カテゴリ:ノービザ解禁間近!極東ロシア( 26 )


2017年 04月 29日

「2017年アートウラジオストク・プロジェクト」国際芸術コンクール作品募集中(7月1日から30日まで)

8月1日からのノービザ渡航も決まり、今年のGWは極東ロシアのウラジオストクを訪れる日本人旅行者が増えています。現在はまだロシア大使館での観光ビザ取得が必要ですが、20~30代の若い日本人の渡航が目立っています。

8月1日からウラジオストクは8日間のノービザ渡航が可能になります
http://inbound.exblog.jp/26806617/

極東ロシアの文化的中心都市であるウラジオストクでは、今夏に向けてさまざまなイベントが計画されています。その目玉のひとつが、現地で開催される国際芸術コンクールです。
b0235153_1535947.jpg

先日、ロシア文化省の極東芸術アカデミーと沿海地方芸術協会が主催する「アートウラジオストク・プロジェクト」第5回国際芸術コンクールが、日本の美術大学や高校などの関係者に作品の募集を開始しました。

極東芸術アカデミー(Far Eastern State Institute of Arts)
http://www.dv-art.ru/
http://urajio.com/item/0814
沿海地方芸術協会 
http://urajio.com/item/0521

このコンクールは、35歳までの若いアーチストや美大生、高校生などを対象とした芸術コンクールで、ロシア全土および中国、香港、韓国、ベトナムなどから、毎年数百名が参加しています。

作品の審査は、ロシアの芸術協会名誉会員、極東連邦アカデミー学部長、アルカギャラリー館長など国家認定を受けた審査員が行います。コンクールの流れは以下の3ラウンドに分かれます。

第1ラウンド:各学校でコンクール出展作品を選抜。7月1日~7月30日までに、極東芸術アカデミー日本窓口担当(※)へ作品写真をeメールで送る。写真のフォーマットはJPEG、300KB以下。タイトル名、作者名および作者情報を以下の所定の申込フォーム(★)に記載のこと。

第2ラウンド:作品写真を受け取ったロシアの芸術協会、極東芸術アカデミーが審査。第2ラウンド通過作品には通知があり、9月1日までに極東芸術アカデミー日本窓口担当(※)へ作品を送る。

第3ラウンド:第2ラウンドの通過作品はウラジオストク市内の沿海州芸術協会ギャラリーにて9月19日~10月2日まで展示され、最終審査が行われる。

沿海州芸術協会ギャラリー
http://urajio.com/item/0521

最終審査(日程は未定)。審査員が各カテゴリーごとに「作品完成度」「芸術的創造性」を観点として10点満点の採点を行い、グランプリ、1位、2位、3位を決定する。 第2ラウンド通過後、ウラジオストク側に現物作品を送った参加者全員に出展作品カタログを贈呈する。

応募作品のカテゴリーは以下のとおり。
b0235153_1422135.jpg

また応募の際の規定のフォーマット(★)は以下のとおり。
b0235153_14222057.jpg

詳細については、以下の極東芸術アカデミー日本窓口担当に問い合わせのこと。

極東芸術アカデミー日本窓口担当(※)
宮本智(在ウラジオストク)
Tel:+7-914-687-11-79
eメール:tomo.miyamoto@gmail.com
Skype:miyamototomo
住所:Okeansky prospect, 16, SC ”IZUMRUD” Vladivostok, 690091, Russia
※宮本氏はウラジオストクにある現地旅行会社Alfa &Omega社(http://urajio.com/)所属。

以下は、昨年までのコンクールの第2ラウンド通過作品の一部です。
b0235153_1423617.jpg

b0235153_14231890.jpg

b0235153_14232918.jpg

b0235153_14234094.jpg

b0235153_14235114.jpg

b0235153_1424049.jpg

b0235153_14241084.jpg

[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-04-29 14:24 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 04月 28日

まだ気がかりな点も多い今年8月のウラジオストクの電子ビザ発給事情

今月中旬、極東ロシアのビザ緩和のニュースが報じられたばかりですが、「日本など18カ国の国民が対象」という文面を見て「どういうこと?」と思われた方もいたかもしれません。

8月1日からウラジオストクは8日間のノービザ渡航が可能になります
http://inbound.exblog.jp/26806617/

この点について、本日届いた「公益財団法人環日本海経済研究所(ERINA)」が発行するメルマガに興味深いふたつの翻訳記事があったので、以下転載します。このメルマガでは、日本海に面した自治体によって運営されている同シンクタンクが、北東アジアの国々の最新動向と日本海側の自治体との交流に関するグローカルなニュースを定期的に伝えています。

ERINA http://www.erina.or.jp/

ロ極東への電子ビザ入国が許可されるのは18カ国(DV.land4月17日)

世界18カ国からの観光客が、簡素化されたビザ発給手続きによって、ロシア極東5地域を訪れることができる。メドベージェフ首相が関連するリストを承認した。

このリストには、中国、日本、北朝鮮、トルコ、インド、イラン、UAE、サウジアラビア、チュニス、モロッコ、メキシコ、シンガポール、オマーン、アルジェリア、バーレーン、グルネイ、カタール、クウェートが入っている。メドベージェフ首相によれば、これらの国々は、相互主義の原則で選ばれた。これらの国々とは将来的に、二国間のビザ無し渡航協定の締結もありうると、首相は説明した。

これらの国々の国民は8月1日から、沿海地方、ハバロフスク地方、サハリン州、チュコト自治管区を訪れることができる。これらの旅行者は到着の4日前までに外務省のサイトで申請し、その後、国境でパスポートを提示するだけでよい。電子ビザが8日間のロシア滞在の権利を与える。電子ビザの有効期限は30日。電子ビザは無料で発給される。同時に、移動が許されるのは、入国した地域内のみとなっている。ウラジオストクの検問所のテストは7月1日から始まる。

入国手続きの簡素化によって、ロシア極東への観光客数は約30%増えるものと、極東開発省では予想している。


ロシア側のいう18カ国のリストをみるかぎり、ビザを緩和したからといって、これらの国々の人たちがウラジオストクへ来ることがあるのだろうか。そう思わざるを得ません。ここ数年の日ロ交渉を尻目に「日本を特別扱いする気なんてないよ」とメドベージェフ首相は言いたいんでしょうか。

同じ違和感は、ロシア側の関係者も感じているようです。現地でも戸惑いが見られることは、次の記事を読むとわかります。

電子ビザに関する首相の命令に旅行業界は困惑(Nakanune.ru 4月19日)

電子ビザでのウラジオストクへの入国が許可された国々のリストは、観光業界関係者を困惑させた。

ロシア観光産業同盟の広報担当者のイリーナ・チュリナさんによれば、リストアップされたうちの8カ国(アルジェリア、バーレーン、ブルネイ、カタール、クウェート、UAE、オマーン、サウジアラビア)は、ロシア連邦保安庁国境局のデータに拠ると、昨年ロシアへの一定数の入国が記録された80カ国に入っていない。「しかも、これらの国々を特恵リストに加える重要な論拠になったと首相の言う『相互主義の原則』は何なのかも、全く分からない」とチュリナさん指摘した。

現実にロシア極東への入国者数を増やし得るのは、18カ国のうち中国と日本の2カ国だけなので、広く宣伝され、期待を持たせたアクションは形式上のものだったとチュリナさんは考えている。同時に、2016年にビジネス、観光、私的目的でのロシアへの渡航者数が140万人を超えた中国とは、3人以上の観光グループのビザ無し交換が始まって久しい。

もしもリストに制限を加えるなら、アルジェリア、バーレーン、ブルネイ、北朝鮮、その他の先行き不明の市場の代わりに、オーストラリアやニュージーランド、カナダ、または昨年の総括のトップ25に入っているブラジルを加える方が論理的だというチュリナさんの発言をインターファクスが報じている。


