2015年 05月 23日

外国客は日本のお宿に満足しているか?(海外予約サイト参入と日本のホテルシーン)

訪日外国人数が昨年(2014年)1300万人を超え、全国の観光地や都市部で多くの外国人旅行者の姿を見かけるようになりました。では、いったい彼らはどこに泊まって、旅の荷をほどき、休んでいるのでしょうか。

こうした素朴な疑問にすっきり答えるのは意外に難しいところがあります。なぜなら、外客全体の5人のうち4人を占めるアジア系、すでにFIT(個人旅行)化している成熟市場の欧米系、富裕層や訪日客のボリュームゾーンであるミドルクラス層、さらにはお金をなるべくかけずに長期旅行を楽しむバジェットトラベラー層に至るまで、我々が一般に想像する以上に、さまざまな国籍や階層からなる訪日外国客の宿泊実態は多様化しているからです。
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2014年6月虎の門に開業したアンダーズ東京
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開業以来100%近い客室稼働率を誇るというアパホテル新宿御苑店
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海外FITに人気のサクラホテル(池袋)

はたして外国客は、日本のお宿に満足しているのでしょうか? 

こうした多様な外国客と宿泊施設を直接結びつけているのが、ホテル予約サイトです。ホテル関係者によると、訪日客の増加にともない、海外からのサイト経由の予約が増えているといいます。

その認識は外資系ラグジュアリーホテルからゲストハウスの経営者に至るまで変わりません。ホテル予約サイトは、宿泊施設の特性やポジショニングに見合った顧客を選び出し、マッチングさせるしくみだからです。しかも世界中至るところにいる人たちに存在を伝えてくれるのです。

どんなに無名の宿泊施設でも、予約サイトのプラットフォームの上では、見せ方次第で外国客の目に留まる可能性があります。近年、外国客が多く宿泊するエリアとなっている東新宿の老舗ビジネスホテル「ホテルたてしな」の担当者も「昔は国内客がメインだったが、いまでは閑散期は外国客のほうが多くなる。海外からの予約はExpediaなどを使ったネット予約が大半だ」と語っています。

ここ数年で、海外の主要なホテル予約サイトはほぼ日本に参入してきたといえます。外国客が利用している主な海外ホテル予約サイトは以下のとおりです。

Expedia http://www.expedia.co.jp/
Agoda http://www.agoda.com/ja-jp
Booking.com http://www.booking.com/index.ja.html
Hotelbeds http://www.hotelbeds.com
HRS https://hotelservice.hrs.com/portal/
Ctrip http://jp.ctrip.com/

世界の3大ホテル予約サイトといえば、「Expedia」「Agoda」「Booking.com」でしょう。そのうち欧米系の利用者が多いのは「Expedia」、アジア系は「Agoda」、「Booking.com」はまんべんなくといった特性があるようです。宿泊施設によって顧客層が異なるので一概にいえませんが、客室単価は「Agoda」が高く、「Expedia」は低い傾向にあるといわれます。

ただし、これらの海外ホテル予約サイトはそれぞれ会員特性やサービスが微妙に異なるため、宿泊施設側もどこと契約すべきか、検討が必要です。

ホテル予約サイトの普及によって、宿泊施設側は需要が見込めない閑散期には価格を下げ、繁忙期には上げるなど、収益の最大化を図るレベニューマネジメントの導入や多言語対応が必須となっています。訪日客がますます多様化するなか、予約担当者はこれまで以上に市場の動きを読み解く知見が求められるようになっています。

また外国客の利用が増えれば、ホテル側も新しい施設やサービスを提供していくことでしょう。Wi-fiの導入が進んでいるのもそのためです。

海外ホテル予約サイトが日本のホテルシーンをどう変えていくのか。要注目です。

※エクスペディアが訪日客のホテル予約状況について、以下の興味深いリリースを配信しています。

エクスペディアではアジア各国からの訪日ホテル予約が急増している
http://inbound.exblog.jp/24509107/

新宿は都内で外国客に最も人気なホテル地区(エクスペディア調べ)
http://inbound.exblog.jp/24510962/
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by sanyo-kansatu | 2015-05-23 12:15 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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