ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 10月 30日

日本のシェアサイクルはツーリスト向けにサービスを特化したほうがいいのでは

今夏、中国のシェアサイクル大手のMobike(摩拝单车)やofoが日本に進出するニュースが流れ、話題になりました。

自転車シェア中国「モバイク」、日本で10カ所展開へ
23日から札幌でサービス (日本経済新聞2017/8/22)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ22HZZ_S7A820C1EA2000/

ソフトバンクとの協業で日本進出するケースもあります。

ソフトバンクC&S、Ofoと共同でシェアバイク事業を開始――まずは東京・大阪で9月から
http://jp.techcrunch.com/2017/08/09/20170809ofo-softbank-japan-dock-less-bikesncidmobilenavtrend/

中国語で「共享单车」と呼ばれるシェアサイクルは、確かに中国の都市部を中心に驚くほどのスピードで普及しました。去年の秋ごろから一気にです。

今年3月に上海に行ったときも、街中でシェアサイクルが走っている光景を見て、かなり驚きました。
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南京でも同様の光景を見かけました。
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外国人も利用していました。思うに、この種のサービスは外国人やよその土地から来た人にとって重宝するもので、出張中のぼくも利用したいと思ったのですが、中国に銀行口座をつくり、WeChatPayのような決済アプリと紐づける必要があり、時間がないので断念しました。
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これらのシェアサイクルには、QRコードが付いていて、利用者はスマホでスキャンして鍵を開けます。
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興味深いのは、中国では都市の一般住民が利用していることです。地下鉄駅から職場までの「最後の1km」が合言葉で、そのようにちょい乗りされることが多いそうです。いちばん驚くのは「好きな場所で借りて、どこでも乗り捨てできる」ことです。
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その仕組みは、中国の人たちの意識を変えるとも言われています。なぜなら、すべての自転車の位置と利用者の情報を配車アプリ企業は握っている以上「盗んでも意味がない」ため「悪いことはできないから」です。

中国を席巻するハイテク「シェア自転車」~仕組みで意識を変える試み(NECwisdom2017年02月02日)
https://wisdom.nec.com/ja/business/2017020201/index.html
中国で「シェアエコノミー」が大爆発中のワケ
「シェア自転車」人気の背後には何があるのか(東洋経済オンライン2017年06月14日)
http://toyokeizai.net/articles/-/175441

ほかにも中国でシェアサイクルが普及した理由はいろいろありそうですが、個人の自転車を路上に置くと、鍵をかけても悲惨な状況になりがちで、だったらシェアサイクルのほうがいいや、となるのかもしれません。
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このサービスを支えるために、夜になると、大型トラックが自転車の再配置のために市内を走りまわっているようです。より利用の多い地区に、夜のうちに自転車を運び去ってしまうとは。ここまでやるというのはすごいと思いました。
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こうしたことから、世界に自らの先進性を誇りたい中国政府も、ちょうど3月上旬に開かれていた全人代で「共享单车」ビジネスの支持を表明していました。
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上海で見かけたシェアサイクルは以下の5社でした。大手はMobikeとofoです。日本に進出したMobikeは日本語サイトもあります。
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Mobike(摩拝单车) https://mobike.com/cn/
Mobike Japan https://mobike.com/jp/
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ofo http://www.ofo.com/
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享骑电单车 http://www.xqchuxing.com
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小鸣单车 https://www.mingbikes.com/
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永安行单车 https://www.youonbike.com/

それぞれ保証金(利用の登録時に最初に払うデポジット)や料金が違います。また自転車のデザイン性ではofoが人気だとか、料金の安さでは小鸣单车(0.1~0.5元/30分)とか、電動自転車の享骑电单车だとか、微妙に差別化しながら個性を競い合っています。

それにしても、このようなサービスでどうやって企業は利益を得ているのでしょう。中国の友人によると「最初に利用者からもらう保証金(99元~299元)の金利ビジネスですよ」とのこと。これほど安価なサービスを提供するビジネスが超スピードで拡大したのも、どれだけ利用者を集められるかに事業の成敗がかかっていたからでもあるのです。低金利の日本ではちょっと考えられません。

