ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 10月 03日 ( 4 )


2017年 10月 03日

中国一の スキーリゾートは吉林にある(松花湖国際スキー場&松花湖プリンスホテル)

北京冬季オリンピックの開催が2022年に決まり、いま中国ではウィンタースポーツが盛り上がり始めている。北京周辺を中心に続々新施設が誕生しているが、やはり雪質など自然環境に恵まれた東北地方のスキーリゾートの評価は群を抜いている。2015 年1月、吉林省吉林市の郊外に開業した松花湖国際スキー場は中国一のレベルを誇っている。白銀のゲレンデに舞う中国人スキーヤーたちの初々しい姿を追った。
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↑松花湖スキーリゾートの展望台『森之舞台』から眺めるゲレンデと氷結する松花湖の絶景

北京冬季五輪の開催決定で
活気づく中国のスキー市場


春節も近い今年2月初旬、吉林市郊外にある松花湖国際スキー場を訪ねると、京劇のような派手な装束をまとった男女が朝から雪の上を踊り舞っていた。

日本のスキー場ではお目にかかれない不思議な光景もあるが、ゲレンデに目を転じると、中国各地から訪れたスキーヤーたちが白銀の世界を心ゆくまで楽しんでいる。

若者のグループや小さな子連れのファミリー客も多い。スノーボーダーもかなりいる。ただ全体をみると、日本に比べ、初心者が多いこともわかる。圧倒的に密集しているのは、リゾートの目の前の傾斜のゆるいゲレンデだからだ。おそらく日本の1970年代前半のスキー場がこんな感じだっただろう。でも、スキーウェアは真新しいブランドもの。中国では、それなりの階層にいる人たちだと思われる。

中国でレジャーとしてのスキーが始まったのは2000年代以降。特にこの数年、スキー市場は活気づいている。背景には、2022年の北京冬季オリンピック開催の決定がある。中国政府は、この年までに中国でのウィンタースポーツ(スキー、スノーボード、スケート等)の愛好者、関連活動(イベント等)参加者、業界関係者などを含む人数を3億人にすると言い出している。これまでのようにエリート育成でメダルを量産するのではなく、スポーツ人口の裾野を広げることの重要性に気づいているからだろう。

「中国スキー産業白書(中国滑雪产业白皮书)」によると、昨シーズンにゲレンデへ足を運んだ国内客は延べ約1500万人(前年比20%増)に達し、全国で646のスキー施設(前年比13・7%増)があるという。愛好者は200万人といわれる。人口規模からいえば、まだ特別な人たちのレジャーであることには違いないけれど、オリンピック会場となる河北省張家口市周辺を中心に莫大な投資が行われ、続々と新しいスキーリゾートが開発されている。なかでも2003年に開業した万龍スキー場や、マレーシア資本で12年開業の崇礼密苑雲頂楽園スキー場、さらにはスイスやイタリアなどの海外資本も呼び込む巨大プロジェクトとなった15年開業の崇礼太舞スキー場は有名だ。

もっとも、スキーの本場は寒冷な気候や雪質など自然環境に恵まれた東北地方である。投資額は北京にはかなわなくても、白書が伝える国内上位施設のランキングでトップなのが松花湖国際スキー場だ。以下、2位長白山スキーリゾート(吉林省)、3位万龍スキー場、4位崇礼密苑雲頂楽園スキー、5位崇礼太舞スキー場、6位ハルビン亜布力スキー場(黒龍江省)と東北勢が上位を占める。いま中国一のスキーリゾートは吉林にあるのだ。
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↑リゾート内に現れた春節の舞い。いかにも中国らしい演出だ
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↑リゾート周辺には高い山がないため、はるかかなたの雪景色が見える
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↑子供連れのファミリーが多く、ゲレンデはおしゃべり声でにぎやかだ 
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↑スキーセンターではスキー用具の貸し出しやリフトチケットなどを販売。日帰りでスキーだけ楽しむ地元の人も多い 
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↑カラフルなスキーウェアに身を包むスキーヤーたち 
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↑4人に1人はスノーボーダー 
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↑子供向けのスキースクールもある。パンダのかわいいビブスを着けてボーゲンで傾斜を滑る 
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↑山頂レストラン『吉林ワン』のテラスからは吉林市内や松花江などが見渡せる 
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↑リフト1日券は5000円。日本と変わらない 
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↑日が沈むとかなり冷え込むが、夕食後のナイトスキーも楽しめる

11月には早くもオープン
松花湖国際スキー場


2015年1月、吉林市から東南約15㎞の山間に、松花湖プリンスホテルと松花湖国際スキー場が開業した。世界大会でも使用される競技用の本格的なコースのほか、ビギナーでも山頂から滑走できる多彩なコースなど28本を完備。レンタルスキーやスクールの予約ができるスキーセンター、おしゃれな山頂レストラン『吉林ワン』、高速ゴンドラや電熱シート装備のリフトなど、世界の最新設備が導入されている。

