ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 12月 28日

瀬戸内国際芸術祭とLCC拡充で高松市内に海外の若者向けゲストハウスが急増中

ある仕事で2016年の香川県の県外からの観光客入込数を調べたところ、936万8000人(前年比1.8%増)で2年連続で増加しています。これは、香川県にとって過去最大だった瀬戸大橋が開通した昭和63年の1035万人に次ぐ2番目の入込数となっているとか。

一方、入込数ではなく、観光庁が香川県の延べ宿泊者数を調べた宿泊旅行統計調査(平成28年)をみると、興味深いデータがうかがえます。

香川県 2016年延べ宿泊者数 3,779,900人(前年比 -7.3%) 全国37位
    同外国人延べ宿泊者数 358,360人(前年比+70.3%) 全国23位
    (台湾27% 中国15% 香港12% 韓国11% アメリカ3%)

これをみると、2016年に香川県を訪れた観光客全体は増えているのに、延べ宿泊者数は若干減少している一方、外国人の延べ宿泊者数は前年比70.3%と大幅増を見せており、全国23位となっています。国内客を含めた延べ宿泊者数が全国37位と下位にある香川県は、外国人の宿泊者数では全国で中位にいることがわかります。つまり、香川県を訪れる観光客のうち、外国人の比率は全国的にみて高いといえます。

香川県や高松市の関係者によると、2016年の香川県への県外からの入込数増加、特に外国人宿泊者数が大幅に伸びた理由は「瀬戸内国際芸術祭2016」の開催年だったことにあると分析されています。

瀬戸内国際芸術祭
http://setouchi-artfest.jp/

興味深いことに、外国人観光客の伸びは、芸術祭の開催されていない2017年にも見られます。

以下、2017年の香川県の外国人延べ宿泊者数と国籍比率の6月~10月までの推移です。

2017年6月 38,640人(+69.4%) 全国20位
(台湾32% 香港16% 中国16% 韓国11% アメリカ2%)

2017年7月 39,250人(+19.3%) 全国 17位
(台湾30% 中国18% 香港12% 韓国11% アメリカ3%)

2017年8月 32,470人(-9.5%) 全国24位
(台湾27% 中国17% 香港14% 韓国7% 欧州4%)

2017年9月 39,250人(+19.3%) 全国21位
(台湾30% 中国18% 香港12% 韓国11% アメリカ3%)

2017年10月 51,120人(+2.1%) 全国20位
(台湾29% 中国15% 韓国15% 香港13% アメリカ2%)

ここでは8月こそ、昨年芸術祭が開かれた時期(3月2日~4月17日、7月18日~9月4日、10月8日~11月6日)とまるまる重なっていることから前年比マイナスになっていますが、それ以外の月は増加しています。

これは何を意味するのでしょうか。瀬戸内国際芸術祭が香川県のインバウンド市場に大きな影響を与えたことは明らかでしょう。

では、どんな影響を与えたのか。

高松市観光交流課の細川和久さんによると「瀬戸内国際芸術祭2016の総来場者数は約104万人でしたが、アンケート調査によると、外国からの来場者の割合は13.4%。前回開催の13年と比較して大きく伸びています(2013年は、総来場者約107万人の2.6%が外国人)。芸術祭が回を重ねるごとに海外での知名度を向上させたことが考えられます」とのこと。

※瀬戸内国際芸術祭2016における外国人来場者数は、多い順に台湾(37.2%)、香港(13.8%)、中国(11.4%)、フランス(6.2%)、アメリカ(4.6%)となっている。

この国籍別来場者数は、高松空港の国際路線とほぼ重なっています。2017年12月現在の高松空港への国際路線は以下のとおり。※( )内は就航年。

高松空港国際線(2017年12月)
ソウル線(1992年) エアソウル週5便
上海線(2011年7月) 春秋航空週5便
台北線(2013年3月) チャイナエアライン週6便
香港線(2016年7月) 香港エクスプレス週4便
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香川県交流推進部観光振興課国際観光推進室の池浦健太郎さんも「香川県の2016年の訪日外国人延べ宿泊者数をみると、国際定期路線の就航先である韓国、中国、台湾、香港からの割合が高くなっており、高松空港の国際定期路線の拡充が大きな要因となっていると考えられます」といいます。

高松空港の国際線の特徴として、台北線を除く3路線がLCCであること。また前回の瀬戸内国際芸術祭が開催された2013年のチャイナエアラインや16年の香港エクスプレスの就航と、台湾や香港の来場者数トップ2になっていることには大きな関係がありそうです。

瀬戸内国際芸術祭の開催は、地元の宿泊事業者にも影響を与えています。とりわけ海外の若い旅行者を香川県に呼び込むことに大きく貢献しており、高松市内に若者向けのリーズナブルな宿泊施設であるゲストハウスが急増しています。

現在、高松市内には10数軒のゲストハウスがあります。

国内のゲストハウス事情に詳しく、『日本てくてくゲストハウスめぐり』(ダイヤモンド社)の著書もある松鳥むうさんによると「私が定宿にしている『ゲストハウスちょっとこま』は2013年の瀬戸内国際芸術祭の年に開業しました。ここは高松で最初にできたゲストハウスです。ある都市に1軒ゲストハウスができると、一斉に同じエリアに開業ラッシュが起こることはよくありますが、高松市内も類にもれず、2014年以降、一気に増えました」と話します。

ゲストハウスちょっとこま
http://chottoco-ma.com/

2016年8月に高松市内にゲストハウス「瓦町ドミトリー」を開業した山本梨沙さんもそのひとり。わずか10室のユニークなカプセルホテル風宿泊施設ですが、「宿泊客の4割が国内客で、同じく4割がアジア客、残り2割が欧米客。圧倒的に若い世代が多い」そう。

瓦町ドミトリー
http://kawaramachi-domitory.kuku81.com/

山本さんによると「台湾人をはじめとする中華圏の若い世代が香川県を訪れるようになった背景に、ひとりの台湾人作家による瀬戸内国際芸術祭を紹介した本の影響があった」そうです。
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『小島旅行』(林凱洛著・啟動文化出版社 2013年10月刊)
http://www.books.com.tw/products/0010612250

同書は瀬戸内国際芸術祭の主な舞台である香川県の直島を中心とした体験旅行記です。「この本が2013年秋に出版され、台湾で大きな話題となり、香港でも同時発売され、その2年後中国でも簡体字版として発売されたことで、中華圏における香川県の知名度が一気に高まりました」(山本さん)。

こうして台湾や香港の若い世代が香川県を訪れるようになりましたが、彼らの旅行スタイルはとても気軽で自由です。

前述の松鳥むうさんも「この前私が『ゲストハウスちょっとこま』に泊ったときも、香港から仕事で神戸に来ている20代女子(日本語ペラペラ)がいて、自由時間が1日あったので泊りに来たと話していました。翌朝彼女はアートの島(直島)に行くと言って宿を出ていきました」とか。

こうした高松市における若い外国人旅行者の増加をふまえ、新しいトレンドも生まれています。今年3月30日、高松市駅前に自転車王国・台湾の大手自転車メーカーのジャイアントがレンタルサイクルサービスを開始しました。

ジャイアントストア高松
http://giant-store.jp/takamatsu/

ジャイアントストアは現在、全国7都市(仙台、前橋、びわ湖守山、松江、尾道、今治、高松)でレンタルサイクルサービスを展開しています。なかでもしまなみ街道のゲートウェイとなる尾道と今治には、3000台の自転車が待機していて、夏はすべて出払うほどの人気だそう。しまなみ大橋をサイクリングで渡るのがブームとなっているからです。

ジャイアントストアのレンタルサイクルはロードバイクがメインで、今年中国から進出してきたシェアサイクル大手の提供するシティサイクルとはターゲットが違います。今後も全国各地に展開する計画のようです。

今年夏、ジャイアントの社長一行がPRを兼ねて自転車で四国を一周したそうです。なんでも四国一周は台湾一周とほぼ同じ約1000kmだそうで、「台湾を自転車で一周したら、次は四国を一周しよう」というのがPRのポイントだそうです。
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by sanyo-kansatu | 2017-12-28 10:37 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 12月 11日

寅さんが結ぶ日中民間人の縁をあらためて実感しました

週末は朝から柴又帝釈天に行きました。

中国でいつもお世話になっているハルビンの黒龍江省新世紀国際旅行社の呼海友さんを案内することになったのです。

彼は毎年この時期、東京に1週間ほど出張に来て、旅行会社回りをしています。彼はいまとなっては数少ない日本からの黒龍江省や内モンゴル自治区を中心としたツアーの企画と受け入れをやっています。もっとも、いまでは日本を訪れる中国人の数のほうが圧倒的に多いため、訪日旅行の企画のためのテーマ探しがもうひとつの重要なミッションです。

呼さんはクラシック音楽とコーヒーが好きという物静かな人で、東京に来ると、個人的に名曲喫茶やCDショップなどに足を運ぶのを楽しみにしているそうです。ぼくも何度か彼を案内したことがありますが、渋谷の老舗名曲喫茶の『ライオン』が気に入ったそうで、今回もひとりで訪ねたと話していました。

中国のクラシック音楽ファンも気に入ってくれた名曲喫茶ライオン (2014年12月02日)
http://inbound.exblog.jp/23821487/

そんな彼がなぜいま『男はつらいよ』の舞台、柴又に行きたいと言い出したのか?

