2016年 06月 18日

外国客を呼びたいなら、中国はFacebookやLineを解禁すべきでは!

昨日、中国海南省の観光セミナーの報告をしましたが、中国でも日本と同様、インバウンドプロモーションをやっていることを知ってもらいたかったからです。

海南島のロゴ「HAINAN」はハワイ「HAWAII」と似ていて笑った話
http://inbound.exblog.jp/25918397/

このところめっきり日本人は中国に旅行に出かけなくなってしまっているのに、なぜ中国の旅行関係者は日本でインバウンドプロモーションをするのでしょう。

なにしろこの夏の日本人の人気海外旅行先のランキングをみても、20位内にすら中国の都市はひとつも入っていないありさまです。

トラベルコちゃん海外ツアー検索で人気の海外旅行先(2016年夏)
http://www.tour.ne.jp/special/world/ranking/index_summer.html

しかし、中国側からみると、そうでもないのです。中国国家旅游局のサイトによると、訪中外国人の国別統計では、2015年の総数は2598万人で、トップ3は1位が韓国(444万人)、2位は日本(249万人)、3位がアメリカ(208万人)なのです。

2015年1-12月入境外国游客人数(中国国家旅游局)
http://www.cnta.gov.cn/zwgk/lysj/201601/t20160118_758409.shtml

それならば、彼らが日本を重点プロモーション国と位置付けるのは、一応筋が通った話といえるでしょう。

もっとも、日本人の場合、多くはビジネス出張者の往来のように思います。レジャー客はそれほどではない。中国は広く、歴史的にもさまざまな文化遺産があり、興味の対象も多いので、個人客もいますが、以前ほど多くはなさそうです。かつては年配の日本人の人気旅行先でしたが、両国関係の悪化とともに失速してしまいました。

いまアジアでは、国際観光市場が拡大しています。そのうち伸び率がいちばん高いのは日本ですが、たいていの国で伸びています。伸び悩んでいるのは、中国と北朝鮮です。

では、なぜ中国を訪れる外国客が伸び悩んでいるのか。それは、PM2.5に象徴される環境汚染もそうですし、習近平政権以降の対外政策が近隣諸国の不興を買っていることもあるでしょう。

しかし、今回の海南島の観光セミナーをみるかぎり、基本的なプロモーションができていないことがあると思います。

これは海南省のような地方政府だけでなく、昨年の今頃行われた首都北京の旅游局のプロモーションもそうでしたから、国全体の問題でしょう。

外国人観光客数が伸び悩む中国の観光PRのお寒い中身 (2015年 05月 14日 )
http://inbound.exblog.jp/24475269/

要するに、プロモーション手法が旧態依然としていて、対象市場の消費者が何を求めているかというマーケティングがないのです。これは対日本だけでなく、3年前の台湾の旅行博でも同じでした。そもそもやる気が感じられないのです。

台湾で中国本土ブースが不人気な理由(台北ITF報告その2) (2013年 10月 30日 )
http://inbound.exblog.jp/21375685/

いま東アジアの人の動きが大きく変動しています。かつての日本を中心に東アジアの国々に向かって人の動きが広がっていた時代(2000年代前半まで)から、いまでは東アジアの国々から日本に向かって人の流れが拡大しています。

昨年4年ぶりに開催された日中韓の観光大臣会合でも、時代の大きな変化の中で共に人的交流を発展させていこうという話でまとまったのですが、なにしろ日本人が以前のように中韓両国に行かなくなってしまったので、話の盛り上がりようがありません。

「最大の問題は、日本人が中韓両国に行かなくなったこと」なのだろうか?(第7回 日中韓観光大臣会合) (2015年 04月 16日)
http://inbound.exblog.jp/24367145/

そんなわけですから、中国の旅行関係者も、日本に向けたインバウンドプロモーションのやり方を改善しようという意欲がわいてこないのも当然かもしれませんね。

ところで、日本人はともかく、外国人全般の中国への旅行が伸び悩んでいる理由について、個人的に思うことがあります。

それは、中国ではFacebookやLine、Googleが使えないことです。

いまの時代、海外旅行にとってSNSは欠かせないアイテムです。中国人も世界中を訪ね、旅先で撮った写真や動画を微信で送りまくっています。

自分たちが海外でいちばん楽しんでいることを、自国では外国人にやらせないのでは、誰も足を運びたがらなくなるのは当然ではないでしょうか。外国人は中国に来ることを歓迎されていないのだとみなされても仕方がありません。

LINEとGmailが使えない中国ってどうよ (2014年 07月 29日 )
http://inbound.exblog.jp/23696725/

中国全土が無理なら、せめて海南島だけでもFBやLineを使えるようにすればいいのに! それが最大のプロモーションじゃないんですか。

そんなひとりごとをぶつぶつ言いながら、セミナー会場をあとにしました。 
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2014年5月頃、上海の人民広場駅の構内にはLINEの立体広告が置かれていました。その2ヵ月後、中国でLINEは使用不能となったのです。

【追記】
もちろん、中国でFacebookやTwitterを使うことが絶対できないわけではありません。ネットを見ていたら、あるIT関係の専門家が初めて上海に行き、「グレートファイアウォール」を体験した話を書いていました。

上海でグレートファイアウォールにぶつかった話(IT Mediaエンタープライズ2016年06月28日)
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1606/28/news058.html

筆者は「香港でプリペイドSIMカードを購入し、ローミングという形で通信を行っ」たそうです。一般に海外旅行で使われるレンタルWi-Fiルーターでは、中国の通信事業者のネットワークを使うため、グレートファイアウォールに捕まってしまうからです。

香港で買える「海外用プリペイドSIM」完全ガイド2015年編――海外プリペイドSIM導入マニュアル(IT Mediaエンタープライズ2015年01月28日)
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1501/28/news125.html

筆者によると「丸3日間の滞在だったので、写真はたくさん投稿するものの、1.5Gバイトもあれば安心」とはいうものの、「たったの3日間かあ」と思わないではありません。
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by sanyo-kansatu | 2016-06-18 08:17 | “参与観察”日誌 | Comments(0)


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