2014年 05月 06日

元山松涛園海水浴場とビーチパラソル、踊る朝鮮娘たち

北朝鮮観光につきものの、革命歴史博物館をはじめとした対外プロパガンダ施設見学や少年少女らによる舞踊&歌唱ショー、さらには10万人規模の市民動員によるド派手なマスゲーム。いまや北朝鮮名物として広く知られるようになったこれらの各種アトラクションは、もはや外国客にある意味“想定内”の印象しか残さないのではないでしょうか。

それに対して、この国のふつうの人たちが休日に行楽地に繰り出し、レジャーを楽しむ姿を目にすることほど、興味を引くものはありません。

今回その思いをいちばん強くしたのが、元山松涛園(ソンドウォン)海水浴場の光景でした。
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元山は朝鮮の東海岸側最大の港湾都市で、人口は約30万人。元山市内の北の海辺に位置するのが元山松涛園海水浴場です。白い砂浜や赤いハマナス、青い松林が広がっています。その日は、8月最後の日曜日ということもあってか、多くの海水浴客が繰り出していました。砂浜にはビーチパラソルが並んでいます。
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家族連れや若者のグループなどがビニールボートを浮かべて遊んでいます。
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沖には飛び込み台もあり、男たちが群がるように集まっています。
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ビーチバレーに興じるグループもいます。
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さすがにビキニ姿の女性は見かけませんでしたが、グラマラスなふたりの水着美女もいました。
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休憩施設もあり、浮き輪やビニールボートをレンタルしてくれます。
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レストランもあります。
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砂浜のそばには松林が広がっていて、飲み物やお菓子を売る屋台も出ています。
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焼肉バーベキューを楽しむグループがいました。我々が外国人だとわかったせいか、手を振る陽気さです。男性こそ白い下着のようなシャツ姿ですが、女性たちはそこそこおしゃれしているように見えます。
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松林ではあちこちでバーベキューをしているグループがいますが、なかには歌い、踊り出してしまう人たちもいます。お酒を飲んで気分がよくなったおじさんたちだけでなく、若い娘さんたちも踊り出します。それぞれ短いワンショットですが、動画もどうぞ。

朝鮮元山松寿園海水浴場、踊る人々1  
朝鮮元山松寿園海水浴場、踊る人々2  
朝鮮元山松寿園海水浴場、踊る人々3  

我々外国人グループはここで1時間ほど休んだあと、金剛山に向かいました。途中、進行方向左手(東側)に美しい海岸線が続いていました。
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この海沿いの雰囲気は、日本の日本海側の海岸線によく似ています。日本海側の海は日中、太陽を背にしているので、太平洋のように水際がきらきら輝いたりしないぶん、水平線がくっきりと見えます。何より白い砂浜が延々続く光景が日本海側の夏の海そっくりです。

元山から金剛山に向かう中間あたりに位置するのが待中湖です。ここは泥風呂の療養所が有名だそうですが、海水浴場もあります。
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待中湖海水浴場にも赤青黄白のビーチパラソルが並んでいました。
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砂浜にはゴミはほとんど落ちていません。北朝鮮に来て最初に驚いたのは、街がとても清潔だということでしたが、これほどゴミのない海水浴場は日本にもないのではないでしょうか。
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家族連れです。ビールやペットボトルの空き瓶が見えます。
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今回一緒に金剛山に向かう欧米客の何人かは、たまらなくなったのか、海に入っていました。気持ちはわかります。前のふたりはロシア人でしょうか。
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休憩所では、中国客たちがビールを飲んでいました。
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ぼくも1本頼むことにしました。「鳳鶴麦酒」だそうです。
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これは海水浴場の入場料や各種レンタル料金表でしょうか。入場料(大人)280(小人)70 パラソル140 椅子70 などと書かれています。ユーロ表示も併記され、ヨーロッパ客の存在をうかがわせます。 
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この写真は、金剛山から戻ってきた2日後の朝の待中湖海水浴場です。すでに8月末で、白い波が立っていました。日本海ではお盆を過ぎると波が立つといわれますが、その感じもそっくりです。

ところで、最近よくテレビの報道番組で、平壌にできた新しいプールや水族館などのレジャー施設の映像が配信されていますが、どう見ても「特権階級」向けという印象が拭えませんでした。でも、元山の海水浴場でくつろぐ朝鮮の人たちは、ふつうの市民のように見えます。

もっとも、元山の政治的位置づけからすると、そうともいえないという見方もあります。そもそも元山市民は、平壌市民と同様に、この国では特別な存在であり、生活水準も他の地域と違って、そこそこ豊かそうに見えるのは政策的な結果にすぎないのだと。

あるいは、こんなことも思わないではありません。もしかしたら、この海水浴場にいる人たちは、外国客80名のグループの元山訪問のために動員されたものではないか……。平壌のマスゲームのために駆り出される10万人の市民を思うと、これも壮大な演出なのではないか、なんてね。

それは考えすぎだとは思いますが、外国人にそういう疑心暗鬼を与えてしまうのは、日本も含めた海外メディアの印象操作の影響なのか、それとも彼らの「見せたいものしか見せない」というふだんのやり方にそもそも問題があるのか。きっと両方あるのでしょう。

※日本とゆかりのある朝鮮第2の都市、元山のことが少し気になる理由 http://inbound.exblog.jp/22570022/

いずれにせよ、8月最後の日曜日、北朝鮮のある行楽地でこうしたレジャーシーンが見られたことは、知っておいていいかもしれません。

ところで、以下の2枚の写真は1930年代に撮られた元山松涛園海水浴場と松林の光景です。
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当時、同じ場所で人々は海水浴を楽しみ、テントを張ってハイキングをしていたのです。これも知っておくべきだと思います。
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by sanyo-kansatu | 2014-05-06 14:14 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)


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