ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2014年 04月 19日

タイの日本旅行番組『MAJIDE JAPAN』の影響力はマジですごいらしい

前回(タイ人留学生とお土産談義~なぜ日本の文房具は人気なのか?)の留学生のコメントにもあったように、タイではさまざまなメディアで盛んに日本旅行を後押しする企画が登場しているようです。では、具体的にはどんな内容の作品なのでしょうか。

参考になるのが、今年2月に開催されたタイのトラベルフェアに合わせて、日本政府観光局(JNTO)バンコク事務所が実施した訪日ツアーを精力的に販売した旅行事業者や、訪日観光に貢献した個人・団体を表彰する「Japan Tourism Award in Thailand」です。2月21日、トラベルフェア会場となるバンコクのシリキット国際会議場で4 回目となる表彰式が行われています。

以下、同事務所の2月24日付けリリースをもとに、「訪日観光に貢献した個人・団体」の受賞者を紹介します。タイのトップスターから映画、テレビ番組、CMなど、実に多様なメディアが受賞していて、興味深いです。それぞれ動画もリンクしているので、作品の概要もわかるようにしてみました。

●Thongchai McIntyre (Bird)/ トンチャイ・メーキンタイ氏

「タイ人なら知らぬ人のいないタイの国民的スター。タイのエンターテインメント界を代表する存在として、デビュー以来約30 年近くにわたり、俳優・モデル・歌手として活躍している。俳優としての代表作は、主役である日本人将校『小堀』役を演じたテレビドラマ『メナムの残照(クーカム)』(1990 年)、同名映画(1996 年)等。歌手としてもヒット曲が あるが、東日本大震災支援のためチャリティーソング『明日のために』をリリースし、タイにおける大震災復興支援に大きく貢献した。2013年は2月にHBC国際親善広場大使として第64回さっぽろ雪祭りへ参加。3月には沖縄県の招請により、人気女性誌『Praew』の表紙撮影のため、沖縄を訪問。また11月にはタイ代表として東京で開催された『日・ASEAN音楽祭』へ参加する等、彼の日本での活動の様子がタイでも大きく報じられ、タイにおける訪日機運を大きく盛り上げた」(リリースより)。

トンチャイ・メーキンタイさんといえば、「バード」の愛称で知られる国民的歌手です。1990年代にタイを訪ねた頃、よく街に流れていたことを思い出します。彼は東日本大震災のためのチャリティーソングを歌っていたのですね。以下、その曲の動画です。一部日本語でも歌っています。

อีกไม่นาน (明日のため) - Bird Thongchai
https://www.youtube.com/watch?v=9EmtcjNuLac

これは昨年11月、日・ASEAN音楽祭で歌うトンチャイさんです。

Bird Thongchai - ASEAN-Japan Music Festival 2013
https://www.youtube.com/watch?v=Q1KMd2Paki0

今回の「Japan Tourism Award in Thailand」表彰式 のために寄せられたトンチャイさんの受賞メッセージが、日本政府観光局バンコク事務所のHPのトップページに掲載されています。タイ語のサイトですから、一瞬面食らいますけど。

トンチャイさん受賞メッセージ
http://www.yokosojapan.org/
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「Praew」 2013年 5月 10 日号沖縄特集表紙

●Charoen Pokphand Foods Public Company Limited

「1978年に創業したジャルン・ポカパン・フード社(C.P.Group)は、現在タイを代表する食品企業であり、世界有数のアグリビジネス企業として、海外でも広く活動を展開している。タイ国内では、常に巧みな消費者向けキャンペーンを実施しているが、2013年の『CP Surprise!』プロモーションでは、同社の加工食品を購入すると、日本行きのツアーが当たるというもので、日本をイメージさせながら消費者の興味をそそる同社の広告は、街の話題となり、同社のプロモーションの成功は、2013年のタイの訪日市場に大きな影響を与えた」(リリースより)。
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以下の動画はタイのテレビで放映された同社のCMフィルムです。これもタイ語なので、何を言っているのかわかりませんが、コミカルな雰囲気は伝わってきます。

CP Surprise!
https://www.youtube.com/watch?v=d5zOEexrraU

●タイ映画『Hashima Project』

「2013年10月に公開されたタイのホラー映画『Hashima Project』(配給:M39制作:ForFilm)は、映画のタイトルとなったハシマが、長崎県内に実在する歴史的廃墟の端島(別名:軍艦島)であり、実際に端島で撮影が行われたことでも大きな話題を呼び、最終的な興行成績は4000万バーツ(約1.2億円)となった。同映画の長崎ロケを支援した長崎県の観光プロモーションに映画製作チームが積極的に協力した結果、ロケ地を訪れたいと実際に軍艦島に足を運ぶタイ人も増えており、軍艦島訪問を含むツアーも造成されている」(リリースより)。
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以下は、同映画のプロモーションフィルムです。

ตัวอย่าง ฮาชิมะ โปรเจกต์ - Hashima Project [Official Trailer HD]
https://www.youtube.com/watch?v=jQ8ZaSlVBtg

タイ人の若い男女5人のグループが、超常現象を撮影しようと長崎県の軍艦島(端島:ハシマ)を訪ねるという設定です。吹き替えや字幕はないため、これも内容を詳しく知ることはできませんが、タイ人にこれまでまったく無名だった「軍艦島」の存在を認知させたことは確かでしょう。

