カテゴリ:東京インバウンド・スポット( 67 )


2015年 06月 07日

ロボットレストラン、まだまだ進化中

週末の夜、新宿歌舞伎町のロボットレストランにまた行っちゃいました。仕事仲間にどうしてもと言われて案内することになったんです。これで3回目になります。

歌舞伎町の「ロボットレストラン」はなぜ外国客であふれているのか?
http://inbound.exblog.jp/21470518
【続編】「ロボットレストラン」はなぜ欧米客に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/21477338/
1年ぶりに再訪。ロボットレストランの客層が変わった!?
http://inbound.exblog.jp/23664029/

去年の9月以来でしたが、演目もそうですし、システムや料金、客層もそこそこ変わっていたので、この際ですから報告してしまいます。

何が変わっていたかというと、まず料金です。当初は弁当付きで5000円だったのに、いまはショーのみでひとり7000円です。

けっこう取るなとも思いましたが、客層の大半は外国人。ここ数年の円安でこの程度の値上げは関係ないかもしれないと思いました。7000円って50ドル相当でしょう。つまり、2年前と変わらないともいえるのです。
b0235153_20351398.jpg

これが入り口です。以前とは入る場所が違います。多国籍語のwelcome表示があります。アラビア語やロシア語、タイ語まであります。いろんな国の人が来ていることがうかがえます。
b0235153_20353797.jpg

まず待合室に入ります。そこに現れたのは、日本語を話す外国人の女の子でした。

キンキラのいかれた内装の待合室は変わりません。21時50分開演のその日最後のショーだったせいか、若い欧米人がほとんどでした。昨年9月はけっこう年配の外国人も多かったけど、時間帯によるのではないかと思われます。
b0235153_20355920.jpg
b0235153_20363235.jpg

b0235153_20371067.jpg

待合室では、ダンサー兼シンガーの女の子が洋楽を歌っています。ここはまるでマニラやバンコクの欧米人向けバーの世界と変わりません。

開演10分前にステージのあるフロアに案内されます。客層はこんな感じです。欧米客が大半で、たまに東南アジア系のカップルが交じっています。
b0235153_20373344.jpg

男ふたりで並んで見ているのは、なんか間抜けな感じもします。
b0235153_20375271.jpg

東南アジア系のカップルは、1000円のおすしを注文したようです(チケット代とは別)。食事に関しては、いろいろ試行錯誤しているようです。
b0235153_20381349.jpg

ロボットレストランロゴ入りのTシャツやお土産菓子などもありました。こういうノベルティグッズは売れるのかどうか? やれること、思いつくことは何でもやってみようという姿勢もうかがえます。
b0235153_20382589.jpg

ショーの司会も外国人になっていました。アメリカのTVコメディショーに出てくるようなタイプの男です。彼は「ようこそ、クレージーショーへ」とあいさつしてました。
b0235153_20383739.jpg

最初の演目は日本太鼓で、去年と同じでした。まずは和風ショーから始めて、ジャパニスクを堪能してもらうことが狙いでしょうか。おかしいのは、ロボットショーのテーマソングが流れていて、その曲調は演歌なのです。まあショーの中身とはマッチしているのかもしれませんが、面白いものだと思いました。
b0235153_203975.jpg

次はおいらんショーでした。これは初めてみました。六本木のおいらんショーレストラン「六本木香和 -KAGUWA-」みたいだったので、ちょっと意外でした。やはりこういうのが欧米客にウケると判断したのでしょうか。
b0235153_20392783.jpg

b0235153_20394252.jpg

六本木香和 -KAGUWA-
http://www.kaguwa.com/

3つめは当初からあった「太古の森」を舞台にしたロボット対戦(森の住人と宇宙から来たロボット軍団との戦い)でした。
b0235153_20401948.jpg

そしてフィナーレは、おなじみの女性型ロボット「ロボコ」と女性ダンサーの共演です。ロボット軍団がバージョンアップしているように見えます。
b0235153_20404959.jpg

b0235153_2041476.jpg

でもまあ、ロボットに乗って女の子が踊るというバカバカしさは変わりません。
b0235153_20412220.jpg

b0235153_20413882.jpg

そして、あっけなく終演。以前のようなロボットとの撮影タイムはありませんでした。
b0235153_20415636.jpg

久しぶりに訪ねて、あいかわらず外国客であふれていましたが、いろいろ試行錯誤していることがうかがえました。外国人スタッフが一気に増えていたのは、当然だったのでしょう。

同行した編集者も「こんなに外国人がいるとは思わなかった。よくできているなあ」と感心していました。やはり、客の反応を見ながら臨機応変にやり方を変えているのでしょう。

ところで、どうでもいい話ですが、その日、ロボットレストランにも近い新宿花園神社の境内で唐組の赤テントの興行をやっていました。本当はこういうのにも外国客に行ってもらいところですが、この世界を解説するのは一苦労だなあと思ってしまいます。
b0235153_20424439.jpg

新宿歌舞伎町は外国人の来訪によって変わりつつあります。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-06-07 20:43 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 06月 06日

上野には新しいタイプの外客人気ホテルが生まれている

雨上がりの爽やかな空気の中、今日は朝から上野方面に行く用事があり、仕事のあと、外国客に人気のホテルを訪ねてみました。

最初に訪ねたのは、台東区池之端にあるホテルグラフィー根津です。このホテルは、2014年海外ホテル予約サイトのエクスペディアを通じて予約件数の多かったホテルが表彰される「エクスペディアアワード2015」でベストパートナー部門を受賞しています(http://www.travelvoice.jp/20150325-39644)。

ホテルグラフィー根津
http://www.hotel-graphy.com
b0235153_17381595.jpg

地下鉄千代田線根津駅を降りると、そこは「谷根千(谷中・根津・千駄木)」と呼ばれる神社仏閣や古い家並みの残るまちが広がります。地図を見ながら、細い路地を抜け、住宅街の一角にそのホテルはありました。
b0235153_1738299.jpg

ロビーはしゃれていて、フロントの隣にたたみの間のショースペースがあります。
b0235153_17384323.jpg

1Fにはカフェレストランがあります。ここでは多くの外国のゲストが朝食をとっていました。
b0235153_17385742.jpg

関係者の話によると、この4階建ての建物はもともと築40年以上の旅館で、それを買い取りリノベーションして2013年3月に開業したものだそうです。屋上からは東京スカイツリーや上野の森も見えます。周囲は静かな住宅街です。
b0235153_17391181.jpg

全64室で、シングルやツイン、ドミトリー(6人部屋)もあります。ゲストの90%以上は外国客で、アジア系と欧米は半々くらい。香港や台湾、韓国人が多いそうですが、最近はタイ人も増えてきているそうです。
b0235153_17392658.jpg

エクスペディアではアジア各国からの訪日ホテル予約が急増している
http://inbound.exblog.jp/24509107/

なにしろ1泊7000円からと都内のビジネスホテルと同じ価格帯のうえ、部屋はとてもおしゃれなので、エクスペディアやブッキングドットコムを利用した海外からの予約が圧倒的に多いそうです。

ところで、このホテルのいちばんの特徴は「ゲスト交流型ホテル」というコンセプトです。実は、このホテルを運営しているのは、ソーシャルアパートメント(シェアハウスの進化系)というスタイルの賃貸住宅を手がけてきた株式会社グローバル・エージェンツという会社で、このホテルにも現在、レジデンス(賃貸契約している住人)がいるんです。

最近は訪日客の増加に伴い、外国客のゲストが大半だそうですが、開業以来日本人レジデンスも住んでいて、外国客と館内で交流しているというのです。

そのための共有スペースがこのキッチン付きの広い食堂とラウンジです。
b0235153_17402182.jpg

ここでは、レジデンスとゲストが一緒にキッチンを利用したり、食事をしたり、ラウンジでくつろいだりするわけです。
b0235153_17403293.jpg

以前、蔵前にある外客に人気のゲストハウス「Nui. Hostel & Bar」を訪ねた話をしましたが、ホテルグラフィー根津は価格帯こそビジネスホテルに近いものの、旅行者と住人が交流できるという意味で、よく似たコンセプトの宿だといえます。

バックパッカーのまち、蔵前で見つけたもの
http://inbound.exblog.jp/24098909/

Nui. Hostel & Bar
http://backpackersjapan.co.jp/nui/

なぜこのようなホテルをつくったかについては、関係者に話を聞いたので、後日お伝えしようと思います。

さて、次に訪ねたのは、ゲストハウスわさびです。高速バスのVIPライナーでおなじみの株式会社平成エンタープライズが運営していることがメディアでも報じられていたので、足を運んでみました。
b0235153_1741381.jpg