これの記事で面白いのは、「現実にロシア極東への入国者数を増やし得るのは、18カ国のうち中国と日本の2カ国だけ」だとロシア側も認識していること、すでに中国人は「3人以上の観光グループのビザ無し交換」が実施されており、「2016年にビジネス、観光、私的目的でのロシアへの渡航者数が140万人を超えた」こと。さらに、文面にはありませんが、韓国とは2014年に「二国間のビザ無し渡航協定」を締結していることを考え合わせれば、民間の思いはともかく、ロシア政府側は日本に対するビザ緩和をどこまで積極的に進める気があるのか、疑わしくさえ思うのです。

(中国人のロシア観光が年間140万人を超えたことがわかる実例)
黒龍江省北辺の町、黒河のボート遊覧とロシアへの日帰り観光
http://inbound.exblog.jp/26537280/

今年8月のウラジオストクの電子ビザ発給については、まだ気がかりな点も多そうです。前の記事には「ウラジオストクの検問所のテストは7月1日から始まる」とありますが、結局、その時点にならないと、どんな問題が出てくるかわからない以上、このまますんなりいくかどうかは微妙なところがありそうです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-04-28 12:33 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 04月 24日

万景峰号によるロ朝新航路とウラジオストクで増加する北朝鮮人の事情

国際社会の制裁強化やトランプ政権の対北政策で朝鮮半島が揺れるなか、先週こんなニュースが報じられています。
b0235153_10175153.jpg

ロシア、北朝鮮に新航路=万景峰号使い来月から(時事通信2017.4.20)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042001014&g=prk
ロシア、北朝鮮間に新航路 月6回定期便 米けん制を狙う(東京新聞2017.4.20)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201704/CK2017042002000118.html

【モスクワ=栗田晃】ロシア極東のウラジオストクと、北朝鮮北東部の羅先(ラソン)特別市を結ぶ定期の貨客船が五月中旬に就航することが分かった。ロシア通信が十九日伝えた。旅客を乗せた両国間の定期航路は初めてという。核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対し、米国などが軍事的、経済的な圧力を強める中、ロシアによるけん制の意味合いもあるとみられる。

ロシアの運航会社「インベスト・ストロイ・トレスト」のバラノフ社長によると、対北朝鮮制裁で日本への入港が禁じられた貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」を利用し、月六便を運航。ロシア、北朝鮮による石炭関連共同事業などのビジネス利用のほか、ロシアの沿海州で働く北朝鮮労働者や、ロシア人、中国人観光客の輸送も目的としているという。

バラノフ氏は「これまでは運賃の高い航空機か、混雑した電車しか行き来できなかった。船は夜間八~十時間で移動でき、とても便利になる」としている。

米トランプ政権による北朝鮮への軍事的な圧力に対し、ロシアのプーチン政権は「武力行使の警告はリスクが高い道で、国際法違反だ」(ラブロフ外相)と対話路線を主張する。定期船の就航は従来通りの経済的な関係を保って欧米と一線を画し、外交で存在感を示す思惑もありそうだ。


TBSでも報じていました。

北朝鮮の貨客船「万景峰号」、ロシアとの定期便に(TBS2017.4.19)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3033076.html
b0235153_1021345.jpg

この報道をみて、ぼくはちょっと違和感を覚えました。それ自体はたいして重要なことではないのでしょうが、万景峰号でウラジオストクから北朝鮮の羅先に行くのに「夜間八~十時間」かかると言っています。でも、そんなに時間がかかるものだろうか、と思ったのです。ウラジオストクから中国経由で羅先に陸路で移動した経験から、両都市間はそれほど離れているとは思えなかったからです。

この点について、この地域に精通した事情通に聞くと「まあそんなものですよ。ウラジオと羅先は130マイルほどですが、一般にコンテナ船は10ノットなので、13時間かかるんです。フェリーなら25ノット程度で、万景峰号はもう少し早いとしても、6時間はかかるのではないか」とのこと。さらに、ある知人は「万景峰号は(波の揺れに対する復元力の指標である)GM値が高いので、波に弱く、そんなにスピードが出ないんですよ」と、どこから仕入れた情報かわかりませんが、おっしゃいます。

なるほど、そういうものかと思うほかなかったのですが、境港から韓国の東海経由でウラジオストクへ向かうDBSクルーズフェリーも、境港を毎週土曜の19時に出港し、翌9時半東海入港。午後2時に出港し、ウラジオストクに入港するのは月曜日の午後2時です。日本海を渡るフェリーというのは、実にのんびりしているのです。

DBSクルーズフェリー
http://www.pref.tottori.lg.jp/116802.htm

さて、本題に入ります。この報道からうかがえるのは、「ロシア、北朝鮮による石炭関連共同事業などのビジネス利用のほか、ロシアの沿海州で働く北朝鮮労働者や、ロシア人、中国人観光客の輸送も目的」(東京新聞)とあるように、極東ロシアと北朝鮮間の人の移動に関する事情です。ウラジオストク在住の友人に話を聞きました。

-ウラジオストクには北朝鮮の人たちが相当数いるようですね。

「その多くは建設労働者です。しかしここ数ヶ月、なにしているかわからない、つまり建設労働のような力仕事はしないで、ぶらぶらしているような人をよくみかけます。彼らの顔つきをみると、日焼けした様子がないのでわかるんです。彼らは単独行動はせず、常に2~4人でつるんで行動しています。

先日もウラジオストク駅に行ったら、北朝鮮行き(豆満江駅行き)の国際列車の車両は北朝鮮人で満席でした。ウラジオストクにはこんなに北朝鮮人がいたのかと、あらためて思いました。

北朝鮮からの留学生も増えています。彼らは、北朝鮮の富裕層や幹部の子弟で、その多くが甘やかされて育っているようです」

※ちょうど1980年代後半に日本に留学に来た中国共産党幹部の子弟に近い存在なのかもしれません。権威主義体制の国にはこの種の甘やかされた人間がいるもの。いかにも、という気がします。

-どうして彼らはウラジオストクにそんなに多くいるのでしょう。今後増えていきそうですか。

「増えそうな気がします。これはあくまでも個人的な意見ですが、今後も彼らがウラジオストクに出没しそうな理由として以下のことが考えられます。

・昨年4月、北朝鮮領事館がナホトカからウラジオストクに移ってきたこと。
・ウラジオストクの建築作業員は慢性人不足で、外国人労働者に依存しているが、その中で北朝鮮人が一番真面目で腕もいいというのが地元での評判。極東ロシアにとって貴重な外国人労働者といえること。
・北朝鮮人の行き先として、中国よりも極東ロシアのほうがビザが取りやすそうなこと(中国では脱北者問題もあり、貿易などに従事するビジネスマンを除くと、北朝鮮の労働者は徹底して管理された工場内などでの労働に従事するほかない)。
・ウラジオストクでは、北朝鮮人だという理由で差別を受けることは基本的にない。たまに北朝鮮との文化交流イベントなども開かれるほど。
・(そのせいか)ウラジオストク経済サービス大学の北朝鮮留学生が昨年2倍になり、今年も増えていると聞く(2017年4月現在)」

これは面白い話です。日本では、中朝や中ロの関係については、それなりに報道されますが、ロ朝の関係や人の移動に関するこうした事情は、あまり知られていないのではないでしょうか。

確かにロシア人からみて、中国人よりも朝鮮人のほうがまじめで付き合いやすいと感じるのは理解できなくありません。拉致問題についても、一般のロシア人はほとんど知らないそうです。国家間の関係はともかく、極東ロシアに住む民間人の感覚では、ウズベキスタンなど旧ソ連圏の中央アジアから来た労働者の質が良いとはいえないこともあり、北朝鮮人は「貧しい国から来た、よく働く外国人労働者」という存在としてみなされているのでしょう。

