ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

inbound.exblog.jp
ブログトップ
2014年 10月 24日

円安明暗くっきり 外国人旅行者増加 貿易赤字拡大

10月22日に発表された恒例の日本政府観光局(JNTO)の月別訪日外客数統計をうけ、朝日新聞2014年10月23日はこう報じています。

2014年9月訪日外客数統計
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/141022_monthly.pdf

「円安明暗くっきり 外国人旅行者増加 貿易赤字拡大」

「日本政府観光局が22日発表した4~9月の訪日外国人は686万人で、過去最高だった前年の同じ時期を25.3%上回った。この1年で1ドル=98円台から107円前後に進んだ円安を追い風に、9月は韓国、中国、米国など16の国と地域からの訪日客が過去最高に。買い物目当ての人が多い中国人客が、全体の数字を押し上げた」

「外国人の増加は、4月に消費税率が8%になって鈍りがちな国内消費には、数少ない明るい材料だ」

「日本銀行の試算によると、近畿地方では今年度、百貨店の売上高に占める外国人客の割合は3.6%、家電量販店が3.4%で、いずれも11年度の2倍以上になったという」

「だが、外国人客の恩恵は全国どこでもとはいかないようだ。日銀が各支店に聞いたところ、「観光客の数が増えているのは一部にすぎない」(釧路、新潟、甲府支店)との声があった」

記事のポイントは、①円安を背景に今年も過去最高の訪日外客数となりそうなこと。②一方、外客の消費力がとかく喧伝されるわりには、百貨店や量販店などでも外国人比率はようやく3%越えした程度であること(もちろん、国内消費が減っているぶん、それを補ってくれる存在という意味で期待されるのは当然のことですけれど)。③恩恵を受けているのは、全国でも一部の大都市圏に限られていること、でしょうか。

さらに、同紙はこう述べています。

「貿易統計(速報)では、輸入額が輸出額を上回る貿易赤字は上半期としては過去最大の5兆4271億円だった」

「原発が止まって火力発電の燃料の輸入量が増えた一方で工場の海外移転が進み、円安が追い風になるはずの輸出量が伸びず、赤字が膨らむ」

「円安明暗くっきり」とはこのことです。

「日本と海外のお金の出入りの全体像を示す財務省の国際収支をみると、今年4~8月に訪日外国人が日本で使ったお金は8千億円余りで、10年前より5割超増えた。日本人旅行者が海外で使ったお金と差し引く「旅行収支」はこの10年で1・1兆円余り改善した」

ここでいう「1・1兆円」は、いまだに外国人が日本で使うお金より、日本人が外国で使うお金のほうが多いという意味です。

「同じ時期の貿易収支は4.9兆円の黒字から4.5兆円の赤字に9兆円も悪化。日本と海外のお金の出入りの帳尻を示す経常黒字大きく減らす原因となっている」

はたして円安は日本経済にとっていいことなのか? 誰の立場でみるかによっても結論は変わってくるのでしょうが、訪日外国人の増加の恩恵を経済効果としてみるだけでは判断を誤ると思います。むしろ円安でも輸出が増えない現在の日本経済の構造問題について議論を深めてもらいたいものです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2014-10-24 09:29 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)


<< 拉致協議と北朝鮮ツアー解禁      今年の国慶節はそれほど多くない... >>