そう尋ねると、彼は「格安弾丸ツアーに飽きた中国の中高年をぜひ連れて来たい」と言います。彼は中国のネットで事前に柴又についていろいろ下調べしていて、実際に歩いてみたかったのでした。

朝9時に京成金町線の柴又駅の前で待ち合わせました。そこには有名な寅さんの像があるのですが、今年3月、その向かいにさくらさんの像ができました。寅さんの目線の先にさくらさんが立っていて、心配そうに兄の姿を見つめているというものです。なんとも泣かせる構図じゃないですか。こんな銅像、あまりお目にかかったことがありません。
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帝釈天の参道は、少し早めに来たせいか、人通りも少なく、まるで映画のセットのようでした。参道の店はたいてい10時が開店だそうです。呼さんは熱心に写真を撮っています。
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この老舗団子屋の『とらや』は、初期の作品で実際に撮影に使われたそうです。
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帝釈天の門が見えてきました。
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実は、ぼくは初めて柴又に来たのですが、想像していたよりこじんまりとした境内だと感じました。まだそれほど参拝客もおらず(写真は10時過ぎのもの)、とても静謐な雰囲気だったのですが、しばらくすると、突然境内に『男はつらいよ』のテーマソングが流されたのには、ちょっと興ざめというか、苦笑せざるを得ませんでした。
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境内には自動おみくじ機があり、200円を入れると、獅子舞が動き出し、おみくじを取り出してくれます。こういうの、絶対中国人は好きだと思います。
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今回初めて知ったのですが、帝釈天の裏には『邃渓園』と呼ばれる日本庭園があります。入場料400円で、長い床を歩いて庭を四方から眺められます。お茶を飲むスペースもあり、和めました。池には錦鯉がいました。
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この入場料で、帝釈堂の精巧な木彫りはギャラリーを観ることができます。お堂の裏手がガラスで囲われていて、そこに法華経の説話を描いた10枚の木彫りが施されています。中国には石彫りは多いですが、木彫りは珍しいそうです。
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これだけの散策で約1時間ほど。帝釈天から歩いて5分ほどの場所に寅さん記念館があります(入場料500円)。

寅さん記念館
http://www.katsushika-kanko.com/tora/

この記念館は渥美清が亡くなった1996年の翌年にできています。つまり、今年は開業20周年でした。

これはさくらさんの旦那の博さんが勤めるタコ社長の印刷所です。活版印刷機がどーんと置かれています。このように、記念館の中は映画の象徴的なシーンのセットが再現されています。
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これは寅さんの実家である「くるまや」のミニチュア模型。2階のたたみ間にごろんと寝ころがっている寅さんが見えます。
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参道の商店街の再現された町並みです。昭和30年代の設定だそうです。
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笑ったのが、寅さんの全財産を詰めたカバンの展示でした。荷物の中に高島暦がちらっと見えたので、呼さんが言いました。「中国でも高島暦を持っている人がいますよ。あれはよく当たるからと」。「へえ、そうなんだ」。
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そして、歴代マドンナと寅さんの出会いシーンの映像集も楽しいです。たまたま最後の48作目のボタンを押すと、後藤久美子との再会のシーンが出てくるのですが、彼女が「なんで寅さん、こんなところにいるの?」と聞くと、「なんでだろうなあ。俺にもわからないんだ」ととぼけて答えるところで、吹き出してしまいました。そう、彼はいつも自分がなぜそこにいるのかわからないような生き方をしている。まさに“ふーてんの寅”です。
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「中国の人は、寅さん映画のどんなところが面白いと思っているんですか?」。そう呼さんに聞いたところ、彼はこう答えました。

「寅さんがいつもあちこちに旅をし、自由に生きているところです」。

いまの40代以上の中国人にとって寅さんは善良で平和的な日本人のイメージを象徴しています。この映画が中国で観られるようになったのは1980年代以降ですが、それまで中国政府が熱心に自国民に対して叩き込んできた「日本といえば日本兵」という悪のイメージを払拭し、相対化するうえで、この映画が果たした役割は大きかったのです。

呼さんと柴又を訪ね、寅さんが結ぶ日中民間人の縁というものを、あらためて実感しました。

実をいえば、ぼくはこれまで『男はつらいよ』シリーズをちゃんと観たことはほとんどありませんでした。若い頃は特にそうですが、ベタな昭和コメディというイメージが強く、まともに観る気がしなかったからです。渥美清も自分の親よりひとまわり近く年上でしたし、およそ自分とは関係のない時代の話だと感じていたからです。

今回記念館に行って知ったのですが、このシリーズの第一作は昭和44年(1969年)。それから最後の作となった平成7年(1995年)まで48作品が上映されるのですが、当時はまだ昭和を懐かしむには早すぎたのでしょう。その後、2000年代に入って『ALWAYS 三丁目の夕日』をはじめとした昭和レトロブームが起こり、そこで多くの日本人が過去の時間にまどろむことに淫してしまった(とぼくは思います)ことで、日本社会は国際社会の変化に追いつけなくなってしまったわけですが、平成の世がまもなく終わろうとするいま、あらためて中国の中高年以降の人たちが好ましく受けとめてくれたこの物語の価値に、ぼくも気づかされたといえます。

記念館の裏は江戸川の堤防になっていて、天気のいい日は富士山が見えます。残念ながら、ぼくらが行ったときは、雲で富士山が隠れていたのですが、この情報を教えてくれたのは、記念館のボランティアのおじさんでした。「朝方はきれいに見えたんだけどね。お客さんが来たとき、その話をしたろ。だから、確認しに行ったら、見えなくなっていた。残念だったねえ」。
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このボランティアのおじさんはとても人懐っこくて、まるで寅さん映画に出てくる人物のようです。彼はぼくらが記念館に入館する前に富士山の話をしたものだから、展示を観ている間に、わざわざ確認に行ってくれていたのでした。

帰り際、帝釈天のわき道を歩いていると、偶然玉垣に倍賞千恵子さんの名前が彫られているのを見つけてびっくり。
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お昼は参道の老舗の「川千家」で蒲焼のランチ。行き帰りに乗るわずか2駅しかない京成金町線もいい味です。
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「中国にはこんな静かでのどかな下町はない」と呼さんは話しました。「帰国したら、柴又を訪ねるツアーを企画します。中国にはファンの人が多いから」。彼のように、自分の足で歩いてツアをー企画する中国の旅行関係者ほどありがたい存在はありません。「これからも何でも知りたいことは聞いてくださいね」。そう彼に話しました。

いま彼が考えているのは、10名くらいのお客さんを案内するツアーだそうです。実際、柴又には団体バスを停めるような場所はなく(実際には、さくらさんと博さんの披露宴の場所として有名な蒲焼屋『川甚』は日本のバスツアーを受け入れており、駐車スペースがありますが、あくまでも食事のお客さん専用です)、銀座や浅草のように大挙して訪れられては困ります。

記念館の人に聞くと、柴又を訪れる外国人は日本通の台湾人くらいだそうです。呼さんには、いい感じのお客さんを連れて来てほしいと思います。


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by sanyo-kansatu | 2017-12-11 09:31 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 11月 26日

民泊(事業者)と自治体&マスコミとの関係がここまで悪いのはなぜか?

