ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 09月 18日 ( 3 )


2017年 09月 18日

ノグリキの町は子供だらけでビックリ!? 外でのびのび遊ぶ姿がうらやましい

サハリン鉄道終点の町、ノグリキは人口わずか1万人ほどの小さな町ですが、ぼくたちの訪れた6月はサハリンではすでに夏休みに入っていたせいか、町のあちこちで子供たちの姿を見かけました。以下、ノグリキの子供たちのスナップ集です。

サハリン鉄道終点の町、ノグリキのなんてことのない歩き方
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バス通りのベンチに座っていると、小学校高学年くらいの女の子のグループが歩いてきました。カメラを向けると、一応ポーズを取ってくれるのですが、それぞれ表情が違う。笑顔を見せる子もいれば、不審のまなざしを向ける子も。あやしい外国人であるぼくたちを見て、何を思っているのかな? 
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しばらくすると、今度は小学校低学年くらいの子たちが先生に連れられて歩いてきました。
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面白いのは、男の子は地味なウインドブレーカー姿なのに、女の子はフリルの付いたミニスカートとか水玉とか、おしゃれさんが多いこと。これは万国共通と思われます。安価な中国衣料が世界中に大量に出回った影響は、極東の果ての小さな田舎町にも見られるのです。
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一方、もう少しお姉さんになると、ママが選んだキュートな子供服は卒業。スポーティなファッションとサングラスでキメるようになる?
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さらに目についたのは、自転車に乗る子を多く見かけたことです。
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1年の大半は氷雪で閉ざされる厳寒の地、ノグリキだけに、6月のこんないい天気の日は、小さな子供まで自転車に乗りたくなるのは当然なのでしょう。この町の自転車ショップには色とりどりの新車が並んでいました。シェアサイクルの推進で安価な自転車を大量生産したメイドインチャイナの影響が周辺国にも現れているからに違いありません。
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ベビーカーを押すママさんの姿もよく見かけます。
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これはトゥイミ川を見に行ったとき、出会ったふたり組のママさんです。
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ベビーカーを押しているのは、ロシア人だけでなく、非ロシア系の先住民族の人たちも同様です。
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人口減に悩むこの島では、州政府が子育て支援に力を入れているといいます。なにしろサハリンは豊富な天然資源のおかげで、ロシアで唯一の無借金州なのだそう。支援に関しては、また別の機会に説明します。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-18 11:46 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 09月 18日

ノグリキ郷土博物館で知るサハリン北部に住んでいた先住民族たち

ノグリキは小さな町ですが、かつてサハリン北部に多く住んでいたニブフ(ギリヤーク)やウイルタ(オロッコ)、エヴェンキなどの先住民族たちの暮らしや歴史を展示する郷土博物館があります。場所は1番バスの終点です。

サハリン鉄道終点の町、ノグリキのなんてことのない歩き方
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そこには、彼ら先住民族の生活道具や衣服、祭祀に使う道具などが展示されています。ただし、北部にはアイヌは住んでいなかったので、彼らの展示はありません。
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サハリン州郷土博物館でもそうでしたが、ノグリキ郷土博物館にも地元の子供たちが見学に来ていました。先住民の女性が展示の解説をしてくれます。ノグリキにはニブフを中心に多くの先住民族が住んでいるそうです。
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サハリン北部に生息する動植物のささやかな展示コーナーもあります。子供たちがクマのはく製と対面したり、キツネや野鳥類、サケ、マスといった魚類の展示もあります。
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館長は先住民の女性で、館内を親切に案内してくれました。これは雪道を走るそり。館長は日本の研究者との交流もあるようで、日本語の学術資料も見せていただきました。
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鮮やかなブルーの衣服はニブヒのもので、彼らが身につけていた装飾品などと一緒にガラスのケースに展示されています。彼らはサハリン中部から北部、そして対岸のアムール川下流域に住むモンゴロイド系の狩猟民族で、古くはギリヤーク(ロシア語)と呼ばれていました。彼らの話す固有の言語はニヴフ語で、ツングース系のアイヌ語とはまったく違うそうです。これは個人的な印象に過ぎませんが、衣服のデザインが清朝を興した女真族のものとあまりに似ていて、民族的なつながりを感じてしまいます。
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トナカイを飼う遊牧の民、ウィルタは毛皮を使った衣装を身につけていました。彼らはサハリン中部以北に住んでいたツングース系民族で、アイヌからはオロッコ と呼ばれていました。
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冬は動物を狩猟、夏は魚を漁猟する移動生活が基本。同じ先住民族でも、これほど衣装が違うのかと驚いてしまいます。またサハリン北部には、中国東北部やロシアに住むエヴェンキ族もいたようです。彼らもトナカイを遊牧する民でした。
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※政府に定住化を迫られ、苦悩する中国のエヴェンキ族を描いたドキュメンタリー映画もあります。考えてみれば、遊牧の暮らしをしていた彼らにとって自分たちの土地はロシアでも中国でもなかったはずです。

