ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2016年 01月 08日

中国人がジェネリック医薬品を買わないのはニセモノに見えるから

鳥取県境港に寄航した中国発大型クルーズ客船「クァンタス・オブ・ザ・シーズ」の乗客が人口3000人の村のイオンモールに押しかけた報道を昨日検証しましたが、これからするのはドラッグストアで聞いた話の続きです。

4500人の中国クルーズ客が山陰の人口3000人の村に押し寄せ、住民を困窮させたというのは本当か?
http://inbound.exblog.jp/25247278

実は、その日ぼくはおなかの調子が悪く、1日に何度もトイレに駆け込む状態でした。おなかがゆるいのです。疲れがたまっていたせいかもしれません。そこで、薬剤師さんに症状を話し、整腸薬を選んでもらったときのことです。

そこには、似たような白地にオレンジ色のパッケージをした2種類の整腸薬がありました。

新ビオフェルミンS錠(武田薬品工業 2267円)
ラクトファルミンS錠(米田薬品工業 934円)
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明らかに料金が違います。薬剤師さんはこう言いました。

「中国のお客さんはこちら(ビオフェルミンS錠)しか買いませんね。こちら(ラクトファルミンS錠)はイオンのプライベートブランドのような扱いなので、3分の1くらいの値段なのですが、手に取ろうとしない。なぜですかね」

そして、ぼくには安いラクトファルミンS錠をすすめてくれました。

なぜなのか。その理由は、パッケージの色もデザインも似通ったラクトフェルミンS錠は、中国客の目にはニセモノ商品にしか見えないからです。ニセモノがあふれる中国では、このように似通ったパッケージは疑惑の対象となるのです。

中国客が「口コミを重視する」という意味は、逆に言えば、自分の目で商品を選んでいないということなのです。

無理もありません。彼らの大半は初来日、日本の事情なんて何も知らないのですから。ただ友人知人に教えられた商品リストとパッケージ画像のみを頼りに購入しているだけだからです。

ある都内のドラッグストアの店長にこんな話を聞いたことがあります。

「うちは日本人とか外国人とかわけ隔てしないで、お客さん一人ひとりになるべく安く購入していただくために、同じ効能なら値段のお安いジェネリック医薬品をおすすめします。欧米の方や東南アジアの方たちは私のすすめに素直に従ってくれます。でも…」

もうこれ以上説明する必要はないでしょう。中国人はそれを信じることができないのです。それに、たとえそれを買って帰っても、お土産として誰かに渡すとき、相手もニセモノじゃないかと疑い、喜んでくれないのです。

まったく難しい人たちですね。

※自社が開発した先発医薬品の特許が切れたあと、その薬を他の医薬品メーカーが製造・販売したものを「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」といいます。
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by sanyo-kansatu | 2016-01-08 13:53 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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