日暮里からJR常磐線に乗ってひとつめの三河島駅のホームの上から大きな看板が見えました。

アポなしでフロントを訪ねると、浴衣を着た若い女性スタッフがいて、部屋を見せてくれました。ドミトリー(2800円~)と個室(4800円~)があります。
b0235153_17415943.jpg

このちょっと薄暗い部屋がドミトリーで2段ベッドが並んでいます。カプセルホテルに近い雰囲気です。同じフロアに共同浴場があります。
b0235153_17421946.jpg

お風呂の入り方や注意事項が書かれていますが、タイ語でも書かれていました。フロントの女性に聞くと、圧倒的にアジアからの旅行者が多いとのことです。
b0235153_17423176.jpg

トリップアドバイザーにコメント書いてね、というお願いの貼り紙ですが、やはりネットによる口コミで外国客がやってくることがわかります。
b0235153_17425787.jpg

面白いのは、館内に浴衣を着たマネキンがたくさん並んでいて、どうやらゲストに貸しているそうです。ロビーには下駄も置かれていて、外国客は浴衣に着替えて谷根千方面まで散策するといいます。

ゲストハウスわさび
http://guesthousejp.com/

最後は、上野に戻り、こちらは楽天トラベルアワード2014のインバウンド賞を受賞したその名もズバリ「ノンスモーカーズホテル」です。上野駅から首都高速1号上野線が頭上を走る高架の下の通りを南に徒歩5分ほどの場所にあります。ホテルが軒を並べている地区の並びにあります。

楽天トラベルアワード2014のインバウンド賞
http://travel.rakuten.co.jp/award/2014/metropolitan.html
b0235153_17434046.jpg

ノンスモーカーズホテル
http://www.nonsmokers.jp/

HPのトップにこのホテルのコンセプトが以下のように記されています。

「喫煙してはいけないという禁止ではなく、喫煙者がいないという安心へ」
b0235153_17435592.jpg

こういう明確なコンセプトを打ち出す姿勢を外国客は評価するのだと思います。

上野は成田からのゲートウエイで、初めて日本を訪れる外国客がエクスペディアなどの予約サイトでホテルを探す際、まず最初に選ばれるエリアだといわれています。彼らは土地勘がない以上、そういうものなのです。

外国客が増えることで、上野にはこれまでなかったような新しいタイプのホテルやサービスが生まれていることをあらためて実感しました。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-06-06 17:44 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 05月 30日

サラリーマンからツーリストへ(新宿区役所前カプセルホテルの客層が変わった理由)

新宿区役所前カプセルホテルに泊まった翌日、同ホテル経営企画室室長の小川周二さんとフロントの川本レダさんにお話をうかがいました。

外国客に人気と噂の新宿区役所前カプセルホテルに泊まってみた
http://inbound.exblog.jp/24526002/

以下、そのやり取りです(敬称略)。

―昨日は、実際に泊まってみていろんな発見がありましたが、本当に外国客は多いですね。いつ頃からこんなに多く利用するようになったのですか。

小川「やはり増えたのは2年前でしょうね」
川本「でも、外国の方がいらしたのはもっと前からです」

―いつ頃ですか。

川本「震災の前からです。震災後は3か月ほど来ませんでしたが、すぐに回復しました」

―いまは毎日100人近い外国客が泊まっているようですね。

小川「そうですね。曜日にもよります。平日のほうが外国客の比率は高いと思います」

―どこの国の人が多いかなど、国籍に傾向はありますか。

小川「外国客はアジアと欧米半々です。アジアはタイがいちばん多く、マレーシア、シンガポール、最近はインドネシアの方が増えています。欧米は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンなどいろいろです」

―実は、共同スペースでマレーシアから来た7人組の若いグループと話しました。訪日初日からカプセルホテルに泊まっているそうです。

小川「その話を聞いて調べたのですが、あの方たちは、昨年の9月頃予約をされています」

―そんなに前からですか。リードタイム(予約から旅行実施までの期間)が長いですね。つまり、半年以上前から日本旅行を計画していた。でも、初日からカプセルホテル。なるべくお金をかけないで日本を体験したいというアジアの旅行者が増えているのですね。

ところで、外国客はどういう経路で予約して来るのですか。

川本「ExpediaやAgoda、Booking.comなどの海外の予約サイトを通してです。他にもHostelworldやJTBのJapanicanの利用もあります。これらのサイトには『Capsule Hotel』という独立したカテゴリーがあり、リーズナブルな宿を探したい方は簡単に見つけることができます。ありがたいのは、宿泊されたお客さまがご自身のブログやSNSで広めてくれることです」

―みなさん、カプセルホテルについてどんなことを書いているのでしょうか。

小川「スペースシップみたいだとか。あとは欧米の方は身体が大きいので、足がはみ出しちゃうけどOKとか。良かったこと、困ったことなど、いろいろ書き込まれています」

カプセルホテルのどこが外国客に人気なのだろうか?
http://inbound.exblog.jp/24532753/

―そういえば、ロッカールームの脇にポラロイドで撮った外国客の写真がたくさん貼ってありましたね。

小川「あれは4年ほど前、当時の支配人が外国客へのサービスとしてポラロイドで撮った写真を記念に渡していたのです。いまはやっていませんが」
b0235153_10135752.jpg

―外国客の対応のためにどんなことをやっていらっしゃいますか。

小川「フロントには英語を話せるスタッフを常駐させています。最近はアジアのお客さまも多いので、中国語や韓国語、タイ語、フィリピン語を話せるスタッフもいます。館内の英語表示も徹底しています」

―やはり外国語対応は大事なのですね。

小川「実際に予約をしてフロントに来られて、思っていたのとはイメージが違うと感じたのかキャンセルされる外国の方もたまにいます。そんなとき、外国語できちんと対応できれば、やっぱり泊まろうかという気になってもらえるかもしれません。またうちは食べ物の持ち込みOK」

―共同ルームで先ほどのマレーシア人たちはコンビニで買った焼き鳥を食べていました。風呂上りに何か軽くお腹に入れたい。そう思って買い込んでくるのでしょうね。そういうゆるさも、こちらが数あるカプセルホテルの中で外国客の予約件数がナンバーワンとなった理由なのでしょう。

「もうひとつ大きいのは、2年前(2013年7月)に女性フロアをオープンしたことです。それ以後、客層が大きく変わりました。以前は男性客のみでしたから、サラリーマンが大半。そこに女性客や外国客が加わることで、旅行者の比率が増えたからです。一般に女性の方はウォークインで利用されることはありません。地方から旅行で来た方や東京で就活しているという大学生もいます。女性客も外国客も事前に予約されるお客さまだという点で共通しています」
b0235153_2065818.jpg

―確かに、共同ロビーで見かけたのは若い方が多かったです。カプセルホテルでよく見かける酔客という感じの人はいませんでした。実際、外国の女性がたくさんいるような場所では、酔っ払いおじさんも気を抜いていられませんものね。もはやここは、外国人に限らず、旅行者のための宿泊施設になっているのですね。

ところで、もうひとつお聞きしたかったのは、一般に外国の個人客はひとつのホテルに連泊する傾向が高いといわれますが、こちらに連泊される方はいるのでしょうか。

小川「いますよ。2~3日は当たり前。長い人は2週間の連泊もよくあります。実は、ここ数か月連泊している外国人もいます。オランダの方です」

―数か月ですか。もうアパート代わりですね。よほどここが気に入ったのでしょうか。

もっとも、外国客が増えると、これまでになかった問題なども起きたりするのではないでしょうか。

川本「そうですね。カプセルの中でもwi-fiフリーなので、スカイプ電話をかけたり、グループでおしゃべりしたり、他のお客さまに迷惑なことがあります。あとみなさん荷物が大きいので、深夜にその整理をごそごそ始めたり」
b0235153_10145413.jpg

―彼らは海外旅行をしているのですから、それもまた楽しみでしょう。でも、それでは一般の日本のお客さまはたまらない。だから、『Please be quiet!』とあちこちに貼り紙してあるのですね。

小川「あとはタトゥーの方はチェックイン時にお断りしています。これを外国の方に説明するのが難しいですね。刺青のもつ社会的な意味が日本と外国では違うからです。外国の方にとってはおしゃれとしてタトゥーをしてらっしゃるのでしょうが、日本のお客さまにはアレルギーのようなものもあり、これは日本政府観光局でも、どう外国客に説明していくべきか検討していると聞きます」

―今後についてはどうお考えでしょうか。

小川「女性フロアを増やしたいと考えています。現在はワンフロアしかないのですが、おかげさまで予約がいっぱいだからです。またこことは別に女性専門のカプセルホテルもつくりたいですね。スタッフは全員女性です」

