2015年 08月 18日
訪日外国客の増加にともない、外国人ツーリストのレンタカー利用が増えています。 最初はちょっと緊張するけど、やってみたらたまらない海外でのレンタカー運転。同じことは、日本を訪れる外国人ツーリストだってやってみたいに決まっています。 そこで、これからしばらく外国客のレンタカー利用事情について取材しようと思います。最初に話をお聞きしたのが、ニッポンレンタカーサービス販売促進部国際営業課の白井祐子さんです。 ―外国客がレンタカーを利用するようになったのはいつ頃からですか? 「増えて来たなと感じるようになったのは、2013年頃からでしょうか。実際には、北海道では2000年代から外国客のレンタカー利用促進のための取り組みは始まっていましたし、沖縄でも早くから進んでいました」。 ―確かに、北海道と沖縄では外国客のレンタカー利用が進んでいる印象がありますね。それ以外の地域や国籍別の利用状況はいかがでしょうか。 「まず国籍別の利用状況は、弊社の場合、1位は香港、2位は韓国または台湾、4位タイ、5位アメリカまたはオーストラリアといった感じでしょうか。外国客利用は対前年度比で約200%増です。ただし、全体の外客比率はまだ5%というところでしょうか。 沖縄と北海道の利用数が多いことは確かですが、最近では関西国際空港や中部国際空港からの利用も前年度の2.5倍の勢いで増えています」。 ※外国客のレンタカー利用がダントツに多い沖縄と北海道の利用件数(両県のレンタカー協会調べ)は以下のとおり。 沖縄 8万5323件(前年度比2.3倍 2014年4月~15年3月) 北海道 2万1318件(前年度比33%増 2013年12月~14年11月) ―国内客と外国客ではレンタカー利用状況の違いはありますか。 「一般にいえることは、外国客は平均約4日、単価も4万円。日本人より利用日数が長く、単価も高いという特徴があります。平日利用も外国客が多いです」。 ―車の好みの違いなどありますか。 「外国客の方は、家族やグループ旅行も多いため、ワゴン車の利用が多いです。またプリウスなどのハイブリッド車やアイサイトの使えるスバル車など、日本オリジナルの車種に人気があります」。 スバル アイサイト総合サイト http://www.subaru.jp/eyesight/ ―やはり空港のカウンターから利用されるケースが多いのですか。 「確かにそうですが、最近では都内のレンタカー店での利用も増えています。特にホテルの多い地区、浅草などから利用される場合もあります」。 ―ところで、外国客がレンタカーを利用する際、必要なのはなんですか。 「パスポートと国際免許証です。空港のレンタカーカウンターで直接申し込まれる方もいますが、基本的には事前予約が多いです。現在、弊社では日本語と英語のサイトしかないのですが、TOCOO!という英中韓3カ国対応のレンタカー予約サイト経由の申し込みも増えています」 TOCOO!(レンタカー 中国語ページ) http://www2.tocoo.jp/cn ―レンタカーを利用した外国客からはどんな声が寄せられていますか。 「カウンターの現場からは、日本の運転はとてもラク。みんなルールを守っているし、安全だという声が多いです。ただし、国籍によって、日本と同じ右ハンドルを採用している香港やタイの方と、左ハンドルの台湾や韓国の方では少し感じ方が違うかもしれません。 香港やシンガポールの方からは「北海道のまっすぐの道をガンガン走りたい」という声も多いです」。 ―あの狭くて高層ビルの林立する国で暮らしているわけですから、その気持ちはよくわかりますね。でも、実際に日本で運転するとなると、慣れないことも多いと思われます。事故が増えているということはないですか。 「利用者の増加にともない、接触事故などの事例は増えています。ただし、外国客の事故率が日本人より高いということはありません。 弊社では英語版の利用ガイドを用意しています。そこでは、日本の交通規則や標識の解説、給油のやり方や事故が起きたときの対応、保険補償の限度額、駐車違反の注意などこまかく説明しています。 たまにあるのが、軽自動車を利用された方が間違って軽油を給油されてしまうケースです。軽油を入れると、車が動かなくなってしまうんです」。 ―かなり詳しく書かれていますが、これをすべて読んでから運転というのでは大変ですね。外国客向けのサポートサービスはありますか。 「弊社の外客向けのサービスとしては、24時間対応のカウンター通訳サービス(英中韓タイ語)や多言語化カーナビ(英中韓)、ECカードのレンタルなどがあります。なかでも重要なのが、カーナビです。この2年で急速に普及してきました。新車を発注する際も、必須になっています。また今年から申込書も多言語化に対応しています(英中韓)」。 ―今後も、外国客の利用を促進していきたいとお考えですか。 「昨年11月、初めて台北のITF(旅行博覧会)にブースを出展し、PRをしました。今後は他のアジアの国の出展も検討しています。 また国内のトラベルマートなどの商談会にも参加しています。これを機会にこれまで知り合うことのなかった異業種の方とお会いする機会がぐっと増えたのですが、地方自治体の方など、レンタカーに期待する声が強いことを知りました」。 ―どういうことですか。 「大都市圏からの交通が不便な地方では、レンタカーで地元を訪れる外国客が増えることを期待しているからです。たとえば、今年、山陰の各県では香港向けにレンタカー利用の旅行プランを企画しています。こうした動きにレンタカー会社も協力していきたいと考えています」。 レンタカーの世界でもいろんなことが起きているようです。今度、白井さんのご案内で羽田空港のレンタカーカウンターを訪ねることになりました。 またこのインタビューを通じて、さまざまな話題、観点が見えてきました。今後はこれらを少しずつ深堀りしていきたいと思います。 外客のレンタカー利用件数日本一の沖縄でいま起きていること http://inbound.exblog.jp/24858193/ 北海道は外客レンタカー受入の全国の先駆けです http://inbound.exblog.jp/24864160/ 中国本土の観光客は現状、日本でレンタカーの運転はできません http://inbound.exblog.jp/24859203/ 「香港はインバウンドの実験室」:世界に先駆けレンタカー旅行をPR http://inbound.exblog.jp/24848866/ 海外客がTocoo!でレンタカーを予約する理由 http://inbound.exblog.jp/24860932/ 外国客の国内ドライブ旅行、本格始動中!~先行する沖縄、北海道の事例と予約サイトの動向から http://inbound.exblog.jp/24950113/
by sanyo-kansatu
| 2015-08-18 11:34
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