ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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カテゴリ:アニメと「80后」の微妙な関係( 13 )


2013年 03月 25日

東京国際アニメフェア2013に行ってきました

東京国際アニメフェア2013に行ってきました。毎年時間を見つけて足を運んでいるのですが、今年は例年に比べ出展ブースが少ない印象でした。去年まで多数出展していた中国のアニメ制作会社のブースがなかったことも影響しているかもしれません。ビジネスデーの2日目(3/22)の午前中ということで、会場は少し閑散としていましたが、目についたのは外国人で、商談以外にも若い人たちがたくさんいて、楽しそうに回遊していました。

東京国際アニメフェア2013 http://www.tokyoanime.jp/ja/

個人的には、「テレビアニメ50年の軌跡」という展示コーナーが面白かったです。1963年以降のテレビアニメを年代別に書き出して、当時のキャラクター商品をちょろっと展示しているだけのブースなのですが、1970年代に少年期を過ごした世代としては懐かしかったです。なにしろぼくは「鉄腕アトム」の放映された年に生まれた人間なのですから(まいっちゃいますね)。
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「Tokyo Otaku Mode」というブースも目を引きました。海外アニメビジネスの可能性を探るシンポジウムもあるようでした。
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報道によると、東京国際アニメフェア実行委員会の発表する来場者数は、21日、22日のビジネスデーは伸び悩んだものの、パブリックデーで大きく取り返し、昨年大幅に減少した9万8923人(前年比24.5%減)から当初目標の10万人を超えたそうです。

ビジネスデーは、ビジネス関係者と学生のみを対象としている日ですが、やはり今年は少し元気がなかったのですね。対してパブリックデーは、子供や家族、アニメファンのための日で、『ドラえもん』や『名探偵コナン』「プリキュアシリーズ」などの人気作品が動員の牽引力になったようです。

ぼくはアニメ業界の人間ではないので、一般の来場者とはそもそも観点が違うのかもしれませんが、たまたま会場で「アニメと、メディア・商業・観光の世界展開」(第1期の成果と第2期展開への期待を背景に、アニメ&キャラクターコンテンツの、国際的な放送やオンライン・モバイルのメディア展開によって生み出される二次利用商品や観光などグローバルな波及効果について、メディア、商業、観光の立場の方とアニメ製作者が語り合う)というパネルディスカッションをやっていたので、途中からでしたが話を聞くことにしました。
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出版社や通信会社、ショッピングモールの関係者などと並び、JTBコーポレートセールス事業開発部 地域×メディアマーケティング室の古関和典室長という方も登壇者のひとりで、アニメの「聖地」巡礼で観光を盛り上げようという話をされていました。
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旅行会社として、いかに地域やメディアと関わり、アニメのコンテンツを活用した観光誘致や地域振興を行うかという話です。大ヒットした映画『テルマエ・ロマエ』と全国の温泉地を結びつけた特集企画を旅情報誌の「るるぶ」で展開したことや、中国人観光客向けに、昨年上海でアニメ「聖地」巡礼をアピールするイベントをした報告もありました。ただし、日中関係の悪化で、ツアーの催行には至ってないそうです。
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ぼくも2年ほど前、北京の大学の日本語学科卒業生のみなさん相手に、同じような話(アニメ王国ニッポンを旅しよう!)をしたことがありますけど、この手のイベント、その場はそれなりに盛り上がるのですが、だからといって日本に旅行に行こう、という動きにはすぐにはつながるものでもないようです。

ちょっと面白かったのは、日本動画協会の松本悟さんという方が、アニメに出てくる食事シーンを観光プロモーションに結び付けようという話をされていたことです。ご当地アニメをつくって、登場人物たちに地元料理を食べさせることで、視聴者にも食べてみたい、行ってみたいという気にさせるということでしょうか。

最近、地方を舞台にしたアニメ作品が増えているのは、製作者側が地域と連動した動きを始めているからでしょう。確かに、自分の街が作品の舞台になるのって、ちょっと楽しいことかもしれません。

実際、今回の出展者には、自治体もいくつかありました。個人的にたまたま縁があったのは、埼玉県羽生市です。ある大学の学生さんと一緒に羽生のまち歩きマップの制作をしたことがあるのですが、なんでも昨年11月、「ゆるキャラさみっとin羽生」というイベントがあって、全国のゆるキャラのコンテストをやったんだそうです。
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ちなみに羽生には「ムジナもん」と「いがまんちゃん」というゆるキャラがいます。よその土地の人にはなんだかよくわからないと思うのですが、「ゆるキャラさみっとin羽生」のパンフレットをみると、全国265のゆるキャラが勢ぞろいしたそうです。こういう最近のブームって悪ノリすぎではないのか、そもそも地元のアピール効果が本当にあるのか疑問ですが、なんだか世の中すごいことになっているなと思ってしまいました。
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もうひとつが「まんが王国とっとり」のブースです。昨年世界マンガサミットをやったばかりですが、どうやら鳥取県では本気でマンガを地元の産業振興につなげていきたいと考えているようです。

鳥取県は、水木しげる、「名探偵コナン」の青山剛昌、谷口ジローという3人の日本のマンガ界を代表する作家を輩出しています。ただ中国の例をここに持ち出すのもどうかと思いますけど、お役所主導の文化産業振興はなかなかうまくいかないものです。応援したい気持ちはあるのですが、いったいどう進めていくのか。注目していきたいと思っています。

最後に会場で見かけた中国人関係者たち。視察という名目で来場しているのだと思われますが、みなさんそれほどアニメに関心があるようには見えないところが不思議というか。今年から一斉に消えた中国関連ブースも尖閣の影響なのかよくわかりませんが、会場には他にもたくさんの外国人がいるなか、ちょっと異質な存在感を見せているグループでした。
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by sanyo-kansatu | 2013-03-25 11:41 | アニメと「80后」の微妙な関係 | Comments(0)
2012年 01月 13日

中国とマンガに関する3つの疑問を解く(中間報告バージョン)

2012年1月13日、やまとごころ.jpの勉強会で、中国のアニメファンに関するちょっとした報告をしました。11年秋に北京で開催された第12回国際マンガサミットの模様を取材したのですが、これはそのときのまとめのような内容です。
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中国とマンガに関する3つの疑問を解く(中間報告バージョン)
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by sanyo-kansatu | 2012-01-13 15:51 | アニメと「80后」の微妙な関係 | Comments(0)
2011年 12月 07日

アニメ王国ニッポンを旅しよう!