リゾートの周辺には、中国ディベロッパー最大手の万科グループが開発するショッピングモールや別荘エリアの並ぶ「吉林省松花湖国際リゾート」が広がっている。「プリンス」の名を冠した施設が中国に誕生するのは初めてだが、それには理由があった。日本のスキーリゾートの運営ノウハウを取り入れたい万科の意向で、開発コンサルティングからサービス全般までプリンスグループが担当することになったからだ。

集客は好調で、利用者の95%以上は中国人。地元東北三省や北京、上海、広州からが大半を占める。残りはロシア人と11月のプレシーズンにトレーニングを行う日本の若手選手たちだ。寒冷な気候ゆえ、営業期間が11月中旬から(3月中旬まで)と日本より早く始まるため、約1カ月この地で合宿を行った後、日本各地の大会や海外に転戦していくのだ。

人気の理由は雪質だ。シーズン中はマイナス20度から30度に下がるため、北海道旭川の水準に相当するパウダースノーとなる。

施設も日本と変わらぬラグジュアリータイプで、ホテルの正面玄関を入ると、ロビーからコースが見上げられるという設計上の演出が施されている。レストランは日本料理や中華料理、ブュッフェ式のオールディダイニング、バーもある。インドアプールやSPA、フィットネスクラブも完備。滞在中は快適そのものだ。

テラスカフェのある山頂レストラン『吉林ワン』は、リフトのそばにあり、眺めが最高だ。当初はカフェのみの営業だったため、利用は少なかったそうだが、中国式の手延べ拉麺を導入したとたん、人気上々となった。パフォーマンス効果もあるし、何よりスキーで冷えた身体を熱々の拉麺が温めてくれるからだ。

必ず訪れたいのは、中国の有名建築家・王硕氏が設計した展望台『森之舞台』だろう。山頂近くに忽然と姿を見せる巨大な三角形の建造物だが、中に入ると、美しいゲレンデと氷結する松花湖が見渡せる。

今後、日本を訪れる中国人スキーヤーは、こうした最新リゾートを体験済みであることを知っておかなければならないだろう。
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↑『森之舞台』の中に入ると、左右に広がる絵画のような展望を楽しめる
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↑松花湖プリンスホテルの玄関から見上げると、スキーコースが見渡せる
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↑『吉林ワン』の手延べラーメンは大人気 
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↑最高級グレードの寝室 

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↑バスルームの外は雪景色 
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↑本場の中華料理が味わえる 
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↑ブュッフェ式のダイニングは朝晩とメニューが変わる 
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↑王硕氏が設計した『森之舞台』は「中国最高冷建築」として高い評価を受けている 
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↑日本人選手がサインしたTシャツの展示 
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↑夜になると、幻想的に浮かび上がるホテルの外観

松花湖プリンスホテル(松花湖西武王子大饭店)
吉林省吉林市豊満区青山大街888号
http://www.princehotels.co.jp/syoukako

※『中國紀行CKRM Vol.09 (主婦の友ヒットシリーズ) 』(2017年10月18日発売)に掲載された記事を転載しています。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-03 17:00 | 日本人が知らない21世紀の満洲 | Comments(0)
2017年 10月 03日

こんなに簡単!ウラジオストクのアライバルビザの取り方の手順を大公開

今年8月8日よりロシア沿海地方のウラジオストクへのアライバルビザの申請がネット上でできるようになりました。
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ロシア電子ビザ申請サイト
FREE PORT OF VLADIVOSTOK E-VISA APPLICATION PROCESS
http://electronic-visa.kdmid.ru/index_jp.html

なんと日本語です。これが、ここで申請してからウラジオストク空港で入国するまでの5つのステップです。
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「電子ビザ取得の申請書を記入する」をクリックしてください。

最初に、この電子ビザを取得できる18の国名が並びます。日本は最後です。でも、ここに挙げられる中国や北朝鮮以外でウラジオストクに来る人はほとんどいないと思われます。またここになぜ韓国がないかといえば、2014年以降、ノービザだからです。
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クリックして次に進みましょう。