では、極東ロシアから北朝鮮への人の移動はどうなのか。ウラジオストク在住の彼によると「中国に比べるとそんなに多くはないが、旅行やビジネスで北朝鮮に行くロシア人はいる」ようです。

沿海地方に住むロシア人の中国旅行はよく知られています。日用品や衣料雑貨を買いに年に2度くらい中国との国境の町、琿春や綏芬河に行きます。また夏になると、大連あたりまで海水浴に行きます。鞍山にある日本時代につくられた湯崗子温泉が湯治のためのサナトリウムになっていて、ここでもロシア人の姿をよく見かけます。

極東ロシア人の中国旅行~買い出しバスツアーの訪問先は?
http://inbound.exblog.jp/20610573/

走遍中国 珲春俄罗斯人的幸福生活(CCTV4 20140419) ※琿春を訪れるロシア人観光客の中国TV報道
https://www.youtube.com/watch?v=AEkFq23gYDU

一方、北朝鮮へは国境を接している羅先から入ります。ロシアと北朝鮮は直接鉄道で結ばれているので、中国を経由せずに行けるのです。

欧米人の朝鮮旅行は、北京やロンドンにある英国系旅行会社が手配する北京からのフライトで入るものがほとんどなので、ロシア人が羅先から入るというケースは、全体からみると数は多いとはいえません。それでも、彼によると「たいてい10数名の団体客で羅先に数日滞在するか、羅先から平壌まで行き、帰りは平壌・ウラジオストク線のフライトで戻ってくるか、その逆もある」とのこと。ただし、北朝鮮に行くのは、珍しい物好き、比較的富裕層に限られるようです。この種の北朝鮮ファンは、日本でもアメリカでもそうですが、どこの国にもいるものです。
b0235153_10211399.jpg

ぼくは羅先には2012年と14年の2度訪ねており、市内には2軒のロシア料理店もあるなど、中国人ビジネスマン以外にロシア人ビジネスマンもいることを知っていました。また羅先には海水浴場があり、そこは中国人ではなくロシア人向けにつくられていました。

一般に外国人の北朝鮮旅行はどこに行くのも監視員付きで、自由行動はできませんが、貿易特区の羅先に限っては、しかもビジネスがからんだロシア人であれば、比較的自由に行動できるのかもしれません。

ただし、北朝鮮から極東ロシアに向かう人の移動は増える一方、逆の動きは減りつつあるようです。さすがに、北朝鮮の声高な威嚇をともなう核武装で、ロシアも中国同様、危機感が強まりつつあります。

先週は、米軍の北朝鮮包囲に対するロシア軍の動向を伝えるこんな報道もありました。

ロシア軍が北朝鮮に向け装備移動と報道、大統領府はコメント拒否(朝日新聞2017年4月21日)
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN17N0Y2.html

同じように中国軍も中朝国境沿いに集結しているという情報もすでにあります。

中国、北国境の警戒強化…兵士10万人展開か(読売新聞2017.4.24)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20170424-OYT1T50159.html

両国ともに、それを表向きは否定しているわけですが、こうした軍の動きがあるのは、この地域ではごく普通のことでしょう。

それはそうなのですが、人口の少ない極東ロシアにおいて、それこそ自由貿易構想の実現に必要とされるインフラ建設のためにも、北朝鮮労働者の存在は欠かせません。中ロは経済的にはまったく逆転していますから、(領土回復を胸に隠し持つ)中国による投資攻勢で極東ロシアをかき回されることに、ロシアは警戒的だと思います。ですから、ロ朝のささやかな新航路開設の話題も、この地域ならではの動静として興味深く思われるのです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-04-24 10:23 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 04月 22日

8月1日からウラジオストクは8日間のノービザ渡航が可能になります

今週、ついにロシア沿海地方へのノービザ渡航の実現に向けた報道がありました。

実際には事前に手続きした電子ビザが空港で発給されるとのことですが、これまでロシアの観光ビザを取得するためには、同国大使館を訪ね、2週間(無料の場合)もかけて手続きしなければならなかったことを考えると、「日本に一番近いヨーロッパ(ウラジオストク)」への旅行がお手軽になったことは確かでしょう。日本人にすれば、そのような手続きを必要とする近隣国は、国交のない北朝鮮以外は存在しなかったからです。
b0235153_13323655.jpg

ウラジオ、8月からビザ簡素化=日本など18カ国対象-ロシア(時事通信2017年04月18日)
http://www.afpbb.com/articles/-/3125423

ロシア極東発展省は17日、ウラジオストクの空港などから極東地域を訪問する外国人の査証(ビザ)取得手続きを8月1日から簡素化すると発表した。日本など18カ国の国民が対象で、極東の経済発展を促すのが狙い。

ビジネスや観光、人道活動が目的で、ロシア外務省のウェブサイトを通じて事前申請すれば、入国の際に最長8日間の滞在が可能な一次ビザが取得できる。ただ、移動可能な地域は制限される。


ずいぶん焦らされたものです。今回に至る経緯としては、2015年9月にロシア・プーチン大統領が、第1回東方経済フォーラムにおいて極東地域、特にウラジオストクの自由貿易構想を発表したことから始まります。そのため、昨年1月にウラジオストクのノービザ化が実現されるとの憶測が流れましたが、実現しませんでした。

その後、ならば2016年7月からでは、という話もありましたが、やはり実現せず、同年9月の第2回東方経済フォーラムの日露首脳会談の際、安倍首相による極東ロシアへの投資や共同インフラ開発とともに、日本からの渡航者を増やす約束をしたことから、ロシア側もそれに応える必要が生じてきたのでしょう。

第2回東方経済フォーラムの際の日露首脳会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/rss/hoppo/page1_000242.html

日本政府は10月には、国内の旅行業者に極東ロシア観光の推進を要請。

旅行業界に「極東ツアー」要請 政府、ロシアとの人的交流を促進(SankeiBiz2016.10.13)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/161013/mca1610130500018-n1.htm

それを受け、観光庁と日本旅行業協会(JATA)は現地視察団を送りました。

観光庁、極東ロシア旅行振興に1000万円-JATAと合同視察団(Travel Vision2016年11月10日)
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=75179

12月15日~16日には、プーチン大統領が来日し、安倍首相と経済協力分野の交流に合意しました。もっとも北方領土問題は進展しませんでした。

プーチン・ロシア大統領の訪日(2016.12.15-16)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/rss/hoppo/page4_002600.html

それでも外務省は、日露双方向の交流人口を増やすために、ここ数年伸び悩んでいる訪日ロシア人のためのビザ発給要件を緩和しました。

外務省、ロシア人のビザ発給要件を緩和、首脳会談受け(Travel Vision2016年12月18日)
http://www.travelvision.jp/news-jpn/detail.php?id=75754

年が明けて、ロシア側も極東地域への渡航の簡素化に向けた法案を通します。

外国人の極東への渡航を簡素化(2017年2月23日 ロシアNOW)
http://jp.rbth.com/travel/2017/02/22/708146

ウラジオストク自由港を訪れる外国人のためにビザを簡素化する法案を、ロシア連邦下院(国家会議)が第3読解で可決した。ロシア連邦極東開発省の広報部が伝えた。

入国の4日前にネットで申請

この新たな措置は、近く上院(連邦会議)でも支持されると、極東開発省は確信している。法案は、プーチン大統領が署名した後で発効することになる。

法案によれば、外国人は電子ビザで極東の5つの地域を訪問することができるようになる。その際、外国人旅行者は、ロシアに入国する予定の日付の4日前に、インターネットの特別なサイトで申請書を提出しなければならない。

