。これは小田急電鉄と藤沢市の共催ブースです。
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鉄道グループでいうと、JR東日本とJR西日本も出展していて、同社が販売するJRパスのうち、台湾客の販売数が最も多いといわれています。

ジャパンレイルパス(外国人向けJR割引パス)
http://www.japanrailpass.net/ja/ja001.html

次は、キラーコンテンツを有する企業グループです。その筆頭はやはりTDLでしょう。東京ディズニー30周年を記念したスペシャル料金を打ち出しています。これもFIT商品です。
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タイの国際旅行フェアにも出展していた札幌の「かに本家」です。
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台湾人に人気の北海道に高級リゾートを展開する星野リゾートです。今年3月の新石垣空港オープンで、台湾から夏期のみトランスアジア航空やマンダリン航空が就航。竹富島にある「星のや 竹富島」への集客も期待されます。
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星のや 竹富島
http://www.hoshinoresort.com/resortsandhotels/hoshinoya/taketomijima.html

異色のブースは日本の出版大手角川書店です。同社では現地法人の台湾国際角川股份有限公司がローカル向け情報誌『台北ウォーカー』を発行しています。同誌の付録に日本旅行のための冊子『Japan Walker』があります。
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台湾国際角川股份有限公司
http://www.kadokawa.com.tw/
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同社では、日本国内で利用できるSIMカードパッケージ「台灣VISITOR SIM」を11月から発売するそうです。『JAPAN WALKER』がもつコンテンツの中で、救急対応など緊急連絡先情報、日本の旅行情報なども利用できるといいます。もちろんFIT向けのサービスです。
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近年、インバウンドビジネスにさまざまなメディア企業が参画していますが、角川書店のような古くから現地に根付いて日本のコミックやライトノベルズ、情報誌などを販売してきた出版社こそ、台湾の訪日旅行市場の下支えに大きく貢献してきたといえるでしょう。

日本の大手エアラインもブースを出展しています。JALとANAはそれぞれ台湾と日本の主要空港を結んでいますが、今回のブースではFIT向けに「日本自由行」と称して、割安な航空券や航空券+ホテルを販売していました。台湾のエアラインでもさらに価格を下げたFITパッケージを販売しており、競争は激化しています。おかげで台湾客はますます日本に行きやすくなっていると思われます。
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最後に、他の国の旅行博ではあまり見られない独特の販売スタイルについて紹介しておきましょう。台北国際旅行博(ITF)では、現地の旅行会社を日本のブースの中に招き入れて、各地域のPRとツアー商品の販売を同時に行っています。
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なかには、「日本専門店」を掲げる大興旅行社のようなエージェントもあります。ブースにはびっしりと日本全国を網羅したツアー商品の貼り紙が並べられています。こうして会場の中では、あの手この手の商戦が繰り広げられているのです。
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以下は、ジャパンゾーンの中にブースを置いた台湾の旅行会社です。これだけ競合相手がいると、価格競争が熾烈になるのは無理もなさそうです。

大興旅行社
http://www.tahsintour.com.tw/
山富旅行社
http://www.travel4u.com.tw/
大栄旅行社
http://www.gogojp.com.tw/
康福旅行社
http://www.colatour.com.tw/
スタートラベル(燦星旅行社)
http://www.startravel.com.tw/
湯桂禎旅行社
http://www.rolisa-tour.com.tw/
百順旅行社
http://e.ptrtour.com.tw/Web_3/major.asp
新台旅行社
http://www.eztour.com.tw/
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by sanyo-kansatu | 2013-10-31 15:33 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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