ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2014年 05月 05日

金剛山で見かけた朝鮮の人たちの階層は?(可視化される階層差)

金剛山に滞在中、出会ったり、見かけたりした地元の人たちを紹介しようと思います。

とはいえ、金剛山にいたのは実質1泊2日。しかも定められたスケジュールで動くしかないという状況の中では限界があります。
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そんな中でも最も印象に残ったのが、金剛山で会った朝鮮の若い女の子の登山グループでした。あらためて写真を見返すたび、こんなにみんなが一斉に目を輝かせている姿というもの自体、すごく新鮮に思いました。だってこの子たち、山を歩いて岩を眺めているだけなんですよ。すれていないということなんでしょうけれど、そうでもないのかな。
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左の女性が地元のガイドさんです。実は、こんなことがありました。金剛山からの帰り際、我々の同行者だったある朝鮮族の中国人が、バスを降りて別れを告げる彼女にチップを渡そうとしたんですが、バスの中でこっそり渡せばよかったものを、拒む彼女に無理やり渡そうとしてバスの外で渡してしまったのです。

中国社会ではチップにせよなんにせよ、金払いは人に見せることに意味があります。しかし、ここ朝鮮ではガイドが個人的にチップを受け取ることはNGのようで(もちろんこっそり渡すのは問題なし)、彼女は受け取りを拒み続けたのです。なぜなら、バスの外は金剛山観光案内所の前で、人目につく場所だったからです。でも、彼は拒む彼女に無理やりチップをつかませました。中国社会を生きる彼にとって面子にかかわる問題だからでしょう。

結局どうなったかというと、彼女が観光案内所に歩いていくと、上司らしき男性が現れ、叱責されてしまったのです。チップもきっと没収でしょう。なかなか難しいものです。日本人にとってもそうですが、中国人にとっても朝鮮社会の常識をふまえて行動することは簡単ではないようです。彼は朝鮮族でしたが、それでもそうなのです。
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彼女は金剛山登山の入り口にある木蘭館レストランのウエイトレスです。
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このふたりは、屋台の調理人。こうしてみると、観光がいかに地元の雇用を生んでいるか、よくわかります。
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金剛山ホットスパの服務員です。

なんでも金剛山には、以前は中国の朝鮮族の従業員が多く働いていたそうです。韓国客が来なくなったいまはほとんどいないと思われますが、金剛山が一時期中国の朝鮮族にとって出稼ぎの場所になっていたというのです。彼らと北朝鮮の従業員を見分けるのは簡単で、胸に赤いバッジをつけているかどうかだそうです。
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彼女は金剛山ホテル12階カラオケラウンジの服務員です。女性ばかりになるのは単にぼくの趣味の問題ではなく、結局この国で外国人が身近に接することができるのは、外国人を接遇する女性だからです。
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一方、こちらは路上で見かけた朝鮮の子供たちです。「三日浦9km 金剛37㎞」という道路標識がありますが、ここでいう「金剛」は何を指すのかわかりません。
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中国製の安い衣料が大量にこの国に入っているせいか、中国の子供たちと見かけは変わりません。ただいまどきの中国の子供は布靴ではないと思うので、そこが違うかもしれません。
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そうかと思うと、バスの車窓から柴を背中に負った少年ふたりを見かけました。歴然とした階層差が可視化される社会となっていることがわかります。
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帰宅する労働者たちです。自転車に乗る人はいても、自家用車に乗る人はいないようです。
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かなり老朽化した自転車に荷物を積んでいます。
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三日浦の近くで見かけた牛をひく農民です。
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これは金剛山にローラースケート場をつくるということで、地元の軍人や労働者が働いている光景です。
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こちらは金剛山から少し離れますが、待中湖海水浴場近くで見かけた労働者です。

これらの写真は、ガイドさんから何度も「撮らないでください」と言われながらも、隙を見てこっそり撮ったものです。そんなにうるさく言われたわけではありませんが、ガイドさんから見て我々に撮ってほしくないのは、労働者の写真のようでした。

確かに、彼らの浅黒く日焼けした表情は、平壌で暮らすガイドさんたちから見ても、別世界の住人です。彼らの存在、すなはち階層社会の実態を外国人には知られたくないという思いがきっとあるのでしょうね。
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by sanyo-kansatu | 2014-05-05 22:12 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)


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