極東開発省の伝えるところによると、ビザは無料で、申請した時点から30日間有効。8日間以下の滞在が許可される。

極東の5地域が対象

「ビジネスビザ、観光ビザあるいは人道目的の渡航用のシングルビザが、自由港のある5つの地域――すなわち沿海地方、ハバロフスク地方、サハリン州、チュクチ自治管区、カムチャッカ地方――のいずれに対しても申請できる。上記のロシア連邦領内に、外国人は8日間にわたって滞在することができ、入国した地域の中のみを移動することができる」。下院の国家建設・法律制定委員会のパーヴェル・クラシェニンニコフ委員長はこのように説明した。

法案は、9月6日~7日にウラジオストクで行われる東方経済フォーラムを前に採択された。この新たな措置は、極東への観光客の数を増やし、ビジネスを活性化させることを目的としている。これにより投資家は、この地域を訪問するのが容易になる。


そして、今夏からの日本とウラジオストクの航空路線の増便が決まりました。

今夏から成田・ウラジオストク線が毎日運航になります(これはスゴイ!)
http://inbound.exblog.jp/26742483/

こうしてあとはロシア側がいつ今回の発表をするか待つばかりだったのですが、ようやくその日を迎えたというわけです。

ウラジオストクにある現地の旅行会社に勤める宮本智さんに話を聞きました。

ウラジオ.com(宮本さんの運営するウラジオストク情報サイト)
http://urajio.com/

-ようやくですね。今回の発表、地元の受けとめ方はどうですか。

「今年8月からというのは、9月2日~3日にウラジオストクで開催される東方経済フォーラムにおいてロシア側が日本との合意事項の履行を発表できるように、ある意味強引に間に合わせようとしているのだと思われます。実際のところ、地元側では関心度はそれほど高いとはいえません。いまウラジオストクには中国や(すでに2014年にノービザとなっている)韓国からの観光客が多いため、宿不足の問題があるんです。中クラスのホテルが全く足りません」

-だとしても、さすがに今回は動き出すと考えていいのですね。

「確実に動きだしそうです。ただし、現地関係者によると、最初は入国時のロシア側の入管トラブルが起こりそうなので、事後の対応策に苦心しているとのことでした。以下のような理由があります。

・今回の発表は、省のトップレベルでは8月1日で合意されているが、空港関係者、入管などには情報が伝わっていない。現場はまったく動いていない。
・(ウラジオストク空港で発給される電子ビザを取得するための)サイト上での登録や記述に誤りがあった場合、入国できずそのまま帰国となる可能性が高い。
・法律上では許可された地域しか移動は不可で、当初はウラジオストクのみと想定される。
・日本からウラジオストク(沿海州)へ入り、ウラジオストクから日本に出るというのが許されるのみで、ハバロフスクへ移動したり、中国へ移動したりはできない模様(2017年4月現在)。

ウラジオストクに行くには、空路以外にも、境港からのフェリーもありますし、中国吉林省からバスで行けます。ウラジオストクからシベリヤ鉄道でハバロフスクに行くのもツアーの定番ですし、ノービザにするといろんなバリエーションが考えられるのですが、現状ではロシア側もその対策までは煮詰めていなさそうです。

ロシア側の認識としては、あくまで自由貿易港制度の一貫ということで、観光のためビザ解禁という認識はほぼ皆無です。

こうしたいくつもの懸念はあるけれど、8月1日にはそれが実行されそうだということは間違いなさそうです。

さすがに、現地の旅行会社のロシア従業員には、今回の報道が浸透してきました。地元のメディアでは、先ほど述べたように、日本に対するビザ緩和で宿不足が問題となりそうだと報じています」。

なかなか一筋縄にはいかないようですが、物事は始めてみなければ、動きません。今年の夏を心待ちにしたいと思います。
b0235153_1332149.jpg

【追記】
今回のビザ緩和に関するロシア側の事情が報じられました。

まだ気がかりな点も多い今年8月のウラジオストクの電子ビザ発給事情 (2017年 04月 28日)
http://inbound.exblog.jp/26819792/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-04-22 13:31 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 03月 25日

今夏から成田・ウラジオストク線が毎日運航になります(これはスゴイ!)

昨日、極東ロシア専門の旅行会社「JATM(ジャパンエアトラベルマーケティング)」の担当者の方にお聞きしたのですが、今年4月30日から成田・ウラジオストク線が毎日運航になるそうです。これには驚きました。

JATM(ジャパンエアトラベルマーケティング)
http://www.jatm.co.jp/

運航するのは、ロシアの航空会社のS7航空(週4便:火木土日)とオーロラ航空(週3便:月水金)です。しかも、S7航空は同じく4月末から関西・ウラジオストク線に水、金の週2便で運航する予定です。
b0235153_15161521.jpg

S7航空、4月30日から成田/ウラジオストク線を増便 週4便で運航
http://flyteam.jp/airline_route/nrt_vvo/news/article/74283
オーロラ航空、夏ダイヤで成田/ウラジオ線再開、週3便
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=76469
S7航空
https://www.s7.ru/

ちょっと面白いのは、オーロラ航空の使用機材がエコノミークラス70席のボンバルディアDHC8型機で、いまどき珍しいプロペラ機です。

オーロラ航空
http://www.uts-air.com/aurora/

こうして日本とウラジオストクを結ぶ航空路線がいきなり増便します。とても楽しみです。

今年こそ、ウラジオストク観光の年になるか(2017年 02月 04日)
http://inbound.exblog.jp/26607552

極東ロシアへの旅といえば、もうひとつサハリンがあります。成田からサハリンのユジノサハリンスクへはヤクーツク航空が2016年5月から週2便運航しています。

ヤクーツク航空
http://interavia.co.jp/news/post-13/
b0235153_15181548.jpg

個人的な話ですが、いまぼくはサハリン行きを計画しています。今年の仕事のテーマのひとつが、ボーダーツーリズムなんです。詳しくはまた報告したいと思います。
b0235153_18173386.jpg

[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-03-25 15:18 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 02月 04日

今年こそ、ウラジオストク観光の年になるか

昨年9月末、極東ロシアのに住む日本の友人から、2017年にはウラジオストクへの観光ビザが不要になるという連絡がありました。

「日本に最も近いヨーロッパ」こと、ウラジオストクが来年からノービザになりそうです
http://inbound.exblog.jp/26231701/

その後、12月には日露首脳会談がありましたが、その結果は玉虫色で、いったい両国関係はどうなるのか定かではありません。でも、少なくとも日本政府は極東ロシアへの経済協力を進めたいことは確かのようです。そのためには人的交流が不可欠とのことから、旅行業界へ日本人の極東ロシア観光を積極的に進めるよう要請しています。

旅行業界に「極東ツアー」要請 政府、ロシアとの人的交流を促進 (SankeiBiz2016.10.13)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/161013/mca1610130500018-n1.htm

政府が国内の旅行業界に対し、ロシア極東地域への観光ツアーを強化するよう要請したことが分かった。関係者が12日明らかにした。観光客の往来を通じ、安倍晋三首相が提案した対露経済協力プランの8項目に盛り込まれた人的交流を促進する。旅行各社は11月に担当者を現地に派遣し、ツアーの企画に向けて視察する方向だ。

安倍首相は極東のウラジオストクを「ユーラシアと太平洋とを結ぶゲートウエー(玄関)」と位置付けている。政府観光局はモスクワ事務所の開設を目指すが、現状ではロシアへの観光客は限られている。旅行業界は現地の観光資源や需要などを慎重に見極める。

