ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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カテゴリ:ノービザ解禁間近!極東ロシア( 29 )


2017年 06月 27日

サハリンに行ってきました その1(ロシア正教の鐘は楽器の演奏のよう)

6月中旬、1週間ほどサハリンに行ってきました。

初めてのサハリン行きで、ロシア語もできないものですから、言葉がほとんど通じない外国で、バスや鉄道に乗るにも右往左往する毎日というのは久しぶりのことでした。でも、市井のロシア人たちの善良さやのどかさに触れることができました。要するに、彼らは、周辺の国々の人たちに比べ、ガツガツしていないんです。北海道のさらに北にある北東アジアの最果ての地に、このような品のいい人たちが静かに暮らしていると思うと、なんだかホッとしてきます。それが第一印象でした。

今回、州都のユジノサハリンスク以外に、サハリン鉄道の北の終着駅であるノグリキやポロナイスク、ドリンスク、ホルムスク、稚内と航路で結ばれているコルサコフなどを鉄道やバスで旅しましたが、どこに行ってもロシア正教会がありました。どの教会も、きれいにお化粧され、輝かんばかり。ロシアの人たちにとって教会がいかに大切な場所であるかを実感します。

これはユジノサハリンスクで広く知らているロシア正教会です。
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こちらはホルムスクの教会で、中に入ると、イコンがぎっしり並べられ、宗教的にとても濃密な世界があります。ヨーロッパのプロテスタント系の教会の簡素な世界とはまるで対極です。実は、同行した写真家の佐藤憲一氏がユジノサハリンスクの教会のミサの様子を撮影しており、近日中に公開したいと思います。
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この時期、サハリンでは午前中は海霧のような雲に覆われ、曇り空は正午過ぎまで続き、午後3時くらいからようやく空が晴れてきます。日本と比べ、時差が2時間早いこともあり、日が暮れるのは夜の9時半頃。ですから、教会などの本格的な撮影は、時刻でいえば夕方がベストといえます。

コルサコフには路線バスで約1時間。この日は午後4時くらいまでずっと曇り空だったので、コルサコフ港の青い海を撮影することを断念し、バスでユジノサハリンスクに戻ろうとしていたら、途中で急に空が晴れてきました。すでに午後5時を回っています。ロシア正教は見た目がとても美しいので、青空の下で撮影をしたいということになり、冒頭のガガーリン公園の近くにあるロシア正教会に行こうと、バスを降りたユジノサハリンスク駅からタクシーに乗ったところ、連れて行かれたのが、勝利広場の隣にある、もうひとつの大聖堂でした。
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こちらの聖堂は巨大です。中に入ってみたところ、まだ内装を工事中でした。それでも、修道女の人たちがお祈りを捧げている姿を目にしました。

教会の外に出ると、いきなり頭上から鐘の音が聞こえてきました。

ロシア正教特有の大小いくつもの鐘を楽器の演奏のように鳴らす鐘の音です。

その一部を動画に撮りました。

サハリンのロシア正教会の鐘 まるで楽器の演奏のよう(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=9R3q1Cfs-3g

以前、函館のロシア正教会で鐘を鳴らしておられる神父さんにお話を聞いたことがありますが、上手に鳴らせるようになるには相当練習が必要だそうです。確かに、音色を聞いている限り、けっこう難易度の高い「演奏」のように思います。

異国情緒という言葉を強く引き起こされるサウンドスケープといえます。

サハリンは、ひとことでいえば、「日本にいちばん近いヨーロッパの田舎」ですね。
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by sanyo-kansatu | 2017-06-27 13:53 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 05月 28日

ロシア・北朝鮮間を結ぶ「万景峰号」の乗客はわずか10名足らず。定期航路化は難しい?

国際社会が注視するなか、今月18日、万景峰号の北朝鮮の羅津港とロシアのウラジオストク港間の定期運航が始まりました。そして、今週25日(木)、2度目のウラジオストク入港がありました。

万景峰号の羅津(北朝鮮)からウラジオストク(ロシア)の運賃は片道9800円から
http://inbound.exblog.jp/26886405/
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しかし、乗客はほんのわずかな人たちだったようです。
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現地関係者によると「羅津港から乗船したロシア客に話を聞いたところ、船内ではレストランやショップが営業していたが、乗客は10名ほどだった」とのこと。
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翌26日(金)夜の羅津港に向けた出港時も「乗客は7~8名で、中国の旅行会社の関係者と若い個人旅行者1名、ロシア人3名、朝鮮人2名ほど。ただでさえウラジオストク港の入管手続きは遅いが、数名の外国人に対して1時間半もかかり、予定では20時発が、結局は21時30分に出港した」といいます。
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↑万景峰号の背後にウラジオストク港に架かる金角橋のネオンが見えます
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↑ウラジオストクを出港する万景峰号

こんなに少ない乗客では、とても定期運航どころではないのではないか。それが率直な印象です。

ところで、前回、中国で万景峰号を利用したロシア・北朝鮮の周遊ツアーが販売されていると書きました。

現地関係者から入手した同ツアーのパンフレットを紹介します。
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「万景峰号に乗る中国発ロシア・北朝鮮3ヵ国周遊3泊4日の旅」です。

これが日程です。
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初日朝7時に延吉集合。バスでロシア国境の町・琿春へ。ロシアのイミグレーションを抜け、一路ウラジオストクへ。翌日は、市内観光。3日目も夕方まで市内観光で、2012年のAPEC会場になったルースキー島などを訪ね、8時に万景峰号乗船。翌朝6時に北朝鮮の羅津港に到着。北朝鮮の経済貿易特区である羅先を市内観光し、午後には中国へ出国。夕方までにはバスで延吉に戻るというものです。

ちなみにツアー料金は、万景峰号の船室のランクによって違います。5月発については、以下のとおり(上段/下段は2段ベッドのこと)。

8人部屋 上段 1880元 下段1930元
6人部屋 上段 1980元 下段2030元
4人部屋 上段 2080元 下段2130元
ツイン 2230元
シングル 2330元

みやげ物店からの売上に対するキックバックで費用を補填するおなじみの中国式ビジネス慣行により、驚くほど安価なツアーになっています。そのため、参加費用は3万円からと安いのに、オプションは別料金で、ウラジオストク港の1時間のボートクルーズ代400元(6500円)、ロシア民族舞踊のディナーショー500元(8200円)、ロシアのタラバガニ料理500元(8200円)など、暴利をむさぼるしくみです。

※ちなみにウラジオストク港のボートクルーズの料金は、個人で行けば1時間700ルーブル(1400円)です。いかに中国の旅行会社がボッタクリしているかわかるでしょう。
http://urajio.com/item/0559

この料金表からわかるのは、このツアーのコストの内訳です。前回、万景峰号の片道運賃は「600元から750元」であることを伝えましたが、この運賃額を差し引いた金額は、これまで中国東北三省の旅行会社が催行してきたウラジオストク2泊3日ツアー料金の1200元相当します。つまり、「万景峰号に乗る中国発ロシア・北朝鮮3ヵ国周遊3泊4日の旅」は、従来のウラジオ2泊3日に万景峰号クルーズと朝鮮観光を加えたものだといえます。

万景峰号の羅津(北朝鮮)からウラジオストク(ロシア)の運賃は片道9800円から
http://inbound.exblog.jp/26886405/
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ツアーパンフレットには、旅行会社がツアーコストの原資を得るために立ち寄る免税店が記載されています。ウラジオストク市内にあるロシア産の紫金の宝飾店、ロシア産のチョコレートやウォッカ、タバコをなどを売る免税店、万景峰号が入港する国際ターミナルの免税店の3つです。2013年に施行された新旅游法により、中国ではツアーで立ち寄る免税店についてはパンフレットに情報公開することが義務付けられています。

