2016年 10月 11日

「外国人多くご不便を」とアナウンスした車掌さん 訪日客急増で日本人はストレスをためてる?

今日、ネットでこんな記事を見つけました。訪日外国人が街に増えて、日本人はストレスをためてしまっているのでしょうか。  

以下、記事を転載します。

「外国人多くご不便を」 南海電鉄40代車掌が不適切アナウンス…乗客クレーム発端 「差別の意図なかった」と釈明(産経WEST 2016.10.10)
http://www.sankei.com/west/news/161010/wst1610100055-n1.html

「南海電鉄の40代の男性車掌が日本語で「本日は外国人のお客さまが多く乗車し、ご不便をお掛けしております」との車内アナウンスをしていたことが10日、同社への取材で分かった。車掌は「差別の意図はなかった」と釈明。同社は「客を区別するのは不適切」と車掌を口頭で注意した。

同社によると車内アナウンスは10日午前11時半ごろ、難波発関西空港行き空港急行が天下茶屋を発車した直後の車内で流れた。

車掌は同社の聞き取りに「日本人乗客の1人が車内で『外国人が多く邪魔だ』との内容を大声で言ったのを聞き、乗客間のトラブルを避けるため、所定の案内を放送した後、付け加えた」と話したという。

関西空港駅到着後、乗客の日本人女性が駅員に「社内ルールに定められた放送なのか」と問い合わせて発覚した。同社は「日本人も外国人もお客さまであることには変わりない。再発防止を図りたい」としている」。


面白いと思うのは、このアナウンスを耳にして黙っていられなかった「日本人女性」がいたことです。なぜ外国人が多いと不便なのか。彼らも我々と同じ人間ではないか……。(実際のニュアンスはわかりませんが)そう問い正さなければ気がすまない義憤をおぼえたのだとしたら、それはぼくも賞賛したいと思います(自分はそこまで絶対できないと思うので……)。それとも、そのとき彼女は外国の友人か誰かと一緒に電車に乗っていたのかもしれません。

ただこの車掌さんも差別意識があったというより、外国人の存在が目には見えていても、自分の生活圏には無縁の存在でしかなく、だから無意識のうちに「私たち(自分のいる側)」と「外国人(そうでない側)」という切り分けをしてしまったのだろうと推察します。大声でどなったおじさんのように、「外国人が多く邪魔だ」と感じている「私たち」が大勢いるかもしれない。彼としては、そこに気を遣ったつもりなのではないでしょうか。

さすがにこの車掌さんも「子供が多くご不便を」、あるいは「女性が多くご不便を」などとは言わないでしょう。昭和の昔には、そんなことも平気で言う車掌さんがいたかもしれませんが、さすがに平成の時代です。

いまは過渡期なんだと思います。多くの日本人にとって、これほどたくさんの外国人が普通に街を歩いていたり、乗り物に乗っていたりする時代というのは初めてなので、そのような社会の変化に慣れていないのだと思います。

それが日本人にとって目に見えないストレスになっているかどうかは、個人や世代によるかもしれません。

だから、しょうがなかったではすまないわけですが、かつてこの車掌さんのようなおじさんたちは「女子供」で同じ過ちを繰り返してきた過去があったのではないでしょうか。今回のことで、このおじさんも「外国人」が「女子供」と同じジャンルなのだと理解したことでしょう。

それにしても、こういうことをつい言ってしまうなんて、やはり40代だなあと思いましたね。さすがに若い人だと、もう少し外国人の存在に身近に触れている気がします。子供の頃から、学校教育の場面でも外国人教師がいたと思われるし、これは都会の一部に限られるかもしれませんが、クラスにひとりやふたりは日本人と外国人のハーフの子や中国人2世がいたと思うからです。

「慣れている/いない」というのは、一般的には責任ある立場の人が粗相をしたときの言い訳にはならないかもしれませんが、慣れていない事情を無視して、頭ごなしに責めるのもどうかとも思います。ポリティカルコレクトネスを楯に「言葉狩り」のように思考停止を人に強いるやり方ではなく、だんだん慣れていくというプロセスが大事ではないか。そうやって社会はこれまでも変わってきたに違いないからです。

【追記】
その後、ネットにこの件に関する以下の続報がありました。

南海電鉄「外国人乗客に辛抱を」車掌アナウンスやっぱりアウト!? 街で聞いてみたら...(J-CASTニュース2016/10/12)
http://www.j-cast.com/tv/2016/10/12280375.html

テレビのワイドショーでこの件が扱われたようです。タイトルにもあるように、アウトかセーフかという問いたてがあり、日本人乗客と外国人観光客の双方にインタビューした結果、両論あるとレポーターが伝えた後、番組のコメンテーターはアウトだと発言したようです。

でも、ここでのポイントはここにありそうです。以下、記事の一部です。

「外国人向けマナー喚起も効果なし

空港急行の乗客はだいたい30%近くが外国人だという。いっぽうで、この路線は堺、岸和田を通る生活路線でもある。なんば駅には外国人向けに、「食事はしない」「携帯は使わない」「床に座らない」など車内のマナーを守るよう呼びかけがある。しかし、たくさんのスーツケースで社内は大混雑となり、声がうるさい、マナーが悪いなどの苦情は多いという」。

ぼくも何度か関空から大阪市内に向かう南海電車(ラピート)に乗ったことがありますが、確かに日本人の現在の感覚では、一部の外国人の姿はこう映る場合もあるだろうなと思います。

だから、視聴者の中には、コメンテーターの発言に、逆になんらかの違和感をおぼえたりするのかもしれません。なにかきれいごとで丸め込まれたかのような……。

ぼくの感じ方は、正直なところ、少々「お行儀の悪い」外国人の様子を見ても、「自分の若い頃はこんなもんだったよなあ」という思いしかありません。これも個人差なので、他人に強制はできませんけれど。

あるひとりのコメンテーターが「修学旅行生が多くてご不便とは言わないでしょう」と指摘していましたが、そのたとえはうまいなと思いました。日本人であれば、誰でも修学旅行の経験はあるからです。その意味では、海外旅行で日本に来ている外国人に対して「修学旅行生」のようなまなざしを向けることは、誰もができることではないかもしれません。でも、これも慣れだと思うのですけれど。
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by sanyo-kansatu | 2016-10-11 22:05 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)


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