先週末、知人の紹介でシェアエコノミーをテーマにした小さな集まりに出席しました。(あとで述べる理由もあって)具体的な団体名などは記しませんが、民泊をはじめ不動産の運用を実践していたり、始めてみたいと考えているみなさんの情報交換のための集まりでした。

民泊(事業者)のみなさんの生の声を聞くことができて、とても参考になりました。実際には、住宅分野のシェアエコノミーの実践事例は民泊だけでなく、むしろその一部といった方がいいほど広がっているのですが、彼らの多くの発言から伝わる自治体とマスコミに対する不信感がこれほど強いのかと思ったことが印象に残りました。

あるスピーカーは開口一番「日本はシェアがしにくい国です。社会というのは、数多くの事例が生まれてこそ、法律を変えようという動きが起こるものですが、日本では規制が多すぎて、事例が生まれにくいため、現実に合わせて法律を変えるのも時間がかかりすぎる」と話し、60数年間も古い法律が野放しにされていた通訳案内士法の事例などを挙げます。まったくそのとおりです。

世界のシェアエコノミーには、共同社会のありようを目指すヨーロッパ型と、投資と連動したアメリカ、中国型のふたつに分かれるといい、日本は「日本らしい」シェアエコを目指すべきと語ります。

さらに、シェアエコには利用者の自己責任も問われることも忘れてはならないとそのスピーカーは言います。それ自体はもっともな発言だと思われますが、おそらく日本の自治体やマスコミは、日本的な“情緒”を背景に、自己責任から生じるさまざまな懸念や問題の発生の防止を重視するため、監視を強めたり、来年6月に施行される新しい民泊のルールについても、自治体レベルの個別の条例を加えることで、民泊解禁の流れに大きなブレーキをかけようとしている。そう彼らは感じているようです。

ここでいう「自治体&マスコミ」の姿勢がよくわかるのが、今朝の日本経済新聞の報道です。

増殖するヤミ民泊 京都の「観光裏事情」
政策 現場を歩く(日本経済新聞2017/11/26)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23791560S7A121C1000000

11月上旬、京都市の祇園に近い東山地区のワンルームマンション。5階建ての一角に、めざす宿泊施設があった。チェックインカウンターはない。カギはマンション入口の郵便ポストに入っていた。民泊の物件だが、本人確認はなにもない。後にかなり高い確率で、ヤミ民泊だと感じることになる。

訪日客の関連取材で京都を訪れた。口コミ旅行サイト「トリップアドバイザー」で部屋を探すと、大手ホテルは1泊約2万円する。そこで、初めて民泊の世界最大手・米エアビーアンドビーの仲介サイトを真剣にのぞいてみた。宿泊予定を入力すると、物件が続々と出てきた。祇園に近い東山地区を売りにしている物件があり、価格も1泊7400円と手ごろだ。民泊を初体験しようと思い、サイト内でクレジットカードによって支払いを終えた。

■管理人には話しかけるな

数分後、ふと、我にかえった。「あれ、待てよ。この物件はどこにあるんだろう?」。サイトには詳しい住所の記載がない。支払いを終えると、個人のメールあてに複数の物件情報が英語で届いていた。1つは住所。2つめはダイヤル式のカギの開け方。3つめは施設利用に関する注意事項だ。

住所がわかったため、現地に行くまでカギと注意事項の確認は後回しにした。マンションの前でメールをみると、カギはダイヤルを3回まわして、帰る際にも同じ場所に戻すようにと書いてある。セルフチェックイン・アウト形式だという。

面食らったのは、注意事項の書きぶりだ。例えば「入り口に管理人がいるが、話しかけないように。トラブルになります。もし部屋番号を聞かれたら、違う番号をいってください」と常識では考えにくい内容だ。

日本の法律についても言及がある。「日本の法律はとても厳しい。誰か来ても、ドアをあけないで。部屋のオーナーは友達で、無料で泊まっていることにして。そうすれば、トラブルを避けられます」。これは明らかにヤミ民泊の物件だとうすうす感じた。部屋に入ると、それは確信に変わる。

部屋は、普通のワンルームマンション。ただ、異なる点がある。室内のインターホンにガムテープが貼られ、「さわるな」という表示がやけにめだつ。外部から問い合わせがあっても、絶対に応対できないようにしているのだ。これはヤミ物件だろう。

宿泊して朝8時ごろに部屋を出ると、携帯電話にショートメールで「滞在はどうでしたか? 5つ星のレビューを下さい!」と何度も連絡が来た。うんざりさせられたが、物件のオーナーと会うことは一度もなかった。

京都市の調べでは、2016年の外国人旅行客は661万人となり、15年に比べ37%増えた。そのうち、16%が「京都に泊まりたいが泊まれない」と答えている。調査結果だけをみると、人気観光地の京都は深刻な宿泊施設不足に陥っている。ところが、調査は「無許可の民泊施設は含まない」としている。実態は判然としない。
日本では現時点で、民泊をするためには旅館業法の認可が必要だ。もしくは民泊特区では施設の要件を満たせば営業ができる。

■客室の稼働率が落ちた

京都・東山地区である旅館の経営者に話を聞いた。「今が京都の紅葉シーズンなのに、稼働率が落ちたのは今年が初めて。急増しているヤミ民泊の影響に違いない」との見解を示す。約10年前に民泊を始め、今は正式な旅館営業の認可を得た。だが、ここ1~2年でスマートフォンを片手にワンルームマンションのヤミ民泊に向かう訪日客の姿が急増しており、客足が鈍っているという。

東山地区のシャッター街だった商店街は、町家のゲストハウスや民泊が増え、にわかに訪日客で活気を取り戻している。日本の伝統文化の象徴ともいえる京都は、訪日客を引き付けてやまない。

日本では18年6月に民泊が新しいルールのもとで運用が始まり、仲介業者や家主は国や自治体の登録制となる。ただ、旅館業法の改正案が宙に浮いており、ヤミ民泊の違反業者を自治体や保健所が取り締まれるかどうかが問題になっている。施設への立ち入り権限が限られると、これからもヤミ民泊を排除できない可能性が残る。ある観光庁幹部は「特に中国系の物件は監視が難しい」と嘆く。

本人確認がルーズなヤミ民泊は薬物や性的暴行など犯罪に使われるケースも出ている。正式な認可を得ている事業者は税負担などの面でヤミ民泊と不公平感がある。観光庁の初調査では、今年7~9月期で訪日客全体の12%が民泊を利用した。政府は20年に4000万人の訪日客誘致をめざしている。民泊を健全な宿泊施設の受け皿にするためにも、ヤミ民泊の監視強化は欠かせない大きな課題だ。(馬場燃)


この種の論調は、いまとなっては日本のマスコミの主流となっていて、さして新しい発見のない記事ではありますが、これが主流となるのも、日本では全体の8割がヤミ民泊である以上、いたし方がない面もあると思います。この記事でもひかえめに指摘しているように、台頭する「中国民泊」の実態は、彼らが日本法人を立ち上げたところで、実態は情報公開されていないため、世間の懸念が深まるのは当然といえます。

一方、この集まりに出席していたみなさんのように、法や条例の動向に敏感で、「日本らしいシェアエコ」を目指す人たちというのも当然いて、彼らの声を届けるマスコミはまだ少ないようです。

実は、彼らの議論を聞いていて、ぼくは余計なひとことを発言してしまいました。「なぜみなさんは、もっとマスコミを活用しないのですか」。

ぼくからすると、これからの日本の社会の新しいあり方を模索し、正しい民泊を目指しているのに、ただ内輪で集まったり、個別の自治体関係者や議員との関係を深めることで、実際に自分の地域で民泊をする際、縛りとなる上乗せ条例による新たな規制をされないようにと努力していることはわかるのですが、やはりこの問題は「公論」としてマスコミにも取り上げてもらう必要があると感じたからです。

ただし、この発言に対しては沈黙しかないようでした。

いったいこの人たちのマスコミ不信の根深さは何なのだろう? と最初は思ったほどです。

しかし、その後ぼそぼそと交わされるコメントの中からその理由がわかってきました。民泊新法が施行される前のいまの段階で、また民泊に対する厳しい視線のなかで、表舞台に出ることは、かえって世間を刺激し、現状ではグレーゾーンとならざるを得ない民泊従事者である自分たちが摘発の対象になるのでは、というおそれがあるからのようでした。

実際、ある自治体で民泊の条例制定に向けたパブリックコメントを求められても、推進者たちからのコメントの数は少なく、反対意見ばかりが多いそうです。そうなるのも「いま下手なことを言って、保健所に目を付けられたら…」。そんな思いがあるからだというのです。

なんという残念なことでしょう。

日本のあるべき民泊を推進するためには、ヤミ民泊事業者の摘発強化は欠かせないとはいえ、正しいあり方を目指そうと考えている人たちが、ここまで萎縮せざるを得ない状況というのは、どういうものでしょう?

