2013年 11月 16日

【続編】「ロボットレストラン」はなぜ欧米客に人気なのか?

新宿歌舞伎町にある「ロボットレストラン」はなぜ欧米客に人気なのでしょうか。「やまとごころ.jp」のインタビュー記事で書ききれなかったこぼれ話を紹介します。

まず、『女戦~ジョセン~』のダンスショーの内容と構成について、もう少し詳しく見せちゃいましょう。ショーは2013年11月現在、以下の5部構成です。ダンサー兼社長の大澤奈美恵さんも語っているように、ショーの内容は随時リニューアルされているそうです。

①女性ダンサーによる和太鼓演奏
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和太鼓から始まるショーって悪くないですね。ジャパネスクな感じで、カッコいいと思います。

②「バーレスク」のショー
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これもなかなかステキです。なぜか大澤さんがポールダンスを披露しているところが面白いです。

③「太古の森」を舞台にしたロボット対戦(森の住人と宇宙から来たロボット軍団との戦い)
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この設定はかなり唐突ですが、女の子がロボットを叩きのめすシーンは爽快です。欧米の女性客の皆さんも一斉にカメラを向けています。女の子が闘う姿は単純にいいですね。

④女性型ロボット「ロボコ」と女性ダンサーの共演
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これが圧巻のダンサーとロボットのダンス共演です。高さ3m超の巨大女性アンドロイド「ロボコ」の腕に抱かれ、踊り狂うダンサーたちの姿に、ぼくはしばし恍惚としてしまいました。

⑤フィナーレ「戦争パレード」:戦闘機と戦車に女の子が乗って踊る
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昔、『タンクガール』という映画がありましたが、そこから生まれたイメージを表現したもののようです。戦闘機の羽にぶら下がるダンサーの子が目の前を通り過ぎる瞬間、ぼくは思わずウォーと雄叫びを上げたくなりました(えーと、ちょっと欧米客のノリが伝染したのかもしれません)。

今回の取材に同行した「やまとごころ.jp」の此松武彦さんも話していましたが、この空間はいわゆる「芝居小屋」に近いと思います。一見派手なパフォーマンスが繰り広げられてるようで、どこか日本の小劇場的な空間が現出しているんです。加えていうと、AKB的な、なんともいえないゆるさもあります。ダンサーの女の子たちは、みんなどこか庶民的な親しみがあって、彼女たちがロボットと一緒にはじけている光景は、まるで近未来の“祭り”のようです。実は、それがロボットレストランの最大の魅力ではないか、とぼくは思います。

さらに、大澤さんも語っていますが、とにかく欧米客の素直な盛り上がりぶりは好感度が高いです。観客には、カップルの姿が目立ちます。親子連れもいます。
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4番目の演目が終わったあとに、記念撮影タイムが設定されています。欧米客の皆さんはロボットたちと記念撮影に興じます。いかにもオタクっぽい人もいます。
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ちなみにお弁当の中身はこんな感じです。東京には欧米のようにショーを観ながら食事を楽しめるエンターテイメントレストランがあまりありません。
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以下は、ロボットレストランの営業担当者が教えてくれた都内のショーレストランですが、ぼくにはどれもそれほど斬新な感じがしませんでした。なぜでしょう。実際に観なくてもだいたい中身がわかってしまうような気がするからです(本当はそうではないかもしれませんけれど)。

六本木香和
http://www.kaguwa.com/
明治時代の遊郭をイメージしたショー

六本木金魚
http://www.kingyo.co.jp/
いわゆるニューハーフショー

ロボットレストランの面白さは、ショーの内容だけでなく、店内の内装の奇抜さにあります。実は、隣接するガールズバー「ギラギラガールズ」に限りなく近い世界があるのも確かです。この界隈にいる客引きに話を聞くと、「ロボットレストランは評価が2つに分かれる」とのこと。きっとガールズバーのお楽しみを期待した客は、ロボットレストランでは裏切られたという感じを持つからでしょうね。

ショーである以上、客は見る側、ダンサーは見せる側。彼女たちとの交流は基本的にないわけですから。しかし、そういう男心をくすぐる期待感も含め、エロとパッションが渾然一体とした歌舞伎町らしさこそ、面白い。見てください。この奇態な空間に白人の女の子が紛れ込んでいる姿はなかなか絵になると思いませんか。
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ギラギラガールズ
http://giragiragirls.com/pc/

