2016年 01月 28日
ここ数回、本ブログでは日本の一部の地方空港に東アジアからの国際線が多数乗り入れるようになった状況を見てきましたが、これはいつ頃からのことなのでしょうか? 米国との航空便の路線や発着枠、便数を自由化させるオープンスカイ協定を締結させた2010年10月以降、続々とアジア各国との同様の協定を進めたことが背景にあります。 2010年以降の主なオープンスカイ協定締結国 2010 米国、韓国(12月) 2011 シンガポール(1月)、マレーシア(2月)、香港(5月)、ベトナム(6月)、マカオ(7月)、インドネシア(8月)、カナダ、オーストラリア、ブルネイ、台湾(11月) 2012 英国、ニュージーランド、スリランカ、フィンランド、フランス、中国(8月)、オランダ、スカンジナビア3国、タイ(11月) 2013 スイス、フィリピン(9月)、ミャンマー(10月) 特に地方空港への国際線乗り入れ増加に最も影響を与えたのは、2010年の韓国、11年の台湾、12年の中国との協定締結でしょう。 過去最高200万人超えなるか!台湾客急増の背景にはオープンスカイがある(台北ITF報告その5)(2013年11月1日) http://inbound.exblog.jp/21387914/ さらに、2000年代以降に日本に先駆けて急成長していたアジアのLCCも、この協定によって成田や関空だけでなく、北海道などの一部の人気レジャー路線に乗り入れを始めました。台湾や中国では、まずLCCが地方空港への乗り入れを開始し、それに国営キャリアが後追いするような動きが起こり、路線数を拡充していった流れがあります。 LCCはアジア客の訪日旅行の促進につながるか?【2013年上半期⑫LCC】(2013年7月29日) http://inbound.exblog.jp/20789404/ すべてが日本に乗り入れているわけではありませんが、アジアの空には以下のような多くのLCCが運航しています。 ローコストキャリア / LCC 格安航空会社一覧 http://airline.arukikata.co.jp/lcc/list.html ●韓国 エアプサン http://flyairbusan.com/ ジンエアー http://www.jinair.com/ チェジュ航空 http://www.jejuair.net/ ティーウェイ航空 http://www.twayair.com/ イースター航空 http://www.eastarjet.com/ ●シンガポール シルクエアー http://www.silkair.com/ ジェットスター・アジア航空 http://www.jetstar.com/3k/ タイガーエア http://www.tigerairways.com/ スクート http://www.flyscoot.com/ ●マレーシア エアアジア http://www.airasia.com/ エアアジア X http://www.airasiax.com/ ファイアフライ http://www.fireflyz.com.my/ ●香港 香港エクスプレス航空 http://www.hkexpress.com/ ●ベトナム ジェットスター・パシフィック航空 http://www.jetstar.com/ ●インドネシア ライオン・エア http://www2.lionair.co.id/ インドネシア・エアアジア http://www.airasia.com/jp/ja/ シティリンク http://www.flycitylink.com/ ●台湾 V エア http://www.vair.com.tw/ タイガーエア台湾 http://www.tigerair.com/tw/zh/ ●中国 春秋航空 http://www.ch.com/ 吉祥航空 http://www.juneyaoair.com/jp/home.html ●タイ タイ・エアアジア http://www.airasia.com/site/th/ ノックエア http://www.nokair.com/ オリエント・タイ航空 http://www.orient-thai.com/ タイ・ライオン・エア http://www.lionairthai.com/en ●フィリピン セブパシフィック航空 http://www.cebupacificair.com/ エアアジア・ゼスト(旧ゼストエアウェイズ) http://www.airasia.com/ph/en/home.page エアフィル・エクスプレス http://www.airphilexpress.com/ おかげで日本の地方空港をアジア各国のエアラインがにぎわせてくれています。ただし、一部の、としかまだいえないのがもうひとつの現状ではありますけれど。昨年末に、以下のような報道がありましたが、地方空港への国際線の乗り入れを推進するための施策です。とにかく国内需要をこれ以上増やせない日本にとって、海外の近隣諸国からの航空便を誘致することが地域経済の活性化につながることは間違いないでしょう。 国際線の着陸料が1年間無料に 国交省、就航・増便対象(朝日新聞2015年12月19日) http://www.asahi.com/articles/ASHDL5V25HDLULFA02Y.html 国土交通省は来年度から、国が管理する空港に新たに就航したり増便したりする「国際定期便」の着陸料を1年間、実質無料にする方針を固めた。羽田、札幌(新千歳)、福岡、仙台(運営を民間委託)の各空港をのぞく15空港が対象で、訪日外国人を地方に誘客するねらいだ。 対象は稚内、釧路、函館、新潟、広島、高松、松山、高知、北九州、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、那覇の15空港。 例えば中型のボーイング「767‐300」が国管理空港に着陸する場合、航空会社は1回17万6330円を国に支払う。この半分を地方自治体などが負担することを条件に、国が残りを免除する。地方負担は着陸料に充てるだけでなく、同額を航空会社に対する別の支援策に使うことも認める。国際チャーター便の着陸料も、同じしくみで免除する。 国交省によると、羽田、成田、関西、中部国際をのぞく国内空港の国際定期便は692便(2015年の夏ダイヤ)で、10年から約6割増えた。海外の格安航空会社(LCC)の就航が増えているためだ。 自治体などはLCCの誘致を競っているが、自治体管理の空港は着陸料を自由に下げられるのに、国管理空港は着陸料が一律で不公平との指摘があった。 ※国土交通省 空港一覧 http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000310.html
by sanyo-kansatu
| 2016-01-28 15:10
| “参与観察”日誌
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