2014年 06月 09日

ベトナムからの日本ツアーは6泊7日1600ドルが相場(アセアン・インドトラベルマート2014その1)

6月3~4日にパシフィコ横浜で開かれたインバウンド商談会「Japan Asean+India Travel Mart2014」に行ってきました。
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観光庁と日本政府観光局が主催する今年で2年目のイベントです。東南アジアやインドからの訪日旅行市場の拡大のため、これらの国々から海外旅行を扱う旅行会社(バイヤー)を招聘し、日本からはホテルやレジャー施設などの観光素材を提供するセラーが集まり、合同商談会を行います。公式サイトによると、国内セラー約200社、海外バイヤー約150社(タイ30社、シンガポール10社、マレーシア20社、インドネシア30社、ベトナム20社、フィリピン20社、インド20社)が参加したそうです。

Japan Asean+India Travel Mart2014
http://www.j-asean-india-tm.jp/j

昨年から政府が取り組んできたアセアン諸国に対する観光ビザ緩和により、東南アジアからの訪日客が増えています。

2013年のアセアン諸国の訪日外客数(JNTO統計による)

タイ 45万3600人
シンガポール 18万9200人
マレーシア 17万6500人
インドネシア 13万6800人
フィリピン 10万8300人
ベトナム 8万4400人

2014年6月現在、タイとシンガポール、マレーシアの観光ビザが免除されていますが、7月からインドネシア、フィリピン、ベトナムの免除もいまは報道レベルですが、始まりそうですから、この地域からの訪日客の増加はさらに拍車がかかるものと思われます。
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会場に入ってみましょう。天井の高い展示場スペースに、バイヤーとセラーが分かれてデスクとブースが並び、事前にアポイントを入れた相手と20分刻みで商談をします。
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ある人の紹介で、ベトナムから来たハノイツーリストのLuu Duc Ke社長に話を聞くことができました。社長によると、ベトナムからの日本ツアー(東京・大阪ゴールデンコース)は6泊7日で1600ドル(3つ星ホテル利用)~2000ドル(4つ星ホテル利用)が相場だそうです。ベトナムの旅行シーズンは4月と6月(夏休み)、10月だそうです。昨年8万人を超えた訪日客ですが、今年は12万人を超えるだろうとのこと。7月に観光ビザが免除されれば、さらに増える可能性があるそうです。
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ハノイツーリスト
http://www.hanoitourist.vn/

同社の海外旅行ツアーパンフレット(ベトナム語)をいただきましたが、日本ツアーで掲載されていたのは東京・大阪ゴールデンルートのみでした。社長によると、これまでベトナム人の海外旅行先として人気の高かったタイでクーデターが起き、中国とは関係悪化したことから、2国を避ける動きが強まっているそうです。
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ベトナムにはまだ日本政府観光局事務所はありませんが、レップ(代理事務所)を務めるNhan Phuong代表は次のように語ります。
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日本政府観光局ベトナム代理事務所
http://www.jnto.go.jp/vietnam/

「現在、ベトナム人はアセアン10カ国のみビザ免除されています。台湾や香港、韓国でもまだビザが必要ですから、もし日本で免除となれば、間違いなくベトナム人は日本へ行きたいと思うはずです。日本の魅力は桜や紅葉に代表される自然の美しさ、近代的でありながらとても清潔な国であることです。日本料理も食べたいし、買い物もしたい。ベトナムの経済水準はまだ低いので、リピーターが現れるようになるにはまだ時間がかかりますが、いまのベトナムには日本に行きやすい環境が整い始めています。

今回、ベトナムの旅行関係者はファムトリップで医療機関を視察しました。訪ねたのは、大阪のりんくう総合医療センターや葉山ハートセンターなどです。これまでベトナムの富裕層は医療観光の場合、タイやシンガポールに行く場合が多かったのですが、今回日本の進んだ医療機関を視察してわかったのは、少なくともシンガポールと比べると日本の治療費はそれほど高くはないということです」

現在、日本・ベトナム間には成田・関空からハノイ・ホーチミンに毎日フライトがあり、7月16日からベトナム中部のダナン・羽田線が就航予定です。実は6月4日、ベトナム政府観光局の東京事務所が開設されました。ベトナムとしては世界で初めてのことだそうです。

Nhan Phuong代表は、ベトナムの訪日旅行を後押しする背景として、こんなことも話してくれました。

「政治的なことは多く語りたくありませんが、いまベトナムでは中国に対する反感が高まっています。ですから、ベトナム国内にあふれる中国製品を排斥する動きも強まっています。日本の周辺は反日国と親日国がはっきり分かれていますが、ベトナムは親日以上、尊日の国です。まだまだ時間はかかりますが、もっと多くのベトナム人が日本を旅行できるようにしていきたいし、日本の方もベトナムに来ていただきたいです」

彼の話によると、来日したベトナム人が家電量販店で電気製品を購入しようとしたとき、あまりのメイドインチャイナの氾濫ぶりに唖然とするそうです。せっかく日本に来た以上、メイドインジャパンを買いたいのに、と思ってしまうとか。家電量販店の販売員さんは、相手がどこの国の人かによって、商品の薦め方を変える必要がありそうです。またベトナム人は最近、日本の健康食品も購入するそうです。プロポリスや美白化粧品なども人気で、100円ショップにも必ず行くとか。アジアではどこの国も同じようなショッピング行動が見られるのですね。

気になったのは、今春観光バス不足のため、台湾客を中心に訪日ツアー中止が頻発しましたが、ベトナムでも同様のことが起きていたようです。ベトナムでは、まだ日本の国内事情が知られていないせいか、問題化はされていませんが、ベトナムの旅行シーズンである4月と10月は、バスはもちろん、ホテルの客室がきわめて取りにくいと前述のハノイツーリストのLuu Duc Ke社長も話していました。

バスやホテル不足のため、アジア客の訪日をお断りするような事態が今後も起きそうです。これは大変気がかりな話です。
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by sanyo-kansatu | 2014-06-09 08:49 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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