小川室長によると、同カプセルホテルの開業は1983年。80年代にこの業界は一気に成長したものの、バブル崩壊以降、斜陽業界と呼ばれてきたといいます。

「多少景気が良くなってきたといっても、これからは日本客相手だけではやっていけません。何より平日の稼働率を稼いでくれる外国客の存在は貴重です。2年前の女性フロアの新設も相乗効果となり、予想以上に外国のお客さまに来てもらえるようになりました。

おかげさまで現在、稼働率は8~9割と高推移していますが、課題は海外サイトによる予約が増えたことで、ウォークインが減り、割安な料金の利用が多くなっていることです。今後の課題はいかに客単価を上げるかです」

海外からのネット予約が増えることで稼働率は上がったものの、収益を上げるためには、客単価を上げる必要があるという状況は、今日のホテル業界に共通しています。国内外の予約サイトや自社サイトなど、売値の異なる複数のチャネルを通じた予約の配分をいかに調整するかは、予約担当者のレベニューマネジメントの腕にかかっています。

「見極めのポイントとなるのは、イベントと天候でしょうか。たとえば、東京マラソンや最近では嵐フェス、東京ドームでの東方神起のコンサート、年末のコミケの当日などは、数か月前から予約がいっぱいになります。また台風が近づいてくると、電車が止まることを予想して予約がどっと入ってくることもあります」

今後この傾向はますます強まり、ホテル経営におけるレベニューマネジメント担当者の責任が大きくなることでしょう。

サラリーマンから国内外の(女性も含めた)ツーリストへ。新宿区役所前カプセルホテルの人気の理由は、こうした客層の変化という市場のニーズに柔軟に対応し、ビジネスモデルの組み替えを無理なく行なってきたことにあるようです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-05-30 10:17 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 05月 30日

カプセルホテルのどこが外国客に人気なのだろうか?

先日、新宿のカプセルホテルに泊まった話を書きましたが、なぜこれほど外国客に人気なのでしょうか。しかも、新宿に4つあるといわれるカプセルホテル(サウナ)の中で、新宿区役所前に集まってくるのか。

外国客に人気と噂の新宿区役所前カプセルホテルに泊まってみた
http://inbound.exblog.jp/24526002/

ネット上では、外国客のカプセルホテルに関する声がずいぶん拾えます。

【海外の反応】外国人:日本のカプセルホテルに泊まってみたよ!【雑学】
http://matome.naver.jp/odai/2141014320593335701

カプセルホテルが外国人観光客にウケてるらしい
https://www.youtube.com/watch?v=KU9ks47FgGU

ここには、たとえば、「囚人の部屋」「ハチの巣の中の幼虫になった気分」「映画『エイリアン』の宇宙船の寝床みたい」などなど、外国人の素直な印象が書き込まれています。実際に泊まった人がカプセルに収まった自分の姿を動画で撮っていて、笑えます。自分が初めてカプセルホテルに泊まったときのことを思い出します。
b0235153_1015571.jpg

このネット番組では、新宿区役所前カプセルホテルを取材して、利用法や楽しみ方を詳しく紹介しています。カプセルホテルは1970年代に建築家の黒川紀章が創案したものだという解説も加えられています。

Tokyo Capsule Hotel Experience ★ WAO✦RYU! TV ONLY in JAPAN #26 東京カプセルホテル体験
https://www.youtube.com/watch?v=S0-oNv51j9o

こうしておおむね好評を博していると思われるカプセルホテルですが、たまたま手元にある『lonely planet Tokyo 2004』を見てみると、2004年当時、その評判は必ずしもよろしくないようです。こんな風に書かれています。 

Capsule Hotels (p210)
More private, claustrophobic and coffinsized, the capsule hotel comes with bed, reading light, TV and alarm clock. Despite their size, prices still range from ¥3500 to ¥5000, depending on the area and the facilities (also cash only). Capsule hotels are rarely frequented by foreign guests, most of their business comes from drunken office workers who have missed the last train home. Many have a well-appointed bath area similar to a good local sento(public bath).

「よりプライベートで、閉所恐怖症的で、納棺サイズの空間。カプセルホテルはベッドと室内灯、テレビ、目覚時計からなる。そんなサイズでも、立地と設備のため、料金は3500円から5000円(しかもキャッシュオンリー)。カプセルホテルには外国客は頻繁に現れない。ほとんどの客は、終電に乗り遅れた飲んだくれのオフィスワーカーだ。そこには街場の銭湯(公衆浴場)と同様の設備が整った風呂がある」。

ずいぶんな言いようですね。ただし、この世界で最も普及しているといわれるガイドブックのライターたちは、もともとこういう恣意的な書き方をするのが特徴で、あくまでも欧米人から見た視点が貫かれているところが人気の理由でもありますから、これはこれで逆に興味を持つ読者もいるかもしれません。

なにしろ紹介される宿泊施設には限りがあるのに、新宿区役所前カプセルホテルをわざわざ載せているのですから。新宿のカプセルホテルとして、もうひとつグリーンプラザも載っています。新宿区役所前カプセルホテルに関する記述は以下のようなものです。

SHINJUKU KUYAKUSHO-MAE CAPSULE HOTEL(p178)
Yet another cheap option in Kabukicho. Not quite as nice as the Green Plaza, this spot will nonetheless sate your curiosity about the ergonomic challenge of spending the night in a space where you may not be able to sit up. Only men are admitted.

「グリーンプラザ(歌舞伎町にある別のサウナ)ほど良いとはいえないが、歌舞伎町にある別の安いオプション。このスポットは、にもかかわらず、このスペースで夜を過ごすという人間工学的な挑戦についてのあなたの好奇心を満足させるだろう。男性のみ利用可」。

これは実際に泊まったことのある人でなければよくわからない表現だろうと思います。

やはり、カプセルホテルに外国客が訪れるようになった背景として、動画の力が大きいと思われます。YOU TUBEやSNSで、この奇妙な宿泊施設が拡散されたことで、カプセルホテルに対する外国人の理解が、賛否両論を含めて、広がっていったのでしょう。

実際に泊まってみて面白いと思った人もいれば、体験してみたものの、もういいやと思う人も、当然いるでしょう。日本人だってそうなんですから。

次回は、新宿区役所前カプセルホテルの関係者にお聞きした話を紹介しようと思います。いつ頃から外国客が増えて来たのか。最近はどこの国の人が多いのかなど、いろいろ聞いています。

時代はサラリーマンからツーリストへ(新宿区役所前カプセルホテルの顧客が変わった理由)
http://inbound.exblog.jp/24532781/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-05-30 10:06 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 05月 28日

外国客に人気と噂の新宿区役所前カプセルホテルに泊まってみた

2014年、エクスペディア経由で最も予約件数の多かった「ホステル・ゲストハウス・旅館」部門の宿泊施設が、新宿区役所前カプセルホテルだったそうです。

カプセルホテルが外国客に人気という話は聞いていましたが、実際の予約件数がトップとなると、これはどういうことなのか知りたくなります。

そこで、今週月曜の夜、泊まってみました。
b0235153_12133713.jpg

カプセルホテルに泊まるだなんて何年ぶりのことだろう…。そう思いながら、夜10時過ぎ同ホテルを訪ねると、いましたいました…3階のフロント周辺は外国客の皆さんばかりです。一般にカプセルホテルは、終電を乗り過ごしたサラリーマンの巣窟というイメージですが、ずいぶん印象が違うのです。フロントでは英語が飛び交っています。
b0235153_1214375.jpg

チェックインをすませると、まずはロッカーに荷物を収めてお風呂に入るのですが、スーツケースがこんなに並んで押し込まれています。外国客の荷物は大きくてロッカーに収まりきらないからです。

実はこの日、外国客比率は39%でした(87名 ※先週末の段階の数字なので、実際はもっといたかもしれません)。

このスーツケースの山を見ると、確かに大勢の外国客がいるのだなと実感します。

共同浴場は、お湯風呂とジャグジー、水風呂、サウナといったごく普通の施設でしたが、10人近い浴客のうち半分は欧米系ツーリストの皆さんです。みんな神妙な面持ちでお湯に浸かっています。よく外国客は裸で共同風呂に入るのが恥かしくて苦手だとか、逆に日本っぽくて珍しいから大人気、などと正反対のことが言われますが(それは両方正しい。つまり、どちらもいるということ)、ここに泊まっている皆さんはわざわざカプセルホテルを選んで宿泊している人たちなので、問題はないようです。
b0235153_12142813.jpg

風呂を出ると、4階の共同スペースでひと休み。ここには大画面テレビにソファ、軽食やバー、自動販売機、ランドリーなどが置かれています。Wi-fiも飛んでいるので、PCやスマホに夢中になっている外国人も多いです。

