ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 01月 07日

黒龍江省北辺の町、黒河のボート遊覧とロシアへの日帰り観光

極東ロシア人たちが国境を越えてお隣の中国旅行を楽しんでいる話を以前しましたが、もちろん中国の人たちもロシアへのボーダーツーリズム(国境観光)を盛んにやっています。

ロシア最果ての地の人たちは中国でどんな旅行を楽しんでいるのか(黒河編)
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たとえば、黒龍江省北辺の黒河では、黒龍江(アムール河)のボート遊覧が楽しめますし、対岸のロシア・アムール州の州都ブラゴベシチェンスクへの日帰りや1泊2日のツアーも催行されています。
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シベリアのかなたから黒土を運んでくる黒龍江の河の色は、近くで見ると泥色をしているのですが、夏になると晴れ渡った空の青みを映し出して、まるで海のようです。さすがにここまでは北京のPM2.5は届いてこないため、空気も澄んでいて、避暑を過ごすには気持ちがいい町です。この町の人たちは、約1kmほど離れた対岸のロシアの町を眺めながら暮らしています。この雰囲気は、タイやラオス、ミャンマーが国境を接するゴールデントライアングルで暮らす人たちの様子ととても似ています。

インドシナ3カ国が接するゴールデントライアングル最新国境風景
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冬になると、河は氷結します。この写真は春になって氷が溶け出している時期のものですが、黒龍江から押し出された氷の流れ着く先が、北海道網走の流氷というわけです。
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さて、この辺境の地を訪れた中国の人たちが必ず乗るのが黒龍江の遊覧ボートです。河沿いがずっと公園になっているのですが、その西端にボートの発着場があります。夏の間は、朝8時過ぎから1日6~7回、つまり1時間に1本くらいの間隔でボートは出ます。時間は決まっていなくて、客が数十人くらい集まった頃合いにのんびり船出します。料金は40元でした。所要30分くらいのショートボートトリップです。
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ふと見ると、河で泳いでいる人たちがいます。
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さて、ボートは下流に向かって走り出します。乗客は対岸のロシアをじっと眺めています。
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しばらくすると、対岸が近づいてきました。マンションが見えます。実は、ぼくが初めて黒河を訪ねたのは1990年のことです。その当時は、まだロシアにはこんな高いビルはなく、町並みもくすんでいました。中国側の黒河も同様で、満洲国時代の建物も数多く残っていて、町で「仁丹」と書かれた広告のペイントすら残っていたことを思い出します。もちろん、いまはまったく別の町のようです。
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河沿いでは、ロシア人たちが水浴びを楽しんでいます。
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観覧車も見えます。
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ライフセーバーの監視員もいます。
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以前、ウラジオストクに行ったときも、ロシアの人たちはこの時期(7月)、海水浴を楽しんでいました。おそらくシベリアの果ての極東ロシアで水浴びができるのは、7月から8月上旬くらいまででしょう。短い夏を楽しんでいる様子がうかがえます。

短い夏を満喫。ウラジオストクで海水浴
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サングラス姿の若いママさんもいました。
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ロシアの町だけあって、町並みはきれいです。中国側に量産されているなんちゃってロシア風建築とはモノが違います。
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さらに、下流に向かうと、コンテナ埠頭や中国との国境ボートの発着する港も見えてきました。
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乗客たちはこうしたロシア人の様子を望遠鏡でじっと眺めています。まさにボーダーツーリズムを楽しんでいるのです。
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ブラゴベシチェンスクの町外れあたりでボートは中国側に向かって折り返します。
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途中、ロシア人を乗せた遊覧ボートが近づいてきました。
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彼らもまたボーダーツーリズムを楽しんでいました。
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さて、ここまでは第三国人であるぼくも気軽に参加できるのですが、お互いの国へのビザなし日帰り観光ができるのが両国民の特権です。もちろん、日本人でも東京のロシア大使館で入国地をブラゴベシチェンスクと記載を入れたビザを取れば、中国人と一緒にツアーに参加できるそうですが、まあ面倒です。日露平和条約が結ばれたあかつきには、北方四島で同じことが実現されることになるのでしょうか。
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市内にはいくつかの旅行会社があります。黒河からはロシアの3つの都市へのツアーが催行されているようです。「布市」がブラゴベシチェンスク、「海参威」がウラジオストク、「哈吧」がハバロフスクです。ブラゴベシチェンスク行きは日帰りだけでなく、1泊2日、2泊3日もあるようです。
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日本人が訪ねてくることなどまずないので、珍しがられてロシア日帰りツアーの話をいろいろ教えてもらいました。
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これがブラゴベシチェンスク行きの日帰りと1泊2日のツアーパンフです。日程は、早朝7時に黒河口岸(イミグレーション)に集合。夏は船で、冬は氷結した河上をバスで渡ります。
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主な訪問地は、この写真にあるように、レーニン広場や凱旋門、シベリア鉄道駅、州政府ビルなどの古いロシア建築や教会をめぐり、ロシア料理の昼食を取る。午後は自由行動で、日帰りなら夕方には黒河に戻るというもの。1泊2日は、市内のホテルに宿泊し、ロシア人宅への家庭訪問などのメニューもあります。

ツアー料金は安く、日帰りで450元、1泊2日で750元が相場だそう。

実は、1年後に東京でロシアビザを取って黒河からブラゴベシチェンスクに渡り、シベリア鉄道でハバロフスクまで行き、中国に再び戻ってくる取材を計画しているところです。
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by sanyo-kansatu | 2017-01-07 10:44 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)


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