ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2016年 05月 22日

インド人観光客が増えると、日本のインバウンドはどう変わるだろう?

今朝、ネットで以下の報道を知りました。

観光局、インド事務所開設へ=12億人市場で訪日客誘致(時事通信2016/05/21)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016052100174&g=eco

訪日外国人旅行者の増加に取り組む日本政府観光局(JNTO)が今年度中にインド事務所を開設することが21日、分かった。高度経済発展を続けるインドでは近年、中間所得層が急増。人口12億5000万人を抱え、今後も海外への旅行者が増え続けるとみられるインドを「重点市場」と位置付け、日本の魅力をアピールして観光客誘致に力を入れる。

インド観光省によると、2014年に海外を訪問したインド人旅行者は約1800万人で、10年前の3倍近くに増加。最も多い訪問先としては、サウジアラビアやタイ、シンガポール、米国が90~100万人で上位を争う。

一方、14年に日本を訪れたのは約8万8000人にとどまった。中国(13年で約67万人)や韓国(同約12万人)と比べても「かなり少ない」(日印外交筋)。

日印両国は政治、経済両面で結び付きを強めつつある。その半面、日本へのインド人留学生は15年5月時点で約880人で、訪日観光客と並んで低調だ。外交筋は「両国関係の緊密さに比べ、人的交流は後れを取っている。今後は相互交流を活発化させることがさらなる関係強化につながる」と話す。

以前、インドの旅行会社の人に話を聞いたことがあります。ムンバイの人です。

インド人の日本旅行の訪問地が東京・大阪プラス広島の理由(アセアン・インドトラベルマート2014その2) (2014年6月9日)
http://inbound.exblog.jp/22757002/

彼によると、日本旅行のゴールデンルートは東京、大阪、広島で、東アジアの人たちと比べ、日本に対する認識もずいぶん違うようです。教育もあるのでしょうが、広島の原爆ドーム訪問はたいていツアーコースに入っているそうです。

ちなみに、2015年の訪日インド人は約10万3000人でした。これまで訪日インド客が少なかった背景には、日本への航空運賃の高さがありました。彼らはヨーロッパや東南アジアにはよく旅行に出かけていますが、それは航空運賃が安いからです。

もう6、7年前のことですが、観光庁の主催するトラベルマート(訪日旅行促進のために各国からエージェントを呼んで行う商談会)の海外メディアを集めた記者会見でのある出来事を思い出しました。

※トラベルマートの記者会見とはこういう世界です。以下の話とは関係ありません。
外国人記者説明会(トラベルマート2011 その2)(2011.11.26)
http://inbound.exblog.jp/17093532/

まだ尖閣諸島沖漁船衝突事件(2010年)の起こる前のことで、当時から観光庁は中国市場に大きな期待をかけていました。そこで打ち出されたのは、「中国集中プロモーション」というものでした。

会見場にいたぼくはちょっとびっくりしました。なぜなら、そこには世界各国の記者がいたからです。大きなポテンシャルを持つ中国市場に期待するのは理解できますが、あくまで内輪の話にすべき。中国向けプロモーションに注力するというような話は、なにもそこでするのではなく、中国の関係者だけどこかに集めてすればいいものを……。

実際、記者会見の質疑応答のとき、インドから来た女性記者は「中国の話はわかったが、インドにはどんなプロモーションを考えているのか」と質問していました。彼女がそう思うのも、無理はありません。日本側は「今後いずれ」というような回答でした。

でも、あれから何年もたち、ようやくインドに日本の政府観光局ができるようです。当然、インドの海外旅行市場の調査や研究も始まっていくことでしょう。

インド客が増えると、日本のインバウンドもずいぶん変わっていくことと思います。基本的に英語圏の人たちなので、多言語化の問題はなさそうですが、彼らの文化や習慣など、なかなか独特ですから、最初はいろんな戸惑いもあるでしょう。でも、日本に対する感情は概ね良好な人たちですから、中国や韓国の訪日客に対するような疑心暗鬼や複雑な感情を引き起こすことは比較的少ないと思われます。
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by sanyo-kansatu | 2016-05-22 10:18 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)


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