ここは男女共用なので、外国の女性客の姿も普通に見られます。そう、このカプセルホテルでは2年前から女性フロアを新設したところ、大盛況だそうです。

ちなみに料金はウォークイン(飛び込み)だと泊まりは4500円ですが、ネットで事前予約したので、1泊2800円でした。もっと早く予約すれば最安値は2200円です。

湯上りに生ビールを頼んでぼんやりしていたら、隣に男女7人組の若いアジア系のグループが座ってきました。欧米の人ばかりかと思っていたら、アジアの人もいるんだなあと思って見ていたら、女性たちはコンビニで買ってきたざるそばや焼き鳥を食べ始めます。そうか、ここは持ち込みOKなんだ。

このグループは男性4名女性3名なのですが、女性は全員華人のよう。話すことばは中国語(普通話)ではないものの、南方方言のようでした。アジアの人というのは日本人に比べ間の取り方を気にしないところがあるので、席を開けないで平気で隣に座ってくるものです。そこで、隣の女性にためしに中国語で話しかけみました。「どっから来たの?」

「マレーシア」(あっ、中国語通じた)
「そう、じゃあエアアジアで来たの?」(短絡的ですが、マレーシア人=エアアジアで来るというイメージがあったので)
「そうよ。今日着いたの」
「えっ、じゃあ初日からカプセルホテル?」
「……」

「初日から」うんぬんは余計なお世話でしたね。でも、そういう時代なんですね。KLから来た人たちで、エアアジアで片道5000円、東京に着いたらカプセルホテル1泊2200円。なんて安上がりなのでしょう。

「どのくらい日本にいるの?」
「10日間よ」
「東京だけ?」
「うん、まだ考えてないけど、たぶん箱根や日光にも行くつもり」
「そうなんだ。ところで、みんなはお友達なの? それともファミリー?」
「ファミリーよ」
「あっそう」

一般に欧米ツーリストはひとりかカップルか、子供連れの家族か、少人数で旅行する人がほとんどですが、アジアのツーリストは親戚家族で旅行するのが好きなようです。誰かひとり一度くらい日本に来たことのあるリーダーがいて、みんな彼におまかせで付いてきちゃうのでしょう。それがいちばん安心なのでしょう。

このグループも、兄弟とそのカップルの組み合わせという意味で「ファミリー」のようです。面白いのは、女性は華人だけど、男性は全員マレー系。もしかしたら、女性たちは姉妹なのかもしれません。ですから、女同士で話すときは中国南方方言(あとで聞くと、広東語と言っていましたが、香港人や広東人に比べ相当もったりした話しぶりです。マレーシアには福建華僑が多いと言われているので、福建語なまりかもしれません)を話し、男同士あるいはカップルで話すときは共通語のマレー語を使っています。そこにぼくが割り込むと、男性には英語、女性にはなんとか普通話は通じたので中国語とことばが入り乱れますが、多民族国家のマレーシアというのはそれが普通なのでしょう。

彼らマレーシア国籍の人たちは2013年夏の日本政府による観光ビザの撤廃で、簡単に日本に来られるようになりました。ノービザですから、休みができたらエアアジアの安チケットでふらっと東京に来られるのです。日本人は兄弟とそのカップルで海外旅行なんてあんまりやらない気がしますが、血縁の強いアジアの人らしい旅行スタイルだとあらためて思いました。

それにしても、ここには酔客が見当たりません。およそこれまで経験したカプセルホテルとは雰囲気が違います。

1時近くになったので「よい旅を!」と言って、7階にあるカプセルルームに向かいました。

エレベータを降りると、まあごく普通のカプセルホテルです。
b0235153_12152418.jpg

ちょっとよそとは違うのは、「Please be quiet」のような英語表示が目につくことでしょうか。
b0235153_1215409.jpg

それから、ここではカプセルの中でもWi-fiが使えて便利でした。

実をいうと、久しぶりのカプセルホテルであまりよく寝つけませんでした。それでも朝7時になったので、眠い目をこすり、お風呂に入ることにしました。けっこう外国の人も朝風呂しています。

風呂上りに共同ルームに行くと、ここにも外国客がたくさんたむろしていました。ぼくは200円のカプチーノを自販機で買い、しばらくぼんやりしていました。
b0235153_12162713.jpg

昨晩は見かけなかった日本の女の子がけっこういます。彼女たちはぼくのようにだらしない館内着姿ではなく、着替えを済ませ、サンドイッチを頬張りながらPCに向かっていて、レジャー客っぽさはありません。

しばらくすると、昨日のマレー人の男性にも会いました。日本人もそうだし、外国客も若い人が多いように思いました。ここは酔客とは無縁のカプセルホテルなんですね。

そろそろチェックアウトしようかとロッカーに戻って着替えようとしたら、壁に外国客のポラロイド写真が貼られていました。みんな自分の寝起きしたカプセルの中でこちらを向いて笑顔を振りまいています。笑えますね。でも楽しそうです。
b0235153_12164959.jpg

その脇には、海外で報じられたこのカプセルホテルの英文記事が紹介されていました。いろいろ細かい施設の説明や利用の仕方、周辺の歌舞伎町の紹介など、これを見て外国客はやって来るのでしょう。
b0235153_121708.jpg

着替えを済ませ、チェックアウトしようとフロントに向かうと、大きなザックを背負ったバックパッカーの若者が出て行こうとしていました。

その姿を見たとき、急に懐かしさがこみあげてきました。

そういえば、自分も学生の頃は同じようなことをしていたな。当時日本から中国に行く最も安い交通手段だった定期航路「鑑真号」で大阪から上海に向かう前日、ぼくは彼と同じような大きなザックを背負って、梅田のカプセルホテルに泊まったことを思い出しました。あれから何年たったんだっけ…。

当時は、朝起きてから1日中歩き通しでも、夜は寝床さえあれば、ちっともかまわなかった。とにかく好奇心の赴くまま外国のまちを歩いてばかりいました。それが面白くてたまらなかったのです。

若い旅行者にとって、カプセルホテルはまったく問題ないはずです。海外の安宿の2段ベッドが並ぶタコ部屋みたいなドミトリーに比べれば、ここは超快適、機能的、衛生的な巨大ドミトリー空間のようなものですから。閉所恐怖症の人だけはNGかもしれませんけれど。
b0235153_1224341.jpg

久しぶりにカプセルホテルに泊まって、外国のツーリストと話をして、つかの間の旅人気分を味わえたのでした。

新宿区役所前カプセルホテル http://capsuleinn.com/shinjuku/
b0235153_12233932.jpg

[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-05-28 12:24 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 05月 28日

東新宿のビジネスホテルにはロシアや東欧の旅行者が多いらしい

2年前、本ブログで東新宿のビジネスホテルに多くの外国客が訪れていることを紹介したことがあります。

東新宿は新しい外国客向けホテル地区になりつつあります(2013年7月2日)
http://inbound.exblog.jp/20672715/
b0235153_11474829.jpg

そのとき、東新宿のビジネスホテルをいくつか訪ね、事情を聞いてまわりました。それ以降、この地区には外国客をあてこんだ新しいホテルが続々と誕生しています。最近はアパホテルなど、全国規模のチェーン系が増えています。

訪日客増加で客室も足りない!? 多様化する宿泊ニーズに対応した新サービスや業態転換はどこまで進むか
http://inbound.exblog.jp/24291533/

その後も東新宿には外国客の姿がますます増えていて、こうしたビジネスホテルは花園神社の明治通りをはさんだ反対側(東方面)に延びる医大通り周辺に集中しています。そこで今回、東新宿を代表する外国人宿、東京ビジネスホテルの橋本太乙代表取締役に話を聞きました。以下、そのやり取りです。

―いつ頃から外国客が来るようになったのですか。

「1995、6年頃からでしょうか。当時はフランスやドイツ、デンマークなど、ヨーロッパの人が多かったです」。

―ずいぶん早くからですね。その人たちはどうしてこちらを知ったのでしょうか。

「当時、東京のエコノミータイプのホテルを紹介した英語のパンフレットを政府観光局がつくっていたようで、うちを載せてくれていたんです。成田空港で置いてあるものです。広告費を出したわけじゃないんですけど。うちは都心にあって安かったからでしょう」

―本格的に外国客を誘致するようになったのは?

「2005年からです。その年、中国出身の20代の女性が支配人になりました。彼女が精力的に外国客の誘致を始めたのです。とはいえ、当時はHPもなく、実際にやったのは、お泊りになった外国の宿泊客全員に英文でお礼状を出すことからでした。もちろん、ネットでやり取りしている方にはメールを出しました。それから一気に増えました」。

―お礼状ですか。しかも指揮官は中国人。他にはどんなことをしましたか?