一方、羅先には、いわゆる免税店はありませんが、こちらでも北朝鮮産の海産物などを法外な価格で売る店に連れていかれます。なぜなら、先ほどのツアー料金からみると、中国の旅行会社は朝鮮側に支払うコストに見合う金額を旅行客からもらっていないと考えられるからです。金を払わない代わりに、中国客にみやげ物を買わせて、その上がりで1日のバス代と観光手配は朝鮮側に請け負わせているわけです。

これは中国では定番ともいうべきボッタクリツアーです。残念ながら、このようなやり方でしか、客を集められないのが現状なのです。これは中国人の日本ツアーやクルーズでも同じです。

このツアーを催行しているのは、中国吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉にある延辺中鉄国際旅行社です。現在、予定されている6月までのツアー出発日は、5月24日、31日、6月7日、14日、21日、28日です。

延边中铁国际旅行社有限公司(※ただし、同社のウエブサイトには掲載されていません)
https://ztlx1.package.qunar.com/

とはいえ、東南アジアのゴールデントライアングル(タイ、ラオス、ミャンマー)と同じく、中国、ロシア、北朝鮮の3ヵ国が接する国境地帯を周遊できるという、この斬新かつ魅力的なツアーも、これまで述べた客観状況や現状の乗客数をみるかぎり、今後参加者が現れるかどうかはかなり疑問です。

もうひとつの中朝国境の町、遼寧省丹東の旅行関係者によると「これまで両国往来の旅を楽しんできた中朝国境沿いの住民も、昨年の核実験以降、さすがに北朝鮮に対する国民感情は悪化している」とのこと。新義州への日帰りツアーも昨年に比べ、半減以下に落ち込んでいるといいます。

※2016年9月9日に実施された北朝鮮による5度目の核実験は、中国吉林省延辺朝鮮族自治州と国境を接する咸鏡北道吉州郡豊渓里付近だったことから、中国側でも地震が観測されています。

さて、この中国発の周遊ツアーが催行されないとなると、万景峰号の定期運航にも影響を与えることになりそうです。

ある中国メディアは、今回万景峰号の定期運航を企画したロシア側の関係者の「(初運航の際に乗船した)中国の旅行会社7名は船内のレストランや施設を視察した。今後運航を続けられるかは、中国客が乗船するかどうかで決める」とのコメントを紹介しているからです。

中国旅行社测试从朝鲜到俄远东的海上路线(2017年05月18日)
http://sputniknews.cn/china/201705181022655579/

(一部抜粋)「赫梅利还表示:"本次航行是测试,因此船上没有游客,也没有货物。船上只有7名中国旅行社的代表,他们为了保险起见决定亲自考察路线,评估船上的饮食和设施。虽然有中国游客希望乘坐,但是决定先不搭载游客」

先ごろウラジオストクを訪れた現地通によると、「現在ロシア沿海地方には約8000人の北朝鮮労働者がいる。彼らは主に建設現場や水産加工工場などで働いており、北朝鮮への帰省は、鉄道を利用する場合が多く、割高な万景峰号をわざわざ利用することはない」とのこと。一方、「北朝鮮旅行に行くロシア人もいないことはないが、少ない以上、万景峰号の定期運航は中国客にかかっている。しかし、中国人の多くは安かろう悪かろうで、免税店に連れまわされるボッタクリツアーに嫌気が差しているので、どれだけ参加者がいるだろうか」と疑問を呈しています。

中国側でこのツアーを企画しているのは、延辺朝鮮族自治州・延吉の旅行会社です。中国政府は万景峰号に中国客が乗ることについて、朝鮮族による民族交流の一環であるなどとして、制裁違反との批判に対して一定の言い訳ができると考えていると思われます。

現在のウラジオストクには、北朝鮮人労働者のみならず、中国や韓国の観光客が多く訪れています。つまり、北朝鮮を訪れることのできない韓国国民も、この町に行けば、好むと好まないにかかわらず、北朝鮮国民と普通に話を交わすことができるのです。またモンゴル人や彼らと同じ顔をしたブリヤート系ロシア人もいるなど、ウラジオストクは、今日の北東アジアを象徴する国際都市といえます。

日本のメディアは、国連による対北制裁とロシアの思惑という大がかりな視点から万景峰号の動向を理解しがちですが、こうした現地のローカル事情をふまえると、まったく別の視点も見えてきます。

【追記】
その後、FNSが4回目の万景峰号の羅先・ウラジオストク航路に乗船したようです。

北朝鮮「万景峰号」内部をTV初取材(FNS2017/06/07)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00360574.html
「万景峰号」に初乗船 船内は?(FNS2017/06/08)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00360643.html

特に目新しい発見はないようですが、「TV初取材」を謳っているわりには、とてものどかな船旅だったようです。

同スタッフは万景峰号の船内を動画で撮っています。

万景峰号をメディア初取材。北朝鮮の「謎の船」の実態を詳しくレポート(ホウドウキョクJun 15, 2017)
https://www.houdoukyoku.jp/posts/13418

正直なところ、ちょっと笑ってしまいました。
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by sanyo-kansatu | 2017-05-28 11:58 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 05月 28日

万景峰号の羅津(北朝鮮)からウラジオストク(ロシア)の運賃は片道9800円から

先週5月18日(木)の朝、北朝鮮船籍の万景峰号がロシアのウラジオストク港に初入港しました。当初は9日からと報じられていましたが、ロシア側の事情で延期になりました。今後は、毎週1回、水曜夜に北朝鮮の羅津港を発ち、翌朝ウラジオストク着、金曜夜に同港を発ち、北朝鮮に戻るというスケジュールだそうです(ただし、7月以降は未定)。
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↑ウラジオストク港に入港する万景峰号。運航を行うロシア企業が外観を白粉直しし、内観も旅客用にリノベーションしたという

日本のメディアも同船の入港を以下のように伝えています。

北朝鮮の万景峰号、ロシア・ウラジオストクとの間で定期便始まる(HuffPostJapan2017年05月18日)
http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/18/mangyongbong_n_16682488.html

北朝鮮の貨客船・万景峰(マンギョンボン)号が5月18日朝、ロシア極東のウラジオストクに入港した。両国間で客船の定期便が運航するのは初めて。ロシアのインタファクス通信などが伝えた。

万景峰号は平壌郊外にある山の名前にちなんで付けられた。1990年代から主に新潟港とを行き来していたが、北朝鮮が2006年にミサイル発射実験と地下核実験を相次いで実施したため、日本は万景峰号を含め、すべて北朝鮮の船舶の入港を禁止にした。

インタファクス通信によると、定員約190人、積載量約1000トン。ロシア側は船舶輸送会社「インベストストロイトレスト」(ウラジオストク)が運行に携わるという。

また、タス通信によると、万景峰号は17日夕、北朝鮮北東部の羅津(ラジン)港を出発。中国人の観光客ら約40人を乗せてウラジオストクに向かった。19日にロシア人観光客らを乗せて北朝鮮に戻る予定。

インタファクス通信によると、6月までは毎週水曜日に羅津を出発、金曜日にウラジオストクから戻るスケジュールだ。

北朝鮮はミサイル発射実験や核開発などを続けており、アメリカが空母打撃群を朝鮮半島近海に派遣するなど、緊張状態が続いている。

アメリカの圧力などもあって友好国の中国との関係も悪化している。ロシアとの間で定期航路を開いた背景には、北朝鮮が孤立化を防ぎ、観光によって外貨を稼ぎたい思惑もありそうだ。


日本の大手メディアは、アメリカ主導による対北朝鮮制裁が強化されるなか、同船の定期運航の背景に「北朝鮮とロシアの融和的な関係」があることを気にしています。

万景峰号がウラジオストク入港 ロシアと関係強化図る?(朝日デジタル2017年5月18日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK5L21B4K5LUHBI009.html

