ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2016年 06月 08日

中国メディアが名指しした新宿のブラック免税店を見に行ってみた

5月末、中国メディアで一斉に報じられた日本の「ブラック免税店」告発報道について、これまでいくつかの文章を書いてきました。

日本のブラック免税店が中国客を陥れる!?
http://inbound.exblog.jp/25875503/
ブラック免税店問題はもうずっと前からありました
http://inbound.exblog.jp/25875949/

これが中国報道の原文です。

日本免税黑店专坑游客 多次曝光受害者不减反增(2016.5.31)
http://news.sina.com.cn/w/zx/2016-05-31/doc-ifxsqxxu4793505.shtml

さて、この記事の中に出てくるのが、以下の2つの免税店です。

Alexander & Sun
東京都新宿区新宿5丁目17番13号
オリエンタルウェーブビル 6F
http://www.alexanderandsun.com/
1978年大阪で創業。店舗は、東京、大阪、名古屋、福岡ホークスタウン、太宰府、札幌、別府、有田、沖縄と東京オフィスがあります。

JTC 免税店(JTC Tax-freeshop)
新宿区大久保1丁目8番4号 2F
http://www.groupjtc.com/japanese/
「外国人観光客向けに全国に13店舗(常設10店舗、臨時3店舗)を運営しています。高級化粧品、健康食品、電化製品、アクセサリー、雑貨などの約2万アイテムを取り扱っており、中国語・韓国語・英語・タイ語に対応しています」(同サイトより)。

実をいうと、この2店は、東新宿にあるぼくの仕事場からどちらも500m半径内にあります。

こうなると、住所の場所を訪ねてみないわけにはいきませんね。先ほどちょっと見に行ってきました。

まずAlexander & Sun。新宿花園神社の裏手にある中華料理の老舗「東京大飯店」と同じビルで、靖国通りに面しています。
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ビルの前に行くと、店のシャッターは閉められていました。
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居酒屋などの入った雑居ビルの6Fにあるのですが、エレベーターで6Fのボタンを押しても反応しません。
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1Fの通路に扱っている商品らしきディスプレイがあるのみでした。
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かつて「ダイヤ免税店」という名だったことがわかります。

もしかして中国報道の影響があったのでしょうか…。ただし、この種の免税店は、団体客が来たときだけ、店を開けるのかもしれません。予約なしで来店ということはないのでしょう。

次は、JTC 免税店。こちらは新大久保の職安通りにあります。
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東新宿駅方面から職安通りを歩くと、大型バスの数が目に見えて増えてきます。数台のバスが停車している場所に向かうと、そこがJTC 免税店でした。
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店の前には中国客があふれています。
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1Fが宝石店で、2Fが例の免税店、3Fはレストラン街です。韓国料理などのレストランが数軒入っています。
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もともとこのビルは、2012年6月にオープンした韓流百貨店「K-PLUS」というアミューズメントビルでしたが、韓流ブームの凋落とともに経営が低迷し、14年10月に3Fのレストランを除いて閉店。翌11月にJTC免税店の開店となったようです。3Fのレストランの隣の売店で働く韓国人に聞くと「前はレストランにもたくさん客が来ていたけど、最近は少ない。でも、下の免税店は9割が中国人。韓国人もたまに来る」とのこと。これだけ中国客が押し寄せると、日本の韓流ファンも足が遠のくのは無理もなさそうです。せめて中国客がここで食事をしてくれればいいのでしょうが、それはほぼなさそうです。韓国料理しかないせいもあるでしょうし、彼らには在日中国人の経営する提携食堂が別の場所にあるからでしょう。

帰りに、免税店の中をちらりと覗くと、ビルの前はそれなりに人で混雑しているものの、それほど買い物客がいるようでもなく、閑散としています。以前、福岡のクルーズ客が免税店にあふれ、「爆買い」していた光景を見たことがありますが、そのような熱気は感じられませんでした。

そうだとしても、中国報道によると、この免税店で多くの中国客が騙されているというのに、これだけの人たちがいまもここに来ている…。いったいどうしたことでしょう。彼らは何も知らないのか。

中国団体客は年配の人が多いため、この種の情報に疎いのか。でも、若い子もそこそこいます。買い物をすませたのか、そもそも買うつもりがないからか、店の外でバスを待っている女性たちもけっこういます。彼女たちは、報道を知っていて、そうしているのでしょうか?
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免税店の隣には、中国客向けの小さな薬局や雑貨店までできていて、クスリはもちろん、ドリンクや軽食を売っています。さすがに商魂たくましいですね。
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JTC免税店の東側に、昨年にできたという別の免税店もありました。「東京薬局免税店」とありますが、調べると、韓国系の永山免税店新宿店のようです。中を覗くと、宝石や家電用品、ドラッグストア系商品などが置かれていて、中国客もいます。いまや職安通りは、コリアンタウンの一部でありながら、中国団体客ご用達ショッピングタウンになっているのですね。
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先日、中国の通訳ガイドの友人と「ブラック免税店」の問題をめぐってずいぶん話したのですが、よくよく考えると、中国側の報道がもっと広まれば、さすがの中国客の皆さんも、ここでは無言の非買運動を始めるはずでは。そうすれば、わざわざ摘発などしなくても、これらの免税店の経営は立ち行かなくなり、市場から淘汰されるという話にはならないのか。

ブラック免税店日中問答「それはおもてなしする側が解決すべき問題でしょ」
http://inbound.exblog.jp/25876810/

でも、どうやらそうはならなさそうなところが、いかにも中国的です。新宿のJTC免税店は、少なくともいまは中国団体ツアー必須の立ち寄り先になっているようです。もちろん、それは中国客の希望というより、在日の中国人ガイドがコミッションをもらわないとツアーが成り立たないからでしょうけれど。

はたして中国メディアから名指しされた「ブラック免税店」は今後、どうなるのでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2016-06-08 15:27 | 東京インバウンド・スポット | Comments(1)
Commented by jjノリナカ at 2017-05-26 11:18 x
私も行って見ました。外国人のお客様の多い普通の店でした。自由に入れましたけど?殆どが日本の有名ブランドの商品で販売価格も高い感じがしませんでした。


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