さらにいえば、いまの中国の経営者の考え方も反映されていて、新しい市場が生まれると、いち早く参入し、そこそこの市場シェアを獲得しておけば、どこかの時点で大企業に買収してもらえる。そうすれば、事業自体に利益が出ていなくても、売り抜けてひと財産築ける。大企業側も最初は資金力を活かして利益度外視で市場拡大にひた走る。そのうち大半の中小企業はふるい落とされ、結局は大手の寡占状態となる。利益を取るのはそれからでいい…。このようにビジネスシーンが展開していく例は、配車アプリでいま「滴滴」が一強になったことからもわかるでしょう。

もっとも、市場の拡大は街への自転車の氾濫を引き起こします。今年7月までに、すでに1600万台の自転車が街に投入されたというのですから。

中国のシェア自転車、急増で「悲惨な運命」(WSJ2017 年 4 月 4 日)
http://jp.wsj.com/articles/SB10352219306287233570804583063854080347428

中国はかつて「自転車大国」で、通りも広く、自転車専用道路もそこそこあるため、大きな問題にはなっていないといえるのかもしれませんが、このサービスを日本に導入するのはかなり難しいだろうと言わざるを得ません。

その点について、中国事情に詳しいルポライターの安田峰俊さんも指摘しています。

シェア自転車の"上陸"を阻む日本特有の壁
福岡で"モバイク"が始まらない理由(プレジデントオンライン2017.10.24)
http://president.jp/articles/-/23406

同じことは台湾にもいえるようで、シンガポールのシェアサイクル企業が進出したところ、迷惑駐輪が多発しているそうです。

台湾各地に進出の「oBike」、迷惑駐輪多発 台北市が法整備へ/台湾(フォーカス台湾2017/07/11)
http://japan.cna.com.tw/news/atra/201707110001.aspx

そもそも日本の一般の人たちにとってシェアサイクルはどれほどのニーズがあるのでしょうか。たいてい自分の自転車は持っていて、生活圏ならそれを利用するでしょうし、職場の近くでは…そりゃあったら便利とはいえるでしょうけれど、いつ乗ればいいのでしょう。先日、都心のオフィス街でサラリーマン風の男性がレンタルサイクルに乗って横断歩道を渡っている光景を見ましたが、ちらほら見かけるというのがせいぜいです。
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むしろ、このサービスはツーリスト向けではないかと思います。外国人もそうですが、日本人だって旅行先で自転車に乗って観光地をめぐれたら楽しいものです。中国と日本の社会の違いを考慮せず、そのまま同じサービスを導入しようとしても、うまくはいかないものです。それはお互い様です。

ですから、これは進出してきた中国企業に限らず、日本のすでに始まっているシェアサイクル事業に関しても、いち早くツーリスト向けのサービスに特化していくような発想の転換をすることが利用者の支持を広げることにつながるのではないかと思えてなりません。そのためには、多言語化うんぬんもそうですが、外国人にも日本人にも徹底してわかりやすいレンタルシステムを提供する必要があります。

その意味で、中国の仕組みは(モバイル決済の普及が前提となっていますが)非常にわかりやすく、優れているといえるでしょう。日本の現状のレンタサイクルはポート式とならざるを得ないため、自転車を返却しようとしたらポートが埋まっていてできなかったり、ポートに行っても自転車がすべて使われていたりで、GPS連動で1台単位で管理し、決済もスマホのみで完結する中国式には利便性ではとても及びません。

日本の場合、GPS連動やモバイル決済はすぐには無理でも、せめて全国ネットで地方の観光地を同じプラットフォームで管理でできれば、利便性も上がると思います。つまり、東京で登録すれば、地方都市でも使える。そうなれば、プロモーション費用の効率化やシステムの共有化につながり、シェアサイクルの促進に貢献するのではないでしょうか。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-30 10:35 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 16日