かつて日本と北朝鮮を往来していた貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」が18日朝、ロシア極東のウラジオストク港に入港した。新たに開設された北朝鮮との定期航路に就航したためで、月4回往復する予定だ。核・ミサイル開発を進める北朝鮮へは日米韓に加えて中国も姿勢を強めており、ロシアとの結びつきが強まる可能性もある。

万景峰号は17日夕、北朝鮮北東部の羅先(ラソン)経済特区にある羅津(ラジン)港を出港。約10時間かけてウラジオストクに到着した。到着ターミナルは多数の警官が警備し、岸壁付近への立ち入りを禁止するなど、物々しい雰囲気となった。

接岸した白い船体には、ハングルで「万景峰」と書かれている。乗客は中国の観光会社の代表ら。そのうちの1人は「時間も短く、料金も安い。とても快適だった」と話した。ロシアから食料品、北朝鮮から衣料品なども運ぶ計画だ。

ロシア極東には北朝鮮の出稼ぎ労働者が多く、航空や鉄道の直行便もある。運営するロシアの物流会社インベスト・ストロイ・トレストは「運航は庶民のため。北朝鮮に大きな利益は入らない」としている。

ロシア当局も計画を許可したとみられるが、5月上旬の就航予定が延期され、回数も月6回から4回に減った。今後も順調に運航できるかは不透明だ。

今回就航した万景峰号は92年に建造された2代目とは別の船で、就航に向けて全面改装した。北朝鮮の船は、北朝鮮のミサイル発射を受け、2006年に制裁の一環として日本への入港が禁止された。(ウラジオストク=中川仁樹)


万景峰号がウラジオストクに到着 ロシア、対北融和の姿勢鮮明に(産経ニュース2017.5.18)※共同ニュースの動画付き
http://www.sankei.com/world/news/170518/wor1705180037-n1.html

(一部抜粋)「核・ミサイル開発を進める北朝鮮への国際的な圧力が強まるなか、同国に融和的なロシアの姿勢が改めて浮き彫りになった」

一方、韓国や中国のメディアは、同船の乗客に注目しています。下記の韓国メディアの中国語版によると、「40名いた乗客のうち、90%は中国の旅行会社の関係者」だったと指摘しています。

北韩客货船“万景峰”号开始通航俄罗斯远东港口(KBS World Radio2017-05-19)
http://world.kbs.co.kr/chinese/news/news_In_detail.htm?No=54789

(一部抜粋)「本月17日从北韩罗津港出发的“万景峰”号于18日抵达俄罗斯远东符拉迪沃斯托克。北韩与俄罗斯通航定期客轮还尚属首次。在40多名乘客中,90%是关注海上旅游商品的中国旅行社负责人」。

また以下の中国メディアは「万景峰号の運賃が600元(9800円)から750元(1万2000円)であること。また乗客は、中国からロシアのウラジオストクに行く観光客で、その帰りに航路を利用すること。またロシアで働く北朝鮮の労働者たち」だと指摘しています。

北韩万景峰号客货船 定期驶往海参崴受注目(中广新闻网2017年05月19日)
http://dailynews.sina.com/gb/news/int/bcc/20170519/21007871554.html

(一部抜粋)「根据负责承运的俄投资建筑联合公司网站消息,不同舱位的船票价格为600至750元人民币(约5000-6000卢布)不等。根据获批的6月底之前的时刻表,渡轮每周三从罗津出发,每周五从符拉迪沃斯托克出发。”此外,俄罗斯卫星通讯社同日的另一篇报道《……国旅行社测试从朝鲜到俄远东的海上路线》里介绍说:“渡轮初步计划搭载来自……国珲春的游客赴俄,俄罗斯游客去往罗津港,以及朝鲜工人往返俄罗斯」

確かに、日本メディアのいうように、万景峰号の定期運航は国際社会の対北朝鮮制裁に一定の距離を置くロシア独自の動きという面もありますが、中国を巻き込む動き、すなはち中国人観光客を乗せることで運航を維持しようとしていることがわかります。

万景峰号によるロ朝新航路とウラジオストクで増加する北朝鮮人の事情 (2017年 04月 24日)
http://inbound.exblog.jp/26810634/

実は、中国ではすでに万景峰号を利用したロシア・北朝鮮の周遊ツアーが販売されていることが判明しています。次回は、そのツアーの内容や今週2度目の万景峰号のウラジオストク入港の様子について報告します。

ロシア・北朝鮮間を結ぶ「万景峰号」の乗客はわずか10名足らず。定期航路化は無理?
http://inbound.exblog.jp/26886620/
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by sanyo-kansatu | 2017-05-28 10:01 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 04月 29日

「2017年アートウラジオストク・プロジェクト」国際芸術コンクール作品募集中(7月1日から30日まで)

8月1日からのノービザ渡航も決まり、今年のGWは極東ロシアのウラジオストクを訪れる日本人旅行者が増えています。現在はまだロシア大使館での観光ビザ取得が必要ですが、20~30代の若い日本人の渡航が目立っています。

8月1日からウラジオストクは8日間のノービザ渡航が可能になります
http://inbound.exblog.jp/26806617/

極東ロシアの文化的中心都市であるウラジオストクでは、今夏に向けてさまざまなイベントが計画されています。その目玉のひとつが、現地で開催される国際芸術コンクールです。
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先日、ロシア文化省の極東芸術アカデミーと沿海地方芸術協会が主催する「アートウラジオストク・プロジェクト」第5回国際芸術コンクールが、日本の美術大学や高校などの関係者に作品の募集を開始しました。

極東芸術アカデミー(Far Eastern State Institute of Arts)
http://www.dv-art.ru/
http://urajio.com/item/0814
沿海地方芸術協会 
http://urajio.com/item/0521

このコンクールは、35歳までの若いアーチストや美大生、高校生などを対象とした芸術コンクールで、ロシア全土および中国、香港、韓国、ベトナムなどから、毎年数百名が参加しています。

作品の審査は、ロシアの芸術協会名誉会員、極東連邦アカデミー学部長、アルカギャラリー館長など国家認定を受けた審査員が行います。コンクールの流れは以下の3ラウンドに分かれます。

第1ラウンド:各学校でコンクール出展作品を選抜。7月1日~7月30日までに、極東芸術アカデミー日本窓口担当(※)へ作品写真をeメールで送る。写真のフォーマットはJPEG、300KB以下。タイトル名、作者名および作者情報を以下の所定の申込フォーム(★)に記載のこと。

第2ラウンド:作品写真を受け取ったロシアの芸術協会、極東芸術アカデミーが審査。第2ラウンド通過作品には通知があり、9月1日までに極東芸術アカデミー日本窓口担当(※)へ作品を送る。

第3ラウンド:第2ラウンドの通過作品はウラジオストク市内の沿海州芸術協会ギャラリーにて9月19日~10月2日まで展示され、最終審査が行われる。

沿海州芸術協会ギャラリー
http://urajio.com/item/0521

最終審査(日程は未定)。審査員が各カテゴリーごとに「作品完成度」「芸術的創造性」を観点として10点満点の採点を行い、グランプリ、1位、2位、3位を決定する。 第2ラウンド通過後、ウラジオストク側に現物作品を送った参加者全員に出展作品カタログを贈呈する。

応募作品のカテゴリーは以下のとおり。
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また応募の際の規定のフォーマット(★)は以下のとおり。
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詳細については、以下の極東芸術アカデミー日本窓口担当に問い合わせのこと。