地元紙は、同映画のロケについて、以下のように伝えています。

タイ映画、長崎市でロケ 平和公園、軍艦島などで撮影(西日本新聞2013年5月1日)

長崎市を舞台にしたタイ映画「PROJECT H」のロケが市内であり、4月18日に平和公園(同市松山町)の平和祈念像前で冒頭シーンの撮影が行われた。

監督はピヤパン・シューペット氏(42)で、インターネットで見た端島(通称・軍艦島)を一目で気に入り、長崎ロケを決めたという。県観光連盟は昨年10月、タイ側からのロケ協力の呼び掛けに応じて、長崎市と計約250万円の滞在費助成をした。同連盟の土井正隆専務理事は「映画を通して長崎をPRし、タイからの観光客を増やしたい」としている。

9月にタイで上映予定の映画は、動画サイトなどに投稿するのが趣味の主人公が、仲間5人で軍艦島に撮影に訪れるという内容。主演は日本で「Kitty GYM(キティジム)」の名でデビュー経験もあるピラット・ニティパイサンクンさん(24)。「長崎は初めてだが、景色がとてもきれい。たくさんの人に映画を見てもらいたい」と笑顔で話していた。

世界遺産申請などの話題も出てきた軍艦島ですが、最近は海外からの観光客も訪れているそうです。軍艦島には、以下の航路があるようです。

軍艦島上陸クルーズ
http://www.gunkan-jima.net/

●テレビ番組『MAJIDE JAPAN』

「昨年4月よりBang Channelで毎週木曜夜11時から放映されているテレビ番組『Majide Japan』は、訪日観光に特化して、魅力的な観光地や、観光地へのアクセス方法をタイの視聴者に紹介している。レポーターのウムさんは、中国地方(鳥取、岡山、山口など)や鹿児島、新潟、群馬など、まだタイ人に知られていない日本各地の知られざる観光地を訪れ、個人旅行者向けのアクセス情報も含め、詳細かつ楽しくレポートしているため、番組で紹介した観光地を訪れるタイ人観光客も増えている」(リリースより)。
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これがタイ人留学生モンティチャーさんの教えてくれた日本旅行バラエティ番組です。彼女によると、『MAJIDE JAPAN』の影響力は「マジですごい」らしいです。以下のYou Tubeの動画で彼女もたまに見ているそうです。ちなみにMCのウムさんはおなべだとか。いかにもタイらしいですね。

MAJIDE JAPAN
https://www.youtube.com/watch?v=AskZIWDlpIQ&list=PLRVsMETJm4bXsotg7I45xLtG7famnJI9D

もともとタイでは、日本のテレビ局から版権を買って深夜枠でグルメ番組や旅行番組を毎日のように流していたそうですが、最近は自前の番組も増えているそうです。タイ語がわかれば、出演するタレントさんたちが、日本の何に驚き、面白がっているのか、わかって面白いでしょうね。それがどんなタイ人誘客のヒントにつながるかもしれません。

実は、モンティチャーさんに内容を紹介してもらった旅行ガイドブック『一人でも行ける日本の旅(Japan ญี่ปุ่น คนเดียวก็เที่ยวได้)』は、昨年の「Japan Tourism Award in Thailand」受賞作でした。今年も以下の2冊が「訪日旅行の促進に貢献した旅行ガイドブック」として受賞しています。

●ガイドブック『ガイドやツアーに頼らずに歩く日本(ญี่ปุ่น เที่ยวไม่ง้อไกด์ ไปไม่ง้อทัวร์)』
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「ガイドブック『ガイドやツアーに頼らずに歩く日本』(2013年8月Tip Thai Interbook社より発行)は、日本へ旅行する際に必要な情報を、様々な角度から紹介しており、例えば、東京周辺を5日で旅行する場合、何を用意すればよいか等の情報も網羅している。著者のポンサコーン・プラトゥムウォンさんは、今まで何度も日本を訪れ、数冊のガイドブックを執筆しているだけでなく、3年間日本へ滞在した経験を持つ。著者の詳細な観光案内と豊富な写真により、特に初めて日本を訪れる観光客にとって、非常に役立つ内容となっている」(リリースより)。

●ガイドブック『123美味しい関西(123 อิ่มอร่อยคันไซ)』

「2013年8月に出版されたガイドブック『123美味しい関西』は、大阪、神戸、京都、奈良を中心とする関西地域のレストランについて、寿司、ラーメン、カニ料理、ベーカリーから懐石料理に生鮮市場まで、幅広いジャンルの店を紹介している。著者であるピムマライさんは、自らすべての店を取材し、写真撮影と執筆を担当した。タイでは、まだ日本のレストランガイドは少なく、同ガイドブックは、日本を自分の足で旅行し、美味しい店を自分で選んで訪れたいというタイの個人旅行者のニーズに合致した内容となっている」(リリースより)。

上記2冊はまだ入手していませんが、さまざまな角度から日本旅行を面白がってやろう、楽しんでやろうという意欲を感じさせる企画が、次々と登場するのがいまのタイです。機会があれば、これらの本もどんな内容なのか、確かめてみたいと思っています。
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by sanyo-kansatu | 2014-04-19 11:24 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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