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ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 07月 23日

羽田深夜便、ピーチの上海便に乗ると見えてくる上海人の訪日事情

いま羽田空港国際線の深夜便がすごいことになっています。特に上海便は、2017年7月現在、日系のピーチ・アビエーションに上海航空、吉祥航空、春秋航空を加えた4社が運航しています。
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今年3月、ピーチの上海便に乗ったので、その報告をしたいと思います。

3月当時は2時10分発でしたが、現在は羽田発(往路)は2時50分発(上海5時着)、上海発(復路)は1時5分発(羽田4時45分着)です。

チェックインは午前0時ということで、終電に近いモノレールに乗りました。乗客はほとんど見かけませんでしたが、羽田の国際ターミナルはアジア客だらけ。その様子は以下に報告したとおり。
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羽田国際ターミナルは、深夜便の増加で外国客でごった返している!
http://inbound.exblog.jp/27004150/
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ピーチのチェックインカウンターには行列ができていました。ほぼ満席に近いようです。日本客よりも中国客のほうが多そうですが、日本人の“弾丸”旅行組もそこそこいるようで、若い女性客の姿が目につきました。ピーチはやっぱり若い女性に支持されているんですね。
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出発ロビーには、旅疲れのせいか、ソファで横になる乗客も多く見かけました。上海から来た訪日客の人たちでしょう。出国エリアのレストランやショップの多くは閉店していましたが、一部のバーやカフェ、免税店は開いているので、搭乗までのんびり時間をつぶせます。深夜だというのに、ロビーには空港スタッフが多く働いていて、24時間運用空港というのは、大変なことだと思ってしまいます。
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LCCなのでシートピッチは若干狭いですが、2~3時間仮眠するだけだと考えれば、それほど気になりません。

ピーチの上海便では、予約をしておけば、有料でこんな機内食が味わえます。あんまり注文している人はいませんでしたけれど。
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ピーチ・アビエーションの名物機内食「たこ昌のたこ焼き(750円)」
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こちらは「フライドチキンチーズカレー(900円)」

フライト後、さすがに3時を過ぎると眠気でボンヤリしているうちに、気がついたら上海に着いていました。

上海浦東国際空港第2ターミナルは、早朝のため、入国審査も早々と抜け、荷物受け取りに向かうと、荷物もすぐに出てきました。所要30分ほど。
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この時間帯、税関検査のスタッフは少ないため、チェックが大甘になると聞いていましたが、実際にそうでした。この手荷物関税チェックを厳しくしたことが、日本での“爆買い”にブレーキをかけたことは知られていますが、上海人たちの間では「深夜便を使えば、チェックが甘くなるので、狙い目」という声も聞きます。もっとも、ピーチ便の上海客を見ている限り、リピーターが多いせいなのか、そんなに多くの買い物をしている中国客もいないようでした。
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浦東空港に早朝到着する国際線はそこそこあるようです。時刻表をみると、羽田以外にも、チェンマイやバンコク、ミラノ、パリ、ミュンヘンなどがあります。
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第2ターミナルの到着ゲートには、24時間営業のスターバックスやバーガーキングがあります。ロビーではタクシーの客引きから声がかかるけれど、こんな早く急いでホテルに行っても仕方がないので(さいわい、中国のホテルでは、客室さえ空いていれば、「アーリーチェックイン」として追加料金を取られるようなことはありません。外資系高級ホテルを除く)、コーヒーでも飲みながら、のんびり公共交通が動き出すのを待つのが賢いと思います。
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早朝は両替所が開いていませんが、自動両替機やATMでキャッシングはできます。