極東芸術アカデミー日本窓口担当(※)
宮本智(在ウラジオストク)
Tel:+7-914-687-11-79
eメール:tomo.miyamoto@gmail.com
Skype:miyamototomo
住所:Okeansky prospect, 16, SC ”IZUMRUD” Vladivostok, 690091, Russia
※宮本氏はウラジオストクにある現地旅行会社Alfa &Omega社(http://urajio.com/)所属。

以下は、昨年までのコンクールの第2ラウンド通過作品の一部です。
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by sanyo-kansatu | 2017-04-29 14:24 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 04月 28日

まだ気がかりな点も多い今年8月のウラジオストクの電子ビザ発給事情

今月中旬、極東ロシアのビザ緩和のニュースが報じられたばかりですが、「日本など18カ国の国民が対象」という文面を見て「どういうこと?」と思われた方もいたかもしれません。

8月1日からウラジオストクは8日間のノービザ渡航が可能になります
http://inbound.exblog.jp/26806617/

この点について、本日届いた「公益財団法人環日本海経済研究所(ERINA)」が発行するメルマガに興味深いふたつの翻訳記事があったので、以下転載します。このメルマガでは、日本海に面した自治体によって運営されている同シンクタンクが、北東アジアの国々の最新動向と日本海側の自治体との交流に関するグローカルなニュースを定期的に伝えています。

ERINA http://www.erina.or.jp/

ロ極東への電子ビザ入国が許可されるのは18カ国(DV.land4月17日)

世界18カ国からの観光客が、簡素化されたビザ発給手続きによって、ロシア極東5地域を訪れることができる。メドベージェフ首相が関連するリストを承認した。

このリストには、中国、日本、北朝鮮、トルコ、インド、イラン、UAE、サウジアラビア、チュニス、モロッコ、メキシコ、シンガポール、オマーン、アルジェリア、バーレーン、グルネイ、カタール、クウェートが入っている。メドベージェフ首相によれば、これらの国々は、相互主義の原則で選ばれた。これらの国々とは将来的に、二国間のビザ無し渡航協定の締結もありうると、首相は説明した。

これらの国々の国民は8月1日から、沿海地方、ハバロフスク地方、サハリン州、チュコト自治管区を訪れることができる。これらの旅行者は到着の4日前までに外務省のサイトで申請し、その後、国境でパスポートを提示するだけでよい。電子ビザが8日間のロシア滞在の権利を与える。電子ビザの有効期限は30日。電子ビザは無料で発給される。同時に、移動が許されるのは、入国した地域内のみとなっている。ウラジオストクの検問所のテストは7月1日から始まる。

入国手続きの簡素化によって、ロシア極東への観光客数は約30%増えるものと、極東開発省では予想している。


ロシア側のいう18カ国のリストをみるかぎり、ビザを緩和したからといって、これらの国々の人たちがウラジオストクへ来ることがあるのだろうか。そう思わざるを得ません。ここ数年の日ロ交渉を尻目に「日本を特別扱いする気なんてないよ」とメドベージェフ首相は言いたいんでしょうか。

同じ違和感は、ロシア側の関係者も感じているようです。現地でも戸惑いが見られることは、次の記事を読むとわかります。

電子ビザに関する首相の命令に旅行業界は困惑(Nakanune.ru 4月19日)

電子ビザでのウラジオストクへの入国が許可された国々のリストは、観光業界関係者を困惑させた。

ロシア観光産業同盟の広報担当者のイリーナ・チュリナさんによれば、リストアップされたうちの8カ国(アルジェリア、バーレーン、ブルネイ、カタール、クウェート、UAE、オマーン、サウジアラビア)は、ロシア連邦保安庁国境局のデータに拠ると、昨年ロシアへの一定数の入国が記録された80カ国に入っていない。「しかも、これらの国々を特恵リストに加える重要な論拠になったと首相の言う『相互主義の原則』は何なのかも、全く分からない」とチュリナさん指摘した。

現実にロシア極東への入国者数を増やし得るのは、18カ国のうち中国と日本の2カ国だけなので、広く宣伝され、期待を持たせたアクションは形式上のものだったとチュリナさんは考えている。同時に、2016年にビジネス、観光、私的目的でのロシアへの渡航者数が140万人を超えた中国とは、3人以上の観光グループのビザ無し交換が始まって久しい。

もしもリストに制限を加えるなら、アルジェリア、バーレーン、ブルネイ、北朝鮮、その他の先行き不明の市場の代わりに、オーストラリアやニュージーランド、カナダ、または昨年の総括のトップ25に入っているブラジルを加える方が論理的だというチュリナさんの発言をインターファクスが報じている。


これの記事で面白いのは、「現実にロシア極東への入国者数を増やし得るのは、18カ国のうち中国と日本の2カ国だけ」だとロシア側も認識していること、すでに中国人は「3人以上の観光グループのビザ無し交換」が実施されており、「2016年にビジネス、観光、私的目的でのロシアへの渡航者数が140万人を超えた」こと。さらに、文面にはありませんが、韓国とは2014年に「二国間のビザ無し渡航協定」を締結していることを考え合わせれば、民間の思いはともかく、ロシア政府側は日本に対するビザ緩和をどこまで積極的に進める気があるのか、疑わしくさえ思うのです。

(中国人のロシア観光が年間140万人を超えたことがわかる実例)
黒龍江省北辺の町、黒河のボート遊覧とロシアへの日帰り観光
http://inbound.exblog.jp/26537280/

今年8月のウラジオストクの電子ビザ発給については、まだ気がかりな点も多そうです。前の記事には「ウラジオストクの検問所のテストは7月1日から始まる」とありますが、結局、その時点にならないと、どんな問題が出てくるかわからない以上、このまますんなりいくかどうかは微妙なところがありそうです。
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by sanyo-kansatu | 2017-04-28 12:33 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 04月 24日

万景峰号によるロ朝新航路とウラジオストクで増加する北朝鮮人の事情

国際社会の制裁強化やトランプ政権の対北政策で朝鮮半島が揺れるなか、先週こんなニュースが報じられています。
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ロシア、北朝鮮に新航路=万景峰号使い来月から(時事通信2017.4.20)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042001014&g=prk
ロシア、北朝鮮間に新航路 月6回定期便 米けん制を狙う(東京新聞2017.4.20)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201704/CK2017042002000118.html

【モスクワ=栗田晃】ロシア極東のウラジオストクと、北朝鮮北東部の羅先(ラソン)特別市を結ぶ定期の貨客船が五月中旬に就航することが分かった。ロシア通信が十九日伝えた。旅客を乗せた両国間の定期航路は初めてという。核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対し、米国などが軍事的、経済的な圧力を強める中、ロシアによるけん制の意味合いもあるとみられる。

ロシアの運航会社「インベスト・ストロイ・トレスト」のバラノフ社長によると、対北朝鮮制裁で日本への入港が禁じられた貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」を利用し、月六便を運航。ロシア、北朝鮮による石炭関連共同事業などのビジネス利用のほか、ロシアの沿海州で働く北朝鮮労働者や、ロシア人、中国人観光客の輸送も目的としているという。

バラノフ氏は「これまでは運賃の高い航空機か、混雑した電車しか行き来できなかった。船は夜間八~十時間で移動でき、とても便利になる」としている。

米トランプ政権による北朝鮮への軍事的な圧力に対し、ロシアのプーチン政権は「武力行使の警告はリスクが高い道で、国際法違反だ」(ラブロフ外相)と対話路線を主張する。定期船の就航は従来通りの経済的な関係を保って欧米と一線を画し、外交で存在感を示す思惑もありそうだ。