「彼女は2011年まで支配人で、いまは帰国していますが、とても優秀な人材でした。他には、まず館内を英語表示にしたこと。それからスタッフは英語を話せる人にした。これは徹底して取り組んだことです」。

―現在、外国客の宿泊比率はどれくらいですか。

「全体の2割ほどです。客室は178室。いろんなタイプの部屋があります」。

―国籍は?

「今日泊まっている外国客の国籍は、リトアニアやキルギスタン、フランスなどです。ロシア人も多いですよ。最近は東欧からの旅行者が多いです。うちにはロシア語を話すスタッフがひとりしかいないのですが、たいていグループのリーダーが英語を話すので、なんとかなっています」。

―ロシア語を話すスタッフがいるんですか?

「はい、でも基本は英語です。

東欧の方が来るようになったのは、4、5年前から。10年くらい前までは、フランスやドイツ、スウェーデンからが多かった。アフリカから来る人もいました。パスポートを見ても初めて見る国の名前ということもよくありました。

アメリカやオーストラリアからももちろん来ます。でも、東欧の方は10人以上のグループで10泊以上するのが特徴です。ベトナムや台湾などアジア系もいるけれど、彼らはたいてい3、4泊と滞在が短いので目立たない。

アメリカの方でうちに来るのは軍関係が多い。横須賀港に着いて六本木に遊びに来る人たちですが、最近は少ないです」。

―なるほど。医大通りを歩いていると、さまざまな旅人の姿を見かけますが、これほど多彩な国籍の人たちが宿泊していたからなのですね。そして、このホテルは彼らに見合った価格帯だということもいえるのでしょうね。

「1990年代は、フランスやスイスなどのバックパッカーが多かった。うちのように住宅街の中にあっても、安いとわかると地図を見ながら訪ね歩いてくるようなタイプの旅行者たちでした」。

―いまは浅草方面にそういう層が泊まるバックパッカー宿がたくさんできましたからね。

「そう、当時はなかったから。でもね、その時代から宿泊してくれるのは面白い方が多いですよ。あるスイス人の男性は日本に来るとき、毎回うちに泊まってくれるのですが、最初はひとりで来て、2年後彼女と来て、その後お母さんと来て、最近は子供連れで来ました。なんかうれしいですよね。またある台湾の貿易商の方は、最初は独身で、何度も来るうちに、だんだんお金持ちになってくるのが見ていてわかるんです。うちの部屋は狭いし、『あなたは本当はセンチュリーハイアットとかに泊まれるはずなのに、どうしてうちに来るの?』と聞いたら、『ぼくはここの精神を忘れない。一生懸命がんばっていた自分の原点の場所だから。ここが好きなんです』と言うんです」。

―客層が見えてくるお話です。外国客はずいぶん連泊するようですね。

「基本連泊が多いです。アジア方面とかいろんな国の方がいますから、平均すると3~4日になりますが、2週間以上のグループが実は多いです。このホテルを拠点に京都や日光に行く人も多い。一泊4100円から。1か月いても12万円。電気ガス使い放題ですから。

荷物を置いたまま、日光でも箱根でも行く。いまキルギス人のグループは京都に行っています。一つの部屋のみ残して、全員の荷物を置いている。昨日の夜、急に決まって出かけるというんです。予約はキャンセルですが、京都でも宿泊代がかかるでしょうからと、キャンセル料は取りません」。

―外国客を受け入れるために必要なことは?

「まずは外国語表示ですが、実はそれだけ。あとは話をじっくり聞いてあげること。たとえその人がスペイン人で、英語がまったく話せないとしても、彼はなんとか自分の意思を伝えようとしてくる。明日日光に行きたい、浅草に行きたい。どう行けばいいかという場合もそうですし、部屋のバスタオルがほしいという場合も、ホテルスタッフに伝わるまで何度も手段を変えて伝えようとする。伝わらないとわかると、最後には絵を描いてくる。これがほしいと。なんだ、バスタオルか。それを手渡すと笑っている。

地名などの案内はすべてローマ字で書いて渡します。彼らはそのメモ書きを持って、どこにでも行き、その場でいろんな日本人に見せている。現地でいろんな人の世話になっているのだなあと思いますが、朝出て行って、夜には帰ってくる。

あるとき、台湾人のグループが日帰りで高野山に行くと言い出しました。えっ、そんなことできるの? 日本人はふつう思いつかないスケジュールです。でも、彼ら外国人はJRレイルパスを持っているので、新幹線も安く利用できる。だから、日帰りで行ってこようと考える。実際、彼らは朝6時の新幹線で新大阪に行ったそうです。そこから御堂筋線で難波まで行って、南海電車で高野山へ。おそらく山に登った時間は短かったのでしょうが、深夜になって戻ってきた。 

『どうでした? 行けた?』と聞くと、『行けた。でも疲れた』と言うんです。こちらも、ホントに日帰りできるんだとびっくりしました。これも土地勘がないからできるんでしょうね。でも、彼らはすごく喜んでいましたよ」。

―なるほど。そういう旅をしているんですね。でも、楽しそうですね。

「でも、それが旅行ですから」。

―確かに。一般にシティホテルでは、旅行カウンターがあって、新幹線やフライト、ホテルの手配、オプショナルツアーなど申し込んでくれます。こちらでも旅行の手配をしてあげるのですか。

「京都のホテルでもなんでも頼まれれば取ってあげます。どこそこの行き方を聞かれても、その場でインターネットで調べて教えてあげる。別にお金を取りませんが、できることは何でもするのが仕事だと思っています。

ただ、ヨーロッパの人はすべて予約済みで旅行するのでは面白くない。自分だけのアドベンチャーがしたい。そういう人が多いです。少々うまくいかないことがあっても、それが楽しいという。

パスポートや携帯を紛失した場合でも、日本人は駅員から周りの乗客たちまで一生懸命助けてくれる。日本は車両に置き忘れた携帯が戻ってくる国です。実際に、駅員さんからホテルに電話がかかってきますから。彼らはそういう日本人の姿に感動するみたいです」。

―そのときは、駅ではなくフロントに紛失したことを言ってきたのですね。

「はい、それで駅の紛失係に電話を入れました」。

―大変そうですが、面白そうですね。

「実際、いろんなことが起きます。先日もお酒を飲みすぎて、警察官に補導されてきたお客さんがいました。ろれつが回らず、とにかく休ませて、翌日に旅行会社の人と通訳ガイドが来てもらいました。こんなことは初めてでした」。

―それはご苦労様でした。新宿は飲む場所に困りませんものね。彼らは旅空の下にいるのですから、そういう羽目を外すこともあるのは無理もないと思います。そんな人ばかりだと困るでしょうけれど。
b0235153_11501447.jpg

―ところで、ロビーでPCを見ながら旅行計画を立てている外国客がいますね。館内はWi-fiフリーなのですか。

「Wi-fiフリーはロビーだけで、客室の場合はパスワードを渡しています。国によってはフリーズさせられ、全員が使えなくなることがあるからです」。
b0235153_11503627.jpg

―外国客の方の予約はどういう経路が多いのですか。

「Booking.comやexpediaなどの海外ホテル予約サイト経由です。ただこちら経由で予約した方がリピーターになることは少ないようです。というのは、予約サイトを使うと、手数料が上乗せされるので割高になるからです。実際のリピーターは、自社サイトの英語ページで予約すれば安いことを知っています。

実は、うちは6割以上がリピーターなのです。これは国内海外含めてですが、よく不思議がられます。でも、理由は簡単。長く泊まると割安になるからです。要は、そういう連泊するタイプの旅行者が多いということです。

もし1泊しか利用しないのなら、少し高くても駅に近いなど便利な場所がいい。でも10泊するなら、安い方がいいし、少々駅から遠くても、歩いているうちにおいしいレストランを見つけるなど、楽しみもある。うちには、学生寮みたいに共同トイレ・浴場という安いカテゴリーの部屋もある。でも、これはこれでいいんです」。

―海外予約サイトの登録以外に、何か特別なPRは?

「昔から何もしてないです。

基本的にわかっていることは、いま泊まっているお客さんにちゃんとすること。それが最大のPRにつながると思う。うちがリピーターが多い理由は、お客さんが友だちを呼んでくれているということです。

知り合いに『今度東京に行くんだけど、どこに泊まればいい?』と聞かれたとき、自分の知ってるところを誰でも紹介するものでしょう。これはヨーロッパ人でも誰でも同じなんだと思う。うちに来られるのは、そういうつながりで来た方だと思うんです。

泊まってみて問題なければ、いやなことがなければ、友だちを紹介してくれる。その人がちゃんとした人なら、その友だちも決して問題を起こさない。

手を広げる必要はないんです。たくさん来たところで『満室です』とお断りするようなことになるなら、意味がないですから」。 

―今後についてはどうお考えですか?

