ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2016年 03月 09日

成都のイトーヨーカドーと伊勢丹は気軽に旅行に行けるようになった日本のイメージと重なって見える

2月中旬に四川省の成都を訪ねたとき、足を運んでみたかった場所があります。イトーヨーカドーと伊勢丹です。

理由は、以下のネット記事を読んでいたからです。

反日デモでイトーヨーカ堂がほとんど無傷だった理由
http://diamond.jp/articles/-/31996

2012年の荒れ狂った反日デモの渦中で、日系ショッピング施設でありながら「無傷」だったというのはどういうことなのか? 

ひとりの中国通の日本人経営者の存在があるようです。

詳しくはこの記事を読んでいただくとして、これ以外にも、2012年頃に配信されたネット情報をみると、同店が現地でいかに受け入れられているかを知ることができます。

城取博幸の 中国 成都のスーパーマーケット見聞録
https://www.shirotori-f.com/sp/data/21seito.pdf

場所は、成都市中心部に位置する天府広場に近い繁華街である利都広場にあります。
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これがイトーヨーカドーです。隣に伊勢丹があります。日系ショッピング施設が仲良く並んでいるのでした。
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まずイトーヨーカドーの中に入ってみましょう。
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なんだか日本のイトーヨーカドーみたいな雰囲気です。このセールの感じもそう。
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店舗は5階までで、1FにZARAが入っています。
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「新学期セール」をうたっていますが、中国では新学期は7月からのはず。どういうことでしょう。
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「朝9時から夜10時半まで」とは、さすが夜遊び好きの成都らしい営業時間です。
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成都伊藤洋华堂
http://www.iy-cd.com/

イトーヨーカドー海外店舗
https://www.itoyokado.co.jp/store/abroad.html

イトーヨーカドーが現地政府の要請で成都に開業したのは、1996年のことだそうです。現在、成都に6店舗。北京にも5店舗あるそうです。

さて、伊勢丹はどうか。8階建てで、日本食レストランも入っています。店内は、日本の地方の百貨店の雰囲気に近いです。
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ぼくは、上海や天津、そしていまは撤退してしまった瀋陽の伊勢丹にも足を運んだことがありますが、もしかしたら成都の伊勢丹がいちばんカジュアルというか、地元になじんでいる印象がありました。こちらは2007年の開業だそうです。
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成都伊势丹百货
http://www.isetan-chengdu.com/

伊勢丹海外店舗
http://www.imhds.co.jp/company/department_overseas.html

面白いのは、伊勢丹の周囲に屋台が出ていることです。これも成都らしいのかもしれません。
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ここに来るとき、ぼくは地下鉄を利用したのですが、2号線春熙路駅を降りると、地下から上海や北京にあるようなクールなショッピングモールにつながっていました。そこには海外の高級ブランド店が入っています。
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この高級ショッピングモールが伊勢丹の目の前にあるのです。おそらく数年前にできたというところでしょう。

これを見たとき、ふと思いました。ある時期まで、イトーヨーカドーはともかく、伊勢丹はこの街で最も輝いていた瞬間があったのだろうと。しかし、いまではプラダの入った高級ブランドショッピングモールができる時代を成都も迎えている。これじゃ伊勢丹の輝きもうせてしまったかもしれない…。

ところが、これらの高級モールにはそれほど客の姿が見えないのです。

こちらは重慶の最もにぎやかな解放碑という繁華街にある「協信星光広場」という高級ショッピングモールです。こういうの、よく北京や上海でも見かけます。でも、客はほとんどいません。その周辺の繁華街には人があふれているのに、です。
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中国もいまや低成長の時代を迎えています。2000年代のように高級ブランド品がバンバン売れる時代ではありません。これらのバブルな施設の命運は尽き果てそうな気配です。

今回、これらを見て思ったのは、ここ数年の高級モールの登場で色あせたかに見える伊勢丹は、成都の人たちにとって気軽に旅行で行けるようになった日本のイメージと重なって見えているのでは、ということでした。それは、日本が彼らの手の届く存在になったということです。

それは悪い話ではないと思います。
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by sanyo-kansatu | 2016-03-09 17:48 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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