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ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 01月 23日

ついにVPN規制!? 外国人にSNSを使わせないようでは、誰も中国に行かなくなるぞ

中国では、LINEやFacebook、InstagramなどのSNSはもちろんのこと、GmailやYOU TUBE、ユーストリーム、ニコニコ動画をはじめ、YahooやExciteのブログなども閲覧不可です。

LINEやGmailが急に使えなくなったのは、2014年7月頃からでした。

LINEとGmailが使えない中国ってどうよ
http://inbound.exblog.jp/23696725/

いまの時代、海外旅行にとってSNSは欠かせないアイテムです。中国人も世界中を訪ね、旅先で撮った写真や動画を微信(WeChat)で送りまくっています。

自分たちが海外でいちばん楽しんでいることを、自国では外国人にやらせないのでは、誰も中国に足を運びたがらなくなるのではないでしょうか。こんなことでは、外国人は中国に来ることを歓迎されていないのだとみなされても仕方がありません。

外国客を呼びたいなら、中国はFacebookやLineを解禁すべきでは!
http://inbound.exblog.jp/25920704/

それでも、これまで中国でFacebookやTwitterを使うことが絶対できないわけではありませんでした。VPN(ヴァーチャル・プライベート・ネットワーク)を通すことで、中国在住の日本人や日本語のわかる中国人はFacebookを利用してきたのです。

ところが、今日、以下のニュースを知りました。

ネット規制、さらに強化=VPNを許可制に-中国(時事通信2017.1.23)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012300741&g=int

【北京時事】中国工業・情報化省は22日、当局の許可なくインターネットの仮想プライベートネットワーク(VPN)の提供を禁じる通知を出した。VPNは当局の検閲規制を乗り越えるもの。中国では、グーグルなどの規制対象サイトはVPNを通じて閲覧されてきたが、接続が一層困難となりそうだ。

中国では、当局に不都合な情報を規制する「グレート・ファイアウオール」という検閲システムが使われている。フェイスブック、ツイッターのほか、体制批判の記事を掲載する海外サイトなどの接続にVPNが利用されている。

今回の通知は、ネット情報の安全管理強化を名目に、来年3月末まで不正取り締まりを行うと定めている。

中国当局は海外からの情報流入に神経をとがらせ、これまでもVPNが機能しない状態になることがあった。今回の通知は、習近平指導部の2期目の人事を決める5年に1度の共産党大会を秋に控えた言論統制強化の一環とみられる。


先ごろ、中国の習近平国家主席はスイスのダボス会議で「保護主義」や「反グローバル化」を批判したそうです。

習近平、ダボス会議で主役 ――「鬼」のいぬ間に(Newsweek2017年1月18日)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6748.php

「当局に不都合な情報」があっても、それを受けとめるのが為政者というもの。たかが海外のSNSを自国民や外国人が利用することすら警戒するなんて「保護主義」の極みではないか。どの口が言うのだろうか、と呆れてしまいますが、こういうことが平気で言えるわけですから、臆面もなくVPN規制を進めていくのでしょう。

これでは、外国人はますます中国に行かなくなってしまいますね。2022年には北京冬期五輪もあるのに、どうするつもりなのでしょう? 

中国の為政者というのは、きっと批判に打たれ弱いんでしょうね。

by sanyo-kansatu | 2017-01-23 20:34 | 気まぐれインバウンドNews


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