ちょうど北京で国際マンガサミットが開かれていた2011年10月下旬、ぼくは北京の知り合いの日本のアニメファンの女の子が主催する「六次会」という集まりで、ちょっとしたおしゃべりをしました。六次会では北京の大学の日本語学科を卒業した若い社会人のみなさんが交流のために、年に何度かたいてい学生街の五道口あたりのカフェで集まっているそうです。

六次会 http://neo-acg.org/supesite/?action-viewnews-itemid-2844

そのときぼくは、国際マンガサミット開催時期ということもふまえて、日本全国のアニメスポットを紹介しました。

そのためにつくったのが、下記のパワポの資料です。タイトルは「一起来动漫王国日本旅行吧(アニメ王国ニッポンを旅しよう!)」です。

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六次会に参加したみなさんはみんな日本語が上手で、日系企業などにお勤めの方も多かったのですが、ふだん自分が動画サイトなどで愛好しているアニメの作品の舞台=実在の場所と日本の旅行をつなげて考えるという、いわゆる「聖地」めぐりの発想はまだピンとこないみたいでした。作品の登場人物たちが繰り広げているのはフィクション空間にすぎないけれど、その場所は実在するのだから行ってみるといろいろ発見があったり、感じられたりして面白いよ、というようなメタな楽しみ方は、中国に住むみなさんにはまだちょっと距離があるのかもしれません。

ただひとり日本の名古屋に留学していた人がいて、彼女だけはその面白さを少し理解できたようでした。彼女は旅行好きで、1年間の留学期間中、全国各地を旅したそうです。そういう人なら、日本各地の風景や食文化などの地域性の微妙な違いもそれなりにわかっているので、それが作品の設定や物語に登場してくるさまざまなディティールに反映されていることに想像力が働くからでしょう。

そう考えると、海外の人たちに「聖地」巡礼の面白さをすすめるのは、現段階ではちょっとハードルが高いような気がしました。いまでこそ、たくさんの中国人観光客が来日する時代ですが、実際には誰もが簡単に日本に旅行に行けるわけではないことも、いまの中国の実情だからです。日本のアニメ好きだから、日本人と同じように日本のことをわかっているわけではないのです。とはいえ、海外にもおたくはいるので、彼らにならその面白さがわかるのかもしれません。
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by sanyo-kansatu | 2011-12-07 07:29 | アニメと「80后」の微妙な関係 | Comments(0)
2011年 11月 17日

中国人のアニメ受容をどう考えるか(国際マンガサミット北京大会2011報告 その7)

ここで少し視点を変えたいと思います。これまで見てきた中国の若い世代の日本のマンガやアニメの受容の意味を我々はどう考えたらいいのでしょうか。

1990年代に始まった中国の国営テレビにおける日本アニメの放映は、ディズニーランドもおしゃれなショッピングモールもない当時の中国において、また勉強漬けの日々の中で、ほとんど唯一の娯楽であり息抜きだったことは、多くの「80后」世代の人たちが語るところです。

なぜ日本の学園アニメでは、中高生がろくに勉強もしないで部活やサークル活動、アルバイトに明け暮れ、恋愛やおしゃれに夢中になっているのか、ウソみたいな、うらやましいような夢見事の物語として受けとめられていたようです。あるエリート大学出身の「80后」の青年が、自分は中高生や大学時代に日本人みたいに“青春”できなかったことが残念だったけど、20代後半になってやっと“青春”できるようになった、と話してくれたことがあります。ここでいう“青春”とは、おそらく日本のアニメに描かれるような恋愛や趣味に打ち込むことを指していると思われます。そんなことに引け目を感じていたのかと、ぼくはなんと返答すればいいのか戸惑いましたが、「いま“青春”できてるんだったら、それでいいじゃない」と答えたことを思い出します。

そんな彼らが成長していく過程で、90年代半ばに大量の海賊版のマンガやビデオが中国全土に流通し、大学に入る2000年前後にはインターネットも普及したことで、最初は台湾経由で、そして徐々に直接日本のマンガやアニメをリアルタイムに視聴していく環境ができ上がります。彼らはこうして子供の頃から日本のアニメ文化を受容する素地を身につけていたのでした。

2000年代に入ると、日中のアニメ受容のタイムラグはほとんどなくなっていました。中国以外の東アジアの国・地域ではさらにその状況が先んじて進行しており、都市部の若者の消費生活と文化面でのある種の共通性が全域にわたって見られるようになっていました。

こうした東アジアの若者の共通性が何を意味するのかについて検討するシンポジウム「新世紀東アジア諸都市のサブカルチャーと若者-ライトノベル、マンガ、村上春樹」が東日本大震災直後の2011年3月16日、17日、早稲田大学で開かれています。
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日本と同様中国でもライトノベル(軽小説)は人気

シンポジウムの主催者である千野拓政早稲田大学文学部教授は、基調講演の中で次のように語っています。

「東アジア都市部に住む若者の消費生活と文化生活における共通点が増加している。たとえば、今回のシンポジウムで扱う文学やマンガ、アニメ、ゲームなどサブカルチャーへの関心や同人活動の流行。村上春樹の『1Q84』の東アジア全域でのベストセラー化。純文学からライトノベル(中国では“青春小説”“校園小説”という)に広げると、谷川流の『涼宮ハルヒ』シリーズの新作は日本、韓国、台湾で同時発売(中国でも2011年正規版が発売)されている。

これは何を意味するのか。私の分析によると、東アジアの若者が文学テクストを読むスタイルが変わりつつある。作品の思想よりキャラクターを鑑賞する読み方。キャラクターを享受し、コスプレや二次創作を通じて仲間と交流し、自分の居場所を見つけること。背景には、若者の社会に対する虚無や閉塞感が影を落としているのではないか」。

上記はあくまで講演の超簡約であり、千野先生の論述はもっと精緻で具体的なものです。東アジアの社会において近年、若者の置かれた状況の共通性とは何かをめぐって議論を展開しています。

シンポジウムでは、中国(北京、上海)、香港、台湾、シンガポールなど、東アジアの中華圏の若手研究者らが集まり、日本のサブカルチャー受容の実態を報告しています(詳しくは後日時間をみつけて整理したいと思います)。

それらの報告を聞いていてぼくが思ったのは、東アジアに住む彼らが日本のサブカルチャーを愛好し、大きな影響を受けていることは確かだとしても、一方でどこまで彼らが文化の共通性を認識しているのか、検討の余地があるのではないかということでした。上海から来た報告者は、いかにも日本風のグラフィックデザインで装丁された中国のカルチャー誌に日本紀行を寄稿するような若い人気女性エッセイストでしたが、話の中に何度も「文化侵略」ということばが出てくるのです。つまり、彼女の中に日本のサブカルチャー受容一辺倒の現状を抗う心理があるように思います。

うまく言いにくいのですが、共通性に着目しようとする立場は、先行モデルはまず日本にあり、それが東アジアに伝播しているという、現段階では否定しにくい現状をひとまず肯定しなければならない面があります。しかし、東アジアの若い世代はそのような雁行発展スタイルとして必ずしも認識していないのではないか、とぼくは思うわけです。彼らは「文化は高いところから低いところに流れる」式の発想を受け入れ難いものとしてとらえる人たちだと思うからです。もともとぼくは東アジアの文化の共通性より多様性のほうが面白いと思うし、むしろ日本から見た彼らの異質性が気になります。

