ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 07月 30日 ( 2 )


2017年 07月 30日

韓国が訪日客数トップになった背景に出国率の著しい上昇がある

2017年、日本を訪れる韓国人観光客がすごい勢いで増えています。

最近、日本政府観光局(JNTO)が公表した「訪日外客数(2017 年6月推計値)」によると、4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップになっています。

4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップ! 中国は伸び悩み
http://inbound.exblog.jp/27007721/

上半期の韓国客の訪日数の伸びは前年度比42・5%増で、6月単月に限ると(これは昨年の熊本地震の反動といえますが)63.8%増です。中国客の6月の前年比が0.8%増にすぎないのと対照的に、目立った増え方です。

彼らの多くは、日本の社会に溶け込んでいるため、欧米客や中国客のように、その存在が気づかれる場面は少ないかもしれませんが、韓国から多くのLCCが運航されている関西方面やフェリーで気軽に来られる九州などでは、地域の人たちにも彼らの存在感が意識されるようになっていると思われます。

それにしても、なぜ韓国の人たちはこんなにたくさん日本を訪れているのでしょう。

韓国系のランドオペレーターの関係者に聞いたところ、以下のように答えてくれました。

「確かに、今年は多くの韓国人が日本を訪れています。この調子でいくと、過去最高の年間700万人が見込まれている。昨年の訪日韓国人は約500万人で、今年は100万人程度は増えるだろうと思っていたら、中国の影響でもっと増えそうです。

ご存知のように、THAAD問題で韓中関係が悪化し、中国を避けようとする韓国人もいて、そのぶん日本に流れている面があります。

しかし、これだけ増えたのは、韓国人の海外旅行の中身が変わったことも大きい。今日の韓国客の行動形態は香港客に近いといえます。7割以上がFITで、リピーターも多い。日本に来ても、国内旅行と同じ感覚で、ゲストハウスを利用したり、温泉や買い物を楽しんでいます。

韓国で個人旅行が一般化したのは10年前くらいからで、LCCの普及と関係あります。手ごろな料金で誰でも日本に行けるようになったことが大きいです。

でも、韓国人が訪れているのは日本だけではありません。日本に限らず出国者数が年々増えているからです。特にこの数年は年々300万人増という勢いです。2014年には日本の海外旅行者数約1600万人に並び、15年は追い抜きました。そして、今年17年は約5000万人の人口の韓国で海外旅行者数が約2500万人。出国率50%という高い上昇が見込まれているのです」

ここ数年の韓国の海外旅行者数の推移 (韓国観光公社より)

2014年 約1600万人
2015年 約1900万人
2016年 約2200万人
2017年 約2500万人(見込み)

彼の指摘のとおり、韓国の出国率は年々著しく上昇しているといえます。国民の2人に1人が出国している計算になるからです。しかし、ここで知っておきたいのは、出国率が高いのは韓国だけではありません。日本の近隣の東アジア諸国は、中国を除くと、すべて日本より高いのです。少し古いデータですが、以下のとおりです。

各国の出国者数・出国率・入国者数・受入率(2014年)※日本旅行業協会HPより
https://www.jata-net.or.jp/data/stats/2016/14.html

    人口/出国者数/出国率(%)/入国者数/受入率(%) ※単位千人
日本 127,061/16,903/13.3/13,413/10.6
韓国 50,424/16,081/31.9/12,619/25.0
中国 1,367,820/98,185/7.2/26,361/1.9 (※ただし、中国の出国率の半分は香港、マカオ渡航が含まれています)
台湾 23,434/11,845/50.5/9,910/42.3
香港 7,264/9,232/127.0/17,589/242.1

2014年の台湾の出国率は50.5%、香港はなんと127%です。

ちなみに、台北駐日経済文化代表処のサイトに2015年の台湾の海外旅行者数は1,318万人(前年比11.3%増加)とあり、出国率は56%になります。

台湾の2015年海外旅行者数、過去最高を記録(台北駐日経済文化代表処2016-04-07)
http://www.roc-taiwan.org/jp_ja/post/29994.html

これらの数字をみていると、いかに日本の出国率(13.3%)が低いか、逆に驚いてしまいますね。実際、日本人の出国率は2000年からほとんど伸びていません。この理由については、いろんな説明ができるのでしょうが、それはここで置くとしても、日本の近隣諸国の出国率がこれほど高く、さらに上昇していることは、確認しておかなければなりません。

前述の韓国系ランドオペレーターの彼は言います。

「日本ではどうしても韓国を政治的な目で見ることが多いと思います。そのせいか、韓国を訪れる日本人が減っています。でも、韓国人は『政治は政治、旅行は旅行』と分けて考える人も多いんです。日本の旅行を心から楽しみにしている人たちがこれほど多いことをぜひ知ってほしいと思います」

きっとそうなんだろうなあと思いつつも、日々メディアで報じられる韓国報道に触れる限り、どうして? と思わざるを得ないのも正直なところです。でも、現実には多くの韓国人が日本を訪ねています。こうした彼らの心理についての分析は、今後の課題としたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-07-30 20:32 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 07月 30日

020 金角橋とウラジオストク港の眺め

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2012年に開通した金角橋はウラジオストクのランドマークとなっている。撮影は、境港行きのDBSクルーズフェリーの乗り場のあるウラジオストク駅方面から。この構図に時折写り込んでくるのは、湾内を行き交う船舶や頭上を元気に飛び回るカモメたちだ。(撮影/2012年6月)

※橋脚高さは225メートル、全長は2,1kmの斜張橋。一見、吊り橋に似ているが、塔から斜めに張ったケーブルを橋桁に直接つなぎ支える構造で、日本でいえば横浜ベイブリッジがそう。この橋ができたことで、ウラジオストクのイメージが大きく変わったと思います。つまり、かつての軍港ではなく、人々が普通に暮らす港町として。


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by sanyo-kansatu | 2017-07-30 08:24 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)