2014年 12月 02日

中国のクラシック音楽ファンも気に入ってくれた名曲喫茶ライオン

昨日(12月1日)、中国黒龍江省のハルビンから弊社の提携先の旅行会社のスタッフが来日しました。

訪日中国旅行市場が拡大基調にあるなか、来年に向けたツアー企画と造成のため、新しい商材やコースを視察するのが目的です。いよいよ東北地方の奥地の(失礼!)黒龍江省の人たちも日本旅行に目覚めつつあるのです。

〔検証〕1300万人突破か!? 今年の訪日外国人旅行者数は何が押し上げたのか
http://inbound.exblog.jp/23802776/

今回、彼らは新潟、東京、飛騨高山、大阪を訪ねる約1週間の出張だそうです。

さて、ハルビンから来た黒龍江省新世紀国際旅行社の呼海友さんは、ジャパンレールパス(1週間のJRフリーパス)を持っていました。のぞみ以外は新幹線も利用できるそうです。我々がヨーロッパでユーレイルパスを使うのと同じですが、東京の山手線や大阪の環状線も乗り放題で2万9110円とは便利でお得ですね。

半日都内を案内したのですが、彼のリクエストは「東京でクラシック音楽体験できるスポット」でした。彼はクラシック音楽好きで、ハルビンに多くの同好の士がいるため、彼らを東京に連れてきて案内したいんだそうです。

はてさて、どこに案内すればいいのか?

呼さんもそれなりにネットで下調べしていて、「名曲喫茶というのが日本にはあるそうですね」と言います。「よく知っていますね。でも、あそこは実際の演奏ではなく、巨大な音響装置で音楽を聴く場所なんですよ」。

その意味をどこまで彼は理解したのかわかりませんでしたが、渋谷の百軒店にある名曲喫茶ライオンに連れていくことにしました。

この古風で時代がかった喫茶店に来るのはぼくもひさしぶりです。パイプオルガンに見立てたような巨大なスピーカーがドーンと鎮座する不思議な空間が現れました。
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名曲喫茶ライオン http://lion.main.jp/info/infomation.htm

「どうですか?」
「面白いですね。こういうのは中国にはありませんから」
「そうでしょうね。だってここは50年くらい前から時間が停まっているようなスポットですから……」

午前中だったせいか店内に客は少なかったのですが、なかには原稿用紙を広げ、執筆をしている男性などもいたので、「ここは静かに過ごせるので、ひとりで来て何時間も過ごしていく人も多いんですよ」。

せっかく百軒店に来たので、クラシックは聴けないけど、TSUTAYAのライブハウスやミニシアターのユーロスペース、文化村などにも足を運びました。帰り際に百軒店の門の手前の道頓堀劇場の小道を通ったので、「ここストリップ劇場なんですよ。呼さん、知ってる?」

「そうなんですか!?」
「百軒店というのは昔から歓楽街で、名曲喫茶ライオンもあれば、ストリップもあるごった煮みたいな場所なんですよ」
「面白いですね。こういう場所をお客さんに案内したいなあ」

最後にタワーレコード渋谷店に行きました。クラシックのフロアは7階でした。「こういう場所なら、音楽好きの人は半日くらいいても飽きませんよね」。

全国のコンサート情報のフリーペーパーなど、いろいろもらって帰りました。

「どうでしたか? 最初呼さんから「クラシック音楽が体験できるスポット」というお題をメールでもらい、どこを案内しようかと思っていたのですが、名曲喫茶の話が出てきたので、渋谷にしようと決めたんです。タワーレコードもあるしね。でも、他にも音楽の演奏を聴きながら食事ができたり、お酒を飲んだりできる店もあるし、コンサートホールもたくさんあります。漠然とではなく、具体的に何が体験したいかという目的がはっきりしていることがいちばん大切だと思いますよ。そういうのをSIT(スペシャル・インタレス・トツアー)というんです」
「いま多くの中国人が日本に旅行に来ていますけど、大半はバスで観光地を周遊するか、買物するか。そういうのはつまらないですね」

「そうでしょう。まったくそう思いますよ。東京はいわば、アジア最大の文化の集積地といえます。そこにはいろんな宝が眠っている。別にこれみよがしに主張しているわけではないけど、今日の名曲喫茶ライオンのように、ひっそりと存在しているわけです。でも、一見さんの外国人観光客にそれを見つけろといっても無理な話。呼さんのようなある程度日本に通じた人とぼくのような地元の案内人が一緒に歩いて宝を探し、それを相手に合わせてどうアレンジしていくか考えてみる。そこが面白いし、それが呼さんの役割ですね」

そんな話をしながら、例の外国人観光客に人気の渋谷駅のスクランブル交差点を渡って駅に向かったのでした。

その日、ぼくは呼さんにアマゾンで購入した「東京クラシック地図」(交通新聞社)という本をプレゼントしました。その本には、ライオンもタワーレコードも載っていました。「これ読んで、今度行きたい場所ピックアップしておくてくださいね」。

来年2月に彼はお客さんを連れて東京に来るそうです。さあ、どんな趣向を凝らすことにしましょうか。
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by sanyo-kansatu | 2014-12-02 13:55 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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