話を中国のアニメファンの若者に戻すと、先ほどの日本人と同じように“青春”できなかったと引け目に感じる青年のようなナイーブさを持つ反面、以前このカテゴリで書いたように、彼らが学んだ「愛国主義教育」の効果てきめんというべきか、ある局面(いわゆる歴史認識や領土問題など)においては、断固たる強面という二面性を併せ持つのも「80后」の特徴です。

アニメフェアに一緒に行った劉楊さんも、普段は礼儀正しく愛嬌のあるお嬢さんですが、尖閣諸島沖漁船衝突事件直後の頃は、ぼくが中国と台湾を区別して語る言葉じりに噛みついてきたりします。「台湾は中国の一部ですから、区別してはいけません」と彼女は言うのです。「う~ん、でもね、ぼくは台湾にも友達がいるけど、彼らの前で台湾は中国の一部だなんて言ったら怒られちゃうよ。少なくとも、台湾の人たちはそう思っていないことを、中国の人たちもちゃんと理解してあげないとね」と、やんわり説明すると、怪訝な表情をしながら、黙り込むのです。

当時、中国では確か人民日報紙上に日本の海上保安庁の船舶が中国の漁船に体当たりしたという架空のイラストを掲載し、国内外に向けたプロパガンダに邁進していた頃でしたから、つい彼女も日本人であるぼくにモノ申したくなったのでしょう。彼女は「何の力もない漁船の船長を国家権力が苛めるなんてひどすぎる」なんてことを言ってました。

ところで、かつてこうした政治的な話題は日中間では極力荒立てないことにしようというコンセンサスが機能していた時期があったと思います。1989年の天安門事件後、国際社会で孤立する中国との関係改善を最初に進めたのが日本であり、おそらくこの頃(90年前後)の数年間がいちばん中国の対日感情もバランスが取れていたのではないでしょうか。

そのことと直接関係があったかどうかわかりませんが、大量の日本アニメの中国での放映が始まるのがこの時期です。当時、学校帰りの中国の子供たちが共働きの両親の帰宅を待ちながら、テレビの前に座る夕方の時間帯に放映できるような番組が自国になかったことが理由だったのでしょうが、日本の子供向けアニメにはハリウッド製アニメのような政治的なメッセージは含まれていないから問題ないだろう、というのが中国当局の認識だったと思われます。

中国現代アートの祭典のひとつ、第1回上海ビエンナーレ(2000年)の開催に協力した日本のアート関係者によると、1997年にそのプレイベントとして中国で初めて開かれた公式の現代アート展で最初に招聘されたのは日本のアーティストの作品だったといいます。一般に欧米の現代アートにはさまざまな政治的なメッセージが含まれることが多いですが、日本の文化芸術は政治性が希薄だから、と中国関係者が話していたそうです。

ところが、それから10年後、大量に放映された日本アニメの自国の子供たちに対する浸透力に中国政府は驚き、慌てることになります。このあたりの事情については、遠藤誉筑波大学名誉教授の書いた『中国動漫新人類』(2007年 日経BP社)にあらかた書かれています。

中国における日本アニメの流入は、日本の娯楽文化には政治的な内容はないという当局の誤算から始まったといえると思います。というのも、何を隠そう(なんてもったいぶるのもなんですが)、日本のアニメには「戦後民主主義」的な思想が色濃く反映されているからです。「戦後民主主義」だなんて何をいまさら、と思うかもしれませんが、日本人にとっては空気のようなものだからそう感じるだけで、中国の国情からすれば、統治にとって有害な思想がずいぶん含まれていると(あえて誰も口にしないとしても)ある時期から気づく当局関係者がいてもおかしくないとぼくは思います。

端的な例をあげると、たとえば日本のアニメでは、小さくて弱い人間でも努力してみんなと力をあわせれば大きくて強い相手でも倒すことができる、というテーマが基本にあるじゃないですか。のびたくんという存在ですらそんなところがある。でも、こういうストーリーというのは中国のアニメではまずないそうですよ。そう指摘してくれたのは、前述のエリート青年です。彼は言います。「中国では強いものが強い、どう強いかが大事。そこが日本のアニメと違うところです」。

ところで、統治する側に立てば、弱い人間でも団結すれば強い相手に立ち向えるのだという想像力を民衆にむやみに喚起させたくないという事情がこの国にはあるのではないか。そういったら、発想の飛躍だと思いますか。日本人の感覚からすれば冗談かと思うかもしれませんが、それが中国という国でもあると思います。
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日本のどこかで見たようなキャラクターや「萌え」作品のあふれる自国のマンガ市場を苦々しく思う愛国的な当局者もいるはずです

もっとも、実際には、そんな思想的な警戒感というより、小泉政権との確執や教科書問題、靖国問題など、次々に繰り出される日中間の係争が引き起こす対日関係の悪化もあり、2004年以降、中国では一部を除き日本アニメのテレビ放映はほぼシャットアウトされます(といっても、ネット視聴によってそれも無意味化しているわけですが、2000年代以降に生まれた小学生くらいまでの児童への影響はかなり防ぐことができるかもしれません)。

中国政府が、唐突に自国の産業としてアニメ振興を打ち出したのも、その浸透力を自らの手中に取り戻したいからと考えたとしても不思議ではありません。これほど若者の心をつかむことのできる宣伝ツールは自国で運営管理したいと考えるのは、彼らの論理からすれば当然です。もっとストレートに別の言葉で言えば、彼らは中国の新しい世代をこれ以上“日本化”させたくないと考えているのです。
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こうしてみると、日本のアニメは中国政府からみれば鬼っ子みたいな存在といえるかもしれません。であればなおのこと、中国当局が日本のマンガやアニメの著作権をわざわざ守ってやろうという気がないのも無理はないかもしれません。

実は今回、マンガサミットの日本関係者から以下のコメントをもらっています。
「日本のアニメを通じて中国の若者に日本人の心を知ってもらえたらうれしい。学校教育では日本のおそろしさ、負の部分を強調しているので、文化交流がなければ中国の若者は日本を敵視続けるだろう」。

これは、近年の日本人の対中国観を概ね代表するものだと思います。確かに、日本側からいまの中国を見ている限り、そう主張したくなるのは当然だとぼくも思います。

しかし、日本のコンテンツ関係者は中国市場を考える際、自らの鬼っ子性(あくまで彼らにとってのという意味です)を自覚する必要があるように思います。その自覚がないと、彼らを理解できないでしょうし、ついには彼らだけが悪者に見えてしまうからです。
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by sanyo-kansatu | 2011-11-17 21:01 | アニメと「80后」の微妙な関係 | Comments(0)
2011年 11月 16日

