ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2015年 08月 11日

朝鮮でホームステイ その奇妙な世界

海水浴場での昼食が終わった後、案内されたのがとても奇妙な場所でした。
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※2014年7月上旬、北朝鮮咸鏡北道の七宝山を訪ねた話をしています。

七宝山(チルボサン)は金剛山とは似て非なる朝鮮の名峰
http://inbound.exblog.jp/24765755/

そこは「海七宝民泊宿所」と呼ばれる2004年にできた民泊施設です。まるで住宅展示場のように朝鮮式の一戸建て民家が並んでいます。なんでも外国人向けのホームステイのための施設だそうで、それぞれ住人も住んでいるというのです。

一軒の家に案内されました。1階は住人の生活する場所で、2階に外国人を泊めるのだそうです。

応接間にはテレビや冷蔵庫が揃っています。
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厨房を覗くと、きれいに食器が並んでいます。
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お約束の金日成・正日親子の肖像写真が飾られています。
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2階の客室です。
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ベランダもあります。
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トイレです。
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このご夫婦が住人です。
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もう一軒を訪ねました。
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この家には母親と小さな娘が住んでいました。
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男性ふたりはガイドです。金親子の肖像画や娘の写真などが貼られています。
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これらの光景を目の前にしながら、そして促されるまま写真を撮っているときに、平壌の高層マンションに住む模範市民の家庭を金正恩第一書記が訪問したというニュース映像を思い出しました。たぶん、ここも同じような場所ではないか。このさびれた漁村の周辺で電化製品に囲まれた文化生活を送る人たちがいるということ自体、おかしなことだからです。
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このあどけない娘の笑顔には癒されますが、この国の人たちはこの奇妙な世界をどう受け止めているのでしょうか。また住人本人もどう考えているのか。単に外国客の接遇役という職務に従事しているだけなのかもしれませんが。

3軒目に訪ねたのが洋風一戸建て住宅でした。
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2階の客間はベッドがあります。欧米客向けなのでしょう。
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ここには全部で20の民家があり、そのうち西洋式は6軒、朝鮮式が14軒です。ガイドがこんなことを言います。「ここには中国人やヨーロッパ人が泊まっています。現在、あなたがた日本人とアメリカ人は泊まることは許されていません。でも、近いうち日本人も泊まれるようになるでしょう」。
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面白いのは、各民家の前には必ず畑があり、裏手には暖をとるための薪木があり、鶏が飼われています。するめを干している人もいます。確かに、ここは生活の場でもあるようです。
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逆にいえば、こうした電化製品と畑と薪木と鶏に囲まれた生活というものこそ、いまの朝鮮の人たちにとって誰もが思い浮かべる理想の生活なのではないでしょうか。それは外国人に見せても決して恥ずかしいものではないと彼らは考えているのでしょう。接遇役として選ばれたこの宿所の住人も、平壌の模範市民に近い存在として自分の役割を受けとめているのかもしれません。

ガイドに「次回来たときはここに泊まるといい」と言われたものの、苦笑するしかありませんでしたが、これはこれでこの国でこれまで大真面目に行われてきた国際交流のひとつの形態なのかもしれません。彼らが外国人に理解してもらいたい自らの自画像こそ、このような恵まれた暮らしを送る人民の姿ということなのでしょう。

この施設の中にはレストランもあります。海水浴場の食事を用意してくれたのは、ここのレストランのスタッフでした。このあたりには、外国客を受け入れられる施設はここしかなさそうです。
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by sanyo-kansatu | 2015-08-11 16:39 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)


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