さて、市内への移動ですが、リニアモーターカーの始発は7時2分。どうしてもリニアに乗りたい人は待つしかありませんが、地下鉄2号線は6時発なので、ちょうどピッタリです。
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ただし、地下鉄2号線の浦東空港始発車は、市内まで直通しておらず、「広蘭路」駅でいったん降り、乗換が必要なので要注意。とはいえ、7時前には人民広場に到着します。
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2016年11月、ピーチ・アビエーションの羽田・上海線が運航開始しました。往復ともに深夜便なので、金曜夜(土曜未明)に羽田を発てば、土曜早朝5時に上海に着き、1泊して日曜夜(月曜未明)に上海を発てば、月曜早朝に羽田に戻れます。日帰りすれば、0泊2日の“弾丸”旅行も可能です。

羽田・上海深夜便は、ほかにも春秋航空、上海航空(プログラムチャーター便)、吉祥航空が運航しています。それぞれの違いは、フライト時刻と手荷物の扱いにあります。LCCのピーチや春秋航空は、機内持ち込み手荷物や託送荷物にはチケットの種類によってさまざまな制限があり、有料となる場合もありますが、フルサービスキャリアである上海航空や吉祥航空は、エコノミークラスの託送荷物は、1個当たりの重量が23kg以内を2個まで無料としています。各エアラインは、それぞれ随時キャンペーン料金を出しているので、ウエブサイトで確認するといいでしょう。

さて、この際上海からの復路についても簡単に報告しておきます。

ピーチの羽田便は午前1時5分発ということで、チェックイン開始の23時までに浦東空港に着けば間に合います。市内でギリギリまで粘ってタクシーで空港に向かえばいいわけですから、上海の夜をたっぷり楽しめるといえます。もっとも、なるべくお金をかけないようにするなら、行きと同様、地下鉄で空港まで行けばいいでしょう。ただし、上海市内から浦東国際空港行きの地下鉄2号線の終電は、人民広場発で21時過ぎと、かなり早いので気をつけましょう。

第2ターミナルの地下鉄駅出口の前に、いくつかの中国系外食チェーンの店がありますが、実は閉店が22時。客が残っていると、15分くらいは店を閉めませんが、深夜便客は利用できません。同様に、出発ロビーの飲食店もほぼ閉店していました。早朝営業のためのスタッフはいるのに、「ビールくらい飲ませてよ」と言っても、売ってはくれませんでした。
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ピーチのチェックインカウンターです。上海の若い女性客が多いです。彼女らは日本人ではありません。
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そして、復路は偏西風に乗るため、2時間半ほどで羽田到着。この時期(3月)、まだ朝4時は暗いのですが、夏になると空が明るいことでしょう。
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ちなみに、羽田国際ターミナルの到着ロビーにシャワールームがあります。料金は1030円(30分)。ここでさっぱりして、そのまま出社する人もいるかもしれませんね。
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羽田国際空港からのモノレールの始発は5時18分。京浜急行は5時26分。都心の交通機関もすでに動き出しています。通勤ラッシュに巻き込まれる前に自宅へ急ぎましょう。

羽田深夜便のピーチの上海便に乗ると、上海人の訪日事情が見えてきます。要するに、この逆の動きをしているわけです。きっと訪日“弾丸”旅行客もいることでしょう。1泊3日の東京滞在、彼女らは何を楽しむのか。

ある上海のOLさんによると、早朝着なので、まずお台場の大江戸温泉物語か後楽園のラクーアに行き、昼までのんびり過ごしてから、東京で働く上海人の友人宅に泊まりに行くとか。夜は彼女と一緒に渋谷で遊び、ライブハウスに行くそうです。翌日は、買い物。そして、適当に街をはしごして、夜には羽田に向かうそう。彼女はリピーターなので、そんなものでしょう。

【追記】
ところで、ピーチの上海深夜便を利用した“弾丸”旅行のモデルコースを考えてみました。日本人の場合、あんまり上海で買い物することは考えられないので、めいっぱい効率的に個性的なスポットを訪ねまわるコースです。

0泊2日上海“弾丸”旅行モデルコース(地下鉄&バス活用編) はこれだ!
http://inbound.exblog.jp/27005429/

by sanyo-kansatu | 2017-07-23 11:22 | “参与観察”日誌


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