ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2016年 03月 09日

中国内陸都市でも若い世代を中心に個人旅行化の機運が起きている

2月中旬、中国の内陸都市である重慶や成都(四川省の省都)を訪ねたのですが、そこでいちばん感じたことは、上海や北京などの沿海先進経済地域に遅れて訪日旅行市場が動き出したばかりのこの地域でも、若い世代を中心に個人旅行化の機運が起きていることでした。

たとえば、重慶や成都の書店に行くと、個人旅行者を対象とした旅行ガイドが並んでいます。
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中国は国土が広いので、上海や北京に比べると数年遅れの内容からなるラインナップという気がしますが、東京や大阪だけでなく、沖縄や中部北陸地方限定のシリーズ書も並んでいます。
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中国人に比べはるかに日本旅行に精通した韓国人や台湾人による紀行エッセイなども多数発売されており、情報源となっていることがうかがえます。
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ネットによるさまざまな情報があふれる中国ですが、これらの情報は真偽のあやしい噂話も多いといえます。ぼくは微信(WeChat)で「日本特色深度游(日本の特色あるディープ旅行)」や「日本自由行(日本自由旅行)」といったグループに入って日々彼らがアップする情報を眺めていますが、そこには日本に関するさまざまな情報があふれてはいるものの、断片的なネタが多く、人によって本来目的の異なっているはずの滞在中の行動の充実度を高めるための戦略的かつ鳥瞰図的(とでもいいましょうか)な都市の構造のコンパクトな把握を行うための最も基本的な見取り図を提示することにおいては、現段階では、旅行書籍のほうがネット情報より秀でていると思います。

要するに、それが中国の旅行書のタイトルによく使われる「攻略」ということですが、これが頭に入っていないと、だた点と点をつないであてどなく移動していくほかないからです。要は、ネット情報は必ずしも「使える」とはいえないものも、多いのです。

ぼくはふだんからよく思うのですが、ネットの情報というのは、本当はよくわかってもいないのに、わかった気にさせてしまう面があるという自覚が利用する側に必要とされるメディアだということです。特に旅行情報については、その悪しき影響が強いと思います。

さて、海外旅行市場もかなり成熟してきた沿海地方とは違い、重慶や成都あたりでは、街場の旅行会社の店舗などにこうした旅行商品のリストを手書きにしたボードがよく置かれていました。
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最初の看板は中国青年旅行社のもので団体ツアーの情報ですが、下のボードは、国内外の手配旅行の情報です。いま中国の人たちは、お仕着せの団体ツアーではなく、自分の足でどこでも訪ねてみたい、そういう思いでいっぱいのようです。
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先ごろ成田・重慶線を就航させたばかりのスプリング・ジャパンの親会社にあたる春秋国際旅行社では、以下のようなチラシを配っていました。
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「日本自由行」とあるのは、先日本ブログでも紹介した重慶の街角の電子広告にもあった個人旅行の手配をうたうものです。

「重慶・東京5400円から」「日本旅行5泊6日6万3000円」~重慶、成都の街角にて
http://inbound.exblog.jp/25425180/

チラシの裏面を見ると、細かな料金表が載っていました。その内容は、「(日本までの往復)航空券」「ホテル(希望宿泊分)」「ビザ(団体ではなく個人ビザ)」「WiFi(日本でスマホを使うためのアプリ購入代金)」の組み合わせでした。
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これはあくまで個人ビザを取得した人たち対象のサービスですが、これを見てわかるのは、いまの中国人がどんな日本旅行をし始めたかということです。

最も割安な「航空券+ホテル1泊」(4泊5日 2799元)とは、往復の航空券と初日のホテル1泊分のみのサービスで、これを購入する人は、すでに個人のマルチビザを所有しているため、あらたにビザ申請する必要がなく、成田に到着したその日の夜だけ成田周辺か都内に1泊ホテルを予約するだけを旅行会社に依頼しているわけです。

このような「自由行」のスタイルは、日本では1980年代から一般化していたもので、ちょっと懐かしい気がします。ぼくも、20代のころ、往復航空券と初日のホテルのみ予約して海外に遊びによく行っていたものだからです。日本人の場合は、たいていどこに行くのもビザが不要だったので、中国人の場合のように、ビザ代行を旅行会社に依頼する必要もありませんでした。

ところで、彼らは初日だけホテルを予約して、残りの日の滞在はどうしているのか? 自分でネット予約しているのです。中国の最大手オンライン旅行会社のCTripを使ってもいいでしょうし、最近では中国版AirBnBである「住百家」という民泊サイトを利用する人も増えています。

住百家 http://www.zhubaijia.com/

このサイトは、在日中国人らが運営する民泊サービスです。法的にグレーゾーンとされるこのサービスの実態については、今後あらためて紹介したいと思います。

何はともあれ、我々が想像する以上の速さで、中国の個人旅行化は進みつつあり、今後訪日旅行市場にも影響していくことが予想されます。
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by sanyo-kansatu | 2016-03-09 08:31 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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