そろそろマスコミや自治体も、日経の記事にあるような負の実態だけでなく、日本の社会のありようを少しずつ変えていく可能性のあるシェアエコノミーの現場の声も取り上げないといけないのでは、と思います。

一方、シェアエコ推進の方たちも、ただ「いい子ちゃん」でいるだけではどうなのか。もっと「公論」に訴えかけていく気概も必要な印象を持ちました。なぜなら、法など気にしない外国人も含めて8割がヤミ民泊という非情な現実を前にして、あまりにきれいごとで装いすぎていて、これでは現実を変えられないのでは、と思わないでもないからです。

こんなことを書くと「現実の苦労も知らないで、勝手なことを言うな」と言われてしまいそうですが、日本のシェアエコを考えるうえで、とても勉強になったことは事実です。
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by sanyo-kansatu | 2017-11-26 11:07 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 30日

日本のシェアサイクルはツーリスト向けにサービスを特化したほうがいいのでは

今夏、中国のシェアサイクル大手のMobike(摩拝单车)やofoが日本に進出するニュースが流れ、話題になりました。

自転車シェア中国「モバイク」、日本で10カ所展開へ
23日から札幌でサービス (日本経済新聞2017/8/22)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ22HZZ_S7A820C1EA2000/

ソフトバンクとの協業で日本進出するケースもあります。

ソフトバンクC&S、Ofoと共同でシェアバイク事業を開始――まずは東京・大阪で9月から
http://jp.techcrunch.com/2017/08/09/20170809ofo-softbank-japan-dock-less-bikesncidmobilenavtrend/

中国語で「共享单车」と呼ばれるシェアサイクルは、確かに中国の都市部を中心に驚くほどのスピードで普及しました。去年の秋ごろから一気にです。

今年3月に上海に行ったときも、街中でシェアサイクルが走っている光景を見て、かなり驚きました。
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南京でも同様の光景を見かけました。
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外国人も利用していました。思うに、この種のサービスは外国人やよその土地から来た人にとって重宝するもので、出張中のぼくも利用したいと思ったのですが、中国に銀行口座をつくり、WeChatPayのような決済アプリと紐づける必要があり、時間がないので断念しました。
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これらのシェアサイクルには、QRコードが付いていて、利用者はスマホでスキャンして鍵を開けます。
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興味深いのは、中国では都市の一般住民が利用していることです。地下鉄駅から職場までの「最後の1km」が合言葉で、そのようにちょい乗りされることが多いそうです。いちばん驚くのは「好きな場所で借りて、どこでも乗り捨てできる」ことです。
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その仕組みは、中国の人たちの意識を変えるとも言われています。なぜなら、すべての自転車の位置と利用者の情報を配車アプリ企業は握っている以上「盗んでも意味がない」ため「悪いことはできないから」です。

中国を席巻するハイテク「シェア自転車」~仕組みで意識を変える試み(NECwisdom2017年02月02日)
https://wisdom.nec.com/ja/business/2017020201/index.html
中国で「シェアエコノミー」が大爆発中のワケ
「シェア自転車」人気の背後には何があるのか(東洋経済オンライン2017年06月14日)
http://toyokeizai.net/articles/-/175441

ほかにも中国でシェアサイクルが普及した理由はいろいろありそうですが、個人の自転車を路上に置くと、鍵をかけても悲惨な状況になりがちで、だったらシェアサイクルのほうがいいや、となるのかもしれません。
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このサービスを支えるために、夜になると、大型トラックが自転車の再配置のために市内を走りまわっているようです。より利用の多い地区に、夜のうちに自転車を運び去ってしまうとは。ここまでやるというのはすごいと思いました。
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こうしたことから、世界に自らの先進性を誇りたい中国政府も、ちょうど3月上旬に開かれていた全人代で「共享单车」ビジネスの支持を表明していました。
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上海で見かけたシェアサイクルは以下の5社でした。大手はMobikeとofoです。日本に進出したMobikeは日本語サイトもあります。
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Mobike(摩拝单车) https://mobike.com/cn/
Mobike Japan https://mobike.com/jp/
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ofo http://www.ofo.com/
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享骑电单车 http://www.xqchuxing.com
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小鸣单车 https://www.mingbikes.com/
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永安行单车 https://www.youonbike.com/

それぞれ保証金(利用の登録時に最初に払うデポジット)や料金が違います。また自転車のデザイン性ではofoが人気だとか、料金の安さでは小鸣单车(0.1~0.5元/30分)とか、電動自転車の享骑电单车だとか、微妙に差別化しながら個性を競い合っています。

それにしても、このようなサービスでどうやって企業は利益を得ているのでしょう。中国の友人によると「最初に利用者からもらう保証金(99元~299元)の金利ビジネスですよ」とのこと。これほど安価なサービスを提供するビジネスが超スピードで拡大したのも、どれだけ利用者を集められるかに事業の成敗がかかっていたからでもあるのです。低金利の日本ではちょっと考えられません。

さらにいえば、いまの中国の経営者の考え方も反映されていて、新しい市場が生まれると、いち早く参入し、そこそこの市場シェアを獲得しておけば、どこかの時点で大企業に買収してもらえる。そうすれば、事業自体に利益が出ていなくても、売り抜けてひと財産築ける。大企業側も最初は資金力を活かして利益度外視で市場拡大にひた走る。そのうち大半の中小企業はふるい落とされ、結局は大手の寡占状態となる。利益を取るのはそれからでいい…。このようにビジネスシーンが展開していく例は、配車アプリでいま「滴滴」が一強になったことからもわかるでしょう。

もっとも、市場の拡大は街への自転車の氾濫を引き起こします。今年7月までに、すでに1600万台の自転車が街に投入されたというのですから。

中国のシェア自転車、急増で「悲惨な運命」(WSJ2017 年 4 月 4 日)
http://jp.wsj.com/articles/SB10352219306287233570804583063854080347428

中国はかつて「自転車大国」で、通りも広く、自転車専用道路もそこそこあるため、大きな問題にはなっていないといえるのかもしれませんが、このサービスを日本に導入するのはかなり難しいだろうと言わざるを得ません。

その点について、中国事情に詳しいルポライターの安田峰俊さんも指摘しています。

シェア自転車の"上陸"を阻む日本特有の壁
福岡で"モバイク"が始まらない理由(プレジデントオンライン2017.10.24)
http://president.jp/articles/-/23406

同じことは台湾にもいえるようで、シンガポールのシェアサイクル企業が進出したところ、迷惑駐輪が多発しているそうです。

台湾各地に進出の「oBike」、迷惑駐輪多発 台北市が法整備へ/台湾(フォーカス台湾2017/07/11)
http://japan.cna.com.tw/news/atra/201707110001.aspx

そもそも日本の一般の人たちにとってシェアサイクルはどれほどのニーズがあるのでしょうか。たいてい自分の自転車は持っていて、生活圏ならそれを利用するでしょうし、職場の近くでは…そりゃあったら便利とはいえるでしょうけれど、いつ乗ればいいのでしょう。先日、都心のオフィス街でサラリーマン風の男性がレンタルサイクルに乗って横断歩道を渡っている光景を見ましたが、ちらほら見かけるというのがせいぜいです。
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むしろ、このサービスはツーリスト向けではないかと思います。外国人もそうですが、日本人だって旅行先で自転車に乗って観光地をめぐれたら楽しいものです。中国と日本の社会の違いを考慮せず、そのまま同じサービスを導入しようとしても、うまくはいかないものです。それはお互い様です。

ですから、これは進出してきた中国企業に限らず、日本のすでに始まっているシェアサイクル事業に関しても、いち早くツーリスト向けのサービスに特化していくような発想の転換をすることが利用者の支持を広げることにつながるのではないかと思えてなりません。そのためには、多言語化うんぬんもそうですが、外国人にも日本人にも徹底してわかりやすいレンタルシステムを提供する必要があります。

その意味で、中国の仕組みは(モバイル決済の普及が前提となっていますが)非常にわかりやすく、優れているといえるでしょう。日本の現状のレンタサイクルはポート式とならざるを得ないため、自転車を返却しようとしたらポートが埋まっていてできなかったり、ポートに行っても自転車がすべて使われていたりで、GPS連動で1台単位で管理し、決済もスマホのみで完結する中国式には利便性ではとても及びません。

日本の場合、GPS連動やモバイル決済はすぐには無理でも、せめて全国ネットで地方の観光地を同じプラットフォームで管理でできれば、利便性も上がると思います。つまり、東京で登録すれば、地方都市でも使える。そうなれば、プロモーション費用の効率化やシステムの共有化につながり、シェアサイクルの促進に貢献するのではないでしょうか。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-30 10:35 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 16日