中国政府が知らないアニメ消費の実態 (国際マンガサミット北京大会2011報告 その6 )

これまでマンガやアニメの作り手や産業側の事情ばかり見てきましたが、そもそも中国のマンガとアニメの消費者とはどのような人たちなのでしょうか。

その主役は、ズバリ「80后」「90后」世代です。そろそろぼくをアニメフェアに誘ってくれた北京の友人を紹介しましょう。

彼女は1986年北京生まれ、日本アニメファンの劉陽さんです。北京語言大学日本語学科卒で、今年で社会人3年目。学生時代からアニメイベントに参加し、声優のアフレコ大会で優秀賞に選ばれたこともあります。
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劉陽さん

彼女の勤める中国企業の上司が日本人で、その縁で知り合ったのですが、初めて会ったとき、いかにもアニメおたくといった雰囲気に苦笑したことを思い出します。本人も自分のことを「宅女」(日本でいう腐女子)といいます。好きなアニメは『夏目友人帖』(白泉社 テレビ東京)だそうで、日本のかわいらしいお化けの存在に興味を持ち、大学の卒論のテーマは「21世紀の日本アニメにおける妖怪観-『夏目友人帖』を中心として」というものでした。彼女の卒論を一度読ませていただいたことがあるのですが、しっかりした日本語で、さまざまなシーンに登場する妖怪の特徴を分析したものです。もともと『ゲゲゲの鬼太郎』も大好きだというので、今回一緒に鳥取県のPRブースを訪問しました。
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劉陽さんの好きな『夏目友人帖』。中国のお化け(鬼)は怖いものと決まっているのに、なぜ日本のお化けはかわいいのか? という疑問が卒論テーマを決めるきっかけだったとか

実は、彼女以外にも何人かぼくに付き合ってくれる若い友人が中国にはいるのですが、彼らとの交流を通して見えてくるのは、前述の国際会議などでは語られない中国のマンガ消費の実態です。概ね以下のようなことがあると思います。

①日本マンガの正規の翻訳本がかなりマニアックなものまで出版されている
②中国のアニメファンの間で日本の声優が人気
③すでに民間でコミケの活動が始まっている
④日中文化交流を掲げるファンが運営する民間イベントも開催されている
⑤中国にもおたくが急増中

最近、中国の書店のマンガコーナーに行くと、日本マンガの正規の翻訳本をよく見かけるようになりました。なかにはかなりマニアックと思われる作品まであります。なぜそのような翻訳本が出版されるかといえば、中国の若者たちが違法ダウンロードサイトを通じて日本の深夜アニメを視聴しているからで、ネットがPR効果を生んでいる面は確かにあるといえそうです。
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「四畳半神話体系」(2010年 上海人民出版社)

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「鴨川ホルモー」(2010年 上海人民出版社)

ネットによるリアルタイムで大量の日本マンガ&アニメ情報が流通することから生まれたもうひとつの面白い現象として、日本の声優人気があります。おそらく日本語学習と関係があるかと思いますが、中国のアニメ雑誌では日本の声優の人気ランキングもあるほどです。とかく顔が見えないといわれる日本人ですが、雑誌のインタビューやブログなどで語られる声優の生のコメントを通して、日本の最新の流行や生活文化が中国の若者に伝わっているという面があります。日本でも同じですが、きっと中国のアニメファンにとっても声優は芸能人に比べ身近な存在に思えるのでしょう。
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アニメ雑誌では声優の人気ランキングもある

こうした人気から、日本の声優を中国に呼ぼうという中国のファンが主催する民間アニメイベントも、北京や上海などではよく行なわれています。たいてい日中文化交流を掲げる大学の自主サークルが運営するもので、日本人留学生が支援している場合が多いようです。日本の俳優やアーチストを呼ぶギャラは用意できないけど、声優ならなんとか呼べそう、という経済的な事情もあるようです。
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日中アニメ漫画文化交流団体の「次世代文化と娯楽協会」のイベント


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北京の清華大学の日中友好アニメ漫画文化祭


定番メニューは、日本から呼んだ声優との交流会やアニソン歌合戦などです。今回のアニメフェアは政府主催によるイベントだったせいか、同人誌販売はあまり見られませんでしたが、民間主催のコミケは規模はぐっと小さくなるとはいえ、2004、5年頃から各地で開かれています。

こうして日中の若者の文化的な距離が縮まることで、当然というべきなのか、中国にもおたくが急増しているようです。中国のおたくの世界については、彼らが掲示板でやりとりしている話題を紹介した百元龍羊さんの『オタ中国人の憂鬱-怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力』(2011 武田ランダムハウスジャパン)に詳しいですが、日本のおたくとはまた一味違う独特の世界があります。

以下は、同書の帯のコピーです。

オタ中国人(中国宅)激増中。「孫がウルトラマンばかり見ている。せめて中国製アニメを見てくれ…」と嘆く温家宝首相。オタ中国人は語る。「日本は大嫌いだけど、オタク文化は大好き!」「日本には三種の神器がある。それはスクール水着とブルマ、セーラー服だ!」。
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by sanyo-kansatu | 2011-11-16 10:31 | アニメと「80后」の微妙な関係 | Comments(0)
2011年 11月 12日

違法コピー侵害の訴えも黙殺(国際マンガサミット北京大会2011報告 その5)

「チャイナ大躍進」プレゼンテーション全開の中国側報告(それでも民間業者は課題を認識していましたが)に対して、他の東アジア参加国・地域の報告はどのようなものだったのでしょうか。

ひとことでいうと、同じ中華圏でも事情は本土とは大きく違う(本土以外はみんな共通の悩みがある)とういことでしょうか。

以下、各国・地域の現状報告を簡単にまとめてみます。

①韓国
デジタル化により紙媒体のマンガが衰退。海賊版問題でマンガ家の収入が激減。作家と読者の高齢化。創作意欲も減退。韓国政府も解決に向けて取り組み始めている。マンガとドラマのメディアミックスの可能性。マンガ批評と法整備(制度的保護)の必要性を強調。

②香港
マンガ書籍の売上減少。携帯マンガ導入後も、有料になるとアクセス減少。ペーパレスの時代、マンガをどう変革すべきか。

③台湾
台湾マンガにもヒーローが必要。「地球を救うのはいつも日本人ばかり」。台湾人キャラクターをどう生み出すか。貸しマンガ市場(50代以上の女性に人気)が流行する一方、若者が前よりマンガを読まなくなった。マンガ家はどうすれば食べていけるのか。

各国・地域ともマンガ市場がデジタル化の波を大きく受けていることがわかります。日本に比べると市場規模は小さいですが、基本的に日本と状況は共通しています。彼らが中国の報告者と違うのは、作品のあり方について言及していることでしょうか。