関係者によると、世耕弘成ロシア経済分野協力担当相が9月、ウラジオストクやハバロフスクなど極東地域へのツアー旅行を増やすよう観光庁を通じて日本旅行業協会に求めた。大手旅行会社の幹部は「人の往来が増えれば、モノの動きも活発になる」と話す。

観光庁によると、2014年にロシアを訪れた日本人旅行者は約10万人。約357万人の米国や約271万人の中国と大きな差がある。観光客は首都モスクワやサンクトペテルブルクなど西部に集まり、主な観光シーズンも夏に限られる。旅行各社は視察で現地の観光資源や施設を確認し、日本からの旅行需要をどの程度掘り起こせるか検討する。

対露経済協力の人的交流分野では、政府はすでに閣僚級による交流促進会議の新設やロシアからの訪日客の査証(ビザ)発給要件の緩和などを盛り込んだ具体案を策定している。

【用語解説】ロシア極東地域の観光
帝政ロシア時代の建造物が残るウラジオストクやハバロフスクが主な観光地。ウラジオストクはロシア太平洋艦隊の基地があり、極東地域の経済や文化の中心都市。モスクワまでの約9300キロをシベリア鉄道で結んでいる。ウラジオストクへは日本航空などの直行便があるほか、鳥取県境港市から韓国を経由して向かうフェリーもある。


何はともあれ、こうした情勢の変化はウラジオストク観光にとって明るい展望です。

現地関係者によると、ロシア沿海地方(ウラジオストクを含む地域)を訪れる日本人の数は、ここ数年5000人前後のようです。一方、韓国は2014年にノービザとなって以降、すでに3~4倍に増えているとのこと。

2016年11月現在、ウラジオストク空港に国際線を運航している都市は以下のとおり。日本からは成田のみで、ロシアのS7航空が運航。新潟からは昨年8月まで便がありましたが、9月以降は運休しています。韓国の仁川線が圧倒的に多いことがわかります。

仁川 17往復
釜山 3往復
北京 3往復
上海 2往復
ハルビン 2往復
成田 3往復
香港 4往復
プーケット(タイ) 1往復
バンコク 1往復
平壌 2往復

※S7航空
http://flyteam.jp/airline/s7-airlines

こうしたことからも、日本も韓国と同様にノービザが実現すれば、旅行市場の拡大が見込まれると考えられます。2015年には4万人以上の韓国人がウラジオストクを訪れたそう。以下の韓国のテレビ番組をみると、彼らの現地の旅行の様子がわかります。若い女性客が圧倒的に多く、「世界でいちばん近いヨーロッパの街」を気軽に楽しんでいるという印象です。

First Time in Vladivostok [Battle Trip / 2016.07.17]
https://www.youtube.com/watch?v=49IyNno9uVE
https://www.youtube.com/watch?v=VtavnZRw5B4

現在のウラジオストクに関する日本語の情報は、ネット上でかなり収集できるようになっています。

そのうち主なものを紹介します。

まず、選りすぐりの海外旅行プランを紹介する『トラベルプラネット』のウラジオストク・コミュニティ。昨年、数回行われた現地取材のレポートで構成されています。

TRAVEL PLANET ウラジオストク・コミュニティ
http://travelplanet.jp/projects/vladivostok

最強というべきなのが、現地の旅行会社「アルファイオメガ ウラジオストク店(Альфа и Омега)」に所属する宮本智さんが制作した以下の旅行サイトです。ウラジオストクのことをこれほど詳しく紹介している情報源は他にはありません。
b0235153_13451275.jpg

ウラジオ.com
http://urajio.com/

同社では、極東ロシアの手配に実績のある旅行会社のJATM(ジャパンエアトラベルマーケティング)と共同で、昨年から今年の春にかけて、ウラジオストクのスタンプラリーを実施しています。

JATM(ジャパンエアトラベルマーケティング)
http://www.jatm.co.jp/

b0235153_13454858.jpg

YOU TUBEで偶然見つけたのは、ロシア人イラストレーターのユーリャさんによるウラジオストク動画レポートです。日本語を話す彼女が町を案内しています。

ロシア人が故郷ウラジオストク観光をおすすめしたい!
https://www.youtube.com/watch?v=GcqJK_H7YvY
ロシア・ウラジオストク空港が新しくなった!
https://www.youtube.com/watch?v=c5LI-SyqoWc
ロシア人2人でウラジオストク市街観光
https://www.youtube.com/watch?v=Jb3na9BoxG4
ロシア・ウラジオストクの歴史ある大学と不思議な電車
https://www.youtube.com/watch?v=mGqk7lR8Dj0
【ウラジオストク】ロシア人ユーリャおすすめの名所
https://www.youtube.com/watch?v=7ml8N0IkY-E
北朝鮮レストランに初めて行ってきた!【ロシア・ウラジオストク】
https://www.youtube.com/watch?v=wBpYzEMYnIo
ウラジオストク・ロシア人の生活環境
https://www.youtube.com/watch?v=kuOogZEWNxU

ユーリャさんはこういう人です。

ロシア人ユーリャの自己紹介『東京・そして私の仕事』
https://www.youtube.com/watch?v=PZKT9UA2z2c

Yurya Blinchik (ユーリャ ブリンチク)公式サイト
http://www.blinchik.jp/

ちなみに、本ブログでも、2012年夏に訪ねたときの話をベースにウラジオストクを紹介しています。

ノービザ解禁間近!極東ロシア
http://inbound.exblog.jp/i33/

ウラジオストク、なかなか面白そうな町だと思いませんか。なにしろ成田からフライト2時間もかからないくらいですから、ぜひ今年の旅行計画に加えていただけるとうれしいです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-02-04 13:46 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2016年 12月 25日

ロシア最果ての地の人たちは中国でどんな旅行を楽しんでいるのか(黒河編)

中国最北部に位置する黒龍江省は、周辺をロシアに囲まれていて、両国民の国境を越えた交流は盛んです。日本人は、このような国境を河で隔てた土地で生きる人たちの自由闊達な生活感覚について、ほとんど知らないのではないかと思います。

今年7月、黒龍江省北部でアムール河(黒龍江)のほとりにあるロシアとの国境のまち、黒河を訪ねました。
b0235153_19343116.jpg

省都のハルビンから夜行列車に乗って、朝6時に黒河到着。
b0235153_19344428.jpg

寝台車両ですでに見かけていたのですが、ロシア人観光客が多く乗っていました。
b0235153_19351962.jpg

これが黒河駅です。
b0235153_19353099.jpg

若いロシア人カップルも多くみかけました。彼らの多くは、黒河の対岸のブラゴビシェンスクというロシアの都市から中国旅行に来た人たちです。
b0235153_19354062.jpg

b0235153_19355279.jpg

さて、ぼくは黒龍江のほとりに建つ黒河国際飯店に予約を入れていました。ホテルの屋上から見た対岸のブラゴビシェンスクの町並みです。川辺に浮かんでいるのは、中国人を乗せた国境観光を楽しむ遊覧船です。
b0235153_1936823.jpg

b0235153_19362361.jpg

一方、こちらが黒河市内です。都市の規模も人口も、中国側が当然勝っています。
b0235153_19363272.jpg

駅で会ったロシア人たちは、黒河で一泊する場合、市内のもっと安いホテルに泊まるか、その日のうちに船でロシアに帰ります。1泊5000円相当の料金なので、えらそうに言うつもりはありませんが、黒河でいちばんいいホテルとされる黒河国際飯店には、ぼくのような外国人か、遠方から来た中国国内客、ロシア人ビジネスマンなどが利用することが多く、対岸のブラゴビシェンスクから格安ツアーで来るロシア人観光客が泊まる宿はもっとリーズナブルな場所がいくらでもあるのです。