TBSでも報じていました。

北朝鮮の貨客船「万景峰号」、ロシアとの定期便に(TBS2017.4.19)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3033076.html
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この報道をみて、ぼくはちょっと違和感を覚えました。それ自体はたいして重要なことではないのでしょうが、万景峰号でウラジオストクから北朝鮮の羅先に行くのに「夜間八~十時間」かかると言っています。でも、そんなに時間がかかるものだろうか、と思ったのです。ウラジオストクから中国経由で羅先に陸路で移動した経験から、両都市間はそれほど離れているとは思えなかったからです。

この点について、この地域に精通した事情通に聞くと「まあそんなものですよ。ウラジオと羅先は130マイルほどですが、一般にコンテナ船は10ノットなので、13時間かかるんです。フェリーなら25ノット程度で、万景峰号はもう少し早いとしても、6時間はかかるのではないか」とのこと。さらに、ある知人は「万景峰号は(波の揺れに対する復元力の指標である)GM値が高いので、波に弱く、そんなにスピードが出ないんですよ」と、どこから仕入れた情報かわかりませんが、おっしゃいます。

なるほど、そういうものかと思うほかなかったのですが、境港から韓国の東海経由でウラジオストクへ向かうDBSクルーズフェリーも、境港を毎週土曜の19時に出港し、翌9時半東海入港。午後2時に出港し、ウラジオストクに入港するのは月曜日の午後2時です。日本海を渡るフェリーというのは、実にのんびりしているのです。

DBSクルーズフェリー
http://www.pref.tottori.lg.jp/116802.htm

さて、本題に入ります。この報道からうかがえるのは、「ロシア、北朝鮮による石炭関連共同事業などのビジネス利用のほか、ロシアの沿海州で働く北朝鮮労働者や、ロシア人、中国人観光客の輸送も目的」(東京新聞)とあるように、極東ロシアと北朝鮮間の人の移動に関する事情です。ウラジオストク在住の友人に話を聞きました。

-ウラジオストクには北朝鮮の人たちが相当数いるようですね。

「その多くは建設労働者です。しかしここ数ヶ月、なにしているかわからない、つまり建設労働のような力仕事はしないで、ぶらぶらしているような人をよくみかけます。彼らの顔つきをみると、日焼けした様子がないのでわかるんです。彼らは単独行動はせず、常に2~4人でつるんで行動しています。

先日もウラジオストク駅に行ったら、北朝鮮行き(豆満江駅行き)の国際列車の車両は北朝鮮人で満席でした。ウラジオストクにはこんなに北朝鮮人がいたのかと、あらためて思いました。

北朝鮮からの留学生も増えています。彼らは、北朝鮮の富裕層や幹部の子弟で、その多くが甘やかされて育っているようです」

※ちょうど1980年代後半に日本に留学に来た中国共産党幹部の子弟に近い存在なのかもしれません。権威主義体制の国にはこの種の甘やかされた人間がいるもの。いかにも、という気がします。

-どうして彼らはウラジオストクにそんなに多くいるのでしょう。今後増えていきそうですか。

「増えそうな気がします。これはあくまでも個人的な意見ですが、今後も彼らがウラジオストクに出没しそうな理由として以下のことが考えられます。

・昨年4月、北朝鮮領事館がナホトカからウラジオストクに移ってきたこと。
・ウラジオストクの建築作業員は慢性人不足で、外国人労働者に依存しているが、その中で北朝鮮人が一番真面目で腕もいいというのが地元での評判。極東ロシアにとって貴重な外国人労働者といえること。
・北朝鮮人の行き先として、中国よりも極東ロシアのほうがビザが取りやすそうなこと(中国では脱北者問題もあり、貿易などに従事するビジネスマンを除くと、北朝鮮の労働者は徹底して管理された工場内などでの労働に従事するほかない)。
・ウラジオストクでは、北朝鮮人だという理由で差別を受けることは基本的にない。たまに北朝鮮との文化交流イベントなども開かれるほど。
・(そのせいか)ウラジオストク経済サービス大学の北朝鮮留学生が昨年2倍になり、今年も増えていると聞く(2017年4月現在)」

これは面白い話です。日本では、中朝や中ロの関係については、それなりに報道されますが、ロ朝の関係や人の移動に関するこうした事情は、あまり知られていないのではないでしょうか。

確かにロシア人からみて、中国人よりも朝鮮人のほうがまじめで付き合いやすいと感じるのは理解できなくありません。拉致問題についても、一般のロシア人はほとんど知らないそうです。国家間の関係はともかく、極東ロシアに住む民間人の感覚では、ウズベキスタンなど旧ソ連圏の中央アジアから来た労働者の質が良いとはいえないこともあり、北朝鮮人は「貧しい国から来た、よく働く外国人労働者」という存在としてみなされているのでしょう。

では、極東ロシアから北朝鮮への人の移動はどうなのか。ウラジオストク在住の彼によると「中国に比べるとそんなに多くはないが、旅行やビジネスで北朝鮮に行くロシア人はいる」ようです。

沿海地方に住むロシア人の中国旅行はよく知られています。日用品や衣料雑貨を買いに年に2度くらい中国との国境の町、琿春や綏芬河に行きます。また夏になると、大連あたりまで海水浴に行きます。鞍山にある日本時代につくられた湯崗子温泉が湯治のためのサナトリウムになっていて、ここでもロシア人の姿をよく見かけます。

極東ロシア人の中国旅行~買い出しバスツアーの訪問先は?
http://inbound.exblog.jp/20610573/

走遍中国 珲春俄罗斯人的幸福生活(CCTV4 20140419) ※琿春を訪れるロシア人観光客の中国TV報道
https://www.youtube.com/watch?v=AEkFq23gYDU

一方、北朝鮮へは国境を接している羅先から入ります。ロシアと北朝鮮は直接鉄道で結ばれているので、中国を経由せずに行けるのです。

欧米人の朝鮮旅行は、北京やロンドンにある英国系旅行会社が手配する北京からのフライトで入るものがほとんどなので、ロシア人が羅先から入るというケースは、全体からみると数は多いとはいえません。それでも、彼によると「たいてい10数名の団体客で羅先に数日滞在するか、羅先から平壌まで行き、帰りは平壌・ウラジオストク線のフライトで戻ってくるか、その逆もある」とのこと。ただし、北朝鮮に行くのは、珍しい物好き、比較的富裕層に限られるようです。この種の北朝鮮ファンは、日本でもアメリカでもそうですが、どこの国にもいるものです。
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ぼくは羅先には2012年と14年の2度訪ねており、市内には2軒のロシア料理店もあるなど、中国人ビジネスマン以外にロシア人ビジネスマンもいることを知っていました。また羅先には海水浴場があり、そこは中国人ではなくロシア人向けにつくられていました。

一般に外国人の北朝鮮旅行はどこに行くのも監視員付きで、自由行動はできませんが、貿易特区の羅先に限っては、しかもビジネスがからんだロシア人であれば、比較的自由に行動できるのかもしれません。

ただし、北朝鮮から極東ロシアに向かう人の移動は増える一方、逆の動きは減りつつあるようです。さすがに、北朝鮮の声高な威嚇をともなう核武装で、ロシアも中国同様、危機感が強まりつつあります。

先週は、米軍の北朝鮮包囲に対するロシア軍の動向を伝えるこんな報道もありました。

ロシア軍が北朝鮮に向け装備移動と報道、大統領府はコメント拒否(朝日新聞2017年4月21日)
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN17N0Y2.html

同じように中国軍も中朝国境沿いに集結しているという情報もあります。

中国、北国境の警戒強化…兵士10万人展開か(読売新聞2017.4.24)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20170424-OYT1T50159.html