さて、いよいよ日本代表の里中満智子さんの報告です。里中さんはまず東日本大震災で日本の出版・印刷関係者が影響を受けたこと。しかし、いち早く復興に向けて取り組んできたことから話を始めました。そのうえで、マンガ業界にとって最も大きな問題は、違法コピー侵害であると主張します。

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演壇に立つ里中満智子さん

2010年2 月、『ワンピース』の違法コピーがネット上に現れたことを例にあげ、里中さんは次のように話しました。「現在もなお違法コピー問題は深刻な状況にある。各国のマンガ関係者は、目先の利益より読者の心を重視すべき。マンガ家の利益を侵害する違法コピー問題に対して出版社からの問い合わせに一切回答しないサイトもある。新しい企画、人材育成など、著作権が支えてきたマンガ文化を守ることこそ正しい社会のあり方です」

発表の場所が違法コピーの本場中国であっただけに、「社会の正しいあり方」という言葉をあえて使ったところに、ぼくは同じ日本人として胸のすくような思いがしましたが、あれれっ。会場はしらー……。里中さんのスピーチの後、その問題が再び取り上げられることはなかったのです。とりわけ中華圏の関係者には、違法コピー問題を討議する姿勢は見られませんでした。

翌日、たまたまホテルでお見かけした里中さんにお話を聞いたところ、「中国で開催されたフォーラムだからこそ、特に違法コピー問題は訴えたかった」と話されていました。ここが中国でさえなければ、もっともすぎるほどまっとうな主張なのに、意図してしらばくれているのか(中国側にすれば、そんなできもしないことを討議しても仕方がない、というのが本音だったでしょう)、暖簾に腕押しの会場に日本関係者のため息がこだましていたのでした。

いやはや、まったく……。ある別の日本関係者はこんなことも話していました。
「当初アニメフェアの会場を偽ディズニーで話題となった石景区遊園地で行うとの中国側の計画があり、日本側が慌ててやめさせた経緯もある。そんなことをしたら、笑いものになってしまうからです。今回のアニメフェアでも海賊版が売られているように、著作権侵害に対する中国側の意識の低さに呆れてしまう」。
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アニメフェア会場では、中国では版権を許可していない宮崎駿の簡体字版書籍(つまりは海賊版)が堂々と販売されていた。マズイという意識が希薄なことに呆れてしまう


里中さんの主張は、『ワンピース』の違法コピー問題の発生後、2010年4月に「週刊少年ジャンプ」の最新号と同社サイトに掲載された以下の文章の内容を踏襲するものといえます。

「読者の皆様にお願いです。ネット上にある不正コピーは、漫画文化、漫画家の権利、そして何より、漫画家の魂を深く傷つけるものです。それらすべて法に触れる行為であるということを、今一度、ご理解ください」

しかし、この話はそれほど単純ではありません。最近では雑誌の発売日より先にネット上にアップされる違法コピーも珍しくないというだけに、その深刻さははかり知れないものの、一方でネットのコピーがマンガ雑誌や単行本の売れゆきにPR効果があるという声もあります。また、すべての違法コピーを取り締まることは不可能である以上、打開策として新作をネットで発表するマンガ家も現れてきているといいます。これではまるで最初からネットで作品を発表するところからキャリアをスタートさせてきた人も多い中国のマンガ家の状況に似てきたというべきか。

日本のマンガ業界がつくり上げたスタンダードが大きく揺らぎ始めています。その流れを加速させているのが、中国をはじめとした新興国であることは間違いありません。
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by sanyo-kansatu | 2011-11-12 10:26 | アニメと「80后」の微妙な関係 | Comments(0)
2011年 11月 11日

中国のマンガ産業と消費の動向(国際マンガサミット北京大会2011報告 その4 )

国際マンガサミット北京大会のフォーラムは、アニメフェアの会場である動漫遊戯城から車で5分くらい離れたプルマン北京ウエストワンダホテル(北京万達鉑爾曼大飯店)で開かれていました。こちらは、参加各国のマンガ関係者と中国側の関係者のみが集まる会合でした。そこでは、どんなことが話し合われたのでしょうか。

10月23日のテーマは「中国および各国のマンガ産業の状況報告」で、ぼくはひとりの聴衆として会場にいました。その日は、日本代表の里中満智子さんのスピーチも予定されています。

公式パンフレットによると、スピーチ内容は以下のとおりです。
「ニューメディアと出版の動向について」 北京出版集団副経理 李清霞
「中国の新しいアニメとマンガの現状」 中国新聞出版科学研究院院長 郝振省
「中国のモバイルマンガの発展モデル」 中国移動携帯閲読雑誌漫画中心総監 李飛宇
「ニューメディアマンガの技術と応用」 北京索引互動情報技術有限公司副経理 管培
「各国アニメ産業報告――韓国、香港、台湾、日本、中国」

まず中国の関係者のスピーチの紹介から始めましょう。彼らは自国のマンガ産業と消費の現状をどう認識しているのでしょうか。それは概ね以下の内容でした。

①2011年の中国のマンガ市場は空前の飛躍
②中国マンガ市場も開放の兆し?
③課題は、創作人材の不足とマンガ誌がまだ少ないこと
④携帯マンガ&アニメ視聴への期待が高いこと

以下、それぞれの内容を簡単に紹介します。

①2011年の中国のマンガ市場は空前の飛躍(だそうです)。

近年マンガ誌が多数創刊。読者も拡大。マンガ誌の地域別市場シェアは、北京8.3、上海5.6、広州13.6、杭州8.0…。広州が中国におけるマンガの最大市場のようです。ただし、市場拡大の速さは杭州が上回っているといいます。また上海人はあまりマンガを読まないんだそうです。

それにしても「空前の飛躍」とは……。そりゃまだ中国のマンガ産業はスタートしたばかりなんだから、数字だけ見れば拡大するのは当然でしょう。中国の公人の話ぶりは、いつもながら質を問うことなく規模の拡大を称揚する「チャイナ大躍進」プレゼンテーション全開!という感じです。話半分に聞き流すのが作法といえるでしょう。

以下、中国の主なマンガ誌を紹介します。中身については、言い出すとキリがないので、ここでは触れません。街中のキオスクや書店で購入できるので、ご覧になってください。
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『漫画世界』(漫画世界雑誌社 広州)
中国ナンバーワンマンガ誌(中国の雑誌総合ランキングでも8位と健闘。これまでにはなかった動きといえます)。

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『知音漫客』(湖北知音傳媒股份有限公司 武漢)
中国で有名な月刊誌『知音(親友)』のマンガ週刊誌

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『幽黙大師(ユーモア・マスター)』(浙江人民美術出版社 杭州)
キャラクターものより中国的お笑いマンガを収めた月刊誌。

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『北京卡通』(北京出版集団)
中国人マンガ家の夏達がデビューした雑誌。連載ものが多い。

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『動漫DVD』(齊鲁電子音像出版社)
アニメ雑誌だが、きわめて怪しい海賊版DVD付。ただし日本アニメの情報量は豊富

②中国マンガ市場も開放の兆し?