さて、ロシア人たちは黒河で何をして過ごすのでしょうか。実は、黒河は中国にしては(なんていい方は失礼かもしれませんが)、空気も澄んでいて、中国的な猥雑さは少なく、信じられないくらいきれいな町です。1年のうち大半は厳寒の地だけに、短い夏(6月から8月くらい)を惜しむかのように、市民はこの季節を楽しんでいます。もちろん、ロシア側に比べると、町のにぎわいがあるはずです。

ロシア人たちは、そこで買い物に明け暮れます。安価で役立つ日用品や衣料など、ここぞとばかりに買い込んで帰るのです。モスクワから遠く離れた極東という土地ゆえの物価高と慢性的なモノ不足という事情があります。
b0235153_19365763.jpg

彼らが繰り出すのは、ロシアに戻る船の出る国境ゲートに近い大黒河島貿易城のロシア人向けショッピングモールです。
b0235153_19371271.jpg

ここは中国の国内客がロシア産品、たとえば、ロシア産ビールやウォットカ、チョコレートなどを買っていく場所でありますが、ロシア人たちは、中国産の日用品などを購入していきます。
b0235153_19372440.jpg

b0235153_19373783.jpg

これがロシアに戻る船です。
b0235153_19375455.jpg

ちょうど護岸工事をしていて、港の周囲は土盛り状態でした。
b0235153_1938945.jpg

黒河市のメインストリートである中央街の一部は歩行者天国で、「中央商業歩行街」と呼ばれています。この界隈もロシア人にとってのショッピングゾーンです。
b0235153_19382650.jpg

この通りで目につくのは、ロシア語の看板を掲げる商店です。
b0235153_19384131.jpg

ロシア料理店もいくつかあります。歩行者天国のはずれにある「レナ・レストラン(列娜餐庁)」はロシア客ばかりでした。
b0235153_19385511.jpg

これがメニューです。基本、西洋料理ですが、ボルシチがあるのが特徴です。
b0235153_19391175.jpg

パスタとボルシチを頼んだら、新疆(ウイグル)料理風のパンが出てきました。
b0235153_19392462.jpg

衣料品の店も人気のようで、ロシア人女性が何人かである店に入ったので、どんなものが売られているのか覗いてみました。3元=100ルーブルが相場のようです。
b0235153_19394383.jpg

失礼しました。下着のお店でした。でも、ロシアの人たちにとって、こういう日用衣料がロシアに比べ中国はとても安いので、まとめ買いしたくなるのです。
b0235153_19395645.jpg

もうひとつ目についたのは、100円ショップならぬ「2元ショップ」です。2元は日本円で35円くらいなのですが、きっと現地感覚では100円くらいの値ごろ感なのでしょう。ただし、売っているのは「安かろう悪かろう」という感じでした。こんなの、ロシアの人たちは買うのだろうか? 
b0235153_19401753.jpg

そんな疑問を感じていたところ、この町でいちばん大きなショッピングモールと思われる華宮商場に、日本の100円ショップそっくりの中国版10元ショップの「メイソウ(名創優品)」が出店していました。
b0235153_19403961.jpg

この10元ショップ、日本のダイソーと無印とユニクロをパクったといわれています。
b0235153_19405446.jpg


MINSO
http://www.miniso.jp/

店内には、中国客も多いですが、ロシア人の若い女の子も多いです。100円ショップは世界中の若い子に人気のようですね。

これは商場の装飾品売り場です。安い中国の装飾品は、彼女らにとってお値打ちでしょう。
b0235153_19421875.jpg

最後は、黒河空港で出会ったロシア娘です。彼女らはスマホを当たり前に使っています。もちろん、中国製でしょう。
b0235153_19423294.jpg

黒河空港では、搭乗まで歩いていきます。
b0235153_19424489.jpg

これまで見てきたのは、中国最北端、さらにいえばシベリアの僻地ともいうべき町での出来事です。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-12-25 19:46 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2016年 09月 29日

「日本に最も近いヨーロッパ」こと、ウラジオストクが来年からノービザになりそうです

今月中旬、ロシア沿海州の州都ウラジオストク在住の知り合いの方から一本のメールが届きました。

「おかげさまで、ウラジオストク観光情報を提供するHPが完成しました。
b0235153_8424560.jpg

ロシア:ウラジオストク発日本人による日本語案内情報サイト 『ウラジオ.COM』
http://urajio.com/

ずいぶん前から言われていた日本人のロシア沿海州のビザなし渡航ですが、2017年1月1日からになりそうです。

そんなこともあってか、この夏、ウラジオストクでは、日本からのTV取材者や旅行関連の方も多く訪れ、だいぶ賑やかでした。またすでにビザなし渡航が実現している韓国では、娯楽番組で取り上げられたため、ウラジオストクがちょっとしたブームで、街で見かける外国人の8割は韓国人です」。

ようやくビザなし渡航が始まるのですね。ぼくは2012年の夏にウラジオストクを訪ねたことがあるのですが、ちょうどAPECが開催される直前で、当時からその噂は持ちきりでした。ところが、その実現は延び延びとなり、いまに至っていたのです。

でも、さすがにここ数年の両国首脳の会談などもあり、実現に至るようです。ちなみに、韓国人はすでにロシア沿海州でのビザなし渡航が実現しています。

2016年9月現在、成田・ウラジオストク間はロシアのS7航空(日本航空とアエロフロート・ロシア航空との共同運航便)が週3便(火木日)で運航しています。

http://flyteam.jp/airline_route/nrt_vvo/flight_schedule

渡航者数が少ないため、航空チケット代は割高ですが、ビザなし渡航が実現すると、状況は少し変わってくるのではないでしょうか。

なにしろウラジオストクは「日本に最も近いヨーロッパ」。ぼくは2度訪ねたことがありますが、確かに街並みは美しいです。

前述したHP「ウラジオ.COM」の内容は、さすがに現地在住の日本人の仕事らしく、実に多彩な内容にあふれていて、これほど詳しいこの町の案内は他にないと思われます。ご自身のお名前や所属は明かしておられないようですからここでは伏せますが、2年ほど前、ぼくのブログの記事を見たこの方から連絡がありました。12年に訪ねたウラジオストクのささやかなレポートですが、掲載している写真がぼくの相棒でプロのカメラマンの佐藤憲一さんだったこともあり、一部写真を提供することになったのでした。

極東ロシア:北東アジア未来形
http://inbound.exblog.jp/i33/

意外にすんなり!? ロシア入国ドキュメント【中国からバスで行くウラジオストク(前編)】
http://inbound.exblog.jp/20606502/

「ウラジオ.COM」をみていると、この町も4年前に比べると、ずいぶん変わってきたところもあるようです。来年はぜひ再訪してみたいと考えているところです。

以下、2012年当時のウラジオストクのスナップです。
b0235153_8451540.jpg
これがウラジオストクと港の全貌です。
b0235153_8452775.jpg
美しい港湾都市です。
b0235153_8454041.jpg
日本の鳥取県境港から定期フェリーが出ています。韓国経由2泊3日の旅になります。
b0235153_8455692.jpg
旧日本総領事館の建物です。街では水兵さんの姿をよく見かけます。
b0235153_846942.jpg
老舗ロシアレストランの前を歩くウラジオガール。
b0235153_8462211.jpg
極東とヨーロッパをむすぶシベリア鉄道の始発となるウラジオストク駅。
b0235153_846366.jpg
郊外の海水浴場に向かうとき、電車の中で見かけた水兵さん。

【追記】
実は、この記事を書いたとたん、友人のトラベルジャーナリスト氏から以下の指摘が届きました。

「ウラジオのアライバルビザですが、実は20170701からのようです。
たしかblogに20170101からと書かれていたようなので……。

ウラジオストク簡易ビザは2017年7月1日実施予定か。
http://blog.livedoor.jp/marinepolaris/archives/66228692.html  」

