ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 09月 16日 ( 2 )


2017年 09月 16日

サハリン鉄道終点の町、ノグリキのなんてことのない歩き方

ユジノサハリンスクから夜行列車に乗って、朝8時半過ぎにノグリキに着いたのですが、どうやら駅は町外れにあるようでした。つまり、タクシーを拾うか路線バスに乗って町へ向かわなければなりません。

駅にスーツケースを預け、しばらく待っていると、タクシーが都合よくやって来ました。5分ほどで町に着きます。降ろされたのは、ロシア正教の前でした。

ロシアではどんな小さな町にも教会があります。ノグリキのロシア正教会は2002年に再建されたものだそうで、とても可憐な姿をしていました。雲ひとつない青空にブルーの屋根がよく映えて美しい。
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聖堂内の礼拝スペースには、他のキリスト教会の宗派とは異なるいくつもの特徴があります。たとえば、天井から吊り下げられる豪華な燭台や、壁や柱の至るところに所狭しと置かれたイコン、さらにミサのとき、司祭が出てくる扉が正面にあること。まるで東方の仏教寺院のようなにぎやかさです。
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ノグリキはオホーツク海に面し、トウィミ川の河口に開けた人口1万人ほどの町です。

教会を出ると、そこはノグリキの町の中心部で、信号や横断歩道もあり、車もそこそこ走っていました。サハリンでは「車より人優先」がとことん徹底していて、人が横断歩道の前に立つと、車のほうからまず間違いなく停車して、人を先に渡してくれます。これにはかなり驚きました。もしサハリンの人が「人より車が優先」の中国に行くと、冗談抜きで、交通事故に遭ってしまうに違いない…。
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公園の一角に、サハリン北部のロシア人による開拓の歴史を伝える写真パネルが置かれていました。20世紀初頭と思われる人々の暮らしを撮ったものや現在のノグリキの主要な施設(工場や橋、教会など)の写真が紹介されています。同じようなパネルを中国内蒙古自治区の中ロ国境の町、室緯でも見たことがあり、辺境の開拓地には共通するところがあるのだなと思いました。歴史博物館までなくても、町の歴史を住民に見せることに意味があるのでしょう。
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ノグリキのバス通りであるソヴィエト通りを歩いていると、木造の雑貨店がありました。ロシア語でこういう店のことを「マガジン( магазин )」といいます。この町では朝9時半にはまだカフェも空いていないので、簡単な食材と飲み物を買って朝食にすることにしました。
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マガジンの中に入ると、ドリンク類やパン、チーズ、ハム、野菜、瓶詰め、缶詰、カップラーメン、各種調味料など、さまざまな食料品が置かれていました。ロシア人の食生活がうかがえて面白いです。試しに水とパン、ハムなどを購入し、店の外のベンチで朝ごはんすることに。
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たまたま腰掛けていたベンチは、路線バスの停留所でした。先住民族らしいおばさんが近づいてきて、なにやら話しかけられましたが、しばらくすると黄色いバスがやって来ました。ノグリキ駅と町はずれにある郷土博物館を結ぶ1番バスでした。そこで、そのバスに乗って博物館に行くことにしました。
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町の中心部はきれいな新開地でしたが、博物館の裏には、木造家屋の並ぶ最果てのちょっとさびしげな光景が広がっていました。
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ノグリキ郷土博物館で知るサハリン北部に住んでいた先住民族たち
http://inbound.exblog.jp/27122360/

そこからぼくたちは車をチャーターして港に行く計画を立てました。オホーツク海を見に行きたかったのです。

運転手はまず町の郊外にあるトウィミ川の見える鉄橋に連れていってくれました。この川はサハリン北部の内陸から蛇行しながらオホーツク海に注ぎます。北方だけに低木の木々に囲まれ、湿原地帯を流れていきます。
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この鉄橋は、かつて最北地のオハまでの約200km先まで延びていた軽便鉄道が走っていたもので、現在は線路が取り外され、隣に自動車用の橋が架かっています。
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それから、車は折り返し、オホーツク海方面に向かいました。途中から道路が消え、道なき道を走り、ようやく海が見えてきました。そこは厳密にいうと、中州の内側でオホーツク海そのものではなかったことに、あとで現地で入手した地図をみて気がついたのですが、車を停めて海沿いを歩いていると、半身を海に入れて釣竿を浮かべる若い男性がいました。「オホーツクの釣り人」と名付けることにしました。
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別のおじさんが近づいてきて、自分の獲った魚を見せてくれました。
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小さなヒラメでした。
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彼らは趣味の釣り人です。エンジン付きゴムボートを出して、沖に向かう人たちもいました。
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さらに歩くと港があり、フェリーが停泊していました。
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港には入ることができませんでしたけど、海が見られたことで満足でした。
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車はノグリキに戻りました。市場を覗いてみようと、そこで車を降ろしてもらいました。

生活雑貨を中心に、おそらくメイドインチャイナと思われる商品が並んでいました。
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その後、運転手にレストランに連れて行ってもらい、昼食にしました。ノグリキのレストランについては以下参照。

サハリンのカフェはたいてい食堂兼用で、店じまいが早いのがちょっと…
http://inbound.exblog.jp/27110289/

食後はまだ列車に乗るには時間があったので、町を歩くことにしました。先ほど鉄橋から見たトゥイミ川が町のそばを流れているので、まず川沿いに向かいました。
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川のそばにカフェがありました。
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ハンバーガーショップのようなカフェで、地元の若者がたむろしていました。
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店の外でコーヒーを飲もうとオープンエアのテーブルに座ると、隣で中央アジア系のおじさんが座ってホットサンドを食べていました。髭面のいかにも労働者然としたふたりです。
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この日は本当にいい天気で、ノグリキで過ごした、なんてことのない散策の時間はいい想い出です。

想い出といえば、港を案内してくれた運転手は、別れ際「ビールは好きか?これいいつまみだよ」と言って、キュウリウオの燻製をくれました。最初ぼくはハタハタだと思っていたのですが、少し大ぶりで脂が強いこともあり、確かにビールによく合いました。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-16 18:19 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 09月 16日

066 長白山山麓で見かけた養蜂家たち

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初夏になると、長白山山麓に多くの養蜂家が集まってくる。彼らは季節によって蜜箱をトラックに載せて移動する、さすらいの養蜂家だという。高原植物の咲き乱れるこの山麓は、良質の蜂蜜が採れることで有名だ。(撮影/2012年7月)

※長白山の山麓は自然の宝庫です。毎回必ず立ち寄る蜂蜜の店があるのですが、採れたてを瓶詰めした新鮮そのもの、天然100%です。


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by sanyo-kansatu | 2017-09-16 10:27 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)