最近、日本のマンガを正式な版権を得て出版する事例が増えているようです。たとえば、『新世紀エヴァンゲリオン』(角川書店)の正規版や地方新聞における『ワンピース』(集英社)の連載などが報告されました。そんな当たり前のことをいまさらアピールされても、という感じですが、この国では公的な場で正規版が出るという話題がニュースのように語られているのです。確かに、中国の書店を覗くと、正規版の日本マンガが増えています。

注目すべき動きもあります。読者の支持が生み出す新しい傾向が見られることです。たとえば、日本のイラストレーター、高木直子さんの「ひとり」シリーズの翻訳作品が中国でヒットしています。都市在住の一人っ子世代のハートをつかんだといわれています。他にも、若い日本人のバックパッカー旅行の体験記などが多数翻訳されています(中国ではバックパッカーを「背包客」といい、広い意味での個人旅行、自由旅行を指します)。キーワードは「ひとり」で何かを体験する、旅に出る。その経験を面白おかしく綴った内容に共感が集まっているのです。
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高木直子さんの『第一次一个人旅行』陝西師範大学出版社(『ひとりたび1年生』メディアファクトリー)

中国出身のマンガ家の中にも頭角を現す人材が登場しています。2009年に日本デビューした夏達さんです。彼女は美少女マンガ家として日本でも注目されています。1981年湖南省生まれの彼女は高校時代より創作活動を行い、短篇「成長」(『北京卡通』)でデビュー。卒業後は北京市でプロのマンガ家として活躍。08年に「子不語」の第3話「影」で第5回金竜賞最優秀少女漫画賞を受賞。09年、集英社の『ウルトラジャンプ』で同作の日本語版「誰も知らない~子不語~」を連載し、単行本も出ています。
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美少女マンガ家、夏達さんのビジュアルはネット上に飛び交っています

③課題は、創作人材の不足とマンガ誌がまだ少ないこと(だそうです)。

まあそうでしょうねえ、という感じです。いま中国では全国各地の大学にアニメ学科を新設し、人材育成を進めているようですが、いったいどんな人材を育成し、何を目指しているのか、彼らの説明を聞く限り、よくわからないところがあります。創作の話よりお金と産業振興の話ばかりだからです。

誰が教えているのか、という問題もあります。最近では、あとで触れる東アジア各国・地域の出版不況のせいか、香港や台湾のマンガ家が活動の拠点を本土に移す例もあるようです。立派な仕事場を中国側にあてがわれた彼らは、中国のマンガ人材の育成に尽力することを期待されているのでしょう。

中国政府はアニメ産業の振興についても、外資の導入と合作という改革開放以降の成功モデルを採用しようと考えているようです。なんか違うよなあと思わずにはいられませんが、同じようなことを中国の若いアニメファンにも言われたことがあります。彼は言います。「日本のアニメ産業の現場がそんなに厳しいのなら、日本のマンガ家も中国に住んで作品をつくればいいのに」と。一瞬、呆れて彼の顔をまじまじと見つめ直してしまいました。どうやら彼は真顔でそう言っているようです。確かに、コスト構造や労働条件の問題は産業を支える大切な要件ですが、作品が生まれる場や環境という創作に対する想像力があまりに欠けていると思わざるを得ませんでした。

今回もある中国の報告者が「過去の人間のためより生きている人間に投資したほうがいい」と、日本各地のアニメ博物館を視察した感想を批判的に述べていたことが印象に残りました。ここでも一瞬、「何を言ってんだよ、マンガやアニメをよく知らない世代やお役人が国策と称してアニメ産業の振興を仕切ろうとするから中国ではうまくいかないのではないか」と彼の後頭部をハタいてやりたい気がしましたが、彼にしてみれば、地方振興とワンセットでつくられた日本のアニメ関連施設にどれほどの投資効果があるのか、という観点を言いたいのでしょう。確かにその指摘には一理あるのですが、アニメ産業の発展段階が日中でまったく異なることに彼はどこまで気づいているのか。あらゆる局面で日中双方の思惑がすれ違ってしまう現実をここにも見た思いがしました。

かくのごとく中国では、創作の現場から遠い場所にいる人たちが文化産業の利権を操ろうとしていることが問題なのですが、日本側にも次元は違っても同様の問題がないわけではありません。

④携帯マンガ&アニメ視聴への期待が高い

近年、中国のマンガ市場で携帯マンガ&アニメ視聴への期待が高まっています。その現状と課題について、中国新聞出版科学研究院院長の郝振省さんはこう語りました。

「最近の中国の若者は図書館に行かない。ネットと携帯でのマンガ&アニメ視聴が進行している。2011年6月現在、中国の携帯ネット利用者は3.2億人(同年末には4億人との説も)。しかし課題は山積み。①日韓欧のアニメ作品が市場を席巻し、中国オリジナル作品が少ない。②3Gが普及してきたが、現状における携帯によるマンガ閲覧は無料の場合が多いうえ、コンテンツホルダーに比べ国営企業である通信キャリアが取り分を多く要求するため、マンガ産業の利益モデルが不透明になっている。③今後、マンガ産業はマルチメディア化を進め、正規版の普及に努めるべき」。
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中国移動通信の配信する携帯マンガの広告

2009年5月に杭州の中国移動通信社のビル内にオフィスを構えて起業した携帯マンガ配信サイト運営会社、中国移動携帯閲読雑誌漫画中心総監の李飛宇さんはこう言います。(手機閲読 http://www.CMread.com)。

「共産党は子供に本を読みなさいというが、デジタル化は出版コストの削減に貢献する。携帯書籍とマンガ市場をもっと拡大させたい。ターゲットは18~35歳。『北斗の拳』をネット配信したところ、1000万アクセスを獲得した(正規版かどうか未確認)。ただし、携帯マンガの普及に2つの課題あり。①日欧のように市場が成熟していない。どんな発展モデルがふさわしいか模索中。②携帯端末で読む優位性についてさらなる検討が必要」。
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中国でもスマホによる携帯マンガの視聴が始まっている


中国のネット配信業者の声を聞いていると、国家によるアニメ産業の管理、コンテンツの検閲事情が変わらない以上、せめてインフラの拡大に執心するほかない? そういう側面があるように思えてきます。