えっ、そうなんですか!?  すぐに前述のウラジオストク在住の知り合いに打診したところ、以下のような回答が届きました。

「日本人に対する沿海州のビザなし渡航に関しては、以下のような経過がありました。

もともと2016年1月1日から実施のはずでした。それに合わせてカジノもオープンしました。        

ウラジオストク自由港 ビザなし渡航2016年1月1日から許可
https://jp.sputniknews.com/business/20151022/1060422.html

それが延び延びになり、16年7月1日となりました。        

ウラジオストクの「アライバルビザ」は事前申請が必要に? 2016年7月1日を目標に導入計画中
http://tabiris.com/archives/vladivostok-2/              

でも、結局、税関が間に合いませんでした。中国の場合、日程が決まると少々不備があっても施行されるのですが、ロシアの場合、まったく当てになりません。

日露両国が交わした文書によれば、2017年1月1日が最終期限とされ、また最近、安倍首相のウラジオストク訪問もあったので、多くのロシア関係者は2017年1月1日で大丈夫でないかと見込んでおりました。日本からもメディア、旅行関係者が来ていました。

12月にプーチンさんも来日するので、ウラジオの役人もやらないと首が飛ぶと言われていたのですが……」。

う~ん…、なかなか難しいんですね。ひとまず状況を見守るほかないようです。

【追記】
2017年4月に入り、ようやくロシア側からウラジオストクのノービザ渡航が8月1日より可能となることが発表されました。

8月1日からウラジオストクは8日間のノービザ渡航が可能になります
http://inbound.exblog.jp/26806617/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-09-29 08:43 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2013年 06月 18日

極東ロシア人の中国旅行~買い出しバスツアーの訪問先は?

極東に住むロシアの人たちにとって、身近な海外旅行先はお隣の中国です。いったい彼らはどんな旅行をしているのでしょうか?

なかでも沿海州の人たちの気軽な行き先は、吉林省の琿春か黒龍江省の綏芬河です。ウラジオストク市内には両都市への訪問を呼びかける案内版もあります。
b0235153_16243917.jpg

b0235153_16262436.jpg

2012年の夏、ぼくは中ロ国境の町クラスキノのバス停でロシア人観光客のグループに出会いました。彼らと同じバスに乗って中国の琿春まで行くことになったのです。それが極東ロシア人の中国旅行について調べてみることになったきっかけです。
b0235153_16244739.jpg

グループの中には若い女の子たちもいました。聞くと、大連まで行くそうです。大連の開発区に金石灘というビーチリゾートがあり、夏はロシア人海水浴客の姿をよく見かけます。バスで行くとしたら、けっこうな長旅ですね。

クラスキノからバスに乗って15分ほどで、ロシアのイミグレーションに到着しました。ぼくもロシア人に混じって出国手続きをしたのですが、同じバスごとにまとめて移動させられるので、パスポートチェックがすんでも狭い待合室で全員が終わるまで待つことになります。
b0235153_16264293.jpg

面白いことに、そこには中国の美容整形やエステの大きな広告が貼られています。
b0235153_16265878.jpg

同じ施設の広告は、琿春口岸にも置かれていました。
b0235153_16272622.jpg

なぜ中国で美容やエステなのか。それにはわけがあります。中国で湯治療養のため長期滞在するロシア人がけっこういるからです。有名なのは、遼寧省鞍山市(瀋陽の近く)の湯崗子温泉です。美容&メディカルツーリズムのメッカとして極東ロシア人に知られています。この広告によると、湯崗子温泉でのサービスに類似した泥エステや美顔エステを琿春でも提供していると思われます。ちなみに湯崗子温泉は戦前に開発された由緒ある温泉地で、ラストエンペラー溥儀のために造られた豪華絢爛個室風呂がいまも残っています。

次にバスで中国のイミグレーションに運ばれ、入国手続きをします。その日、地元のテレビ局が入国するロシア人観光客の様子をカメラに収めていました。琿春市にとってロシア人観光客は大切なお客様ですし、その盛況ぶりを伝えることで、地域の発展をアピールしたいのでしょう。
b0235153_16274921.jpg
b0235153_16275697.jpg

さて、ここでロシア人の皆さんとはお別れなのですが、琿春口岸でぼくは1冊の地元を案内するフリーペーパーを入手しました。中国名は「邊城傳媒」ですが、もちろん全編ロシア語です。
b0235153_16303637.jpg

「邊城傳媒」の体裁はA5版オール4色、本文64P。表紙や裏表紙、表2、表3も入れたほぼすべてが広告スペースとなっています(琿春市内MAP、中ロ対照旅行会話、出入国と税関に関する案内、発行元の広告会社のページを除く)。成田や羽田に置かれた外国語の日本案内と基本的に同じ性格の媒体です(デザインや編集のクオリティについてはともかく)。

そこには、琿春に滞在するロシア人が訪れるであろうスポットが掲載されています。せっかくですから、どんな場所が載っているか、見てみましょう。基本各ページに1店舗ですが、見開きでページを取っている施設もあります。まずはショッピングセンターの広告です。
b0235153_1631142.jpg

「温州商場」とありますから、不動産投機で悪名高い温州商人の投資によるショッピングセンターと思われます。ロシアの女の子たちがショッピングバッグを抱えて笑顔を振りまいている写真がポイントでしょうか。

次は、家電と毛皮の店です。中国の家電産業の発展ぶりから前者の店はわかるとして、なぜ毛皮の店なのか。実は、中国では毛皮製品がロシアに比べて圧倒的に安いからです。
b0235153_16313537.jpg

ウラジオストク滞在中、ぼくはたくさんのロシア人と知り合ったのですが、そのひとり、鳥取県ウラジオストクビジネスセンターのベルキナ・アンナさんによると、「ウラジオストクのOLの給料はそんなに高くないので、半年間我慢してお金をためて、年に2回琿春や綏芬河に行って毛皮やバッグを買いに行く」のだそうです。ちなみに、同センターは鳥取県のいわゆる在外事務所のひとつ。ウラジオストクと境港は週1便の航路で結ばれています(→「境港(鳥取県)発ウラジオストク行き航路をご存知ですか?」)。

これは遊園地と眼鏡店の広告です。ミニサイズのメリーゴーランドやフライングパイレーツが置かれた、まるで移動遊園地のようなアミューズメント施設です。ロシア人ファミリー客のニーズに応えるものでしょうか。他にも子供服やケーキショップの広告もありました。また、眼鏡もロシアに比べ相当安いのでしょう。
b0235153_1632341.jpg

最後は中ロ対照旅行会話と歯医者の広告です。現地でお会いした朝日新聞ウラジオストク支局の西村大輔記者によると、「歯の治療のために琿春に行くロシア人は多い」のだそうです。実際、フリーペーパーには6軒の歯科が掲載されていました。
b0235153_1632526.jpg

以下、広告の掲載店舗軒数をジャンル別に整理してみました。

ファッション関係(洋品、毛皮、バッグ、靴屋など) 12
歯科 6
レストラン(西洋料理がほとんど。中華料理店は1軒のみ) 6
美容・エステ関係 6
薬局 4
ショッピングセンター 4
家電販売店 3
アミューズメント施設(遊園地、ボーリング場など) 3
検診病院 2
サウナ・スパ 2
ケーキショップ 2
その他(アウトドア用品店、健康器具販売店、ふとん販売店、中国特産土産店)

これだけ見ていても、ロシア人が琿春でどう過ごし、どんなものを買い物しているかよくわかります。一般に極東ロシア人の中国旅行は買出しツアーと思われていますが、その内実は思いのほか多様なようです。とりわけ、前述した歯科や検診、美容といった医療関連のサービスが多いことに気がつきます。

