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ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 09月 15日

ロシア人と一緒に乗るサハリン夜行列車の旅

サハリンは南北950km近い細長い島で、南部に位置する州都のユジノサハリンスクから南端に近いコルサコフまでと、東海岸北部の終点、ノグリキまでが鉄道で結ばれています(その他、いくつかの支線もあります)。

日本では夜行の旅は豪華列車でしか体験できなくなって久しいので、海外に行くと必ず乗りたくなります。ユジノサハリンスクからノグリキまでの列車は1日2本。どちらも夜行寝台の旅になります。

以下、その道中記です。

「вокзал」(ロシア語の駅)と正面に書かれたユジノサハリンスク駅。1906年12月開業で、46年1月まで豊原駅でした。
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2013年に改装された駅構内はノグリキ方面行きの乗客で混んでいました。
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これは昼間ユジノサハリンスク散策する前に駅に来て、スーツケースを一時預かりしているときのカットです。駅の地下にあります。
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18時34分発の列車に乗りました。ノグリキ行きは、22時40分発の「急行サハリン」もあるのですが(きっと鉄道ファンならこちらを選ぶことでしょう)、ノグリキ到着が午前10時半近くになるため、できる限り、現地の滞在時間を延ばそうと9時前に着く早い列車にしました。
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サハリン鉄道の車掌さんは優しいです。大半は女性で、お母さんのような仕事ぶり。コンパートメントで寝ていても、到着の15分前には起こしてくれます。
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これが1等寝台のコンパートメントです。
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この時期、なかなか日が暮れませんが、天候はいまいち。ポロナイスクまでは海沿いを走るのに、暗い海岸線しか見えません。

驚いたのは、サハリンではコンパートメント内での飲酒はNGなこと。駅でもバーではビールが飲めても、売店には売っていません。ウォッカを1本バッグに忍ばせていたので、缶詰をつまみに一杯という計画は果たせませんでした。とても残念というほかありません。

周囲のロシア人乗客を見渡すと、夜行列車のお供はカップラーメンでした。
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客車内にはお湯の給水器があり、ロシア人たちもカップラーメンやインスタントコーヒーを飲むとき、利用していました。ロシアのカップラーメンは、日本にはない独特のスープで新鮮な味わいですが、麺はいまいちか。
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そんなわけで、ノグリキまでの13時間は少し退屈でした。ロシア語ができたら楽しいのにと思いましたね。

朝目を覚ますと、車窓の風景はすっかり変わっていました。ポロナイスクから北は内陸を走るので、美しい山並みや白樺林が見えます。

コンパートメントの外に出ると、ひとりの男の子がこちらを見て微笑んでいました。不思議なことですが、この男の子、同行している写真家の佐藤憲一さんによく似ているんです。
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そうこうするうちに、ノグリキ駅到着です。サハリン南部とは違い、真っ青な快晴でした。駅に向かって右に停車しているバスは、サハリン最北端のオハ行きのバスです。1日1本しか走っていません。
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さて、ノグリキは静かな田舎町で、のんびり散策したり、タクシーに乗って港に行ったりしました。同じ日の夕方の列車でポロナイスクに向かうことになっていました。

サハリン鉄道終点の町、ノグリキのなんてことのない歩き方
http://inbound.exblog.jp/27119084/

駅の待合室は混雑していました。
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16時44分発のユジノサハリンスク行きに乗り込みます。この日は夜行ではなく、深夜近くにポロナイスクで降りる予定です。
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本数が少ないだけに、ほぼ各駅停車で列車は南に向かって走ります。途中駅からもどんどん人が乗り込んできます。
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ロシア人の乗客たちは男性も女性も、駅に停車するたびに外に出てタバコを吹かしています。
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しばらくすると、車窓の風景は白樺並木や広い平原に変わりました。
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若いロシア人カップルが車窓を眺めながら、語らっています。
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2等寝台を覗きに行くと、こんな感じ。若い乗客が多く、楽しそうです。
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手持ちのインスタントコーヒーに飽きたので、車掌さんに聞くと、紅茶を出してくれました。ロシアンティは砂糖を少し多めに入れるのがいいようです。
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夜9時半を過ぎると、ようやく日が落ちてきました。
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ポロナイスクには23時27分着。駅の前にタクシーがいたので、すぐにホテルに直行しました。

これがポロナイスク駅です。
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3回目の列車の旅は、ポロナイスクからドリンスクまでの夜行列車です。出発は、昨日到着した深夜23時半過ぎ。今回チケットはすべて日本で予約していたので、eチケットのまま乗っていたのですが、なぜかポロナイスクから乗るときは、乗車券を発行してくれました。
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深夜近くのポロナイスク駅待合室です。
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列車が来ました。もう寝るだけです。
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ドリンスクはユジノサハリンスクの手前の町です。到着は朝5時半でした。
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運転手がピースサインをしてくれます。
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これがドリンスク駅です。
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さすがに3日連続で鉄道に乗り続けたので、相当くたびれました。

by sanyo-kansatu | 2017-09-15 10:10 | 日本に一番近いヨーロッパの話


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