最近日本でも電子版マンガ市場の拡大が指摘されていますが、一般に紙の本と競合しにくい1960~80年代の名作が人気といいます。日本ではこうして過去の資産を再活用できますが、中国ではインフラがいくら進歩しても、配信できるコンテンツがどれだけあるのかという問題がつきまといます。結局、ここでも日本をはじめとした海外のマンガやアニメのコンテンツをメインに配信していかざるを得ない現状がありそうですが、その場合、著作権問題をどうクリアするつもりなのか。ここは日本側もしっかり注視し、正規版のネット配信につながるよう積極的に働きかけることが必要だと思います。
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by sanyo-kansatu | 2011-11-11 23:20 | アニメと「80后」の微妙な関係 | Comments(0)
2011年 11月 11日

「まんが王国とっとり」ブースと平井伸治知事(国際マンガサミット北京大会2011報告 その3)

この時期、北京で開かれる国際マンガサミットを視察しようと思ったもうひとつの理由は、次回開催地の鳥取県関係者と北京でお会いする約束をしていたからです。来年の鳥取大会開催に向けた一連の動きをできるかぎり追ってみようと考えていたのです。

鳥取県はアニメフェア会場内の海外展示スペースに、県の観光PRを兼ねた「まんが王国とっとり」ブースを出展していました。
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展示内容は「ゲゲゲの鬼太郎」(水木しげる)「名探偵コナン」(青山剛昌)「遙かな町へ」(谷口ジロー)ら三大巨匠の主要なキャラクターイラストを活用したPRパネルや、米子市出身のイラストレーター、赤井孝美のオリジナルイラスト展示。県の観光PRビデオの放映や県内にある水木しげる記念館と青山剛昌ふるさと館のパンフレット配布、そして鬼太郎の着ぐるみ登場というものでした。

実をいえば、海外展示ブースといっても出展は少なく、鳥取県以外は韓国の出版社などわずかのみ。自社の雑誌を販売しているだけの中国の出版社ブースに比べると鳥取ブースの中身はあったほうだと思います。ただ、来場者にどこまで鳥取をアピールできたかどうかはまた別の話でしょう。中国でやる以上、たとえばこの国の若者に絶大な人気のある『名探偵コナン』を鳥取の顔として全面に打ち出してアピールでもすれば、もっとインパクトがあったと思います。著作権等の制限があるため、県としてもそういうわけにはいかないのでしょうけれど。

さて、10月23日(日)午後2時から「第13回国際マンガサミット鳥取大会」のPRイベントがありました。なんでも同県で毎年開催している中華コスプレ大会に北京在住の参加者がいるそうで、彼らによるパフォーマンスと平井伸治鳥取県知事による県の観光PRという内容です。
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ブースの前にはかなりの人だかり
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平井伸治鳥取県知事

もともとイベントらしいイベントも少ないアニメフェアということもあり、何事だろうと野次馬が大勢集まってきた感じでしたが、平井知事による中国語のスピーチは大いに好感を持たれたようでした。あとで関係者に聞いた話では、平井知事は中国語を習得しているわけではなく、機内で中国語のスピーチ原稿を丸ごと暗記しているのだそうです。なかなか堂に入ったものです。中国に行って人前で何か話すのであれば、「ニイハオ」だけでなく、2~3分のスピーチなら中国語を暗誦して行うべきだと思います。そのほうが絶対ウケます。中国は何ごとも政治で動く国。これは政治的なセンスに関わる話でしょう。

その後、知事一行はマンガサミット会場の閉会式に向かい、国際マンガサミット大会旗が鳥取県に引き継がれることになりました。 

翌日、鳥取県の「まんが王国とっとり」担当者に話を聞きました。

「北京の若者にはマンガ文化の潜在需要があると思います。イベント会場も国営工場跡を現代アート風に再利用しており、中国の経済成長の勢いを感じます。今後、北京市石景山区はアニメ産業を機軸とした産業発展を目指すということで、鳥取県は同区との交流をさらに深めていきたいと考えています」。

ぼくは基本的に中国のアニメ産業振興のあり方に疑問を持っていますが、それはそれとして、今後中国の首都の一行政区と日本の地方自治体の交流がどう進展するのか、注目していきたいと思います。 
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by sanyo-kansatu | 2011-11-11 23:17 | アニメと「80后」の微妙な関係 | Comments(0)
2011年 11月 11日

北京のコミケにようこそ(国際マンガサミット北京大会2011報告 その2 )

今回ぼくが国際マンガサミットを視察しようと思ったのは、数年前に北京で知り合った「80后」(1980年代生まれ)の日本アニメファンの女の子(彼女についてはあとで紹介します)に半年前から誘われていたからです。彼女の友人がアニメフェアの運営に関わっている関係で、事前にプログラムを送ってくれたこともあり、その時期北京に行けるなら訪ねてみようと考えていました。

ぼくの中国とマンガにまつわる関心は以下のようなものです(その背景については、当ブログの同じカテゴリの中で少し書いています)。

①中国における日本マンガやアニメの人気や消費の実態は?
②中国の若い世代の日本マンガ受容の意味をどう考えるか?
③中国市場において日本のコンテンツビジネスの可能性はあるのか?

実は、これらの観点は、2004~08年頃、日本のコンテンツビジネス業界の周辺でさかんに議論されてきたテーマでした。その議論の基調は、海外における日本アニメの受容や人気ぶりに着目し、これだけ支持されているのだから海外進出は可能なはずだ。……ただ、実際にはこうした希望的観測に基づく期待感だけが大いにふくらんだものの、海外における人気や消費の実態、受容の意味、そして何より市場の中身を検討する作業は十分になされてこなかったと思います(国・地域にもよりますが)。

確かに、パリでサンパウロで上海で、コスプレに興じる海外の若者の姿を見たら、みんな日本のアニメに夢中で、ビジネスの可能性は世界に広がっていると多くの日本人が思い込んでしまったのも無理はなかったといえます。

しかし、実際のところ、これもあとで触れますが、日本のアニメ企業の海外売上は2005、6年をピークに減少傾向にあることが知られています。期待値の上昇と売上は反比例していたのが実情なのです。

こうしたことから、さすがに過度な盛り上がりもひと段落。安易な思いつきだけでは思惑どおりにはいかないことを関係者の多くが理解したことまではよかったと思いますが、時代は動いています。電子書籍やスマートフォンの普及によって市場環境が変わりつつあるなか、あらためてなぜうまくいかないのかも含め、中国の事情を冷静に探っていくことは必要だと思います。
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さて、10月22日の朝、ぼくは北京の彼女と待ち合わせ、北京動漫遊戯場を訪ねました。会場はさすがに首都鉄鋼工場跡の巨大な廃墟空間を再利用しているだけあり、迫力満点でした。これだけ意味ありげな舞台が用意された中で、北京のアニメ関係者はどんなサプライズを見せてくれるのか。まずは会場の様子をお見せしましょう。

コミケの風景
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コスプレ大会
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出版社ブース。携帯マンガのブース(中国移動通信)も
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来場者たち
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皆さん、どうお感じになったでしょうか。北京のアニメ文化の盛り上がりもなかなかのものではないか。……はたしてそうなのでしょうか。ぼくの正直な感想は、一見にぎわっているようだけど、ずいぶん退屈な世界だな、というものでした。来場しているのは、いわゆる「80后」「90后」の子たちが大半です。男女比率は四六くらいかな。コスプレ率も高く、みんな思い思いのキャラクターに扮して会場を闊歩しています。みんな楽しそうといえば楽しそうなんだけど。これで本当に満足なのかな?