「日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない」と海外のお客さんに伝えてほしい

9月下旬、中国語通訳案内士の水谷浩さんがガイドを務めるマレーシアからの華人グループは大雪山系にいました。日本でいちばん早い紅葉が見られるスポットとして知られる大雪山では、例年9月中旬から下旬が見ごろといいます。
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水谷さん率いる中国語通訳のプロ集団である彩里旅遊株式会社では、中国本土のみならず海外在住のVIP華人からの訪日旅行手配を扱っています。ここ数年、9月下旬から10月中旬にかけては北海道でのガイド業務の引き合いが多いといいます。紅葉を見たいという華人客が増えているからです。

口コミで同社の評判を聞いた海外の華人から「日本の極上の紅葉が見たい。水谷、案内してほしい」と直接指名がかかるそうです。同社は顧客それぞれの要望に合わせて一からコンテンツを組み立てる企画旅行が専門です。

彩里旅遊株式会社
http://www.ayasato.co.jp/

日本を訪れた外国人は日本の紅葉をどのように楽しみ、何を感じているのか。先週まで北海道にいた水谷さんに話を聞きました。

―今回いくつかのグループを案内したそうですが、主にどこを訪ねたのですか。

「札幌から入ってトマムや富良野、旭川をめぐる。紅葉の見どころは富良野や大雪山。日本でいちばん早く紅葉が見られるというのがポイントです」

―マレーシアのお客さんは日本の紅葉についてどんなイメージを持っているのですか。

「やはり非日常感でしょうか。彼らは熱帯に暮らしている人たちですから。冷たく新鮮な空気と艶やかな色彩に包まれた場所で写真を撮って、そこに自分が写り込みたいという願望が強い。ですから、いちばんいい状態の紅葉を見せたい。たいてい散り際が真っ赤に染まって美しい。いい写真を撮るには晴天がいい。太陽の光の向きも重要です。でも、これが難しい。紅葉のピークは同じ場所でも気候によって変わるからです。去年良くても今年いいとは限らない」
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―桜もそうですが、紅葉も年によって見ごろの時期が変わりますものね。

「ひとつメディアのみなさんにお願いがあります。日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃないと伝えてほしいことです。なぜなら、一般に国内外の旅行会社やメディアが発信する日本の紅葉は真っ赤に染まった写真を使うことが多く、外国のお客さんはそれを期待して日本に来たところ、実際には黄色や緑も多く、必ずしも赤一色ではない。それでガッカリされる人がけっこういるのです。

もちろん、私はその方たちに日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない。黄色や緑や色とりどりの美しさがあると説明するのですが、先入観があるぶん、腑に落ちない気分になるようです。

実際には、中国語でいう“五彩缤纷”(たくさんの色が豪華絢爛で豊かに見える様)というべきで、最初からそのように伝えてあれば、そんなにガッカリされることもないと思うのです」

―なるほど、紅葉は「紅」と書きますから、赤一色と思いがちですね。でも、ガッカリされるのは期待値の高さから。桜とは違い、バリエーションも豊富なぶん、日本を代表する自然現象である紅葉について、もっと我々自身が深く理解し、説明することばを持たなければなりませんね。

※この点欧米のメディアは比較的バランスが取れていて、紅葉=赤一色という伝え方はしていないようです。たとえば、世界最大の現地発ツアーサイトであるviatorでは、東京の紅葉ツアーのトップページに以下のような写真を使っています。
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外国客はどうやって紅葉の時期やスポットを知るのだろう?
http://inbound.exblog.jp/27344010/

こうした説明の大切さは、相手が富裕層であれば、なおさらのことですね。

「海外のVIPほど、こうしたこだわりが強いのです。彼らはそれがいいか悪いかは常に自分で判断したがります。気に入らないと『不要(いらない)』とはっきり言う。食事も高級な料理店に連れて行けば満足するというのではなく、状況や気分によって地元の庶民的な場所で食事がしたいと言い出すかと思えば、逆のときもある。まったくうるさいことこのうえない客です。

でも、きちんと合理的な説明ができれば、彼らも納得します。そのためには、相当の知識と経験が必要です。そして、いったん満足してくれると、次回もまたお願いしたいという話になる。それが彼らのネットワークの中で口コミで伝わり、別のお客さんを呼んでくれる。それが富裕層旅行の世界です」

本州に紅葉前線が南下し始めるまでにはもうしばらくかかります。「日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない」。肝に銘じて、今後情報発信するように務めたいと思います。
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日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/
どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/27327434/
隠れたトレンドメーカー『香港ウォーカー』『Japan Walker』が伝える最新「紅葉」情報
http://inbound.exblog.jp/27354643/
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by sanyo-kansatu | 2017-10-16 09:53 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 16日

隠れたトレンドメーカー『香港ウォーカー』『Japan Walker』が伝える最新「紅葉」情報

日本を訪れる外国人が事前にさまざまな紅葉情報を入手し、ツアーや目的先を選んでいることを前回までみてきました。

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/
外国客はどうやって紅葉の時期やスポットを知るのだろう?
http://inbound.exblog.jp/27344010/

なかでも香港と台湾の人たちの情報集力は他の国・地域に比べ群を抜いています。

香港では例年、8月下旬から9月上旬の頃、新聞やネット報道でその年の日本の紅葉の見ごろ時期の予想を取り上げるといいます(以下は去年の例です)。

日本公布賞楓期預測 部分地區紅葉料遲來(2016年9月07日)
http://hk.on.cc/int/bkn/cnt/news/20160907/bknint-20160907131910494-0907_17011_001.html
紅葉銀杏觀賞期延 旺秋季旅團(2016-08-23)
http://news.wenweipo.com/2016/08/23/IN1608230066.htm

こうした関心の高さは、日本政府観光局(JNTO)が継続的に他の国・地域に先駆けて香港人向けに紅葉の魅力を伝えてきたことも背景にあります。

JNTO香港 http://www.welcome2japan.hk/

しかし、それ以上に影響力があったと思われるのは、香港や台湾で株式会社KADOKAWAが発行してきた現地情報誌や日本旅行情報誌です。

たとえば、香港では2007年11月創刊の『香港ウォーカー』があります。「旅慣れた香港の人々をも満足させる日本情報が満載」の月刊誌です。
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↑2017年10月号

香港ウォーカー
https://www.facebook.com/HongkongWalker.hk/

台湾には1999年創刊の現地情報誌『台北ウォーカー』があり、早い時期から日本旅行情報を発信してきました。15年8月に創刊された『Japan Walker』は台湾で唯一の「日本旅行専門月刊情報誌」です。
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↑2016年10月号

Japan Walker
https://www.facebook.com/JapanWalker.KADOKAWA/
台北ウォーカー
http://www.taipeiwalker.com.tw/

海外には日本旅行情報を伝えるフリーペーパーはたくさんありますが、市販の雑誌があることは香港や台湾の特徴であり、なぜ彼らがこれほど日本のことをよく知っているかは、これら隠れたトレンドメーカーの地道な情報発信にあるといえます。

過去最高400万人超えの台湾客はいま日本で何を楽しみたいのか?
http://inbound.exblog.jp/26690327/

本ブログで何度も話を聞いたことのある友人の鈴木夕未さん(株式会社KADOKAWA)は、上記の2誌の現地での立ち上げに関わった編集者です。両誌が扱う日本の紅葉特集について彼女に話を聞くことができました。

―香港や台湾の人たちにとって日本の紅葉の魅力とは何なのでしょうか。

「日本のようなはっきりした四季がない台湾、自然が少なく高層ビルに囲まれた環境に暮らす香港の人たちにとって、季節感を感じられることがいちばんの魅力かと思います。これは、紅葉に限らず、桜も同様です。

なかでも彼らが強く魅力を感じるポイントは、紅葉の色の艶やかさと日本的な情緒の組み合わせにあると思います。具体的にいうと、紅葉と滝や寺社仏閣、お城など。なにしろみなさんその風景をバックに自分が写り込む写真を撮るのが好きで、“インスタ映え”を気にしています。フォトジェニックな1枚を撮ろうと必死です。最近では、湖面に映る紅葉とか、さまざまなバリエーションが生まれています。

※クラブツーリズムが催行する紅葉ツアーのイチ押しは、河口湖への日帰りバスツアーでしたが、このツアーを募集するサイトのトップの写真は、富士山と新倉山浅間神社の五重塔と紅葉の組み合わせでした。要するに、紅葉にもうひとつ日本的情緒が感じられるアイテムが加わることで、彼らの気持ちをグッとつかむことができるというわけです。
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どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/27327434/

