ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2015年 08月 13日

羅先のホテルと娯楽もろもろ~旧ヤマトホテルから香港カジノまで(2014年)

中朝ロ3ヵ国が接する図們デルタ地帯に位置する羅先特別市(北朝鮮)で工場見学をした話を前回書きました。まるで2000年代前半の広東省のように、若いきまじめな女性労働者がそこそこいて頑張っていることはわかりましたが、この環境ではすぐに投資という話にはならなさそうです。

羅先の観光アトラクションといえば工場見学です
http://inbound.exblog.jp/24782964/

とはいえ、経済貿易特区だけあって、平壌を除く他の地方都市とは違い、外国人向けの宿泊施設はいくつかあります。歴史的にみて日本の大陸進出の時代と関係のあるホテルも現存しています。

現地関係者によると、現在羅先にはホテルが21軒あり、そのうち日本人を含めた外国人向けに対外開放されているホテルは以下の6軒です。

①羅津ホテル
②南山旅館
③琵琶閣(琵琶旅館)
④琵琶観光ホテル
⑤東明山ホテル
⑥エンペラーホテル&カジノ

以下、簡単に紹介しましょう。

①羅津ホテル
羅先で客室数の最も多いシティホテルです。中国やロシアのビジネスマンなどが多く利用しています。館内にはビジネスフロアもあり、対外貿易を行う事務所なども入っています。現地関係者は「中国人ツアー客が利用するようになって質が落ちた」と話しています。
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ホテルのそばに2013年にオープンしたボンソノカジノがあります。中国資本で建てられたカジノですが、2014年夏現在、営業状態は最悪のようです。
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②南山旅館
羅津市内の中心部の広場に位置する老舗ホテル。1939年に満鉄が建てた旧羅津ヤマトホテルです。外観は当時の時代らしく昭和のシンプルな建築スタイルの2階建てビルです。羅津に港や鉄道が設置されたのは1930年代半ばからですから、当時はこのまちの顔だったでしょう。
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ロビーは中国東北地方各都市にある旧ヤマトホテル系に似ています。客室は老朽化していますが、それなりの風格はあります。
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実は、以前このまちに住んでいたというおばあさんにお話を聞いたことがあります。当時羅津高女という女学校があり、そこで終戦を迎え、引き上げてこられた方なのですが、女学生のころ、羅津ヤマトホテルのレストランで食事をしたことがあるそうです。なんでもある休日、音楽の担当教師に誘われ、クラスの女子2名と一緒に行ったのだとか。当時は女学生がホテルのレストランに行くなんてことはまずなかったそうで、自分が大人になったような気分になったそうです。その思い出の舞台がここです。
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※この話を聞いていたので、ホテルに入ってこっそりレストランの写真を撮ったところ、あとで問題になりました。外国人らしき人物がホテルの中に潜入したと誰かに密告されてしまったのです。ほんの数分単独行動をしただけでこれです。参ります。

③琵琶閣(琵琶旅館)
日本海を見渡す高台の上にあるホテルで、かつて金日成主席らが別荘として使ったことがあります。2012年にここに泊まりました。

金日成の別荘(琵琶旅館)と旧羅津ヤマトホテル(南山旅館)
http://inbound.exblog.jp/20191274/

④琵琶観光ホテル
琵琶旅館の隣にあるホテルで、客室数が多いぶん、かなり質が落ちます。日本人が来ると、ビジネスマンなら別ですが、他の外国客と隔離したいのか、羅津ホテルではなく、こちらに泊めさせられることが多いようです。
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⑤東明山ホテル
今回泊まった羅先で最も設備の整った新しいホテルです。
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客室も快適です。中国の4・5線級都市にある、まちいちばんのホテルといった感じです。1泊50ドル以上取ります。
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フィットネスジムやプール、サウナもあります。中長期滞在向けのビジネス仕様ですが、中国人ツアー客もいました。
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ただし、サウナの利用は20ドルと高額で、覗いてみると、稼働していませんでした。まあ無理もないかもしれません。一時に比べ、中ロのビジネスマンも多いとは言えないからです。
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⑥エンペラーホテル&カジノ
1990年代後半にできた香港資本のカジノです。一時中国の役人の公金使用問題などで営業停止になったり、いろいろありましたが、いまはなんとか営業しています。一泊300ドル近く取るそうです。カジノの最低換金額は500ドル(実際にはそこまで厳密ではないという話もあります)。館内にはほとんど人気はありません。館内の様子は、下記ページを参照してください。
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2013年の春、中朝国境にある羅先(北朝鮮)にカジノが3つもできました
http://inbound.exblog.jp/20191710/

さて、このまちに来て娯楽を求めても仕方がないところはありますが、最近ではロシアレストランが2軒、中国料理店が2軒、チェコ式のビヤホールがあります。

このロシアレストラン「ノーヴィーミル」のオーナーはロシア人だそうですが、料理は限りなく朝鮮風で、がっかりでした。客はほとんどいません。
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2014年版 北朝鮮のグルメ5泊6日のすべて【前編】
http://inbound.exblog.jp/23948946/

ビヤホールは海浜公園の中にあります。羅津ホテルにも近いです。生ビール1杯15元。2013年のオープン当時はにぎわったそうですが、いまは閑散としています。
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2014年版 北朝鮮のグルメ5泊6日のすべて【後編】
http://inbound.exblog.jp/23951727/

このまちでの娯楽といえば、マッサージがあります。場所は市街地から少しはずれた場所にありますが、マッサージ師は女性で、平壌医科大学出身でした。なぜそれがわかるかというと、3年前に訪ねたことのある羅先の貿易展覧会で同大学の医薬品を販売していた女性スタッフたちだったからです。これは珍しいことではありません。外貨獲得のために、この国の女性は東奔西走しているからです。

またこれは娯楽ではありませんが、海浜公園では子供たちがローラースケートを練習している様子を見ることができます。1時間3元でレンタルできるそうです。第一主席肝いりのローラースケート場は金剛山のふもとでも建設されていましたが、羅先特別都市にもあります。
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最後に、このまちで外貨両替のできる銀行はいくつかあります。

<北朝鮮>外国投資銀行法を10年ぶりに修正補充(アジアプレス2012年2月9日)
http://www.asiapress.org/apn/archives/2012/02/09192516.php

以下の4つは中国系です。

図們江銀行
羅先開発銀行
中華商業銀行
東大銀行
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また図們デルタ地帯の開発のために設立されたゴールデントライアングルバンクがこれ。
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日本時代の建物を流用しているのが朝鮮銀行羅先支店です。
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ただし、このまちでは人民元がふつうに使われているため、両替の必要はなさそうです。市場などでも売り場のおばさんたちは人民元を手にして商売している様子だからです。

羅先には最近タクシーも増えています。中国の中古タクシーです。ただし、現地在住のビジネスマンでもない限り、外国人が勝手に乗り回ることはほぼ考えられません。
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高台から羅先(羅津)の市街地を撮りました。
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朝鮮民家がびっしり並ぶ中に、一部マンション建設が始まっています。
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確かに、羅先特別市は清津などの地方都市に比べると、中国のさまざまな影響が感じられるまちです。

ちなみに、これは1940年代初頭の羅津市街地図です。当時から羅津港には3つの埠頭があり、羅津駅と直結していたことがわかります。羅津駅からまっすぐ伸びるまちいちばんの昭和通り(当時)に沿って朝鮮銀行や大和ホテルがあります。この構造が頭に入っていると、車であちこち運ばれても、自分がどこにいるかある程度わかると思います。
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by sanyo-kansatu | 2015-08-13 14:12 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)


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