確かに、上海などに比べるともともと北京の若者はサエない印象があります。でも、それは仕方がないというか、別にいいじゃない。そこがかわいいともいえるのだから。ただコミケというのに、アニメ関連グッズやコスプレ関係の出店がほとんどで、同人誌の売買はあまり見られません。もちろん、いまの時代、作品を印刷製本するよりネットにのせるほうが一般的なのでしょうが、せっかく与えられた場を自分たちの手で最大限に活用しようというパッションがあまり感じられないのです。みんな所詮お客さんにすぎないという印象です。

あとこれは中国の国情だから仕方がないのでしょうが、至る場所にやたらと制服姿の公安がいます。人がたくさん集まる場所は政府が管理しなければならないという環境に、コスプレ姿の中国の若者は慣れているのか、あまり気にしていないようです。
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まあ参加しているみんなが楽しけりゃそれでいいとは思うのですが、関係者はこの状況をどう思っているのでしょうか。北京の彼女の友人で北京国際アニメフェアのコスプレ大会運営責任者である北京出版集団『北京卡通』の張帆さん(30)に話を聞くと、こういう次第でした。

「今回は北京で初めてのアニメフェア。広州や杭州に比べるとまだまだ。国際マンガサミット開催のおかげで政府から支援があったから今回はイベントが実現したのですが、来年も開催できるかどうかまだわからないのです。入場券やコミケ、出版社ブースの収益だけではこれだけの規模のイベントはとても賄えるものではないからです」。

あらら、そういうことだったんですね。コミケの運営資金もすべて政府持ちというのが、北京国際アニメフェアの実情だったのです。

張帆さんは「ぼくもいつか日本のコミケを観にいきたい」と言っていました。中国と日本では運営の仕方がどこが違うのか、ぜひ見てもらうと面白いと思います。

それにしても、なぜ中国ではアニメフェアの運営まで政府がお膳立てしなけりゃならないのか? そもそも国家主導のやり方が、中国におけるアニメ文化と産業の発展の足かせとなっていることに彼らは気づいていないのか?

そんな素朴な疑問が出てきますよね。
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by sanyo-kansatu | 2011-11-11 21:53 | アニメと「80后」の微妙な関係 | Comments(2)
2011年 11月 10日

国際マンガサミット北京大会2011報告 その1(概要、イベント、会場について)

10月下旬、北京に行ってきました。毎回中国出張に行くときは、いくつかの用件をまとめてこなしてくるのですが、今回はそのひとつとして国際マンガサミット北京大会の視察を予定に入れていたのです。
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国際マンガサミットは、アジアMANGAサミット運営本部(ICC)によって開催される国際フォーラムです。日本をはじめ中国や韓国、台湾、香港などアジア各国のマンガ家や業界関係者らが集まり、マンガ市場の現状や著作権問題などを協議します。1996年に日本で第1回大会が開催されてから今年は12回目で、北京市石景山区政府が主催しています(民間団体ではなく、政府が主催するところが中国らしい)。これにあわせて第1回北京国際アニメフェアも同時開催されました。

国際マンガサミット北京大会2011
■期日  2011年10月21日~25日
■会場  プルマン北京ウエストワンダホテル(国際マンガサミット北京大会)
       中国動漫遊戯城(北京国際アニメフェア)
http://comic.qq.com/zt2011/2011icc/
アジアMANGAサミット運営本部
ICC(International Comic Artist Conference)
http://mangasummit.jp/

今回、主催国の中国以外に、日本、韓国、香港、台湾の関係者らが参加していました。日本からは代表の里中満智子さんがスピーチのために出席。また来年度(第13回)開催地の鳥取県から平井伸治知事をはじめ県関係者が海外ブースにPR展示を出していました。意外に思われるかもしれませんが、鳥取県は、水木しげるや『名探偵コナン』の青山昌剛、谷口ジローを輩出した「マンガ王国」なのです。

フォーラムの内容については後述するとして、今回視察していくつかの発見があったのが、同時開催されたアニメフェアでした。そこでは、中国ではおなじみのコスプレ大会やコミケ(同人展)などのファン向けイベントに加え、中国のマンガ業界各社と海外の関係者の展示ブース、「世界漫画家作品展」と呼ばれる日本や中国、韓国、香港、マレーシア、フィリピン、モンゴルなどアジア各国のマンガ家の原画展が開かれていました。
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コミケb0235153_2243944.jpg
出版社ブースb0235153_225229.jpg

会場は中国動漫遊戯城(北京市石景山区)といい、中国共産党文化部と北京市の合作によりデジタル産業基地を目指す石景山区の首都鉄鋼工場跡地を利用し、2011年9月28日にオープンした巨大展示場です。敷地120万㎡、建築面積24万㎡と、とにかく広い。正門から会場まで徒歩5分以上はかかります。その杮落としイベントが今回のアニメフェアだったわけです。

北京市政府はこの施設を「第二の798大山子芸術区」にすると表明しています。確かに、国営工場跡を文化スペースとして再利用するという798のコンセプトを、政府がそのまま形だけ借用したような空間となっています。はたしてこの先、798と同様に発展していくものなのか。お手並み拝見といいたいところですが、全国各地に建設された中国政府主導のアニメ産業基地の実情を見る限り、ぼくには「仏作って魂入れず」で終わりそうな感じがしてなりません。まあしかし、せっかくの杮落としイベントを訪ねて、そんな憎まれ口をたたくのもどうかというのもあるので、じっくり視察してみようと思います。

北京アニメフェアの会場内b0235153_13175858.jpg
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中国政府文化部主催の中国動漫遊戯城オープン式典b0235153_13442144.jpg

首届中国动漫游戏嘉年华将于2011年9月28日开幕
http://game.163.com/11/0821/09/7BVJLQB000314K8I.html#from=relevant
从钢铁厂区到动漫基地:首钢腾挪“变身”
http://news.eastday.com/gd2008/f/2011/1215/2510052777.html
首钢老厂区将变身动漫乐园 打造第二个“798”
http://www.fengyunlu.com/news/2011122000007744.html
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by sanyo-kansatu | 2011-11-10 22:00 | アニメと「80后」の微妙な関係 | Comments(0)