両国ともに、それを表向きは否定しているわけですが、こうした軍の動きがあるのは、この地域ではごく普通のことでしょう。どこまで本格的なものかはともかく。

それはそうなのですが、人口の少ない極東ロシアにおいて、それこそ自由貿易構想の実現に必要とされるインフラ建設のためにも、北朝鮮労働者の存在は欠かせません。中ロは経済的にはまったく逆転していますから、(領土回復を胸に隠し持つ)中国による投資攻勢で極東ロシアをかき回されることに、ロシアは警戒的だと思います。ですから、ロ朝のささやかな新航路開設の話題も、この地域ならではの動静として興味深く思われるのです。

【追記】
万景峰号の運航開始が延期になったようです。

万景峰号 ロシア初出航延期、各所の許可調整つかず(TBS2017年5月4日)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3044490.html

延期の理由は「入港の申請を受理していたウラジオストクの沿海地方港湾管理当局が8日までに各所の許可をとる調整がつかないとして、再び、日程を組み直すことになった」からとか。いかにもロシアらしい話です。

現段階では、5月17日に羅先を出港し、翌日ウラジオストクに入港予定だそうです。
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by sanyo-kansatu | 2017-04-24 10:23 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 04月 22日

8月1日からウラジオストクは8日間のノービザ渡航が可能になります

今週、ついにロシア沿海地方へのノービザ渡航の実現に向けた報道がありました。

実際には事前に手続きした電子ビザが空港で発給されるとのことですが、これまでロシアの観光ビザを取得するためには、同国大使館を訪ね、2週間(無料の場合)もかけて手続きしなければならなかったことを考えると、「日本に一番近いヨーロッパ(ウラジオストク)」への旅行がお手軽になったことは確かでしょう。日本人にすれば、そのような手続きを必要とする近隣国は、国交のない北朝鮮以外は存在しなかったからです。
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ウラジオ、8月からビザ簡素化=日本など18カ国対象-ロシア(時事通信2017年04月18日)
http://www.afpbb.com/articles/-/3125423

ロシア極東発展省は17日、ウラジオストクの空港などから極東地域を訪問する外国人の査証(ビザ)取得手続きを8月1日から簡素化すると発表した。日本など18カ国の国民が対象で、極東の経済発展を促すのが狙い。

ビジネスや観光、人道活動が目的で、ロシア外務省のウェブサイトを通じて事前申請すれば、入国の際に最長8日間の滞在が可能な一次ビザが取得できる。ただ、移動可能な地域は制限される。


ずいぶん焦らされたものです。今回に至る経緯としては、2015年9月にロシア・プーチン大統領が、第1回東方経済フォーラムにおいて極東地域、特にウラジオストクの自由貿易構想を発表したことから始まります。そのため、昨年1月にウラジオストクのノービザ化が実現されるとの憶測が流れましたが、実現しませんでした。

その後、ならば2016年7月からでは、という話もありましたが、やはり実現せず、同年9月の第2回東方経済フォーラムの日露首脳会談の際、安倍首相による極東ロシアへの投資や共同インフラ開発とともに、日本からの渡航者を増やす約束をしたことから、ロシア側もそれに応える必要が生じてきたのでしょう。

第2回東方経済フォーラムの際の日露首脳会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/rss/hoppo/page1_000242.html

日本政府は10月には、国内の旅行業者に極東ロシア観光の推進を要請。

旅行業界に「極東ツアー」要請 政府、ロシアとの人的交流を促進(SankeiBiz2016.10.13)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/161013/mca1610130500018-n1.htm

それを受け、観光庁と日本旅行業協会(JATA)は現地視察団を送りました。

観光庁、極東ロシア旅行振興に1000万円-JATAと合同視察団(Travel Vision2016年11月10日)
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=75179

12月15日~16日には、プーチン大統領が来日し、安倍首相と経済協力分野の交流に合意しました。もっとも北方領土問題は進展しませんでした。

プーチン・ロシア大統領の訪日(2016.12.15-16)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/rss/hoppo/page4_002600.html

それでも外務省は、日露双方向の交流人口を増やすために、ここ数年伸び悩んでいる訪日ロシア人のためのビザ発給要件を緩和しました。

外務省、ロシア人のビザ発給要件を緩和、首脳会談受け(Travel Vision2016年12月18日)
http://www.travelvision.jp/news-jpn/detail.php?id=75754

年が明けて、ロシア側も極東地域への渡航の簡素化に向けた法案を通します。

外国人の極東への渡航を簡素化(2017年2月23日 ロシアNOW)
http://jp.rbth.com/travel/2017/02/22/708146

ウラジオストク自由港を訪れる外国人のためにビザを簡素化する法案を、ロシア連邦下院(国家会議)が第3読解で可決した。ロシア連邦極東開発省の広報部が伝えた。

入国の4日前にネットで申請

この新たな措置は、近く上院(連邦会議)でも支持されると、極東開発省は確信している。法案は、プーチン大統領が署名した後で発効することになる。

法案によれば、外国人は電子ビザで極東の5つの地域を訪問することができるようになる。その際、外国人旅行者は、ロシアに入国する予定の日付の4日前に、インターネットの特別なサイトで申請書を提出しなければならない。

極東開発省の伝えるところによると、ビザは無料で、申請した時点から30日間有効。8日間以下の滞在が許可される。

極東の5地域が対象

「ビジネスビザ、観光ビザあるいは人道目的の渡航用のシングルビザが、自由港のある5つの地域――すなわち沿海地方、ハバロフスク地方、サハリン州、チュクチ自治管区、カムチャッカ地方――のいずれに対しても申請できる。上記のロシア連邦領内に、外国人は8日間にわたって滞在することができ、入国した地域の中のみを移動することができる」。下院の国家建設・法律制定委員会のパーヴェル・クラシェニンニコフ委員長はこのように説明した。

法案は、9月6日~7日にウラジオストクで行われる東方経済フォーラムを前に採択された。この新たな措置は、極東への観光客の数を増やし、ビジネスを活性化させることを目的としている。これにより投資家は、この地域を訪問するのが容易になる。


そして、今夏からの日本とウラジオストクの航空路線の増便が決まりました。

今夏から成田・ウラジオストク線が毎日運航になります(これはスゴイ!)
http://inbound.exblog.jp/26742483/

こうしてあとはロシア側がいつ今回の発表をするか待つばかりだったのですが、ようやくその日を迎えたというわけです。

ウラジオストクにある現地の旅行会社に勤める宮本智さんに話を聞きました。

ウラジオ.com(宮本さんの運営するウラジオストク情報サイト)
http://urajio.com/

-ようやくですね。今回の発表、地元の受けとめ方はどうですか。

「今年8月からというのは、9月2日~3日にウラジオストクで開催される東方経済フォーラムにおいてロシア側が日本との合意事項の履行を発表できるように、ある意味強引に間に合わせようとしているのだと思われます。実際のところ、地元側では関心度はそれほど高いとはいえません。いまウラジオストクには中国や(すでに2014年にノービザとなっている)韓国からの観光客が多いため、宿不足の問題があるんです。中クラスのホテルが全く足りません」

-だとしても、さすがに今回は動き出すと考えていいのですね。

「確実に動きだしそうです。ただし、現地関係者によると、最初は入国時のロシア側の入管トラブルが起こりそうなので、事後の対応策に苦心しているとのことでした。以下のような理由があります。

・今回の発表は、省のトップレベルでは8月1日で合意されているが、空港関係者、入管などには情報が伝わっていない。現場はまったく動いていない。
・(ウラジオストク空港で発給される電子ビザを取得するための)サイト上での登録や記述に誤りがあった場合、入国できずそのまま帰国となる可能性が高い。
・法律上では許可された地域しか移動は不可で、当初はウラジオストクのみと想定される。
・日本からウラジオストク(沿海州)へ入り、ウラジオストクから日本に出るというのが許されるのみで、ハバロフスクへ移動したり、中国へ移動したりはできない模様(2017年4月現在)。

