ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2014年 12月 28日

中国「四線」級地方都市のレジャーはこんな感じ?(黒龍江省鏡泊湖)

昨日、黒龍江省牡丹江市の夏の夜の風情をブログに書きましたけれど、こういう中国の「四線」級地方都市に暮らす人たちはどんなレジャーを楽しんでいるのでしょうか。

中国「四線」級地方都市の夏の風物詩、広場に繰り出す若者たち(黒龍江省牡丹江市)
http://inbound.exblog.jp/23931622/

牡丹江に近い、黒龍江省有数の行楽地のひとつである鏡泊湖は、そうしたテーマを考えるうえで格好の観光スポットかもしれません。今年7月、鏡泊湖を訪ねているのでレポートしたいと思います。

鏡泊湖は、牡丹江市の南東100km先に広がる細長い湖で、1万年前の噴火によって牡丹江が遮られたことでできたといわれる火山湖です。長さ45km、最大幅6km。面積は琵琶湖の半分ほど。中国国内では北方の避暑地としてそれなりに知られ、夏季には多くの観光客が訪れます。

見どころは湖の北側にある吊水瀑布。増水した湖水が牡丹江の支流である滝つぼに一気に流れ落ちる様には清々しさがあります(冬季は氷結します)。
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入場料80元を支払い(けっこう高いですね)、入場門をくぐると、機関車型のカートが待っていますが(これ、上海の南京路などにもよくあるやつです)、吊水瀑布までは徒歩5分の距離なので、無視して進みます。
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しばらくすると吊水瀑布が見えてきます。ずいぶんな人だかりです。何だろう。
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滝の方向をよく見ると、ひとりの男性が岩をよじ登っています。上半身裸で水着姿のようです。
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そして、滝の上を歩き出しました。なぜか彼は肩にカバンをかけています。
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それからどうなったのか……。そうなんです。彼は滝つぼに飛び込んだのです。

鏡泊湖の飛び込み名人(動画)
※ただし、慌ててコンデジで彼の飛び降りる様を撮ろうとしたため、横組の映像となってしまいました。所詮おとぼけ映像ということで、お許しください。
http://youtu.be/CVYdzSTOtJI

「鏡泊湖の飛び込み名人」こと、狄煥然さんは牡丹江出身。10年前からこの飛び込みパフォーマンスをやっているそうです。1日10時と14時の2回。ちょうどぼくは午後の回に出くわしたのでした。

彼は地元の有名人らしく、こんなカッコいいポスターまでできています。
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こちらはもっとすごいですよ。滝の水が氷結した真冬の滝つぼに果敢に飛び込んでいます。「最美冰雪行 冰瀑跳水」。だいたい意味はわかりますね。
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彼はテレビにも出演しています。これもポスターですが、よく見てください。狄煥然さんの隣にいる女性は、確か1990年代にテレビ朝日の『トゥナイト』に出演していた中国人美女レポーターの朱迅さんではありませんか。面白いので、Wikipediaをみてみると、99年に帰国して中国でアナウンサーとして活躍している彼女について、こんなことが書かれていました。
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「外国語に堪能で才色兼備なキャスターとしての高い評価を得る一方、日本時代にお色気色の強い番組である『トゥナイト2』や、援助交際を含むコギャル文化を描いた映画『バウンズkoGALS』に出演していたことは、中国で今なお否定的にとらえる向きもある」

彼女も帰国してからいろいろご苦労があったようですね。そんな彼女とこんなところで再会できるとは。しかし、彼女のレポートする番組に狄煥然さんが出演しているということは、彼もそこそこ全国区の人だったりして。「中国ビックリ人間大集合」的な意味ですけれど。

さて、いよいよご本人にご登場いただきましょう。
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どこにでもいるようなふつうのおじさんですが、これから先、何年この荒業にチャレンジするのか。さぞかしご家族は心配しているのでは。
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それでも、彼はみんなから記念撮影を頼まれる人気者です。

それにしても、こういう人物、そして彼を取り巻くこういう感じ、なんといえばいいのでしょう。これぞ「四線」級ならではのレジャー・ワールドとでもいえばいいのか。

別に小バカにしているつもりはないですよ。日本にだって狄煥然さんみたいな人、いるわけだし、全国区とはいえない地方の観光地に行けば、これに近い微妙なイベントも、ふつうにあるわけですから。

目の前で起きている状況は決してイケてるとは思えないものの、それをぶち壊すのはいくらなんでも傲慢で、だからそういう行き場のない思いを胸に秘めたまま、周囲の皆さん、それはおじいちゃんやおばあちゃん、お子様だったりするわけですが、彼らの微笑に合わせて、状況に身を任せるしかない。でも、できればなるべく足早にこの場を離れたい……。

でも、それが本来の「レジャー」ってものでしょう。昨日アップした牡丹江の夜の広場でダンスをしていた若者たちの地元に対する思いも、きっとそういうのに近いのではないでしょうか。

そんなことを考えながら、有料のミニバスに乗って鏡泊湖に向かうことにしました。人は誰しも、状況に身を任せるしかないのです。
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鏡泊湖では遊覧ボートが何艘も停泊していました。今年の夏の東北地方は雨が少なかったせいか、湖水がかなり減少しているようで、乗船客はほとんどいないようでした。それにしても、こんなに湖水が少なくて、この先行楽地として大丈夫なのかしら……。

鏡泊湖に行くには、牡丹江駅前の光華バスターミナルから「東京城」行きバスで終点下車。そこから「镜泊湖」行きバスに乗換、終点下車。所要2時間30分が目安です。タクシーなら片道300元、所要1時間半が目安。牡丹江駅前の旅行会社が催行するお得な日帰りツアーに参加すると、ローカルの中国客と一緒にほのぼのレジャー体験を満喫できるでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2014-12-28 12:08 | 北東アジア未来形:満洲の今 | Comments(0)


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