ショーの前後で楽しめる待合室もなかなかおかしくていいです。猫耳のウエイトレスも悪くありませんが、注目は給仕を担当するロボットです。
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さて、話は変わりますが、インタビューの中で大澤さんは、オープン時に「日本のメディアより先に海外のメディアが取材に来た」と語っています。欧米メディアは「ロボットレストラン」をどんな風に報じているのでしょうか。以下、ネットで読めるものを紹介しましょう。なにはともあれ、彼らが報じたから、この店は欧米客であふれているのですから。

“Peer into Japan’s raunchy robot restaurant”
(Smart Planet(アメリカ) 1 August 2012)
http://www.smartplanet.com/blog/smart-takes/peer-into-japans-raunchy-robot-restaurant/28069

“The Robot Restaurant in Tokyo”
Nippon News(東京にある外国向け通信社)20 November 2012
http://www.nipponnews.net/en/bizarre/the-robot-restaurant-in-tokyo/

“Japan's raunchy restaurant uses 'fembots' instead of woman to dance for customers – and to watch them perform costs just £25”
Mail Online(イギリス)18 February 2013
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2280465/Japans-raunchy-restaurant-uses-fembots-instead-woman-dance-customers--watch-perform-costs-just-25.html#%E2%80%A6

“Toyko: Food. Fun. Fashion.”
Hollywood on The Potomac(アメリカ) 24 June 2013
http://hollywoodonthepotomac.com/?p=31772

「セクシーアンドロイドが踊る、ロボットレストランは東京のパラダイス―米国記者レポート」
International Business Times(アメリカ) 2013年10月14日
http://jp.ibtimes.com/articles/50152/20131014/335992.htm?utm_source=twitter&utm_medium=official&utm_campaign=jpibtimes

ざっと読んでみて、「ひわい」「みだら」「セックスアトラクション」といった一見ネガティブな評価が目につきます。基本的に、日本の伝統的なイメージ「フジヤマ、ゲイシャ」的な好奇心がベースにあることがうかがわれます。まあいいんじゃないでしょうか。

実際、今年10月に来たというアメリカのWired.comの取材陣は、ショーを観た後、「女性の露出度が激しいのでは? 嫌がるお客様もいるのではありませんか。欧米人から見ると下品と観られるかもしれませんよ」だなんて、ロボットレストランの広報担当者に言ったそうです。確かに、彼女たちの露出度は高いですからね。
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なんだよ、優等生ぶるなよ、とぼくは思いましたね。白人メディアのにわかピューリタン的なスタンスって感じ悪いですよね。でも、その広報担当者ははっきり答えたそうです。「私たちは自分たちのやり方を変えるつもりはありません」と。なんだか頼もしく思ったものです。

もちろん彼らはそれだけの話に終わらせるつもりはありません。基本的には面白がっているからでしょう。『ブレードランナー』や『オースティンパワーズ』『トランスフォーマー』などの自前のハリウッドSF映画を持ち出して、ロボットレストランのショーの魅力を一生懸命解説しようと努めてくれています。『オースティンパワーズ』といえば、おっぱいから機関銃が飛び出すセクシーな女性アンドロイドのfembotsが有名です。そういうバカバカしさの延長線上でロボットレストランを解釈しようとしながらも、ロボットという意匠が放つ「ハイテク・ジャパン」という近未来のイメージと交錯もする。でもやっぱり露出度の高いお色気ダンサーのかわいさもあいまって、とにかくこんなイカした(イカれた?)空間は日本にしかないと観念するというような書きぶりでした。なかには「島国日本の古来からの儀式に思いをはせた」というコメントもあり、これはなかなか鋭いと思いましたね。

英語の記事でいうと、日本で発行されている「WAttension」というフリーペーパーの記事が詳しかったです。きっと海外から来た先入観たっぷりの記者ではなく、日本に住んである程度日本の文化状況に詳しい記者が書いたからではないでしょうか。

