ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2014年 12月 21日

図們江で遊覧ボート乗船。草むらからこちらを覗く北朝鮮兵にドキリ

このいかだのような小さなボートはどこを航行しているのでしょう。
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答えは、中朝国境を流れる図們江です。ずいぶんのどかに見えるかもしれませんが、川の向こうの草むらは北朝鮮領です。
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遊覧ボート乗り場は、吉林省延辺朝鮮族自治州図們市にある北朝鮮との国境ゲート(図們大橋)から徒歩5分ほどの図們江広場の中です。乗船料はひとり60元。わずか15分ほどの遊覧時間だというのに、近頃の中国の観光地はずいぶん金をとるものです。
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でも、観光客はそこそこいて、みなさんライフジャケット着用後、ボートに乗り込みます。
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ボートは図們江を上流に向かって進みます。すぐに図們大橋が見えてきます。
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図們大橋については、以下を参照。この橋は1941年に造られたもので、かなり老朽化しています。

高速で素通りされ、さびれてしまった図們
http://inbound.exblog.jp/20498623/

上から見ると、ボートはこんな風に遊覧しています。中朝国境地帯にいるという緊張感を腰砕けにしてくれる(!?)光景ですね。
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それからもうひとつの鉄道国境橋に向かいます。その手前でUターンするというのがコースです。

鉄道国境橋については、以下参照。

図們から対岸の南陽(北朝鮮)の町を眺める
http://inbound.exblog.jp/23906840/

ところで、ボートに乗る前、係の人から「朝鮮側にカメラのファインダーを向けないでくださいね」と言われていました。なぜかというと、朝鮮の国境兵士が潜んでいるので、彼らを刺激しないためだといいます。

なんだか嫌ですね。ボートが走り出し、川向うを眺めると、確かにいるいる。草むらの陰に兵士らしきおじさんが座わりこんでじっとこちらを見ているのです。ちょっとドキリとする瞬間です。なるべく目を合わせないようにしなくては。

100mおきくらいにぽつんとひとり。それはなかなかに不気味な光景です。他にもお客さんがいる手前、こっそり写真を撮るのは控えざるをえませんでした。

さて、中朝両国は長白山を源流とする鴨緑江(西側)とこの図們江(東側)のふたつの河川が国境線となっているのですが、このような観光客向けの遊覧ボートに乗れるスポットが、2014年7月現在、6カ所あります。ひとたびボートに乗れば、対岸の北朝鮮の山並みや集落、住人の様子が間近で見られるため、夏になると多くの観光客でにぎわっています。中国人というのは実に好奇心旺盛な人たちです。日本のTVメディアが「中朝国境ルポ」と称してこの地域を訪れ、テレビカメラを回しているすぐそばでは、家族連れの観光客がのんびりレジャーを楽しんでいるというわけです。

そのうち5カ所はすべて鴨緑江側にあり、図們江側の唯一の遊覧ボートは図們にあるのみです。

1)丹東(鴨緑江断橋)…鴨緑江の下流に向かって走る。対岸は新義州。
http://inbound.exblog.jp/20510174/

2)天逸埠頭…鴨緑江の中州に沿って走る最も刺激的なコース。満州国時代の軍港が見られる。
http://inbound.exblog.jp/23945373/

3)河口断橋…遊覧ボートは朝鮮戦争で落ちた橋のたもとから出る。
http://inbound.exblog.jp/20443478/

4)緑江景区…鴨緑江中流域の風光明媚な場所でボートトリップが楽しめる。こちらも後日報告予定。

5)集安…好太王碑で有名な世界遺産のまち、集安も北朝鮮との国境のまちです。モーターボートで対岸の満浦の近くまで向かう。
http://inbound.exblog.jp/20429242/

6)図們

なぜ図們江側には1カ所しかないかというと、脱北者の問題があるからです。同族の住む朝鮮族自治州に接する図們江側の国境は両国にとって敏感なエリアであるため、観光客のためにのどかに遊覧ボートを浮かべることができるのは、ここくらいしかないというわけでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2014-12-21 16:20 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)


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