ウラジオストクに行くには、空路以外にも、境港からのフェリーもありますし、中国吉林省からバスで行けます。ウラジオストクからシベリヤ鉄道でハバロフスクに行くのもツアーの定番ですし、ノービザにするといろんなバリエーションが考えられるのですが、現状ではロシア側もその対策までは煮詰めていなさそうです。

ロシア側の認識としては、あくまで自由貿易港制度の一貫ということで、観光のためビザ解禁という認識はほぼ皆無です。

こうしたいくつもの懸念はあるけれど、8月1日にはそれが実行されそうだということは間違いなさそうです。

さすがに、現地の旅行会社のロシア従業員には、今回の報道が浸透してきました。地元のメディアでは、先ほど述べたように、日本に対するビザ緩和で宿不足が問題となりそうだと報じています」。

なかなか一筋縄にはいかないようですが、物事は始めてみなければ、動きません。今年の夏を心待ちにしたいと思います。
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【追記】
今回のビザ緩和に関するロシア側の事情が報じられました。

まだ気がかりな点も多い今年8月のウラジオストクの電子ビザ発給事情 (2017年 04月 28日)
http://inbound.exblog.jp/26819792/
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by sanyo-kansatu | 2017-04-22 13:31 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 03月 25日

今夏から成田・ウラジオストク線が毎日運航になります(これはスゴイ!)

昨日、極東ロシア専門の旅行会社「JATM(ジャパンエアトラベルマーケティング)」の担当者の方にお聞きしたのですが、今年4月30日から成田・ウラジオストク線が毎日運航になるそうです。これには驚きました。

JATM(ジャパンエアトラベルマーケティング)
http://www.jatm.co.jp/

運航するのは、ロシアの航空会社のS7航空(週4便:火木土日)とオーロラ航空(週3便:月水金)です。しかも、S7航空は同じく4月末から関西・ウラジオストク線に水、金の週2便で運航する予定です。
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S7航空、4月30日から成田/ウラジオストク線を増便 週4便で運航
http://flyteam.jp/airline_route/nrt_vvo/news/article/74283
オーロラ航空、夏ダイヤで成田/ウラジオ線再開、週3便
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=76469
S7航空
https://www.s7.ru/

ちょっと面白いのは、オーロラ航空の使用機材がエコノミークラス70席のボンバルディアDHC8型機で、いまどき珍しいプロペラ機です。

オーロラ航空
http://www.uts-air.com/aurora/

こうして日本とウラジオストクを結ぶ航空路線がいきなり増便します。とても楽しみです。

今年こそ、ウラジオストク観光の年になるか(2017年 02月 04日)
http://inbound.exblog.jp/26607552

極東ロシアへの旅といえば、もうひとつサハリンがあります。成田からサハリンのユジノサハリンスクへはヤクーツク航空が2016年5月から週2便運航しています。

ヤクーツク航空
http://interavia.co.jp/news/post-13/
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個人的な話ですが、いまぼくはサハリン行きを計画しています。今年の仕事のテーマのひとつが、ボーダーツーリズムなんです。詳しくはまた報告したいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-03-25 15:18 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2017年 02月 04日

今年こそ、ウラジオストク観光の年になるか

昨年9月末、極東ロシアのに住む日本の友人から、2017年にはウラジオストクへの観光ビザが不要になるという連絡がありました。

「日本に最も近いヨーロッパ」こと、ウラジオストクが来年からノービザになりそうです
http://inbound.exblog.jp/26231701/

その後、12月には日露首脳会談がありましたが、その結果は玉虫色で、いったい両国関係はどうなるのか定かではありません。でも、少なくとも日本政府は極東ロシアへの経済協力を進めたいことは確かのようです。そのためには人的交流が不可欠とのことから、旅行業界へ日本人の極東ロシア観光を積極的に進めるよう要請しています。

旅行業界に「極東ツアー」要請 政府、ロシアとの人的交流を促進 (SankeiBiz2016.10.13)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/161013/mca1610130500018-n1.htm

政府が国内の旅行業界に対し、ロシア極東地域への観光ツアーを強化するよう要請したことが分かった。関係者が12日明らかにした。観光客の往来を通じ、安倍晋三首相が提案した対露経済協力プランの8項目に盛り込まれた人的交流を促進する。旅行各社は11月に担当者を現地に派遣し、ツアーの企画に向けて視察する方向だ。

安倍首相は極東のウラジオストクを「ユーラシアと太平洋とを結ぶゲートウエー(玄関)」と位置付けている。政府観光局はモスクワ事務所の開設を目指すが、現状ではロシアへの観光客は限られている。旅行業界は現地の観光資源や需要などを慎重に見極める。

関係者によると、世耕弘成ロシア経済分野協力担当相が9月、ウラジオストクやハバロフスクなど極東地域へのツアー旅行を増やすよう観光庁を通じて日本旅行業協会に求めた。大手旅行会社の幹部は「人の往来が増えれば、モノの動きも活発になる」と話す。

観光庁によると、2014年にロシアを訪れた日本人旅行者は約10万人。約357万人の米国や約271万人の中国と大きな差がある。観光客は首都モスクワやサンクトペテルブルクなど西部に集まり、主な観光シーズンも夏に限られる。旅行各社は視察で現地の観光資源や施設を確認し、日本からの旅行需要をどの程度掘り起こせるか検討する。

対露経済協力の人的交流分野では、政府はすでに閣僚級による交流促進会議の新設やロシアからの訪日客の査証(ビザ)発給要件の緩和などを盛り込んだ具体案を策定している。

【用語解説】ロシア極東地域の観光
帝政ロシア時代の建造物が残るウラジオストクやハバロフスクが主な観光地。ウラジオストクはロシア太平洋艦隊の基地があり、極東地域の経済や文化の中心都市。モスクワまでの約9300キロをシベリア鉄道で結んでいる。ウラジオストクへは日本航空などの直行便があるほか、鳥取県境港市から韓国を経由して向かうフェリーもある。


何はともあれ、こうした情勢の変化はウラジオストク観光にとって明るい展望です。

現地関係者によると、ロシア沿海地方(ウラジオストクを含む地域)を訪れる日本人の数は、ここ数年5000人前後のようです。一方、韓国は2014年にノービザとなって以降、すでに3~4倍に増えているとのこと。

2016年11月現在、ウラジオストク空港に国際線を運航している都市は以下のとおり。日本からは成田のみで、ロシアのS7航空が運航。新潟からは昨年8月まで便がありましたが、9月以降は運休しています。韓国の仁川線が圧倒的に多いことがわかります。

仁川 17往復
釜山 3往復
北京 3往復
上海 2往復
ハルビン 2往復
成田 3往復
香港 4往復
プーケット(タイ) 1往復
バンコク 1往復
平壌 2往復

※S7航空
http://flyteam.jp/airline/s7-airlines

こうしたことからも、日本も韓国と同様にノービザが実現すれば、旅行市場の拡大が見込まれると考えられます。2015年には4万人以上の韓国人がウラジオストクを訪れたそう。以下の韓国のテレビ番組をみると、彼らの現地の旅行の様子がわかります。若い女性客が圧倒的に多く、「世界でいちばん近いヨーロッパの街」を気軽に楽しんでいるという印象です。

First Time in Vladivostok [Battle Trip / 2016.07.17]
https://www.youtube.com/watch?v=49IyNno9uVE
https://www.youtube.com/watch?v=VtavnZRw5B4