申請のためには、パスワードを設定する必要があります。
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パスワードを忘れないように印刷しなさいだなんて、なんて優しい気遣いでしょう。
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個人情報を以下、書き込みます。
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入国予定日を決めなければなりません。申請日の5日後以降の入国が可能です。
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パスポートナンバーやロシアに親戚がいるかなども聞かれます。
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次に、デジカメで自撮りした写真をアップロードします。
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写真については細かい仕様が書かれています。
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最後に入力した内容を確認し、申請ボタンをクリックして終了。
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その後、メールが届きます。
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こんな感じです。これをプリントアウトし、パスポートと一緒にウラジオストクの空港で渡すと、イミグレーションでアライバルビザがもらえるというわけです。
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意外に簡単ですね。当初、ウラジオストクの関係者はたして円滑な運用ができるのだろうかと心配していたようですが、特にトラブルはないようです。

いずれにせよ、もうロシア大使館に2度も足を運ぶ必要がなくなったのですから、ありがたいことです。あとは、自分で航空券と現地のホテルを予約すればいいのです。通常は、先にこちらをすませてから、最後にビザの申請ということでいいでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-03 13:51 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 10月 03日

中国人は領袖の意向を“忖度”するのがホントに好きですね

今日の朝日新聞の朝刊にこんな記事がありました。

(核心の中国)一強:上 実績強調、再燃する習氏崇拝 バラ色の報道で権威付け(朝日新聞2017年10月3日)
http://www.asahi.com/articles/DA3S13162711.html

(一部抜粋)中国東北部にある吉林省延辺朝鮮族自治州光東村。9月半ば、一面に広がる水田で収穫を待つ稲穂が陽光に輝いていた。人口800人ほどの山村の様子が一変したのは、2年前の夏のことだ。

共産党総書記の習近平(シーチンピン)は2015年7月、朝鮮族の農村であるこの村を視察先に選び、民家や水田を見て回った。その様子が報道されると、全国から人が集まるようになった。

「習大大(習おじさん)が私の家にやってきた!」

そんな看板を掲げた民家の近くで、チマ・チョゴリ姿のガイドが、雲南省から来た約30人の一行に身ぶり手ぶりを交えて説明していた。

「総書記は朝鮮族がするように靴を脱ぎ、オンドルであぐらをかいたんです」

観光シーズンには1日千人以上がバスを連ねてやってきて、習が手にした地元の米には北京や上海などから注文が殺到。売り上げが3倍になった。村の農家を束ねる男性は「注文が途切れず、昨年収穫した2千トンも売り切れた」と声を弾ませた。

「総書記の言葉を学べ」と、動員される党員の視察旅行もあり、習が足を運んだ先々が「観光スポット」になっている。


これを読んで「あっ」と思いました。というのは、昨年この話の舞台である延辺朝鮮族自治州延吉市内の民族食品会館という地元農産品の展示場を訪ねたとき、習総書記が訪ねたという光東村の米が置かれていたのを見たからです。
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この記事にあるように、2015年7月15日、総書記がこの村の水田を視察したときの写真が商品パネルに使われていました。なるほど、いまの中国では領袖が訪れたという話がヒット商品や、観光客を呼び込んだりすることにつながるというわけです。中国人というのは、どんだけ領袖の意向を“忖度”するのが好きなんだよ、と思ってしまいます。
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ところで、延吉の民族食品会館では、地産品の展示だけでなく、実際に延辺の朝鮮族料理の調理を学んだり、試食を楽しめる体験館もあります。
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面白いのは、なにげに北朝鮮の工芸品や各種土産も紛れ込ませて紹介していることです。いまでこそ、制裁の対象である彼らの産品を扱うとは何事かという話かもしれませんが、彼らは同族なのですから。
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もうひとつおかしかったのは、習総書記が称賛した延辺米のパッケージに「光東越光 コシヒカリ」と日本語入りの商品名が書かれていたことです。ただし、この地で生産される米は、満洲国時代に寒さに強い東北地方の稲が持ち込まれ、品種改良された経緯もあり、「コシヒカリ」と呼んで日本米とのつながりを商品名に込めるのはまんざらウソでもないのです。
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まさか彼らも総書記がこの村を訪れたときは、決してそんな商品名は見せなかったと思いますけれど。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-03 09:49 | のんしゃらん中国論 | Comments(0)
2017年 10月 03日

081 この店のウエイトレスもロシアから来た

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「アラウンド・ザ・ワールド」で働く、花柄のワンピースを着たふたりの女性もロシア人。MARINAさん(左)はイルクーツク出身のブリヤート系で、SVETAさん(右)はウラジオストク出身。この店のオーナーも、ウラジオストクから来たロシア人。ハルビンのロシア料理店急増は、黒龍江省を舞台とした中ロのビジネス交流の拡大が背景にある。いわば、ハルビンは“出戻り”ロシア人の町でもあるのだ。(撮影/2014年7月)

※東洋系の彼女、一見中国人かと思うかもしれませんが、ブリヤート系(モンゴル系)のロシア人なんです。

ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(ハルビン編)
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by sanyo-kansatu | 2017-10-03 08:59 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)