ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2016年 01月 31日

慎重な日系エアラインとは対照的なスプリングジャパン初の国際線就航

中国系エアラインの果敢な日本路線の拡充の一方、日系はどうなのか。こちらは対照的に慎重な姿勢を崩していません。

中国の日本路線がすごいことになっている!(だから訪日中国人は500万人規模になった)
http://inbound.exblog.jp/25298672

たとえば、ANAは1月20日のプレスリリースで新規の中国(武漢)線の開設を発表していますが、中国線の定期便は10都市11空港にすぎません。以前に比べれば、これでもずいぶん増えた気はしますが、中国系に比べると、どうしても少なく見えてしまいます。
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2016年度 ANAグループ航空輸送事業計画を策定
~ 4月より成田=武漢線、9月より成田=プノンペン線を新規開設します!
https://www.ana.co.jp/pr/16_0103/15-099.html

JALはどうでしょう。中国系エアラインとのコードシェア便を含めれば15都市と結んでいるとはいえ、JAL自身は北京、上海、広州の3都市のみです。
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JAL中国線ネットワーク
https://www.jal.co.jp/inter/info/cn/

訪中日本人、特にレジャー客が激減してしまったいま、日系エアラインはビジネス需要や中国からのインバウンド需要に応じた路線展開を考えているものと思われますが、ここ数年の日本企業による中国進出や投資の減速もあり、慎重にならざるを得ないのでしょう。さらに、中国系の新規路線開設や増便が相次いだ結果、やや需給環境が悪化している(供給過剰)ともいわれます。

実際、訪日中国客の旺盛な購買力が相変わらず目立つ一方、中国経済の減速は日ましに現実のものとなり、建設・工作機械や電子部品の対中輸出がマイナスとなるなどの経済指標も続出しています。

いま中国では日本旅行がブームです。とはいえ、ここ数年、中国側にはどこか前のめり感があることも否めません。

それでも昨年末、スプリングジャパン(春秋航空日本)は初めての国際線として2月中旬より成田・武漢、重慶線の就航を発表しています。

成田―武漢(週3便)
IJ1011 成田発10:20-武漢着14:15
IJ1012 武漢発15:15-成田着19:40

成田―重慶(週4便)
IJ1021 成田発9:00-重慶着14:15
IJ1022 重慶発15:15-成田着20:25

スプリングジャパン(春秋航空日本)
http://jp.ch.com/

初めての就航地として武漢、重慶を選んだ理由として、日系企業が多く進出していること。中国内陸部の観光地のアクセスに便利と、同社ではあくまで日本客の利用を想定したプレスリリースを出しています。さらには、こんなキャンペーンも。
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http://jp.ch.com/content/Activitiesall/WUHSanguo0122/edm/edm_0122.html?cmpid=edmin_mk_manu_wuhsales_online_160122

でも、実際には中国内陸部の訪日旅行市場が盛んになっていることや、武漢・重慶から関空への運航便の搭乗率が高く、その多くは旅行団体客であることから、関西から関東に周遊した後、再び関空に戻らずに、中国へ帰国できるようになれば、さらに利便性が上がると見込んでのことでしょう。

この路線はすでに春秋航空の関空線が就航していますし、成田線でも他の中国国営キャリアと競合しています。しかし、2014年に日本法人を創設して以降、ついに国際線の運航も開始した春秋グループの息の長い日本路線構築の取り組みは、長期的な視点に基づくものです。この1、2年で急に日本路線を増やしてきた他の中国系とは違います。

もし彼らに誤算があるとしたら、これほど日本人が中国に行かなくなるとは思ってもいなかったでしょう。日本人のサイレントクレイマーぶりは、さすがに想定外だったに違いありません。春秋航空が国際線の初めての就航先として茨城空港に決めた2007年頃、訪中日本人の数は過去最高の400万人弱だったのですから(2015年はおそらく半分近くに減っているのではないでしょうか)。
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by sanyo-kansatu | 2016-01-31 15:12 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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