「実はうちには外国客とは別に、長逗留している日本の年配の方がいます。地方在住の方で、毎月東京に出てきて1週間10日と滞在される。もと新宿に住んでいた方が伊豆や八王子の老人ホームに移り住んだものの、友達は訪ねてくれない。そこで東京に出てきて、友だちに会ったり、コンサートに行ったりして過ごしていらっしゃる。出張客も減っているいま、将来は元気な老人を相手にする宿泊施設になるのではと思っています。

ホテルは本来、人を集める場所です。ささやかですが、そのために美術のイベントや英語のイベントをやっています。『ひらがなタイムズ』という在日外国人向けの雑誌が主催する英語の交流パーティが毎週金曜の夜にあります。宿泊客は無料なので、参加する人もいます」。

―いろんなことをやってらっしゃるんですね。

「ええ、なんでもやります。実はテレビドラマの撮影も多いんです。ネットで『ロケ地 東京ビジネスホテル』と検索すると、たくさん出てきますよ。

できることは何でもしてしまう。外国のお客さんに対するのと一緒で、私は来るもの拒まず。何でも受け入れるタイプなんです」。 

ちょうどこの話をしていたとき、埼玉が震源地の地震発生。館内もずいぶん揺れました。ロビーにいたフランス人家族が慌ててホテルを飛び出そうとしたので、橋本さんはスタッフを呼びつけ、彼らに「中にいるほうが安全ですよ」と伝えさせました。

―びっくりしたでしょうね。

「地震のない国の人たちからすると、大地が揺れるというのは本当に恐怖だそうですよ」。

そして、橋本さんはそばにいた外国人スタッフに「部屋にいる人に大丈夫と言ってあげて」と伝えました。そのスタッフはベルギー人だそうです。このホテルには、中国系、韓国系など、アルバイトも含めて多くの多国籍スタッフがいます。

東京ビジネスホテルの開業は昭和48(1973)年。もともと地方からの出張客のためのビジネスホテルだったといいます。新宿のビジネスホテル開業のはしりで、当時は京王プラザができたばかり、新宿プリンスホテルはまだなかった時代です。

橋本さんは言います。

「この界隈でも廃れていく旅館が増えているが、いまの時代、個人経営の宿泊施設が生き残るには、浅草でもやっているように、オーナーが英語を話す。小グループの外国客を受入るというやり方しかなかった。これはうちも1990年代からやって来たこと。それしか手がなかったと思う」。

これまでぼくは海外で個人経営のホテルやゲストハウスにずいぶんお世話になってきましたが、橋本さんの話を聞いていると、その世界とよく似ているなと思いました。リピーターのスイス人や台湾人の話がまさにそうです。世界中で起きていることと同じことが、東新宿でも起きていることがわかります。そして、気のおけない宿というのは、オーナーのキャラクターによるところが大きいのは万国共通でしょう。

―訪日客が増えると、いろんなタイプの外国客がやって来る。そのぶん多様なニーズが生まれるけれど、お話を聞いていると、自らがどの層に見合った施設かをしっかり理解していれば、それ相応のやり方で対応できるということなんですね。
 
「たまにお客さんのスケジュールノートを見せてもらうと、ぎっしり書き込んである。それをこなす自分が好き。冒険している気分になれる。まったくことばが通じなくても、どこでも行ける。うちはそういうスタイルの旅人のための宿なんでしょうね」。

東京ビジネスホテル http://tbh.co.jp/
b0235153_1211364.jpg

[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-05-28 11:55 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 05月 24日

都心の外資系ラグジュアリーホテルはまるで時代の先祖返りのよう

近年、都心で本格化しているのが、外資系を含む大型高級ホテルの新規開業です。先日、東京駅周辺に集中している外資系ラグジュアリーホテルを訪ねて歩いてみました。

一般に富裕層が顧客とされるこれらのホテルの宿泊料金は、最低でも一泊約5万円から。いや、客室不足の昨今はもっと上がっているとも聞きます。こうなると、もはや誰でも気軽に宿泊できる価格帯ではないですが、東京五輪の開催が決定し、新たな開業ラッシュが始まっているのです。

なかでも最近の目玉は、14年12月、丸の内に一部営業を開始した個性派ラグジュアリーリゾートチェーンのアマンリゾーツによる「アマン東京」でしょうか。客室数を絞り込んだ極上のリゾートホテルチェーンとして国際的に評価の高い同グループが手がける初の都市型ホテルというふれこみで、巨大な和紙で覆われたガーデンレセプションなど日本の伝統素材が使われた館内の優雅な意匠の数々は、海外からも注目されています。
b0235153_10282833.jpg

アマン東京 http://www.amanresorts.com/amantokyo
b0235153_1028455.jpg

b0235153_10285956.jpg

場所は大手町タワー(千代田区)にあります。地下鉄丸ノ内線「大手町」を降りると、大手町タワーにつながっていますが、ホテルの玄関は「隠れ家リゾート」らしく、見えにくい場所にあります
b0235153_10291094.jpg

大手町タワーからJR東京駅方面に向かって歩くと、日本橋口にホテルメトロポリタン丸の内が見えますが、その向かって左手奥にこっそりとシャングリ・ラ東京の玄関が見えます。シャングリ・ラ東京は2009年3月に東京駅に隣接する丸の内トラストタワー本館27~37階に開業した中国系のラグジュアリーチェーンです。上海浦東地区の外灘に面した最も眺望のいい場所に立地しているシャングリ・ラ上海は国際的にも有名です。
b0235153_10292928.jpg

そこから八重洲口に向かって歩いていくと、有楽町方面にフォーシーズン丸の内が入ったパシフィックセンチュリープレイスが見えます。フォーシーズン丸の内の開業は2002年10月です。これを皮切りに、グランドハイアット東京(2003年4月 六本木)、コンラッド東京(2005年10月 浜松町)、マンダリンオリエンタル東京(2005年12月 日本橋)、ザ・リッツ・カールトン東京(2007年3月 六本木)、ザ・ペニンシュラ東京(2007年9月 有楽町)、そして前述のシャングリ・ラ東京と、2000年代の都心の外資ラグジュアリーホテルの開業が続きました。
b0235153_102944100.jpg

そして、2010年代に入り、新たな開業ラッシュを迎えています。

そのうちのひとつが、14年4月に開業したコートヤード・バイ・マリオット東京ステーションです。八重洲口から京橋方面に歩くとあります。
b0235153_10304330.jpg

コートヤード・バイ・マリオット東京ステーション http://www.cytokyo.com/

東京駅周辺には、丸の内口に東京ステーションホテルもあります。東京駅周辺は、いまや東京を代表する最高級ホテル地区へと変貌しているのです。
b0235153_1033223.jpg

これまで東京では、1990年代(パークハイアット東京、ウェスティン東京など)、2000年代(グランドハイアット東京、コンラッド東京、マンダリンオリエンタル東京、ザ・リッツ・カールトン東京、ザ・ペニンシュラ東京など)と外資系の進出が散発的に続いていましたが、五輪を控えた10年代はその第3期に入ったといえそうです。

一般に海外の富裕層は安心できる宿泊先として国際的に知られるホテルチェーンを選ぶ傾向があるといいます。どんなに日本国内で有名なホテルや高級旅館でも、宿泊先として選ばれるまでのハードルは高いものです。むしろ知名度の高い外資系ほど、東京五輪は商機といわれるのはそのためです。

しかし、こうした外資の相次ぐ進出で、日本の老舗高級ホテルは生まれ変わりを迫られています。たとえば、「御三家」のひとつ、ホテルオークラ東京は現在、本館の建て替えに着手しています。前回の東京五輪の2年前(1962年)に開業した同ホテルは老朽化が長く課題となっていましたが、約1000億円を投じて高さ200mと80mの2棟のビルを新設するようです。地上38階建ての高層棟をホテルとオフィスの複合施設にする計画です。
b0235153_1034105.jpg

旧赤坂プリンスホテル跡地でも再開発計画が進行中で、新たな高級ホテルが誕生します。アマン東京が進出したばかりの大手町では、「都市型(温泉)旅館」という日本ならではのカテゴリーを掲げる「星のや東京」も進出予定です。天然温泉を完備して外資との差別化を図るそうです。これらの連動した動きは、多様な外国客のニーズに応えることで、日本のホテルシーンの活性化をもたらすものと思われます。

2010年代の都内の主な大型ホテル開発

14年4月 コートヤード・バイ・マリオット東京ステーション
14年6月 アンダーズ東京 
14年12月 アマン東京 
15年4月 ホテルグレイスリー新宿
16年夏 旧赤坂プリンスホテル
16年中 星のや東京
19年春 ホテルオークラ東京リニューアル
b0235153_10344560.jpg
虎の門ヒルズに入居しているアンダーズ東京は昨年4月に開業