「日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない」と海外のお客さんに伝えてほしい

9月下旬、中国語通訳案内士の水谷浩さんがガイドを務めるマレーシアからの華人グループは大雪山系にいました。日本でいちばん早い紅葉が見られるスポットとして知られる大雪山では、例年9月中旬から下旬が見ごろといいます。
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水谷さん率いる中国語通訳のプロ集団である彩里旅遊株式会社では、中国本土のみならず海外在住のVIP華人からの訪日旅行手配を扱っています。ここ数年、9月下旬から10月中旬にかけては北海道でのガイド業務の引き合いが多いといいます。紅葉を見たいという華人客が増えているからです。

口コミで同社の評判を聞いた海外の華人から「日本の極上の紅葉が見たい。水谷、案内してほしい」と直接指名がかかるそうです。同社は顧客それぞれの要望に合わせて一からコンテンツを組み立てる企画旅行が専門です。

彩里旅遊株式会社
http://www.ayasato.co.jp/

日本を訪れた外国人は日本の紅葉をどのように楽しみ、何を感じているのか。先週まで北海道にいた水谷さんに話を聞きました。

―今回いくつかのグループを案内したそうですが、主にどこを訪ねたのですか。

「札幌から入ってトマムや富良野、旭川をめぐる。紅葉の見どころは富良野や大雪山。日本でいちばん早く紅葉が見られるというのがポイントです」

―マレーシアのお客さんは日本の紅葉についてどんなイメージを持っているのですか。

「やはり非日常感でしょうか。彼らは熱帯に暮らしている人たちですから。冷たく新鮮な空気と艶やかな色彩に包まれた場所で写真を撮って、そこに自分が写り込みたいという願望が強い。ですから、いちばんいい状態の紅葉を見せたい。たいてい散り際が真っ赤に染まって美しい。いい写真を撮るには晴天がいい。太陽の光の向きも重要です。でも、これが難しい。紅葉のピークは同じ場所でも気候によって変わるからです。去年良くても今年いいとは限らない」
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―桜もそうですが、紅葉も年によって見ごろの時期が変わりますものね。

「ひとつメディアのみなさんにお願いがあります。日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃないと伝えてほしいことです。なぜなら、一般に国内外の旅行会社やメディアが発信する日本の紅葉は真っ赤に染まった写真を使うことが多く、外国のお客さんはそれを期待して日本に来たところ、実際には黄色や緑も多く、必ずしも赤一色ではない。それでガッカリされる人がけっこういるのです。

もちろん、私はその方たちに日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない。黄色や緑や色とりどりの美しさがあると説明するのですが、先入観があるぶん、腑に落ちない気分になるようです。

実際には、中国語でいう“五彩缤纷”(たくさんの色が豪華絢爛で豊かに見える様)というべきで、最初からそのように伝えてあれば、そんなにガッカリされることもないと思うのです」

―なるほど、紅葉は「紅」と書きますから、赤一色と思いがちですね。でも、ガッカリされるのは期待値の高さから。桜とは違い、バリエーションも豊富なぶん、日本を代表する自然現象である紅葉について、もっと我々自身が深く理解し、説明することばを持たなければなりませんね。

※この点欧米のメディアは比較的バランスが取れていて、紅葉=赤一色という伝え方はしていないようです。たとえば、世界最大の現地発ツアーサイトであるviatorでは、東京の紅葉ツアーのトップページに以下のような写真を使っています。
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外国客はどうやって紅葉の時期やスポットを知るのだろう?
http://inbound.exblog.jp/27344010/

こうした説明の大切さは、相手が富裕層であれば、なおさらのことですね。

「海外のVIPほど、こうしたこだわりが強いのです。彼らはそれがいいか悪いかは常に自分で判断したがります。気に入らないと『不要(いらない)』とはっきり言う。食事も高級な料理店に連れて行けば満足するというのではなく、状況や気分によって地元の庶民的な場所で食事がしたいと言い出すかと思えば、逆のときもある。まったくうるさいことこのうえない客です。

