ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 05月 28日

万景峰号の羅津(北朝鮮)からウラジオストク(ロシア)の運賃は片道9800円から

先週5月18日(木)の朝、北朝鮮船籍の万景峰号がロシアのウラジオストク港に初入港しました。当初は9日からと報じられていましたが、ロシア側の事情で延期になりました。今後は、毎週1回、水曜夜に北朝鮮の羅津港を発ち、翌朝ウラジオストク着、金曜夜に同港を発ち、北朝鮮に戻るというスケジュールだそうです(ただし、7月以降は未定)。
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↑ウラジオストク港に入港する万景峰号。運航を行うロシア企業が外観を白粉直しし、内観も旅客用にリノベーションしたという

日本のメディアも同船の入港を以下のように伝えています。

北朝鮮の万景峰号、ロシア・ウラジオストクとの間で定期便始まる(HuffPostJapan2017年05月18日)
http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/18/mangyongbong_n_16682488.html

北朝鮮の貨客船・万景峰(マンギョンボン)号が5月18日朝、ロシア極東のウラジオストクに入港した。両国間で客船の定期便が運航するのは初めて。ロシアのインタファクス通信などが伝えた。

万景峰号は平壌郊外にある山の名前にちなんで付けられた。1990年代から主に新潟港とを行き来していたが、北朝鮮が2006年にミサイル発射実験と地下核実験を相次いで実施したため、日本は万景峰号を含め、すべて北朝鮮の船舶の入港を禁止にした。

インタファクス通信によると、定員約190人、積載量約1000トン。ロシア側は船舶輸送会社「インベストストロイトレスト」(ウラジオストク)が運行に携わるという。

また、タス通信によると、万景峰号は17日夕、北朝鮮北東部の羅津(ラジン)港を出発。中国人の観光客ら約40人を乗せてウラジオストクに向かった。19日にロシア人観光客らを乗せて北朝鮮に戻る予定。

インタファクス通信によると、6月までは毎週水曜日に羅津を出発、金曜日にウラジオストクから戻るスケジュールだ。

北朝鮮はミサイル発射実験や核開発などを続けており、アメリカが空母打撃群を朝鮮半島近海に派遣するなど、緊張状態が続いている。

アメリカの圧力などもあって友好国の中国との関係も悪化している。ロシアとの間で定期航路を開いた背景には、北朝鮮が孤立化を防ぎ、観光によって外貨を稼ぎたい思惑もありそうだ。


日本の大手メディアは、アメリカ主導による対北朝鮮制裁が強化されるなか、同船の定期運航の背景に「北朝鮮とロシアの融和的な関係」があることを気にしています。

万景峰号がウラジオストク入港 ロシアと関係強化図る?(朝日デジタル2017年5月18日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK5L21B4K5LUHBI009.html

かつて日本と北朝鮮を往来していた貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」が18日朝、ロシア極東のウラジオストク港に入港した。新たに開設された北朝鮮との定期航路に就航したためで、月4回往復する予定だ。核・ミサイル開発を進める北朝鮮へは日米韓に加えて中国も姿勢を強めており、ロシアとの結びつきが強まる可能性もある。

万景峰号は17日夕、北朝鮮北東部の羅先(ラソン)経済特区にある羅津(ラジン)港を出港。約10時間かけてウラジオストクに到着した。到着ターミナルは多数の警官が警備し、岸壁付近への立ち入りを禁止するなど、物々しい雰囲気となった。

接岸した白い船体には、ハングルで「万景峰」と書かれている。乗客は中国の観光会社の代表ら。そのうちの1人は「時間も短く、料金も安い。とても快適だった」と話した。ロシアから食料品、北朝鮮から衣料品なども運ぶ計画だ。

ロシア極東には北朝鮮の出稼ぎ労働者が多く、航空や鉄道の直行便もある。運営するロシアの物流会社インベスト・ストロイ・トレストは「運航は庶民のため。北朝鮮に大きな利益は入らない」としている。

ロシア当局も計画を許可したとみられるが、5月上旬の就航予定が延期され、回数も月6回から4回に減った。今後も順調に運航できるかは不透明だ。

今回就航した万景峰号は92年に建造された2代目とは別の船で、就航に向けて全面改装した。北朝鮮の船は、北朝鮮のミサイル発射を受け、2006年に制裁の一環として日本への入港が禁止された。(ウラジオストク=中川仁樹)


万景峰号がウラジオストクに到着 ロシア、対北融和の姿勢鮮明に(産経ニュース2017.5.18)※共同ニュースの動画付き
http://www.sankei.com/world/news/170518/wor1705180037-n1.html

(一部抜粋)「核・ミサイル開発を進める北朝鮮への国際的な圧力が強まるなか、同国に融和的なロシアの姿勢が改めて浮き彫りになった」

一方、韓国や中国のメディアは、同船の乗客に注目しています。下記の韓国メディアの中国語版によると、「40名いた乗客のうち、90%は中国の旅行会社の関係者」だったと指摘しています。

北韩客货船“万景峰”号开始通航俄罗斯远东港口(KBS World Radio2017-05-19)
http://world.kbs.co.kr/chinese/news/news_In_detail.htm?No=54789

(一部抜粋)「本月17日从北韩罗津港出发的“万景峰”号于18日抵达俄罗斯远东符拉迪沃斯托克。北韩与俄罗斯通航定期客轮还尚属首次。在40多名乘客中,90%是关注海上旅游商品的中国旅行社负责人」。

また以下の中国メディアは「万景峰号の運賃が600元(9800円)から750元(1万2000円)であること。また乗客は、中国からロシアのウラジオストクに行く観光客で、その帰りに航路を利用すること。またロシアで働く北朝鮮の労働者たち」だと指摘しています。

北韩万景峰号客货船 定期驶往海参崴受注目(中广新闻网2017年05月19日)
http://dailynews.sina.com/gb/news/int/bcc/20170519/21007871554.html

(一部抜粋)「根据负责承运的俄投资建筑联合公司网站消息,不同舱位的船票价格为600至750元人民币(约5000-6000卢布)不等。根据获批的6月底之前的时刻表,渡轮每周三从罗津出发,每周五从符拉迪沃斯托克出发。”此外,俄罗斯卫星通讯社同日的另一篇报道《……国旅行社测试从朝鲜到俄远东的海上路线》里介绍说:“渡轮初步计划搭载来自……国珲春的游客赴俄,俄罗斯游客去往罗津港,以及朝鲜工人往返俄罗斯」

確かに、日本メディアのいうように、万景峰号の定期運航は国際社会の対北朝鮮制裁に一定の距離を置くロシア独自の動きという面もありますが、中国を巻き込む動き、すなはち中国人観光客を乗せることで運航を維持しようとしていることがわかります。

万景峰号によるロ朝新航路とウラジオストクで増加する北朝鮮人の事情 (2017年 04月 24日)
http://inbound.exblog.jp/26810634/

実は、中国ではすでに万景峰号を利用したロシア・北朝鮮の周遊ツアーが販売されていることが判明しています。次回は、そのツアーの内容や今週2度目の万景峰号のウラジオストク入港の様子について報告します。

ロシア・北朝鮮間を結ぶ「万景峰号」の乗客はわずか10名足らず。定期航路化は無理?
http://inbound.exblog.jp/26886620/
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by sanyo-kansatu | 2017-05-28 10:01 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)


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