現在のウラジオストクに関する日本語の情報は、ネット上でかなり収集できるようになっています。

そのうち主なものを紹介します。

まず、選りすぐりの海外旅行プランを紹介する『トラベルプラネット』のウラジオストク・コミュニティ。昨年、数回行われた現地取材のレポートで構成されています。

TRAVEL PLANET ウラジオストク・コミュニティ
http://travelplanet.jp/projects/vladivostok

最強というべきなのが、現地の旅行会社「アルファイオメガ ウラジオストク店(Альфа и Омега)」に所属する宮本智さんが制作した以下の旅行サイトです。ウラジオストクのことをこれほど詳しく紹介している情報源は他にはありません。
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ウラジオ.com
http://urajio.com/

同社では、極東ロシアの手配に実績のある旅行会社のJATM(ジャパンエアトラベルマーケティング)と共同で、昨年から今年の春にかけて、ウラジオストクのスタンプラリーを実施しています。

JATM(ジャパンエアトラベルマーケティング)
http://www.jatm.co.jp/

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YOU TUBEで偶然見つけたのは、ロシア人イラストレーターのユーリャさんによるウラジオストク動画レポートです。日本語を話す彼女が町を案内しています。

ロシア人が故郷ウラジオストク観光をおすすめしたい!
https://www.youtube.com/watch?v=GcqJK_H7YvY
ロシア・ウラジオストク空港が新しくなった!
https://www.youtube.com/watch?v=c5LI-SyqoWc
ロシア人2人でウラジオストク市街観光
https://www.youtube.com/watch?v=Jb3na9BoxG4
ロシア・ウラジオストクの歴史ある大学と不思議な電車
https://www.youtube.com/watch?v=mGqk7lR8Dj0
【ウラジオストク】ロシア人ユーリャおすすめの名所
https://www.youtube.com/watch?v=7ml8N0IkY-E
北朝鮮レストランに初めて行ってきた!【ロシア・ウラジオストク】
https://www.youtube.com/watch?v=wBpYzEMYnIo
ウラジオストク・ロシア人の生活環境
https://www.youtube.com/watch?v=kuOogZEWNxU

ユーリャさんはこういう人です。

ロシア人ユーリャの自己紹介『東京・そして私の仕事』
https://www.youtube.com/watch?v=PZKT9UA2z2c

Yurya Blinchik (ユーリャ ブリンチク)公式サイト
http://www.blinchik.jp/

ちなみに、本ブログでも、2012年夏に訪ねたときの話をベースにウラジオストクを紹介しています。

ノービザ解禁間近!極東ロシア
http://inbound.exblog.jp/i33/

ウラジオストク、なかなか面白そうな町だと思いませんか。なにしろ成田からフライト2時間もかからないくらいですから、ぜひ今年の旅行計画に加えていただけるとうれしいです。
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by sanyo-kansatu | 2017-02-04 13:46 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)
2016年 12月 25日

ロシア最果ての地の人たちは中国でどんな旅行を楽しんでいるのか(黒河編)

中国最北部に位置する黒龍江省は、周辺をロシアに囲まれていて、両国民の国境を越えた交流は盛んです。日本人は、このような国境を河で隔てた土地で生きる人たちの自由闊達な生活感覚について、ほとんど知らないのではないかと思います。

今年7月、黒龍江省北部でアムール河(黒龍江)のほとりにあるロシアとの国境のまち、黒河を訪ねました。
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省都のハルビンから夜行列車に乗って、朝6時に黒河到着。
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寝台車両ですでに見かけていたのですが、ロシア人観光客が多く乗っていました。
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これが黒河駅です。
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若いロシア人カップルも多くみかけました。彼らの多くは、黒河の対岸のブラゴビシェンスクというロシアの都市から中国旅行に来た人たちです。
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さて、ぼくは黒龍江のほとりに建つ黒河国際飯店に予約を入れていました。ホテルの屋上から見た対岸のブラゴビシェンスクの町並みです。川辺に浮かんでいるのは、中国人を乗せた国境観光を楽しむ遊覧船です。
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一方、こちらが黒河市内です。都市の規模も人口も、中国側が当然勝っています。
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駅で会ったロシア人たちは、黒河で一泊する場合、市内のもっと安いホテルに泊まるか、その日のうちに船でロシアに帰ります。1泊5000円相当の料金なので、えらそうに言うつもりはありませんが、黒河でいちばんいいホテルとされる黒河国際飯店には、ぼくのような外国人か、遠方から来た中国国内客、ロシア人ビジネスマンなどが利用することが多く、対岸のブラゴビシェンスクから格安ツアーで来るロシア人観光客が泊まる宿はもっとリーズナブルな場所がいくらでもあるのです。

さて、ロシア人たちは黒河で何をして過ごすのでしょうか。実は、黒河は中国にしては(なんていい方は失礼かもしれませんが)、空気も澄んでいて、中国的な猥雑さは少なく、信じられないくらいきれいな町です。1年のうち大半は厳寒の地だけに、短い夏(6月から8月くらい)を惜しむかのように、市民はこの季節を楽しんでいます。もちろん、ロシア側に比べると、町のにぎわいがあるはずです。

ロシア人たちは、そこで買い物に明け暮れます。安価で役立つ日用品や衣料など、ここぞとばかりに買い込んで帰るのです。モスクワから遠く離れた極東という土地ゆえの物価高と慢性的なモノ不足という事情があります。
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彼らが繰り出すのは、ロシアに戻る船の出る国境ゲートに近い大黒河島貿易城のロシア人向けショッピングモールです。
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ここは中国の国内客がロシア産品、たとえば、ロシア産ビールやウォットカ、チョコレートなどを買っていく場所でありますが、ロシア人たちは、中国産の日用品などを購入していきます。
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これがロシアに戻る船です。
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ちょうど護岸工事をしていて、港の周囲は土盛り状態でした。
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黒河市のメインストリートである中央街の一部は歩行者天国で、「中央商業歩行街」と呼ばれています。この界隈もロシア人にとってのショッピングゾーンです。
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この通りで目につくのは、ロシア語の看板を掲げる商店です。
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ロシア料理店もいくつかあります。歩行者天国のはずれにある「レナ・レストラン(列娜餐庁)」はロシア客ばかりでした。
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これがメニューです。基本、西洋料理ですが、ボルシチがあるのが特徴です。
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パスタとボルシチを頼んだら、新疆(ウイグル)料理風のパンが出てきました。
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衣料品の店も人気のようで、ロシア人女性が何人かである店に入ったので、どんなものが売られているのか覗いてみました。3元=100ルーブルが相場のようです。
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失礼しました。下着のお店でした。でも、ロシアの人たちにとって、こういう日用衣料がロシアに比べ中国はとても安いので、まとめ買いしたくなるのです。
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もうひとつ目についたのは、100円ショップならぬ「2元ショップ」です。2元は日本円で35円くらいなのですが、きっと現地感覚では100円くらいの値ごろ感なのでしょう。ただし、売っているのは「安かろう悪かろう」という感じでした。こんなの、ロシアの人たちは買うのだろうか? 
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そんな疑問を感じていたところ、この町でいちばん大きなショッピングモールと思われる華宮商場に、日本の100円ショップそっくりの中国版10元ショップの「メイソウ(名創優品)」が出店していました。
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この10元ショップ、日本のダイソーと無印とユニクロをパクったといわれています。
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MINSO
http://www.miniso.jp/

店内には、中国客も多いですが、ロシア人の若い女の子も多いです。100円ショップは世界中の若い子に人気のようですね。

これは商場の装飾品売り場です。安い中国の装飾品は、彼女らにとってお値打ちでしょう。
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最後は、黒河空港で出会ったロシア娘です。彼女らはスマホを当たり前に使っています。もちろん、中国製でしょう。
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黒河空港では、搭乗まで歩いていきます。
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これまで見てきたのは、中国最北端、さらにいえばシベリアの僻地ともいうべき町での出来事です。
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by sanyo-kansatu | 2016-12-25 19:46 | ノービザ解禁間近!極東ロシア | Comments(0)