一般に外資系ラグジュアリーチェーンは、ホテル物件を所有せず、運営に特化する経営スタイルや、都心の再開発地区の超高層複合ビルの上層階に入居していること、そして客室数を極力絞り込んでいることが特徴です。アマン東京は84室、アンダーズ東京は164室。客室数だけみれば一般のビジネスホテル並みです。

ところで、外資系ラグジュアリーホテルなんて格差社会の象徴、自分には関係ない話と思ってしまうところがないとはいえませんが、ふとこんなことも思います。

いま起きていることは、時代の先祖返りなのではないだろうか。

前回の東京五輪(1964年)が開催された昭和のある時期まで、外資に限らず日本のホテルは一般庶民が足を踏み入れることのない世界でした。だって、当時の庶民は「駅前旅館」を利用していたのです。ビジネスホテルだって生まれてなかったのですから。

その後、かつて高嶺の花だったホテルで供されたサービスや食が大衆化され、特に1970年代以降、日本の社会に普及していきます。帝国ホテルで昭和30年代に始まったバイキングなんてのもそのひとつです。

こうした大衆化こそ、いまアジア客の“爆買い”の対象となっている日本の衣食住に関わるさまざまな消費財やサービスが生まれた原点だったといえるのではないか。昭和の時代の“ラグジュアリー”施設の代表だったホテルで提供されたコンテンツとその発展形が、今日多くのアジア客をひきつけるベースとなっているのだと思うのです。

これから東京にはどんな新しいホテルシーンが生まれていくのでしょう。かつてと同様、外資系ラグジュアリーホテルには、未来を先取りする役割を果たしてくれることを期待したいものです。

はたしていまの日本にそれをかつてのように大衆化させるだけの活力が残されているだろうか、そう否定的に見る向きもあるかもしれません。でも、そこに日本らしさがあると信じたい気がします。

[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-05-24 10:35 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 05月 24日

新宿は都内で外国客に最も人気なホテル地区(エクスペディア調べ)

エクスペディアでは、今年3月下旬、訪日外国人の集客に成功したホテルを表彰する「エクスペディアアワード2015」を発表しています。国内の外国客に人気のホテルや日本政府観光局(JNTO)などを招いて表彰式を行なったそうです。

2014年、エクスペディア経由で外国人旅行者に予約された件数のランキングでトップとなったのは、ホテル部門で「ホテルサンルートプラザ新宿」、ホステル・ゲストハウス・旅館部門で「新宿区役所前カプセルホテル」でした。以下、10位までのランキングです。

1位 ホテルサンルートプラザ新宿(南新宿)
2位 新宿グランベルホテル(東新宿/歌舞伎町)
3位 新宿ワシントンホテル(西新宿)
4位 京王プラザホテル(西新宿)
5位 ホテルモントレ グラスミア大阪
6位 ホテル日航成田
7位 新宿プリンスホテル(東新宿)
8位 品川プリンスホテル(品川)
9位 新宿区役所カプセルホテル(東新宿/歌舞伎町)
10位 ホテル日航関西空港

エクスペディアのリリースによると、ホテル部門トップの「ホテルサンルートプラザ新宿」が人気の理由は、自社サイトのクチコミ返信を行なうなど、ネットを有効活用していること。ホステル・旅館部門の「新宿区役所前カプセルホテル」では女性専用フロアの設置や海外メディアの積極的な対応で、訪日外国人の関心を引き、差別化につながったといいます。

このランキングをみて興味深いのは、都内のホテルとしてランキングされた7軒中、6軒が新宿に立地していることです。

エクスペディアでは、主要8カ国・地域の都内の予約件数の多いエリアをランキングしています。これをみても、欧米(アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス)、アジア(韓国、香港、タイ、台湾)すべてにおいて新宿がトップになっています。
b0235153_10244596.jpg

一方、2位以下は欧米系は銀座や東京駅周辺、アジア系や池袋や上野と、人気のエリアが分かれています。また2014年に前年対比で伸びているのが上野(247%)、浅草(246%)、池袋(186%)であることから、アジア系の利用者が増えていることもうかがえます。

リリースでは、以下のような「国別人気宿泊エリアマップ」を作成しています。
b0235153_1025462.jpg

これをみても、東京の南半分(東京駅周辺、銀座、赤坂、渋谷)は欧米系に人気で、北半分(新宿、池袋、上野、浅草)はアジア系に人気であることがわかります。新宿は国を問わず外国人旅行者に人気です。

エクスペディアの利用者は、あくまで海外の個人旅行者(FIT)であることから、中国本土から来た団体客などは含まれていません。ですから、これだけで訪日外国人旅行者のホテル利用の実態をすべて説明することはできませんが、こうした都内のホテル地区の可視化は、ますます色濃くなっていくものと思われます。

※エクスペディアが配信する海外からの訪日ホテル予約の多い国などのリリースは以下参照のこと。

エクスペディアではアジア各国からの訪日ホテル予約が急増している
http://inbound.exblog.jp/24509107/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-05-24 10:25 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 04月 26日

日本初のハラール中華料理店「東京ムスリム飯店」に行ってみた

今年1月中旬、新年会に誘われて亀戸の中華料理店「東京大排档」に行ったとき、店員さんからあるレストランの開店チラシをもらいました。この「東京大排档」という店自体が老舗キャバレーを改装したという場末モードたっぷりの時代がかったレストランで、とても面白かったのですが、その店も同じオーナーによる経営のようでした。

店の名は「東京穆斯林(ムスリム)飯店」。「(2014年)11月20日新規開店」「日本初ハラール中華料理店を錦糸町でオープン」と書かれています。

ハラール中華料理店? そのときは、あまりぴんことず、「最近インドネシアやマレーシアの観光客が増えていることを当て込んで、在日華人がムスリム向けのレストランをオープンしたのだな。ハラール認証とはいうけれど、彼らのことだから、どこまで厳密なのだろう。あやしいものだな」などと思ったものの、しばらく忘れていました。山手線の西半分を日常の活動域にしている人間にとって、錦糸町はめったに足を運ぶことがないからです。

先日、千葉在住の年長の友人から会食に誘われました。都心に出ていただくのは申し訳ないことから、お互いの中間地点で会いましょうかという話になり、その人が「錦糸町あたりはどう?」と言ったので、ぼくははっとして「そうだ。例のハラルレストランに行ってみよう」と思い立ったというのが、今回同店を訪ねることになった経緯でした。
b0235153_15483135.jpg

店はJR錦糸町駅南口から西に向かって飲み屋街を歩いて3分ほどの場所にありました。
b0235153_1548512.jpg

東京スカイツリーが間近に見えるロケーションにあります。
b0235153_1549579.jpg

入口にはイスラミックブルーの吹き流しとモスクの尖塔を模した目を引くデザインが施されています。

少し早い時間だったので、客は我々を除くと、ブリヤート系ロシア人か、あるいは新疆ウイグル系だろうかと思われるエキゾチックな風貌のカップルのみでした。おかげで、調子に乗って店内をバシャバシャ撮ってしまいました。
b0235153_15492369.jpg

b0235153_15494812.jpg

b0235153_1550722.jpg

アラビア文字で書かれたらしいコーランのことばを記した布地や書が飾られています。
b0235153_15502048.jpg

ハラール認証の表示もあります。
b0235153_15503687.jpg

これがメニューです。豚肉料理はもちろんありませんが、ぱっと見た感じ、羊肉料理が多いことを除けば、牛肉や鶏肉料理は豊富で、中華料理屋さんのラインナップとさほど変わらない印象です。

そのうえ、アルコールもあります。日本の焼酎のボトルが1本1800~2200円とはお安いですね。

ひとまず羊肉串といんげんのひき肉炒めを注文しました。これはうまいです。トウガラシの辛みも利いていて、味がしっかりしていながら、意外にさっぱりしている。都内には数多くの華人経営の中国家常菜(家庭料理)をうたう店がありますが、調理人が中国東北地方出身である場合が多いせいか、味付けも調理法もかなり雑なため、期待はずれな店が多い。でも、ここはちょっと違います。
b0235153_15505627.jpg

b0235153_15513270.jpg

しばらくすると、客が続々入店してきました。中国人の若い女性ふたり組は、この店の特色菜(看板料理)の「直火烤羊排(羊のスペアリブ)小1980円」と「羊蝎子锅(特製骨付き羊肉の麻辣鍋)1800円」を豪勢に注文しています。さすがは食に金を惜しまない中国人らしいです。
b0235153_15514958.jpg

