2015年 09月 27日

新宿5丁目に中国客向けインバウンド居酒屋がオープン

9月14日、新宿5丁目に中国団体ツアーバス客向けの居酒屋がオープンしました。

場所は本ブログでもおなじみの中国ツアー客がよく利用する焼肉屋「味仙荘」から東京医大通りに入って100mほどです。新宿御苑通りに路駐する中国のツアーバス客が利用できるよう立地が選ばれたものと思われます。ちなみに以前は日本そば屋で、半年くらい前に閉店していました。

焼肉食べ放題「味仙荘」は今日も中国ツアーバス客であふれていました
http://inbound.exblog.jp/24747719/
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店の名は「金鍋」といいます。感覚的に、これは日本人がつけたネーミングではないな、と思っていたら、やっぱりそうでした。この店は昼間と夜、食事処として中国団体客を受け入れつつ、夜のみ一般の居酒屋としても営業するというのです。いかにも新宿5丁目らしい飲食店のオープンといえます。
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金鍋
新宿区新宿5-10-14
営業時間11:00~15:00 17:00~24:00

そこで、14日の午後5時過ぎに事務所の友人と一緒に「金鍋」を訪ねたところ、なんと我々一行は同店の開業第一号客として迎え入れられたのでした。一般客の営業は夜5時からだったからです。

店内の様子は、そば屋だった当時とさほど変わりませんが、開業祝いの蘭の花がたくさん置かれていました。送り主は同業の在日中国人たちのようです。
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メニューはつまみが300円くらいからとお安く、さすがは中国人経営の店です。この店の自慢料理は、金色の鍋でつくったもつ鍋でした。だから、「金鍋」なんだそうです。

つまみを少し頼んで友人たちと談笑していると、店長らしき中国人が現れ、「みなさんはうちがオープンして最初のお客さんだからサービスしますよ」といって、もつ鍋をふるまってくれました。

話を聞くと、オーナーは山東人で、店員の女の子たちもそうでした。同郷人経営は中国人の商売の基本なのでしょう。

開店して30分ほどすると、一般客が入ってきました。そして、6時20分頃、ついに中国団体客が大挙して入店してきました。たぶん50人近くいたと思います。
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彼らは地下のフロアに案内され、仕出し弁当のような食事を取っていました。

中国から来た添乗員と在日中国人の手配会社の数名は団体客と分かれて、1階の居酒屋スペースで同じ弁当を食べていました。

それはまるで昭和の映画に出てくるドライブインに似た世界でした。

こうして在日中国人たちは、急増する中国からの団体観光客を相手にしたビジネスを始めています。事務所の友人は、彼らの食べる弁当を見ながら、「これは賢い商売だ。ふつうはこの手の店はバイキングだが、あれはけっこう食材に無駄が多い。中国人は食べもしないのに取りすぎるとことがあるからだ。その点、弁当なら人数が最初からわかっていれば、食材のロスも少なくなる」と言いました。

一般に中国客は、日本の冷めた弁当は好まないので、つくりたての料理をバイキングで出すのがいい、といわれているようですが、弁当でもつくりたての料理を出せばいいわけです。店自体は、日本の居酒屋ということで営業しているのですから、弁当が出てきても、そういうものだと受けとめられるというわけです。

店で働いているのは全員中国人だそうです。地下フロアも、見たところ、ちょっと薄暗い感じです。ツアーコストを安く上げるためには仕方がないということでしょうけれど、食事にはなるべくお金をかけない。これが中国団体ツアーの実態でもあるのです。

中国の団体ツアーは、免税店の購入額に応じたキックバックで成り立っています。ですから、食事代の支払いも、免税店での購入にかかっています。日本国内の旅行手配を手がける在日中国人たちは、お金は免税店でまとめて使ってもらうことがいちばんありがたいのです。
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ニンニクとニラがたっぷりのもつ鍋は1人分1200円だそうですが、おいしくいただきました。

はてさて、この店は繁盛するのか…。

新宿5丁目界隈では、日々こんな出来事が起きています。

【追記1】
「金鍋」が開業して約2週間後、久しぶりに店を覗いてみることにしました。商売繁盛してるかな?

夕方6時前に店に入ると、客はほとんどいません。山東省出身の女の子に聞くと、浮かない顔です。どうやら苦戦しているようです。

それでも、6時半が近づくと、一団の中国客が入店して来ました。今日は鍋が出されていました。

しばらくすると、1階にも客が入ってきましたが、中国人のグループです。なかなか日本人は来てくれないようで、みると日本式の居酒屋メニューをやめ、中国語の手書きのメニューに変更しようとしているようでした。
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まあ仕方がないのかなあ…。結局、団体客は内陸出身の人が多いので、上海などの日本食に慣れた客層とは違って、日本式メニューは不評なのかもしれません。難しいものです。

【追記2】
2016年5月現在、「金鍋」では、夜の一般営業はやめてしまいました。中国の団体客は昼にしか来なくなったからです(夜は、団体客が来るときのみ営業)。中国団体客の宿泊するホテルが都内から遠く離れていることから、バスは早めに都内を出なければならない関係で、都心の食事処に立ち寄る時間がないせいでしょう。

それにしても、「金鍋」なんて、まだ開店して1年もたたないのに、市場の変化は早いというべきか。中国ビジネスの難しさを、ここ新宿にいて、実感するしだいです。
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by sanyo-kansatu | 2015-09-27 13:00 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)


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