でも、きちんと合理的な説明ができれば、彼らも納得します。そのためには、相当の知識と経験が必要です。そして、いったん満足してくれると、次回もまたお願いしたいという話になる。それが彼らのネットワークの中で口コミで伝わり、別のお客さんを呼んでくれる。それが富裕層旅行の世界です」

本州に紅葉前線が南下し始めるまでにはもうしばらくかかります。「日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない」。肝に銘じて、今後情報発信するように務めたいと思います。
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日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/
どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/27327434/
隠れたトレンドメーカー『香港ウォーカー』『Japan Walker』が伝える最新「紅葉」情報
http://inbound.exblog.jp/27354643/
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by sanyo-kansatu | 2017-10-16 09:53 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 16日

隠れたトレンドメーカー『香港ウォーカー』『Japan Walker』が伝える最新「紅葉」情報

日本を訪れる外国人が事前にさまざまな紅葉情報を入手し、ツアーや目的先を選んでいることを前回までみてきました。

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/
外国客はどうやって紅葉の時期やスポットを知るのだろう?
http://inbound.exblog.jp/27344010/

なかでも香港と台湾の人たちの情報集力は他の国・地域に比べ群を抜いています。

香港では例年、8月下旬から9月上旬の頃、新聞やネット報道でその年の日本の紅葉の見ごろ時期の予想を取り上げるといいます(以下は去年の例です)。

日本公布賞楓期預測 部分地區紅葉料遲來(2016年9月07日)
http://hk.on.cc/int/bkn/cnt/news/20160907/bknint-20160907131910494-0907_17011_001.html
紅葉銀杏觀賞期延 旺秋季旅團(2016-08-23)
http://news.wenweipo.com/2016/08/23/IN1608230066.htm

こうした関心の高さは、日本政府観光局(JNTO)が継続的に他の国・地域に先駆けて香港人向けに紅葉の魅力を伝えてきたことも背景にあります。

JNTO香港 http://www.welcome2japan.hk/

しかし、それ以上に影響力があったと思われるのは、香港や台湾で株式会社KADOKAWAが発行してきた現地情報誌や日本旅行情報誌です。

たとえば、香港では2007年11月創刊の『香港ウォーカー』があります。「旅慣れた香港の人々をも満足させる日本情報が満載」の月刊誌です。
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↑2017年10月号

香港ウォーカー
https://www.facebook.com/HongkongWalker.hk/

台湾には1999年創刊の現地情報誌『台北ウォーカー』があり、早い時期から日本旅行情報を発信してきました。15年8月に創刊された『Japan Walker』は台湾で唯一の「日本旅行専門月刊情報誌」です。
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↑2016年10月号

Japan Walker
https://www.facebook.com/JapanWalker.KADOKAWA/
台北ウォーカー
http://www.taipeiwalker.com.tw/

海外には日本旅行情報を伝えるフリーペーパーはたくさんありますが、市販の雑誌があることは香港や台湾の特徴であり、なぜ彼らがこれほど日本のことをよく知っているかは、これら隠れたトレンドメーカーの地道な情報発信にあるといえます。

過去最高400万人超えの台湾客はいま日本で何を楽しみたいのか?
http://inbound.exblog.jp/26690327/

本ブログで何度も話を聞いたことのある友人の鈴木夕未さん(株式会社KADOKAWA)は、上記の2誌の現地での立ち上げに関わった編集者です。両誌が扱う日本の紅葉特集について彼女に話を聞くことができました。

―香港や台湾の人たちにとって日本の紅葉の魅力とは何なのでしょうか。

「日本のようなはっきりした四季がない台湾、自然が少なく高層ビルに囲まれた環境に暮らす香港の人たちにとって、季節感を感じられることがいちばんの魅力かと思います。これは、紅葉に限らず、桜も同様です。

なかでも彼らが強く魅力を感じるポイントは、紅葉の色の艶やかさと日本的な情緒の組み合わせにあると思います。具体的にいうと、紅葉と滝や寺社仏閣、お城など。なにしろみなさんその風景をバックに自分が写り込む写真を撮るのが好きで、“インスタ映え”を気にしています。フォトジェニックな1枚を撮ろうと必死です。最近では、湖面に映る紅葉とか、さまざまなバリエーションが生まれています。

