2015年 08月 10日

中国図們発七宝山ツアーの特別列車を撮る

清津から七宝山に向かう道中、車の中から鉄道車両が走る姿を見ました。
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※2014年7月上旬、北朝鮮咸鏡北道の七宝山を訪ねた話をしています。

七宝山(チルボサン)は金剛山とは似て非なる朝鮮の名峰
http://inbound.exblog.jp/24765755/

英語ガイドは言います。「あれは中国のツアー客を乗せたわが国の特別列車です。図們から明月まで走ります」。

これがそのルートです。中国吉林省図們から七宝山のふもとの明月まで。戦前期の鉄道でいうと、満鉄北鮮管理局線の図們線で図們から会寧へ、咸鏡線に乗り換え清津へ、さらに遮湖線で明川までを走ることになります。
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この列車は2012年より運行しているようです。

北朝鮮への観光列車が4月末開通、吉林省図們市から七宝山へ(レコードチャイナ2012年4月17日)
http://www.recordchina.co.jp/a60511.html

「2012年4月16日、新華網によると、中国吉林省延辺朝鮮族自治州図們市と北朝鮮の観光地・七宝山(チルボサン)を結ぶ観光列車が4月末に開通する。

七宝山は北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンプクト)に位置し、「咸北金剛」の別名を持つ名山。奇岩立ち並ぶ独特の自然美と澄んだ空気、美しい渓谷と海を見渡せる山として有名な景勝地だ。近くで温泉を楽しむこともできる。図們江(豆満江)を隔てて北朝鮮と接する国境都市・図們市の李昌勳(リー・チャンシュン)外事旅遊局長は「この観光列車のツアー客は北朝鮮の観光地を巡るだけでなく、北朝鮮が組織した児童5万人によるマスゲームや咸鏡北道芸術団の民族歌舞などを見学することができる」と説明した。

この観光列車を運営する吉林省図們江国際旅行社の担当者によると、ツアーの行程は3泊4日で料金は約1900元(約2万4000円)。参加者は出発5日前までに関係書類を提出し、出発前日には図們市に到着することが義務付けられている。北朝鮮観光列車は1週間1本の運行予定だが、旅行シーズン時には1週間2本に増便される見込み」。

このツアーでは、図們を夜8時に出て翌朝6時に明月に着くそうです。そこからバスに乗って七宝登山をすることになります。

現地関係者の話では、中国人の七宝山ツアーはこの特別列車利用の3泊4日コースのほかにも2つのコースがあるそうです。

同じ吉林省延辺朝鮮族自治州の龍井市の三合鎮税関から対岸の会寧(北朝鮮)に入国し、バスで清津に行き一泊し、翌日七宝山を訪ねる4泊5日コース(このツアーでは鉄道を利用しません)。平壌から漁郎空港に飛び、バスで七宝山を訪ねるコースなどです。

中朝関係はいまも決して良好ではありませんが、中国政府は地方政府を通じて朝鮮との交流を進めているようです。外貨獲得を目指す朝鮮側にとっても吉林省や遼寧省に住む中国人が旅行に来ることは基本的に歓迎しているはずです。ただし、朝鮮国際旅行社のガイドは「中国客の支払うツアー代金は安すぎて儲からない」とはっきり言います。これは世界的な現象ですが、朝鮮でも同じようですね。本当は欧米客や日本人に来てほしいというのが彼らの本音なのでしょう。

さて、車窓の風景を撮影することを極端に嫌う同行ガイドたちも、車から降りてこの特別列車の写真を撮ることは許してくれました。彼らにすれば、この列車であれば撮られても恥ずかしくないと感じているからです。彼らが外国人の撮影を許可する基準がそこにあることがわかると、逆になんとも言えない哀しい気になるものです。あれほど誇り高い彼らが、中国から安く手に入れた中古列車くらいのもので自尊心が保持されるというのですから。以下、走り去る列車のスナップです。
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では、実際このツアーと特別列車の乗り心地はどうなんでしょうか。

聯合ニュース2014年6月17日の「観光立国を夢見る北朝鮮」という記事の中に、特別列車で七宝山ツアーに参加した延辺朝鮮族自治州の住民の声が以下のように記されています。

「図們から徒歩で橋を渡り、南陽駅から列車で282km離れた明川駅に到着するのに12時間かかった。電機で走る北朝鮮の列車は遅いのはわかっていたが、実際に体験してみると、あまりお勧めできるものではない」。

さらに「北朝鮮には非舗装道路が多いうえ、バスをはじめとする移動手段も中古である」「現地の事情で、食事も肉は供されず、山菜が中心になる」といいます。ただし、中国人の朝鮮ツアーは料金を値切りすぎるので朝鮮側も十分なサービスを提供できない面もあると思われます。
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by sanyo-kansatu | 2015-08-10 18:08 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)


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