―『香港ウォーカー』や『Japan Walker』では日本の紅葉特集はあるのでしょうか。どんな内容ですか。

「毎年紅葉特集はやっています。ただし、香港と台湾では、それぞれ読者の求める嗜好やニーズが違います。

まず台湾の話でいうと、昨年の『Japan Walker』では「秋季賞楓微旅行(秋のもみじ狩りプチ旅行)」というタイトルの特集をやりました。内容は、紅葉旅行をいくつかのテーマ別に分けてコースを紹介しています。具体的には、以下の3つです。

・紅葉×鉄道…嵯峨野トロッコ列車(京都)、叡山電車展望列車(京都)など
・紅葉×温泉…ねぎや陸楓閣(兵庫)、吉池(神奈川)など
・紅葉×日本庭園…六義園(東京)、兼六園(石川)など

さらに“達人の旅”として、九重“夢”吊り橋(大分)や。香嵐渓(愛知)、長瀞渓谷(埼玉)、下栗の里(長野)などを紹介しています。

一方、香港は、最新号(10月号)で紅葉特集を組んでいます。タイトルは「秋の京都 紅葉単車遊(サイクリングでもみじ狩り)」です。

―台湾や香港の雑誌では、特集のタイトルやスポット名などにも日本語は普通に使われているんですね。彼らは日常的に日本語を見慣れているし、そのほうがかえって日本的なイメージが訴求できるのでしょうね。ところで、台湾と香港の違いはどこにありますか。

「香港人はアクティブです。いま台湾や香港はサイクリングブームです。特に香港では街で自由に自転車に乗れる環境ではないため、日本で体験したいという人が多いです。香港はストレス社会ですから、日本ではのんびりリラックスして過ごすことも大切にしているように感じます。だから“サイクリングでもみじ狩り”という自然の中でアクティブな体験をするような特集になるのだと思います。最近、香港では日本でグランピング(グラマラス×キャンピングの造語でラグジュラリーなアウトドア体験)を楽しみたいという人が増えています。

一方、台湾人の鉄道好きは有名です。日本全国の観光列車に乗りたい人は多く、できれば紅葉の時期に行ってみたい。温泉や日本庭園など、日本文化に対する憧れは、香港人より強いと思います。台湾の人たちは、日本人と同じことをしたいと思っているんです。

だからでしょうか。香港と台湾では同じ情報誌でも誌面づくりが違います。香港の場合は圧倒的にビジュアル優先で、情報は少なめでいいという考え方です。『香港ウォーカー』の写真は同誌のカメラマンでもある編集長が撮ったものも多く、かなり凝ったアートっぽいテイストです。『Japan Walker』が日本の情報誌同様、それぞれのスポットに関する細かい情報やアクセスなどをきちんと書き込んであるのとは対照的です。でも、台湾の読者はそれを求めています。香港の人に聞くと『情報はスマホで探せるから必要ない。行ってみたいと思わせる写真やイメージがあればいい』と答えます。両誌の編集方針がまったく異なっているのはそのためです」

双方の違いも含めて、香港や台湾の人たちが常に新しい訪日旅行のシーンを切り拓いてくれる理由がよくわかった気がします。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-16 08:11 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 15日

外国客はどうやって紅葉の時期やスポットを知るのだろう?

知名度でいえば、これまで日本は桜の国でした。では、紅葉について外国人たちはどうやって知るようになったのでしょうか。

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/
どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/27327434/

訪日旅行シーンの先駆けを常に走る香港や台湾の旅行会社では、8月頃からすでに日本の紅葉をテーマとしたツアーを募集しています。以下、日本の紅葉ツアーの最後の商戦の時期となる10月初旬の各社のHPをみてみましょう。

まず香港で訪日客数トップの旅行会社です。すでに紅葉ツアー販売は終盤で、日本のみならず韓国や中国の紅葉スポットを訪ねるツアーも企画しています。
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EGLツアーズ(香港)
http://www.egltours.com/travel/showIndex

以下、香港のオンライン旅行会社のサイトです。この時期、ともにトップページは日本の紅葉です(10月下旬以降は、次の募集で雪のシーンに変わることでしょう)。
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Klook(香港)
https://www.klook.com/

このオンライン旅行会社では、大阪の紅葉ツアーをディスカウント価格で販売していました。
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TravelZoo HongKong(香港)
https://www.travelzoo.com/hk/

こちらは台湾のオンライン旅行会社です。
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KKday(台湾)
https://www.kkday.com/zh-tw/home/index2

これらのサイトをみると、いま香港や台湾の人たちがどんな紅葉ツアーを楽しんでいるか、よくわかります。ここから感じるのは、彼らがもうほとんど日本人と変わらない旅をしているということです。

昨年の訪日客数でアメリカに次ぐ6位となったタイ人の場合はどうでしょう。

タイでは日本のHISが多くの店舗を構え、タイ人を日本に送り出しています。HISバンコク支店のサイトをみると、やはりこの時期、紅葉ツアーがイチ押しとなっています(その後はこれが雪に変わるでしょう)。 
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HISバンコク支店
https://th.his-bkk.com/

日本国内各地を3泊5日で5000バーツ(約17万円)相当のツアーが販売されています。

タイでは、台湾と同様、日本のテレビ番組が普通に見られるだけでなく、自らも日本に関するたくさんの番組を制作しています。YOU TUBEで探すと、以下のような日本旅行をテーマにした動画がいくつも見つかります。タイ人はこうした豊富な情報源を通して自由に日本旅行を計画するのです。

JapanX TV Official
https://www.youtube.com/channel/UC6aKtvk59_F-Iq2WaOOkFlw
WabisabiTV
https://www.youtube.com/user/WABISABITV1
SUGOI JAPAN
http://www.sugoijp.com/

このサイトの中に、愛知県の香嵐渓の記事が載っていました。今年はタイ人が増えるかもしれません。
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香嵐渓
http://www.sugoijp.com/news_details.php?id=33
香嵐渓もみじ祭り(2017年11月1日~30日)
http://asuke.info/event/nov/entry-705.html

また同サイトには、日本の紅葉が南下していく時期の予報をする記事もありました。こうやってタイ人たちはいつ日本のどこに行けばいいか知ることができるんですね。
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Japan Fall Foliage Forecast
http://www.sugoijp.com/news_details.php?id=174

ところで、この記事は日本発の観光&生活情報サイトのTokyo Cheapoからの引用のようです。ぼくはこのサイトの存在をこのとき知ったのですが、日本在住の欧米人たちが発信する英語の情報源となっています。
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Tokyo Cheapo
https://tokyocheapo.com/

このサイトでも、この時期、東京や日本各地の紅葉スポットを紹介するレポートがいくつかありました。

Koyo: 10 Places to See Autumn Leaves In and Around Tokyo(東京とその近郊の紅葉スポット10)
https://tokyocheapo.com/lifestyle/outdoors/koyo-autumn-leaves-in-tokyo/
Autumn Day Trips from Tokyo to Give You Those Fall Feels(日光や奥多摩など、東京から行ける紅葉スポット)
https://tokyocheapo.com/entertainment/tokyo-autumn-leaves-day-trips/

欧米人による老舗日本旅行サイトのjapan guide.comでも全国の紅葉スポットを紹介しています。

Autumn Colors(japan-guide.com)
https://www.japan-guide.com/e/e2014.html

以上は英語情報とはいえ、国内発のものですが、トリップアドバイザーの傘下で、全世界の現地発ツアーを扱うviatorでも、tokyoやkyotoは人気の旅行都市の上位に入っており、もちろん紅葉ツアーの予約情報を掲載しています。

viator http://www.viator.com/

tokyoのページをみてみましょう。
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viator tokyo
https://www.viator.com/Tokyo/d334-ttd

もちろん、ここでもトップページは紅葉特集です。

Foliage in Tokyo 東京の紅葉
Discover the beauty that rivals cherry blossom season 桜の季節のライバルとなる美を見つけよう
See Autumn Leaves

これをクリックすると、いつどこで紅葉が見られるかという説明と全国各地の紅葉ツアーが紹介されています。

Where to See Autumn Leaves in Japan
https://www.viator.com/Japan-tourism/Where-to-See-Autumn-Leaves-in-Japan/d16-t26427?pub=ttd1982

このページには以下のような説明があります。そこには、紅葉の色について、赤やオレンジ、黄色など、さまざまな色があると書かれてています。紅葉=赤(マッカッカ)だけではない。実はこの説明はけっこう重要です。

Colorful autumn foliage, known as koyo or momiji in Japanese, makes autumn a popular time for visitors to Japan—nearly as popular as the spring cherry blossom season. Here's what you need to know about experiencing koyo as it sweeps across the country in a parade of color each year.

