2014年 04月 13日

ラオスと北朝鮮の国章はよく似ているけれど……

国章(ナショナル・エンブレム)とは、国家を象徴する紋章や徽章のことで、その国の歴史や風土、政治、文化などを表現しているといいます。一般に国旗よりもデザインが複雑で、英国のライオンやドイツの鷲のように、動物をメインモチーフとして描くこともあります。

2013年8月、ぼくは縁あってラオスと北朝鮮を訪ねたのですが、そこで発見したのは両国の国章がよく似ていることでした。

上がラオス、下が北朝鮮の国章です。
b0235153_1536210.png

b0235153_15361959.png

ラオスの国章には、中央に黄金のパゴダがあり、その他の図柄のモチーフは水力ダムや道路、動力などの近代産業技術と、水田や穀物など農業に関係したものです。

北朝鮮の国章も、中央には「紅星」が掲げられていますが、その他の図柄のモチーフは水力ダムと穀物です。背後に見える白い山並みは白頭山のようです。

図柄が似ているのは、両国ともに社会主義国家であるという思想背景によるのでしょうが、特にラオスでは政府関係の建物には必ずといっていいほど国章が描かれているので、目に焼き付いてしまいました。
b0235153_1544543.jpg

いくつか撮影したのですが、よく見ると、色の描き方など手抜き(?)バージョンもあるようです。それでも、ラオスの国章は、国柄によく合っていると思いました。

今回あらためて思ったのは、両国はともに中国と国境を接する小国家であるにも関わらず、中国に対する姿勢や関係性はずいぶん違うように見えることです。

地方都市を走る道路などのインフラ建設は、両国ともに中国の投資に頼って進められています。とりわけラオス北部はほとんど中国のフリーハンドで開発が進められているようだったのが印象に残りました。北朝鮮でも、東北部の羅先地区の自動車道路は、港湾施設を中国に提供することを条件に、中国につくらせていました。今年の粛清騒動でその先どうなるかわからなくなりましたけれど。

ちなみに、両国について簡単に記しておきます(外務省HPより)。

●ラオス
面積:4万平方キロメートル
人口:約651万人(2012年,ラオス統計局)
GDP(名目):72兆7,274億キープ(約91億米ドル)(2012年,ラオス統計局)
主要援助国
(1)日本(2)オーストラリア(3)韓国(4)ドイツ(5)スイス(2010年,OECD/DAC)
※中国がラオスに対して行った道路建設や経済開発区の投資は、政府援助ではないため、ここには入らないのでしょうが、実際にはラオス社会への影響力は、断然中国が大きいといえそうです。

●北朝鮮
面積:12万余平方キロメートル(朝鮮半島全体の55%)(日本の33%に相当)
人口:約2,405万人(2009年10月,国連人口基金)

こうしてみると、ラオス一国ですら、中国の地方都市の人口規模にすぎないことがわかります。こういう小さな国が中国と対等に渡り合うなんてありえないのは無理もないでしょう。それを考えると、ある意味北朝鮮はすごいもんだと思ってしまいます。

最後に、インドシナ諸国の国章を挙げてみます。それぞれ違うのはもちろんですが、中国との距離感が図柄に微妙に反映されているように見えるところが面白いです。これらと比べると、いかにラオスと北朝鮮の国章が似ているか、わかっていただけると思います。
b0235153_1651885.png

ベトナム
b0235153_165314.png

カンボジア
b0235153_1654656.png

タイ
b0235153_166075.png

ミャンマー
[PR]

by sanyo-kansatu | 2014-04-13 12:34 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)


<< ゴーストタウンと化していた中国...      インドシナ3カ国が接するゴール... >>