ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

inbound.exblog.jp
ブログトップ
2017年 09月 12日

ポロナイスクで食べたスモークサーモンと韓国チゲ風ボルシチの不思議な夜

ポロナイスクは日本時代、敷香と呼ばれた漁港の町で、かつて日ソ国境のあった北緯50度線に車で行く場合、起点となります。その日の午前中、ぼくと写真家の佐藤憲一さんは車をチャーターして国境を訪ね、午後にポロナイスクに戻ってきました。

そのまま車をチャーターし、ポロナイスクの見どころのいくつかを訪ねたのですが、小さな町のこと。夕方にはすることがなくなってしまいました。ところが、その日の夜行に乗るのは深夜11時半過ぎなのです。どうやって時間をつぶそうか…。

運転手はニコライさんという感じのいいロシア人で、ぼくたちをあるレストランに連れていってくれました。ここなら時間をつぶせると考えたのか…、そこは不思議な場所でした。

おそらくポロナイスクでいちばんちゃんとしたレストランだと思われるのですが、外観は古びたスーパーマーケットのようで、パッとしません。
b0235153_1652568.jpg

中に入ると、硬い扉が閉まっていて、開けると男性が出てきて「コートを預けてください」と言います。確かに扉の隣にクロークがあり、上着を預かってくれます。
b0235153_1653860.jpg

店の名は『カフェ・ヌーボー』といいます。要するに、どういう店?
b0235153_16532157.jpg

中に入ると、そこは広いダンスフロアのようなスペースとバーカウンターがあり、フロアにはコの字にテーブルが並べられています。
b0235153_16533668.jpg

ぼくたちは2階のテーブルに案内されました。上からフロアを眺めるとこんな感じ。コの字かと思ったら、テーブルはつながっていなくて、ふたつのグループに分かれているようです。バーカウンターの背後のメトロポリス風の写真は香港。このセンスはアジア的です。
b0235153_1654465.jpg

薄暗い2階のフロアでぼんやりしていると、コリア系のウエイトレスが注文を取りに来ました。相変わらずロシア語に不自由していましたが、スモークサーモン950RB(かなりしょっぱい)やロシア風串焼きのシャシリク450RBなどをつまみに、ウォッカを1本開けることにしました。この店のボルシチ250RBは、他で食べたのとはずいぶん違う味でした。卵も入った韓国のチゲ風で、ロシア料理というよりアジアテイストです。
b0235153_16545225.jpg

b0235153_1655672.jpg

だんだんわかってきました。スタッフは大半がコリア系ですし、よくみると、お札を束のように手にして数えているオーナーらしき女性がいます。もちろん、彼女もコリア系。ここは彼女が経営するダンスフロア兼レストランなのです。この町に住む人たちの晴れの場の食事会やイベントなどには、ここが使われるのでしょう。

店内には、異なる3つのグループがいました。まず逆さLの字のテーブルに座るコリア系一族とその親戚や友人(そこにはロシア人も一部含まれる)のグループで、彼らはその一族の息子の誕生パーティを開いているようでした。周囲の大人たちがひとりの男の子に次々にプレゼントを手渡していたからです。
b0235153_16553448.jpg

もうひとつのグループも、コリア系の子供たちばかりです。ピザやフライドポテトがテーブルに並んでいます。
b0235153_16555151.jpg

一方、もうひとつの少し離れた場所にいるグループは、着飾ったロシア人の子供たちとそのママたちです。親と子はテーブルを別々にして食事をしています。日本とは違いますね。
b0235153_16563180.jpg

そのうち、子供たちは食事に飽きたのか、ステージで遊び出しました。
b0235153_16564868.jpg

すると、ふたり組のピエロが現われ、子供たちと輪になって踊ったり、ゲームをしたり。その間ママたちは歓談を続けています。
b0235153_16571746.jpg

日本でいえば、PTAの集まりかなんかでしょうか。

そのうち、今度はママさんたちも席を離れ、踊り出しました。
b0235153_17151984.jpg

よくみると、ママさんの中にはコリア系のおばさんもいます。その後、フロアはママと子供たちが入り乱れて、けっこう盛り上がるのでした。

なんとも不思議な夜でした。

そのあと、店を出て、駅までとことこ歩いて、夜行列車に乗りました。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-09-12 16:58 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)


<< 063 ケンタッキーのモンゴル...      サハリンで食べた石焼ビビンバは... >>