ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 09月 13日

「日本にいちばん近いヨーロッパの田舎町」ユジノサハリンスク街歩きモデルコース

ユジノサハリンスクは、サハリン州の州都ですが、人口20万人ほどの町。まさに「日本にいちばん近いヨーロッパの田舎町」です。

ヨーロッパの都会のような見どころ盛りだくさんというわけにはいきませんが、半日くらいかけて、のんびり街歩きするにはちょうどいい大きさです。

そこで、サハリン・ツーリストインフォメーション作成のマップを頼りにして、ユジノサハリンスク駅を起点に見どころが集中している地図の右下半分、市街地の6分の1くらいのエリアを一周してくるコースを歩いてみましょう。
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駅は地図のいちばん下の線路と緑地の間にあります。「вокзал」(ロシア語の「駅」)と正面にブルー字で書かれていて、一目でわかります。ここからサハリン鉄道最北の地ノグリキへの夜行列車が出ます。1906年12月開業で、46年1月まで豊原駅でした(当時の駅舎の場所はいまとは若干ずれています)。
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その緑地の噴水マークがレーニン広場です。ここには巨大なレーニン像がいまもなおしっかり立っています。
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公園を抜け、そのまま駅からまっすぐ延びるコミュニスチチェスキー通りを歩きます。正面に見えるのはユジノサハリンスク市役所。ビルの横に、いかにも社会主義的なモザイク画が置かれています。ここに描かれているのは、トナカイを飼う先住民族、工場労働者、航海士と漁民、そして軍人です。
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市役所の先の右手に映画館「オクチャブリ」があります。ここでは毎年、日本総領事館主催の日本映画祭が開かれているそうです。
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「カフェ16」はこの通りの向かい側にあります。
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スタバはないけど、カフェとライブハウスはある新しいサハリン
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映画館の先に、突然昭和にタイムスリップしたような空間が現れます。昭和3年(1928)に建てられた旧豊原町役場です。現在、旅行会社がテナントに入っていましたが、建物の周辺には芝生があり、正面の当時植えられたエゾマツが巨大に成長している光景には、時間の経過を強く印象づけられました。
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その先にはサハリン州行政府、通りの向かいには現在軍施設として使われている旧樺太庁があり、さらに歩くとチェーホフ劇場(Сахалинский Международный театральный центр им. А.П. Чехова)があります。普段はクラッシックやジャスのコンサート、ロシアの近現代演劇の公演があります。訪れたとき、たまたま国際演劇祭が行われていて、日本からの劇団の公演もありました。劇場の裏手に、19世紀末にサハリンを訪れたチェーホフの足取りをたどるチェーホフ記念文学館もあります。
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向かいには大きな広場があり、サヒンセンター(サハリン州政府分庁舎)が建っています。この周辺は文化施設が集積していて、劇場前の噴水の周りは地元の若者の姿が見られます。
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その先は、サハリン州郷土博物館です。この建物は、日本時代の昭和12年(1937年)に樺太庁博物館として建てられたもので、当時流行していた「帝冠様式」の威風堂々としたものです。建築家の貝塚義雄が設計しました。同館は日本語のウエブサイトもあります。詳しい内容は、別の機会に解説します。
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サハリン州郷土博物館(Сахалинский областной краеведческий музей)
http://jp.sakhalinmuseum.ru/

駅前通りをまっすぐ歩いて15分ほどで、ロシア正教会が見えてきます。
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サハリンのロシア正教会のミサに行ったら、心がゾゾゾと震えた
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夜に行くと、薄ぼんやりとライトアップされ、美しいです。
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実はこの近くに韓国料理店『カフェ・ランデブー』があります。教会を正面に見て右手の通りの向こうです。

サハリンで食べた石焼ビビンバはホッとする味
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教会のさらに先にサハリン北海道センターという北海道庁事務所や日系商社などのオフィスが入ったビルがあり、その1階にサハリン・ツーリストインフォメーションがあります。彼女はそのスタッフです(名前を聞き忘れましたが、英語を話してくれます)。
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Go Sahkalin
http://gosakhalin.info/

実は、サハリンにはもうひとつ大きなロシア正教会があります。今回訪ねることができなかった「山の空気展望台」に向かう途中にある「Cathedral of the Nativity(降誕大聖堂)」です。この教会の鐘の音はカリヨンの演奏のようで聴く価値があります。
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サハリンで聴いたロシア正教の鐘はカリヨンの演奏のよう
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さて、最初のロシア正教会の左手奥には、ガガーリン公園があります。白樺並木の公園です。

ロシア正教会の手前を左に曲がり、ガガーリン公園を右手に眺めながらコムソモール通りをしばらく進み、サハリン通りを左折します。この通りにはそれほど見どころはないので、ずんずん歩くと、左手に木造の古い家屋が残っているのが見えます。日本時代を偲ばせる光景です。
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途中通りを渡って右に曲がっていく先には、旧豊原王子製紙工場跡があります。この話も別の機会に。

そのままコムソモール通りを進み、駅に向かうレーニン通りと交差する右手にソ連時代を思い起こさせる古い映画館があります。
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そこから左に曲がり、レーニン通りに入ってすぐ右の路地の奥に、市民の日常生活に必要な食材や衣類、雑貨などを扱う自由市場(バザール)があります。
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サハリンの自由市場(バザール)で韓国系や中央アジア系の人たちに会う
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レーニン通りの左手途中にサハリン州立美術館(Сахалинский областной художественный музей)があります。ここはサハリンを代表するもうひとつの日本時代の歴史建築で、1930年代に竣工された北海道拓殖銀行豊原支店でした。1階は国内外のアーチストによる個展スペース。2階は常設で、ロシア絵画やロシア正教のイコンの展示などが展示されていますが、詳しくは別の機会に。
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そのまま先に進むと、最初に歩いたコミュニスチチェスキー通りにぶつかるので、右に曲がると、駅が見えてきます。その手前に日本時代に使われていた蒸気機関車が展示されています。
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そのそばに鉄道歴史博物館があります。
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日本時代とソ連・ロシア時代のサハリン鉄道の歴史を展示しています。同館のアンドレイ・ニコラエヴィチ館長は日本好きで、訪問時、日本時代のサハリンの写真を見せてくれました。詳しくは別の機会に譲りますが、彼は日本人と交流したがっているので、ぜひ訪ねていただければと思います。

以上、ユジノサハリンスク街歩き半日コースでした。あくまで、のんびり徒歩で歩いた場合の話で、それぞれの博物館の展示をじっくり見ると、とても1日では回れないことを最後に付け加えておきます。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-13 16:59 | ノービザ解禁!極東ロシア | Comments(0)


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