When to Go
The season for fall colors typically kicks off in mid-September and lasts until December, with red, orange, and yellow colors lasting in a single location for as long as five weeks. Much like the cherry blossoms in spring, the fall spectacle reaches its peak at different times depending on the location and weather.

Where to Go
While Japan has no shortage of scenic spots for leaf-peeping, some of the most famous include the temples of Kyoto, the national parks on Hokkaido (Japan's northernmost island), Biwako Valley, Lake Towada in Aomori Prefecture, Arashiyama, Mt. Fuji, Tokyo's parks and gardens, and Nikko National Park, located just a couple hours outside the capital.

How to Go
During the fall leaf-peeping season, tours to see the natural spectacle depart from Tokyo, Osaka, Kyoto, and Nagoya. Choose a day trip, such as a guided tour of Nikko or a Tokyo walking tour, or a multi-day tour that take you to several of Japan's best spots for koyo. Choose a two-day journey through Miyagi and Fukushima prefectures to both enjoy autumn colors and onsen hot spring soaks.

そして、日光をはじめ、袋田の滝(茨城県)、長瀞の滝(埼玉県)、富士山と河口湖、びわ湖バレイと鶏足寺、小豆島(香川県)、香嵐渓(愛知県)などの日帰りツアー(発地は東京や京都、大阪などいろいろ)の料金が表示され、海外からネット予約できるようになっています。

これまで海外の紅葉ツアー情報についてざっとみてきましたが、日本の秋はもみじ狩りを楽しむものだということは、すでに世界でも知られていることがわかります。

では、実際に外国客たちが日本の紅葉をどのように楽しんでいるかについて、次にみてみたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-15 12:46 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 13日

どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?

ここ数年、秋に日本を訪れる外国人が増えているという話を前回しました。増えている理由のひとつが紅葉です。

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/

では、彼らはどこでどのように紅葉を楽しんでいるのでしょうか。

旅行大手のクラブツーリズムは、2009年から外国人向けの国内バスツアーを催行しています。
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CLUB TOURISM YOKOSO Japan Tour
http://www.yokoso-japan.jp

同社は、東京、名古屋、大阪、九州、広島、北海道発の各種紅葉バスツアーを催行していて、ピークシーズンは10月下旬から11月にかけてだそうです。大半の商品は日帰りツアーです。

どこの国が多いかというと、トップは断然香港で、次いで台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、最近はインドネシアの人が増えているそうです。一方、中国本土客は少なく、5%にも満たないとか。

同社はこれらアジア客をメインとした20万人のメルマガ会員がいて、季節に合わせて変わるツアーのリピーターも多いようです。

同社の担当者によると「以前は中華圏の旧正月時期や4月~5月が圧倒的に多く、秋は閑散期だったが、ここ数年はすごい勢いで増えている」といいます。実際、10月~12月のツアー客数が年々倍々ゲームで、なんと2017年10月~11月の予約数は前年同月比200%前後、12月は300%強。

なかでも最も人気があるのが、商品名が英語・中国語ともに、とても長いのですが、要するに、河口湖への日帰りツアーです。これは外国人専用ツアーで、英語や中国語のわかる添乗員が同乗します。
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Departure guaranteed! Mt. Fuji & 5-Storied Pagoda "Arakurayama Sengen Park"・Sagamiko Illumillion・Koro-kaki no Sato (Village of Dried Persimmons)・Autumn Leaves in Lake Kawaguchi
全日程保證出發! 富士山&新倉山淺間公園 五重塔・相模湖霓虹燈秀・曬柿子之里・河口湖賞楓
http://www.yokoso-japan.jp/en/05522.html
http://www.yokoso-japan.jp/tc/05522.html

日程はこうです。ツアー料金は、大人8900円、子供8600円、幼児5000円です。

ホテルグレイスリー新宿(8:10発)→新宿ワシントンホテル(8:30 発)→<首都高・中央道>→(10:00)シャトー勝沼(10:30)【買い物・試飲30分】→ころ柿の里(10:50)【散策】→信玄館(12:20 )【昼食】→(13:30)新倉山浅間公園(14:40)【散策70分】→(15:00)河口湖(16:00)【紅葉鑑賞60分】→<中央道>→(17:00)さがみ湖プレジャーフォレスト(18:00)【イルミネーション鑑賞60分】→<中央道・首都高>→新宿(19:00予定)

担当者によると「このツアーは、メインビジュアルに新倉山浅間神社を置いています。『五重塔と富士山と紅葉』という外国人が好む風景が組み合わさったもの。紅葉そのものというより、新倉山浅間神社の富士山ビューで人気を博しているものと考えます。またこのツアーは、昼食に松坂牛のローストビーフとほうとう鍋をつけています。これも人気の要因のひとつです」。

ツアー客たちが紅葉を楽しむうえでの最も重要なポイントは「紅葉を背景に自分の写真を撮ること」。それだけに、バックに富士山と紅葉、さらには五重塔まで入れることで、日本的な情緒を濃厚に伝える3点セットを丸ごと写真に収められること、そこに自分が主人公として映り込むことができる。それが河口湖ツアーが人気の理由だと思います。

実は、HISでも同じような外国人向けバスツアーを催行しています。HISのインバウンド担当者のイチ押しツアーは、クラブツーリズムと同じ河口湖への日帰りツアーでした。

でも、中身はちょっと違います。
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英語:Mt.Fuji Autumn Leaves Light-up Festival & Shosenkyo Gorge Bus Tour!(※英語添乗員付)
日本語:山梨の紅葉いいとこどりっ☆昇仙峡と河口湖もみじ回廊ライトアップ&ラストシーズン!秋めく富士山五合目
http://www.hisgo.com/j1/Contents/OptionalTour/DetailOptionalTour.aspx?TourCd=TYO1166&lang=en
(日本語:https://bus-tour.his-j.com/tyo/item/?cc=A1041

コースはこうです。ツアー料金は7990円~8490円。

新宿発→昇仙峡(秋めく渓谷美を観賞)→影絵の森美術館(世界初の影絵美術館で光と影のアートを鑑賞)→富士山五合目(ラストシーズン!標高2,305mの絶景散歩)→富士河口湖紅葉まつり(幻想的な河口湖もみじ回廊ライトアップの観賞)→新宿

HISの担当者によると「ポイントは何といっても、幻想的な河口湖もみじ回廊のライトアップをご覧になって頂けること。訪日旅行者に定番人気の富士山5合目や、今後人気が出てきそうな昇仙峡や影絵の森美術館など最新のスポットを入れております」とのこと。
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ちなみに、このバスツアーは日本人客と外国客の混乗です。11/5、11/11、11/19は、英語を話せる添乗員が同乗するそうです。実は、クラブツーリズムの場合も日本人と外国人が混載するツアーと外国人専用のツアーがあります。

このツアーのハイライトである「もみじ回廊」を訪ねる目安は16:40~17:00頃。滞在時間は約1時間~1時間半です。

このツアーは、HISの外国客向けサイトのhisgoや同社が運営する原宿の観光案内所(H.I.S. HARAJUKU Tourist Information Center)で販売しています。

hisgo
http://www.hisgo.com

H.I.S. HARAJUKU Tourist Information Center
https://www.his-j.com/japan-tourist/tyo/

どちらのツアーも1万円を切る手頃な料金で、日本人も普通に参加しても十分楽しめるし、実際、日本人と外国人が一緒にバスに混載する点も面白いと思います。いまや日本人も外国人と一緒にバスツアーを楽しむ時代なのです。

日本の旅行会社は、もう30年以上前から国内客向けに格安なのにコンテンツはボリューム満点、多種多様なバスツアーを季節ごとに催行してきました。その資源を、インバウンドの時代になって、そのまま外国客向けに提供したところ、アジア客にもウケたという話です。日本人が感じるお得感は、彼らも理解できるのでしょう。

ただし、クラブツーリズムの担当者によると、欧米客への訴求は同じようにはいかないとか。旅に対する考え方が違うせいなのでしょうが、この値段でこれだけ中身の充実した体験ができるのは彼らにとっても悪い話ではないと思います。PRの方法を考えるともに、欧米客にも好まれる商品の形とはどういうものなのか、検討する必要がありそうです。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-13 18:15 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 13日

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?