※クラブツーリズムが催行する紅葉ツアーのイチ押しは、河口湖への日帰りバスツアーでしたが、このツアーを募集するサイトのトップの写真は、富士山と新倉山浅間神社の五重塔と紅葉の組み合わせでした。要するに、紅葉にもうひとつ日本的情緒が感じられるアイテムが加わることで、彼らの気持ちをグッとつかむことができるというわけです。
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どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/27327434/

―『香港ウォーカー』や『Japan Walker』では日本の紅葉特集はあるのでしょうか。どんな内容ですか。

「毎年紅葉特集はやっています。ただし、香港と台湾では、それぞれ読者の求める嗜好やニーズが違います。

まず台湾の話でいうと、昨年の『Japan Walker』では「秋季賞楓微旅行(秋のもみじ狩りプチ旅行)」というタイトルの特集をやりました。内容は、紅葉旅行をいくつかのテーマ別に分けてコースを紹介しています。具体的には、以下の3つです。

・紅葉×鉄道…嵯峨野トロッコ列車(京都)、叡山電車展望列車(京都)など
・紅葉×温泉…ねぎや陸楓閣(兵庫)、吉池(神奈川)など
・紅葉×日本庭園…六義園(東京)、兼六園(石川)など

さらに“達人の旅”として、九重“夢”吊り橋(大分)や。香嵐渓(愛知)、長瀞渓谷(埼玉)、下栗の里(長野)などを紹介しています。

一方、香港は、最新号(10月号)で紅葉特集を組んでいます。タイトルは「秋の京都 紅葉単車遊(サイクリングでもみじ狩り)」です。

―台湾や香港の雑誌では、特集のタイトルやスポット名などにも日本語は普通に使われているんですね。彼らは日常的に日本語を見慣れているし、そのほうがかえって日本的なイメージが訴求できるのでしょうね。ところで、台湾と香港の違いはどこにありますか。

「香港人はアクティブです。いま台湾や香港はサイクリングブームです。特に香港では街で自由に自転車に乗れる環境ではないため、日本で体験したいという人が多いです。香港はストレス社会ですから、日本ではのんびりリラックスして過ごすことも大切にしているように感じます。だから“サイクリングでもみじ狩り”という自然の中でアクティブな体験をするような特集になるのだと思います。最近、香港では日本でグランピング(グラマラス×キャンピングの造語でラグジュラリーなアウトドア体験)を楽しみたいという人が増えています。

一方、台湾人の鉄道好きは有名です。日本全国の観光列車に乗りたい人は多く、できれば紅葉の時期に行ってみたい。温泉や日本庭園など、日本文化に対する憧れは、香港人より強いと思います。台湾の人たちは、日本人と同じことをしたいと思っているんです。

だからでしょうか。香港と台湾では同じ情報誌でも誌面づくりが違います。香港の場合は圧倒的にビジュアル優先で、情報は少なめでいいという考え方です。『香港ウォーカー』の写真は同誌のカメラマンでもある編集長が撮ったものも多く、かなり凝ったアートっぽいテイストです。『Japan Walker』が日本の情報誌同様、それぞれのスポットに関する細かい情報やアクセスなどをきちんと書き込んであるのとは対照的です。でも、台湾の読者はそれを求めています。香港の人に聞くと『情報はスマホで探せるから必要ない。行ってみたいと思わせる写真やイメージがあればいい』と答えます。両誌の編集方針がまったく異なっているのはそのためです」

双方の違いも含めて、香港や台湾の人たちが常に新しい訪日旅行のシーンを切り拓いてくれる理由がよくわかった気がします。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-16 08:11 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 15日

外国客はどうやって紅葉の時期やスポットを知るのだろう?