観光庁は以前、極東ロシア人の医療や検診を日本で受けてもらうようにと、メディカルツーリズムの推進を働きかけたことがあります。しかし、実際には一般市民は中国で、少し経済的に余裕のある層は、日本ではなく、韓国に治療に行くと聞きます。コスト面の理由もあるでしょうが、やはり日常的に極東ロシア人たちが中国の朝鮮族自治州で医療を受けているのだとしたら、難易度の高い治療は韓国へ、という流れになるのは自然なことでしょう。韓国で学んだ朝鮮族医師も多いことが考えられるからです。
b0235153_16332574.jpg

こうした実態は、これらのモノやサービスをロシアで手に入れることがいかに難しいか、それを隣の国に出かけ、わざわざ埋め合わせしなければならないことを物語っています。

あるウラジオストクの関係者によると、「2000年頃、極東ロシア人は自国に比べ中国の圧倒的なモノの豊かさに衝撃を受けた」といいます。20世紀初頭の社会主義革命以降、ずっと兄貴分のつもりでいたロシアは、敗北を認めざるを得なくなったのです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2013-06-18 16:33 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2013年 06月 18日

極東ロシアの田舎町をドライブする~数千台の日本車積替と渤海の港

中国吉林省の延吉を起点に国際定期バスで極東ロシア入りしたぼくは、シベリア鉄道の終着駅のあるウラジオストクで数日過ごした後、中国に戻ることになりました。でも、往路と同じように路線バスに乗るのではつまらないので、復路はランドクルーザーをチャーターして途中いくつかの場所に立ち寄りながらドライブすることにしました。そして、国境の町の宿で一夜を明かすことにも。
b0235153_10275223.jpg

ロシア時間の17時(中国時間は14時。当然まだ陽は高い)、ウラジオストクを出発。市内はあれほど渋滞がひどかったのに、郊外に出ると車が減りました。ウラジオストクは半島の先にある都市なので、中国国境方面に向かうには、いったん北上し、半島の付け根で折り返さなければなりません。その頃にはもう対向車もたまにしか現れなくなります。
b0235153_10285899.jpg
b0235153_10285269.jpg

往路で休憩したドライブインを通り過ぎました。大きなトラックが停車しています。小さな村を通ると、人影が見えます。
b0235153_10295071.jpg
b0235153_1029571.jpg

ほぼ無人の一本道を日本製のランドクルーザーはひた走ります。ウラジオストクから1時間も走ると、徐々に道路の舗装が悪くなります。
b0235153_10301151.jpg

ザルビノという港町に立ち寄りました。トロイツァ港は日本から完成した自家用車を陸揚げし、列車でモスクワ方面に運ぶ積替港でした。トヨタ車やマツダ車だといいます。緑の湿原に囲まれた何もない場所に、突如何千台という車が並ぶという光景はちょっとした奇観といえるでしょう。
b0235153_10311136.jpg
b0235153_10311868.jpg

港は入り江になっていて、対岸には小さな集落と缶詰工場があるそうです。そこで働くのは北朝鮮からの労働者と聞きます。
b0235153_1031376.jpg

次に立ち寄ったのは、ポシェット湾の石炭積み出し港でした。ロシア人労働者がふたりビール瓶を片手に現れました。ここには中国からの労働者も働いているそうです。
b0235153_10315564.jpg
b0235153_1032445.jpg

ウラジオストクはすっかり化粧直しされて、ソ連時代を強く思い起こさせる痕跡はそんなに見つからない印象でしたが、こうして田舎町を訪ねてみると、この古い団地もそうですが、社会主義時代の裏さびれた停滞感を連想させる物件に出会います。しかし、それも仕方がないことというか、沿海州というのは、言うまでもなくロシアの最果ての場所なのです。
b0235153_10322919.jpg

ポシェット湾の入り江を見渡す場所で車を停めました。実はこのあたりは、いまから1000年以上前にこの地に勃興した渤海(698年-926年)が日本との交流のために計34回送り出した使者が出航した港があった場所ではないか、といわれています。当時の渤海の版図に極東ロシアの沿海州南部はすっぽり収まっています。夕闇が迫ってきて薄ぼんやりとしたポシェット湾でそんなことを考えていると、とても不思議な気分がします。
b0235153_10333825.jpg
b0235153_10334977.jpg
b0235153_10335815.jpg

それから車は西に向かい、ロシア時間の23時になってようやく国境の町クラスキノにたどり着きました。そして、町に一軒だけのオリオンホテルにチェックインすることに。
b0235153_10381199.jpg

この国境宿はもともと中国の投資によって建てられたホテルのようです。1990年代初頭のソ連崩壊以降、多くの中国人が行商人や労働者として極東ロシアに入り込みました。ところが、その数の多さに慌てたロシア政府は入国管理を厳しくします。今回のバス旅行でもわかったように、現在の人の流れはむしろロシアから中国に買い出しに来るロシア人のほうが多そうです。となれば、この中国資本の国境宿はさびれるほかありません。現在は地元ロシア人の経営となっています。

ちなみにツインで1泊2000RB(約5000円)。中国の地方都市であれば1泊100元(約1500円)程度の水準のホテルでしかありませんが、ロシアは中国に比べあらゆるものが高いです。それが極東ロシア人の買い出し旅行の背景となっています。

それにしても、場末感がたっぷり味わえる国境宿ならではのホテルでした。極東ロシアと中国辺境の国境の町なんて、そりゃもう世界の最果て。あらゆる世界の動向から置いてけぼりにされている(それはちょっと言い過ぎですが)、そんな場所で一夜を過ごすという気分も悪くはありません。

ロビーの脇に薄暗くだだっ広い食堂がありました。この町ではそこ以外で食事ができる場所なんてないので、遅い夕食をとりました。メニューを見てもロシア語なので詳しくはわからなかったのですが、イカフライやチャーハン、ロシア風サラダなどを適当に注文しました。実は、その晩のメインディッシュは、ウラジオストクでお世話になったロシア人から購入することになった茹でたタラバガニでした(別にこちらが頼んだわけではないのですが、旅先ではよくあることです)。田舎の食堂ですから、そういう勝手な持ち込みにもうるさくないので助かりました。

客は我々以外に数組のロシア人がいましたが、注文した料理はなかなか出てきませんでした。仕方がないので、食堂の隣にささやかなバースタンドがあり、飲み物を注文することにしました。こちらは種類もなかなか豊富です。さすが酒飲みの国ロシアというところでしょうか。ビール30RB、赤ワイン250RB、ウォトカ300RB、それぞれボトル1本の値段です。お酒だけは安いんですね。

さて、翌朝早く起きて町を散策しました。そこかしこにソ連時代の名残が置き捨てられたようにありました。
b0235153_10385540.jpg
b0235153_1039215.jpg
b0235153_10393270.jpg
b0235153_10394027.jpg

クラスキノは、中国に向かう道路の両脇に学校や民家、雑貨屋などが並ぶ小さな町です。ロシアの田舎町を歩くなんて機会はそうあるものではないので、1時間ほどふらふら歩いて、町の中心であるバス停に行くと、すでに中国行きのバスが数台停車していて、発車を待っていました。
b0235153_10402024.jpg

9時発の第一便に乗りたかったのですが、あいにく満席。仕方なくウラジオストク方面から来るバスを待ち、結局10時20分発の琿春行きのバスに乗り込むことができました。バス代は琿春まで1650RB(うち300RBは国境手配料だそうです)。やはり中国側からロシアに来るのに比べて、運賃も割高ですね。

(2012年6月下旬)
[PR]

by sanyo-kansatu | 2013-06-18 10:40 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)