そのうち店には関取さんもやって来ました。確かに、錦糸町は両国の隣駅ですものね。

そして、ついに真打登場。イスラムスカーフを身に付けたムスリム女性とその家族がやって来ました。
b0235153_1552741.jpg

赤いイスラム帽をかぶった女性はこの店の老板(店長)です。

彼女に少し話を聞くことにしました。「その帽子からすると、あなたは回民ですか? ご出身はどこ?」

「回族です。瀋陽から来ました」
「えっ、そうなんですか…。だとしたら、ご実家は回民街に近い?」
「そうですよ。よく知ってますね」

ぼくは中国遼寧省の省都である瀋陽に仕事でときどき行くのですが、決まって回民街に足を運んでいました。回民街は、中国の少数民族でイスラム教徒の人たちが暮らす地区です。瀋陽の回民街は、市内の中心部の一角にあり、500mくらいの通りに羊肉の屋台や清真レストランがぎっしり並んでいます。

都市化が進み、高層ビルばかりが林立する今の瀋陽では、昔ながらの中国ののどかな雰囲気が味わえる数少ないスポットなんです。

東京ムスリム飯店の人たちの故郷である瀋陽の回民街の様子はこちらをどうぞ。
 ↓
中国瀋陽の回民街(イスラム通り)に行くと、和んでしまう
http://inbound.exblog.jp/24406266/

「ぼくは中国の回民街の屋台に行くのが好きなんです。もしかしてお家は近いの?」
「私の家は、あの近くですよ」

自分のよく知る外国の土地から来た人たちだとわかると、親しみを覚えるものです。

「今日は初めてこちらに来ましたが、本場の味でおいしいですね。調理しているのはやはり回族の人ですか?」
「そうです。私と同じ瀋陽出身の回族です」

帰り際、ぶしつけに厨房を覗くと、白い帽子をかぶった調理人がいたので、思わず声をかけたくなりました。

「あなたも瀋陽の人?」
「そうです。瀋陽ですよ」

そして、写真を撮らせてくれました。
b0235153_15524084.jpg

日本人から見ると、彼が漢族なのか回族なのか、聞いてみないとわからないものです。

中国には、当たり前に彼らのようなムスリム系の少数民族(回族、ウイグル族など)が住んでいます。であれば、ハラールが日常生活の中に根付いていて当然でしょう。最近、日本の大学にもムスリム系留学生のために、ハラール料理を学食で出すところがあるそうですが、中国の大学ではもとより回民食のコーナーはありました。昨今のムスリム系観光客の訪日ブームの中で、彼らが都内にハラール料理の店を出そうと考えるのは、とても自然なことだったのです。

老板に「このお店には東南アジアのお客さんもよく来るんですか?」と聞くと、「よく来ますよ。桜のころは、インドネシアやマレーシアからいっぱい団体客が来ました」と話してくれました。

ぼく自身はハラールに関しては勉強中で、まだまだわからないことだらけですが、以前一般社団法人ハラル・ジャパン協会の関係者に日本企業のムスリム市場に対する取り組みについて話を聞いたことがあります。ハラール対応については、ムスリム系在日中国人に限らず、国内でもいろんな動きが起きているようです。

日本の良いものを世界のムスリムへ―ハラル食品をオンラインで販売
http://inbound.exblog.jp/22415316/

※日本観光振興会でも、ムスリム観光客向けのこんな情報提供をしています。

ムスリム観光客おもてなしガイドブック
http://www.nihon-kankou.or.jp/home/committees/report/event/20141104.html

【追記】
実は、今年(16年)になって2度ほどこのレストランに行く機会があったのですが、1年前に比べると味が落ちている印象がありました。どうしたことだろうと思って、厨房を覗いてみたのですが、以前いた回族の調理師はひとりいたものの、どうも調理が雑になっている気がします。ですから、この記事を書いた当時のように、このレストランを積極的におすすめする気になれなくなっていることを、念のため、告白しておきます。一般に在日中国人の経営するレストランにはこの傾向があります。味が長続きしないのです。回族経営のハラルレストランという意味では珍しいのですが、ちょっと残念です(2016年3月27日)
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-04-26 15:54 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 04月 11日

イースター休みに渋谷スクランブル交差点に出没した外国人をシューティング

今週の木曜日(4月9日)に渋谷に用があって出かけたら、“Shibuya Crossing”こと、スクランブル交差点の周りで、たくさんの外国人観光客が撮影を楽しんでいました。
b0235153_11573419.jpg

この街ネタ自体はもう何年も前から知られていることで、新鮮さは特にないかもしれませんが、イースター休み(2015年は4月5日(日)がイースター)に入った週だったせいか、欧米系や東南アジア系の人たちが多かったです。訪ねたのは午後4時半頃のことでした。
b0235153_11580100.jpg

みなさん渋谷駅側、109側、スターバックス側など、それぞれお好みの場所にカメラを構えて陣を取り、信号が緑に変わるのを待ち構えています。
b0235153_11582052.jpg

b0235153_11583615.jpg

群れるのは好まず、ひとり一眼レフのファインダーを覗き続ける女性もいます。彼女は東南アジア系のようです。
b0235153_11585877.jpg

なかには三脚まで用意して、動画を撮ろうとしている本格派もいます。
b0235153_1159996.jpg

このブロンドの彼女の表情からは「これが噂のShibuya Crossingなのね」と、人が観光地を訪れ、期待通り好奇心が満たされたときに見せる天真爛漫な心持ちがみてとれないでしょうか。思わず、良かったねえ、と声をかけたくなります。
b0235153_11592887.jpg

写真を撮っているのは、若い人たちばかりではありません。このふたり組のおばさんは、信号待ちの間も一眼レフを手にして真剣なまなざしです。
b0235153_11593985.jpg

一方、東南アジア系の人たちは家族連れが多く、にぎやかに記念撮影に興じている人が多いです。
b0235153_120162.jpg

b0235153_1201910.jpg

もちろん自撮り棒も大活躍。もうこれは世界的な現象です。
b0235153_12183754.jpg

次の用が押していたので、これらを撮ったのはほんの数分の間なのですが、おそらくそのときこの交差点の周辺にはざっと見たところ、100人近い外国人がいたと思われます。
b0235153_1214255.jpg

何撮ってんだろう? 気になるので、そっと彼らの手にしたスマホの画面を覗くとこんな感じでした。この撮り方、構図のつくり方は、完全にこの交差点がひとつの観光スポットとして認知されていて、彼らもネットやガイドブック等の写真および動画をすでに見て、しっかりイメージが頭に入っていること。そこに自分が訪れたことを記録するための確認作業であることがわかります。そう、それは富士山を撮るのと基本的に同じ観光行動なのです。

海外で渋谷スクランブル交差点が話題となり、観光スポット化してからすでにずいぶん時間が経過しているので、ネットでも多くのことが言及されています。

たとえば、外国人から見た渋谷スクランブル交差点に対する驚きは、このようなものだそうです。

「信じられないよ! こんなたくさんの人たちがいろんな方向に横断しているというのに、誰一人ぶつからないなんて」

「ある雨の日、スクランブル交差点を色とりどりのかさがスイスイと事も無げに、人を上手くよけながら行ったり来たりする様子を見て、『万華鏡(kaleidoscope)のようできれいね』といったフランス人観光客もいました」。

これらについては、以下のまとめサイト参照。

渋谷のスクランブル交差点に訪日外国人が増加した理由【海外の反応】 (2014年9月3日)
http://matome.naver.jp/odai/2140574575108108601

日本経済新聞でも、外国人に人気の理由を解説しています。

交差点も「観光地」 訪日外国人が喜ぶ意外なツボ (2014年12月23日)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO81113100Z11C14A2000000/

東京の英語情報誌「Time Out Tokyo」では、編集部が選んだ『渋谷でしかできない101のこと』というマップ(日本語版/英語版)の中で、栄えあるナンバーワンスポットとしてスクランブル交差点を紹介しています。これが発行されたのは2012年3月のことです。
b0235153_1222888.jpg

そこにはこう解説されていました。「これほど混雑している交差点は世界でも例がないだろう。人が多い交差点をひとりで渡る時は、孤独感を味わう事もある。これぞ東京砂漠か」。

いかにも異邦人的な心理描写というべきか。日本を訪れた外国人たちは、少々おセンチになって孤独な旅人気分を味わっていることが伝わってきます。

ニューヨークでもパリでもかまいません。自分が海外の街でひとりたたずむとき、同じような気分を感じることはないでしょうか。ありますよね。同じなんです。

こうしてひとたび海外の人たちから認知されてしまうと、富士山同様、初めて日本を訪れた外国人たちは、おそらく半永久的に渋谷スクランブル交差点に足を運ぶようになるでしょう。我々東京の住人としては、彼らのことを温かいまなざしで見つめてあげたいと思います。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-04-11 12:08 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)