知名度でいえば、これまで日本は桜の国でした。では、紅葉について外国人たちはどうやって知るようになったのでしょうか。

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/
どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/27327434/

訪日旅行シーンの先駆けを常に走る香港や台湾の旅行会社では、8月頃からすでに日本の紅葉をテーマとしたツアーを募集しています。以下、日本の紅葉ツアーの最後の商戦の時期となる10月初旬の各社のHPをみてみましょう。

まず香港で訪日客数トップの旅行会社です。すでに紅葉ツアー販売は終盤で、日本のみならず韓国や中国の紅葉スポットを訪ねるツアーも企画しています。
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EGLツアーズ(香港)
http://www.egltours.com/travel/showIndex

以下、香港のオンライン旅行会社のサイトです。この時期、ともにトップページは日本の紅葉です(10月下旬以降は、次の募集で雪のシーンに変わることでしょう)。
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Klook(香港)
https://www.klook.com/

このオンライン旅行会社では、大阪の紅葉ツアーをディスカウント価格で販売していました。
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TravelZoo HongKong(香港)
https://www.travelzoo.com/hk/

こちらは台湾のオンライン旅行会社です。
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KKday(台湾)
https://www.kkday.com/zh-tw/home/index2

これらのサイトをみると、いま香港や台湾の人たちがどんな紅葉ツアーを楽しんでいるか、よくわかります。ここから感じるのは、彼らがもうほとんど日本人と変わらない旅をしているということです。

昨年の訪日客数でアメリカに次ぐ6位となったタイ人の場合はどうでしょう。

タイでは日本のHISが多くの店舗を構え、タイ人を日本に送り出しています。HISバンコク支店のサイトをみると、やはりこの時期、紅葉ツアーがイチ押しとなっています(その後はこれが雪に変わるでしょう)。 
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HISバンコク支店
https://th.his-bkk.com/

日本国内各地を3泊5日で5000バーツ(約17万円)相当のツアーが販売されています。

タイでは、台湾と同様、日本のテレビ番組が普通に見られるだけでなく、自らも日本に関するたくさんの番組を制作しています。YOU TUBEで探すと、以下のような日本旅行をテーマにした動画がいくつも見つかります。タイ人はこうした豊富な情報源を通して自由に日本旅行を計画するのです。

JapanX TV Official
https://www.youtube.com/channel/UC6aKtvk59_F-Iq2WaOOkFlw
WabisabiTV
https://www.youtube.com/user/WABISABITV1
SUGOI JAPAN
http://www.sugoijp.com/

このサイトの中に、愛知県の香嵐渓の記事が載っていました。今年はタイ人が増えるかもしれません。
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香嵐渓
http://www.sugoijp.com/news_details.php?id=33
香嵐渓もみじ祭り(2017年11月1日~30日)
http://asuke.info/event/nov/entry-705.html

また同サイトには、日本の紅葉が南下していく時期の予報をする記事もありました。こうやってタイ人たちはいつ日本のどこに行けばいいか知ることができるんですね。
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Japan Fall Foliage Forecast
http://www.sugoijp.com/news_details.php?id=174

ところで、この記事は日本発の観光&生活情報サイトのTokyo Cheapoからの引用のようです。ぼくはこのサイトの存在をこのとき知ったのですが、日本在住の欧米人たちが発信する英語の情報源となっています。
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Tokyo Cheapo
https://tokyocheapo.com/

このサイトでも、この時期、東京や日本各地の紅葉スポットを紹介するレポートがいくつかありました。

Koyo: 10 Places to See Autumn Leaves In and Around Tokyo(東京とその近郊の紅葉スポット10)
https://tokyocheapo.com/lifestyle/outdoors/koyo-autumn-leaves-in-tokyo/
Autumn Day Trips from Tokyo to Give You Those Fall Feels(日光や奥多摩など、東京から行ける紅葉スポット)
https://tokyocheapo.com/entertainment/tokyo-autumn-leaves-day-trips/