中国少数民族の「悲しくてやりきれない」物語の後日談(顧桃監督『最後のハンダハン』)
http://inbound.exblog.jp/26815289/

サハリンで最初に先住文化を蒐集したのは、ウクライナ出身の民族学者のレフ・シュテルンベルクです。彼はマルキストだったため、ロシア帝政時代の1889年から97年までサハリンへ流刑となり、ニヴフの言語や宗教などを研究したそうです。そのとき、蒐集した文物がサハリン郷土博物館の基礎になったといいます。
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ノグリキ近郊の漁村で生まれたウラジミール・ミハイロヴィッチ・サンギはニブフ人作家で、サハリンの先住民族の民話や伝説を集め、1961年『ニブフの伝説』を出版。モスクワで大評判となり、ソ連公認の作家となりました。彼の作品の一部は翻訳されていて、『サハリン・ニヴフ物語』(北海道新聞社2000年刊)として読むことができます。彼の若い頃の写真が、郷土の誇りとして博物館に展示されています。
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博物館の展示室の脇の廊下に、ニブフやウィルタの切り絵作家の作品が展示されています。モチーフとなるのはトナカイや祭りなど、彼らの習俗や生活文化に関わるものです。実は、同じような展示は中国の満洲族博物館にもあって、満洲族にもニブフと同じような切り絵(剪紙)の作家がいます。満洲族の切り絵作家は中国の少数民族文化の担い手として国家的な保護や支援を受けていますが、なぜ切り絵だったのか、その相似が興味深いところです。
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切り絵以外にも、さまざまな作品が展示されています。
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おそらくこれはサケかマスの皮を使ったものでしょう。アムール河流域やサハリンにもいたナナイ(ゴリド)という先住民族は、漁労を営み、中国ではホジェン族(赫哲)と呼ばれています。彼らはもともとサケやマスの皮を使った衣服を着ていたため、中国人から「魚皮韃子」と呼ばれていたそうです。
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他にも、この地を舞台にした絵本もいくつか出版されているようで、地元の子供たちの先住民族教育の場となっているようです
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いまはもう特別なときにしか身につけない民族衣装を着た先住民族たちの写真も展示されていました。
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同博物館には公式サイトもあります。ただし、ロシア語のみです。

ノグリキ郷土博物館(Ногликский муниципальный краеведческий музей)
http://sakhalin-museums.ru/museum/noglikskiy_muzey/
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by sanyo-kansatu | 2017-09-18 09:21 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 09月 18日

067 水しぶきを上げる初夏の長白大瀑布

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長白山の天池から零れ落ちるのが、北坡にある長白大瀑布。高さ68mから落下する水しぶきは、遠く離れた登山路にまで飛んでくるほどだ。爽快な気分になる。(撮影/2014年7月)

※台風一過で今日は1日暑そうですね。長白大瀑布の滝つぼの周辺はマイナスイオンにあふれていて、爽快そのものです。


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by sanyo-kansatu | 2017-09-18 08:06 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)