これまで日本を訪れる外国人観光客の数は、月によって多かったり少なかったり、要するに繁忙期と閑散期に分かれており、春や夏が多く、秋や冬は少ないとされていました。

ところが、ここ数年、秋や冬に日本を訪れる外国人が増えており、1年を通して満遍なく彼らの姿を見かけるようになりました。それはデータからもいえるようです。

日本政府観光局(JNTO)の集計からこの5年間の月別外客数のトップ3を以下、調べてみました。

国籍/月別 訪日外客数(2003年~2017年)JNTO
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf

月別訪日外客数トップ3(2012年~16年)※外客数と( )は前年同月増比

2016
7月 2,296,451(19.7) ★10月 2,135,904(16.8) 4月 2,081,697(18.0) 
※11月は1,875,404(13.8)で11位

2015
7月 1,918,356(51.0) ★10月 1,829,265(43.8) 8月 1,817,023(63.8) 
※4月は1,764,691(43.3) で5位、11月は1,647,550(41.0)で6位

2014
★10月 1,271,705(37.0) 7月 1,270,048(26.6) 12月 1,236,073(43.0) 
※4月は1,231,471(33.4)で4位、11月は1,168,427(39.1)で5位

2013年
7月 1,003,032(18.4) ★10月 928,560(31.6) 4月 923,017(18.4) 
※11月は839,891(29.5)で10位

2012年
7月 847,194(50.9) 4月 779,481(163.5) 8月 774,239(41.7)
※★10月は705,848(14.6)で4位、11月は648,548(17.6)で11位

これをみると、月別トップは東アジアの国々が夏休みに入る7月ですが、中華圏が春節休暇に入る1月~2月、桜の開花や欧米のイースター休暇が重なる4月よりも、明らかに10月のほうが多いのです。10月は中国の国慶節休暇に入るので、訪日客数トップの中国客が全体の数を押し上げるとはいえ、肌感覚でいうと街に外国客があふれていることを強く感じる桜シーズンの4月よりも10月のほうが数が多いことがわかります。

では、なぜ秋に日本を訪れる外国人観光客が増えているのでしょうか。

理由として考えられることのひとつは、訪日外国人の団体客から個人客への移行が進み、とりわけアジアからのリピーターが増えたことから、繁忙期の夏ではなく、日本旅行の時期を秋にズラすという発想で動く層が現れていることが考えられます。日本人が8月ではなく、9月以降に遅めの夏休みを取るというのと同じでしょう。なにしろ近年、日本の夏は相当蒸し暑いので、旅行に適しているとはいいにくい面もあります。もともと暑いアジアの国から来る人たちは、できれば涼しい日本を体験したいでしょう。

もうひとつは、日本の紅葉の魅力が広く伝わったことがあると考えられます。

日本の紅葉は世界でも特別といわれるそうです。というのも、紅葉が見られるのは落葉樹だけで、多く存在している地域は、日本など東アジアの沿岸部やヨーロッパの一部、北アメリカの東部に限られます。なかでも日本は落葉広葉樹の種類が多いためで、バリエーションも豊富なのです。

日本の紅葉が世界一美しいと言われる理由が奇跡的だった!
https://matome.naver.jp/odai/2141615563062857401

「万葉集」「源氏物語」、「百人一首」などにも、紅葉が出てくるほど、日本人は古来もみじ狩りを楽しんでいましたが、外国の人たちはどうなんでしょう。

というわけで、次回以降、「外国人にとって紅葉の何が魅力なのか」「日本の紅葉を外国客たちがどのように楽しんでいるのか」といった話をもう少し詳しく調べていこうと思います。

どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/27327434/
外国客はどうやって紅葉の時期やスポットを知るのだろう?
http://inbound.exblog.jp/27344010/
隠れたトレンドメーカー『HK Walker』『Japan Walker』が伝える最新「紅葉」情報
http://inbound.exblog.jp/27354643/
「日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない」と海外のお客さんに伝えてほしい
http://inbound.exblog.jp/27355466/
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by sanyo-kansatu | 2017-10-13 15:26 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 27日

通訳案内士&ランドオペレーター制度の規制緩和の話より事態はもっと進んでしまっている!

先週終わったツーリズムexpoジャパンですが、22日(金)の業界日にもうひとつのセミナーがありました。

対馬を訪れる韓国客40万人。理由はexpected unfamiliarity(似てるけどどっか違う)という国境特有の体験
http://inbound.exblog.jp/27141258/

訪日外国人の増加にともなう制度変更が懸案となっていた、来年から施行される新しい通訳案内士制度やランドオペレーター登録制度に関する観光庁からの説明です。
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膨大なパワポの資料が提示されたので、面白そうなものだけ挙げてみましょう。

まず「言語別通訳案内士登録者数」です。圧倒的に英語に偏っています。
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次に「都道府県別通訳案内士登録者数」。東京、神奈川などの首都圏の一極集中です。
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その結果、「言語別通訳案内士1人あたりの訪日外国客数」では、中国語、韓国語、タイ語の通訳が著しく少ないことが示されます。
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こうした現状は10年以上前から変わっていないのですが、その対策として「地域限定通訳案内士制度」を立ち上げています。
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そして、今回の規制緩和のキモは、いわゆる「業務独占の廃止」。すなはち、国家資格の通訳案内士でなくても、有償で通訳ガイドの仕事ができるようになったということです。ただし、国家資格を持たない通訳ガイドとの差別化のために「名称独占規制」は存続します。まだ仮称ですが、「全国通訳案内士」と呼ばれることになるそうです。
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この問題については、すでに関係者らの間で何年も議論してきたことですし、市場の大きな変化に対応した規制緩和だといわれれば、そうなんだろうなあという感じしかありません。結局のところ、フリーランスの職業である通訳ガイドの場合、語学能力だけでなく、さまざまな営業能力もあってこそ、続けられるものであるのは、いまも昔も変わりません。

問題なのは、むしろ「ランドオペレータ登録制度」の実効性でしょう。

なぜなら、「訪日旅行の手配構図の例」「ランドオペレーターに関する外国人のクレーム」で観光庁も説明するように、「ブラック免税店」と「闇ガイド」が結託した法外な値段の買い物強要が、外国客のいちばんのクレームとなっているからです。
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で、その解決策について、新制度ではこれまで誰がやっていたかすら把握していなかったランドオペレーターの登録を進め、ツアーパンフに通訳案内士同行の有無を記載することを義務付けることなどが挙げられています。同行の有無は、そのツアーの品質を保証することになるという理屈でしょうけれど、う~ん。
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実態から言えば、この程度のことで問題解決とは気の遠くなるような話です。

しかし、現在における訪日外国人の受け入れに関する問題の焦点はもっと別の次元に移っているというべきでしょう。なぜなら、訪日外国人における団体客の比率はだんだん下がり、個人客に移行しているからです。

では、どこに新たな問題が生まれているかというと、たとえば、中国事情に詳しいライターの高口康太さんが書いた中国の「白タク」の実態です。通訳案内士やランドオペレーター制度の規制緩和の話より、事態はもっと進んでしまっているのです。

日本各地で暗躍する中国版白タク「皇包車」の実態(Wedge2017.9.25)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10613

この問題は本ブログでも何度も指摘していますし、ぼく自身も以下の記事を書いています。

日本人が知らない、中国人観光客受け入れの黒い歴史(Newsweek2017年09月02日)
http://www.newsweekjapan.jp/nippon/season2/2017/09/198804.php

高口さんの記事が面白いのは、彼が実際に羽田空港や成田空港の現場を訪ね、中国の配車アプリサービスを利用して、日本国内で「白タク」に乗ってみるという体験取材をしていることです。利用者の立場に立てば、とても優れたサービスだと彼は書いています。

記事では「政府は、その実態や規模を全く把握できていない」と書かれていますが、実際はそんなことはないでしょう。日本より中国のシェアエコノミーの進化が早いため、対応できないだけのこと。じゃあしょうがない? でも、これじゃ日本のライドシェアをまじめに育てる意欲はなくなってしまいませんか。過疎地域の足など、いろんなニーズがあるはずなのに。

さらにいえば、「経済効果のリーケージ(漏出)」という問題があります。つまり、こんなに外国客が増えても、営業実態だけはあって、日本にお金が落ちず、経済効果を持ち去られてしまう。もちろん、これは規模の問題でもあるのですが、今日シェアエコノミーを軽んじるのは間違いでしょう。

だから、「知らなかった」ではすまないと思うのですが、とぼけてたほうが楽なのか。なんだかこの話、「ブラック免税店」や「闇ガイド」の存在を知りながら、ずっとやり過ごしてきた観光行政の姿勢と似ている気がします。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-27 10:00 | “参与観察”日誌 | Comments(0)