WAttension
http://www.wattention.com/

唯一、香港の記事もありましたが、正直いってつまらない内容ですね。もちろん、アジアにもオタクはいるのは確かですが、かの国々のメディアの人たちは、戦後いやというほどアメリカンカルチャーを吸収しつくして開花した日本のポップカルチャーに対する理解、そもそもの現代日本の文化的背景について、まだまだ認識が足りない気がします。きっとまじめすぎるんですね。

「另類日本遊」
壹週刊(香港)2013年10月3日
http://hk.next.nextmedia.com/article/1230/17068490

とはいえこれをもって、ロボットレストランに対する海外メディアの反応は「Cool Japan」だなんて、言っちゃダメだと思います。いえ、まあ言いたきゃ言ってもいいけど、最近このことばがとてもカッコ悪く聞こえるからです。

自己陶酔的なものを感じ、ちょっと引いてしまうのです。だって、もし誰かから「キミ、クールだね」って言われたとしても、そんなのスカして無視するのがフツーでしょう。「ボクってクールでしょ」なんて自分から言うのは、断然カッコ悪いと思う。

ショーが終わったあと、ある西洋人のカップルの若い男性が思わず興奮気味に上げた声が印象的でした。「なんてcrazyなんだ!」。そうです。そういう率直な感想でいいんです。

実は、昨年7月、ロボットレストランがオープンした直後、日本の雑誌メディアもずいぶん取材に来たそうです。その内容については、公式サイトで見ることができますが、ざっと見た感じ、単なるキワモノ扱いなんですね。そういう見方しかできなかったため、日本人の来店は少なかったのではないでしょうか。

ロボットレストラン公式サイト
http://www.shinjuku-robot.com/pc/top.php

ロボットレストランの広報担当者によると、「日本のテレビの地方局に出させていただいこともありましたが、日本ではまだうちの認知度が低いと感じた」そうです。

でもこの日本のメディアの不感症な感じ、よくわかるんです。ロボットレストランの面白さをどう理解していいかわからなかったのでしょう。

それは彼らが外国を旅する人の気持ちを理解していなかったからだと思います。

それはこういうことです。アジアのナイトライフには、バンコクやマニラにあるようなお色気たっぷり、乱痴気騒ぎが付き物です。その世界は、欧米メディアの記者だってよくご存知のはず。しかし、いまの東京にはそういう見世物的な空間が意外に少なかった(外国人が気軽にアクセスできる場所という意味です)。

旅に出ると、人は非日常に惹かれます。だから、ふだんはそんないかがわしい場所に行かないような人でもゴーゴーバーに繰り出すものです。

ロボットレストランはまさにそんな非日常の世界でしたから、欧米客は一斉に足を運んだのです。確かに露出は激しいけど、ニッポンの女の子はどこか幼さも感じられて、セクシーさもきつくない。カップルで訪れた欧米の女性もなんだか許せる気がしたのではないでしょうか。

大澤さんは言います。「なぜ歌舞伎町にオープンしたかというと、日本の疲れたサラリーマンを私たちのダンスで元気づけよう」と。でも、ちょっと内容がぶっ飛び過ぎていたのです。だから、サラリーマンにはウケなかったものの、非日常を求めていた欧米客にウケたのです。

店の外では、欧米客がチケット売り場に並ぶ姿が見られますが、まるでバンコクのパッポン通りのようではないですか。
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今回、ロボットレストランを訪ねて思ったのは、西新宿の焼肉屋『六歌仙』と似ているなあということです。タイ人観光客に大人気の店です。似ているというのは、この店もまったく外国人受けを考えておらず、自らの正しいと信じる道を歩んでいて、それを評価した外国客の口コミで人気となったことです。

訪日外客の誘致も、このあたりにひとつのヒントがあるのかもしれません。

最後に、ロボットレストランの宣伝カーを紹介しましょう。ぼくも新宿3丁目界隈で、この宣伝カーを何度も目撃していました。今では都内のけっこういろんな場所で見られるそうです。2体の「ロボコ」が街を凱旋するきてれつぶりがいいですね。
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そして、㈱ジョセンミュージアム取締役社長兼ダンスチーム女戦(josen)のリーダーで、ショーの演出・構成を手がける大澤奈美恵さんのここだけの個人情報。出身は埼玉県で、前職はアパレルショップで働いていたそうです。とても可憐なニッポン女子です。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-16 11:32 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)


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