欧米人による老舗日本旅行サイトのjapan guide.comでも全国の紅葉スポットを紹介しています。

Autumn Colors(japan-guide.com)
https://www.japan-guide.com/e/e2014.html

以上は英語情報とはいえ、国内発のものですが、トリップアドバイザーの傘下で、全世界の現地発ツアーを扱うviatorでも、tokyoやkyotoは人気の旅行都市の上位に入っており、もちろん紅葉ツアーの予約情報を掲載しています。

viator http://www.viator.com/

tokyoのページをみてみましょう。
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viator tokyo
https://www.viator.com/Tokyo/d334-ttd

もちろん、ここでもトップページは紅葉特集です。

Foliage in Tokyo 東京の紅葉
Discover the beauty that rivals cherry blossom season 桜の季節のライバルとなる美を見つけよう
See Autumn Leaves

これをクリックすると、いつどこで紅葉が見られるかという説明と全国各地の紅葉ツアーが紹介されています。

Where to See Autumn Leaves in Japan
https://www.viator.com/Japan-tourism/Where-to-See-Autumn-Leaves-in-Japan/d16-t26427?pub=ttd1982

このページには以下のような説明があります。そこには、紅葉の色について、赤やオレンジ、黄色など、さまざまな色があると書かれてています。紅葉=赤(マッカッカ)だけではない。実はこの説明はけっこう重要です。

Colorful autumn foliage, known as koyo or momiji in Japanese, makes autumn a popular time for visitors to Japan—nearly as popular as the spring cherry blossom season. Here's what you need to know about experiencing koyo as it sweeps across the country in a parade of color each year.

When to Go
The season for fall colors typically kicks off in mid-September and lasts until December, with red, orange, and yellow colors lasting in a single location for as long as five weeks. Much like the cherry blossoms in spring, the fall spectacle reaches its peak at different times depending on the location and weather.

Where to Go
While Japan has no shortage of scenic spots for leaf-peeping, some of the most famous include the temples of Kyoto, the national parks on Hokkaido (Japan's northernmost island), Biwako Valley, Lake Towada in Aomori Prefecture, Arashiyama, Mt. Fuji, Tokyo's parks and gardens, and Nikko National Park, located just a couple hours outside the capital.

How to Go
During the fall leaf-peeping season, tours to see the natural spectacle depart from Tokyo, Osaka, Kyoto, and Nagoya. Choose a day trip, such as a guided tour of Nikko or a Tokyo walking tour, or a multi-day tour that take you to several of Japan's best spots for koyo. Choose a two-day journey through Miyagi and Fukushima prefectures to both enjoy autumn colors and onsen hot spring soaks.

そして、日光をはじめ、袋田の滝(茨城県)、長瀞の滝(埼玉県)、富士山と河口湖、びわ湖バレイと鶏足寺、小豆島(香川県)、香嵐渓(愛知県)などの日帰りツアー(発地は東京や京都、大阪などいろいろ)の料金が表示され、海外からネット予約できるようになっています。

これまで海外の紅葉ツアー情報についてざっとみてきましたが、日本の秋はもみじ狩りを楽しむものだということは、すでに世界でも知られていることがわかります。

では、実際に外国客たちが日本の紅葉をどのように楽しんでいるかについて、次にみてみたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-15 12:46 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 13日

どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?

ここ数年、秋に日本を訪れる外国人が増えているという話を前回しました。増えている理由のひとつが紅葉です。

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/

では、彼らはどこでどのように紅葉を楽しんでいるのでしょうか。

旅行大手のクラブツーリズムは、2009年から外国人向けの国内バスツアーを催行しています。
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CLUB TOURISM YOKOSO Japan Tour
http://www.yokoso-japan.jp

同社は、東京、名古屋、大阪、九州、広島、北海道発の各種紅葉バスツアーを催行していて、ピークシーズンは10月下旬から11月にかけてだそうです。大半の商品は日帰りツアーです。

どこの国が多いかというと、トップは断然香港で、次いで台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、最近はインドネシアの人が増えているそうです。一方、中国本土客は少なく、5%にも満たないとか。

同社はこれらアジア客をメインとした20万人のメルマガ会員がいて、季節に合わせて変わるツアーのリピーターも多いようです。

同社の担当者によると「以前は中華圏の旧正月時期や4月~5月が圧倒的に多く、秋は閑散期だったが、ここ数年はすごい勢いで増えている」といいます。実際、10月~12月のツアー客数が年々倍々ゲームで、なんと2017年10月~11月の予約数は前年同月比200%前後、12月は300%強。

なかでも最も人気があるのが、商品名が英語・中国語ともに、とても長いのですが、要するに、河口湖への日帰りツアーです。これは外国人専用ツアーで、英語や中国語のわかる添乗員が同乗します。
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Departure guaranteed! Mt. Fuji & 5-Storied Pagoda "Arakurayama Sengen Park"・Sagamiko Illumillion・Koro-kaki no Sato (Village of Dried Persimmons)・Autumn Leaves in Lake Kawaguchi
全日程保證出發! 富士山&新倉山淺間公園 五重塔・相模湖霓虹燈秀・曬柿子之里・河口湖賞楓
http://www.yokoso-japan.jp/en/05522.html
http://www.yokoso-japan.jp/tc/05522.html

日程はこうです。ツアー料金は、大人8900円、子供8600円、幼児5000円です。

ホテルグレイスリー新宿(8:10発)→新宿ワシントンホテル(8:30 発)→<首都高・中央道>→(10:00)シャトー勝沼(10:30)【買い物・試飲30分】→ころ柿の里(10:50)【散策】→信玄館(12:20 )【昼食】→(13:30)新倉山浅間公園(14:40)【散策70分】→(15:00)河口湖(16:00)【紅葉鑑賞60分】→<中央道>→(17:00)さがみ湖プレジャーフォレスト(18:00)【イルミネーション鑑賞60分】→<中央道・首都高>→新宿(19:00予定)

担当者によると「このツアーは、メインビジュアルに新倉山浅間神社を置いています。『五重塔と富士山と紅葉』という外国人が好む風景が組み合わさったもの。紅葉そのものというより、新倉山浅間神社の富士山ビューで人気を博しているものと考えます。またこのツアーは、昼食に松坂牛のローストビーフとほうとう鍋をつけています。これも人気の要因のひとつです」。

ツアー客たちが紅葉を楽しむうえでの最も重要なポイントは「紅葉を背景に自分の写真を撮ること」。それだけに、バックに富士山と紅葉、さらには五重塔まで入れることで、日本的な情緒を濃厚に伝える3点セットを丸ごと写真に収められること、そこに自分が主人公として映り込むことができる。それが河口湖ツアーが人気の理由だと思います。

実は、HISでも同じような外国人向けバスツアーを催行しています。HISのインバウンド担当者のイチ押しツアーは、クラブツーリズムと同じ河口湖への日帰りツアーでした。

でも、中身はちょっと違います。
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英語:Mt.Fuji Autumn Leaves Light-up Festival & Shosenkyo Gorge Bus Tour!(※英語添乗員付)
日本語:山梨の紅葉いいとこどりっ☆昇仙峡と河口湖もみじ回廊ライトアップ&ラストシーズン!秋めく富士山五合目
http://www.hisgo.com/j1/Contents/OptionalTour/DetailOptionalTour.aspx?TourCd=TYO1166&lang=en
(日本語:https://bus-tour.his-j.com/tyo/item/?cc=A1041

コースはこうです。ツアー料金は7990円~8490円。

新宿発→昇仙峡(秋めく渓谷美を観賞)→影絵の森美術館(世界初の影絵美術館で光と影のアートを鑑賞)→富士山五合目(ラストシーズン!標高2,305mの絶景散歩)→富士河口湖紅葉まつり(幻想的な河口湖もみじ回廊ライトアップの観賞)→新宿

HISの担当者によると「ポイントは何といっても、幻想的な河口湖もみじ回廊のライトアップをご覧になって頂けること。訪日旅行者に定番人気の富士山5合目や、今後人気が出てきそうな昇仙峡や影絵の森美術館など最新のスポットを入れております」とのこと。
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ちなみに、このバスツアーは日本人客と外国客の混乗です。11/5、11/11、11/19は、英語を話せる添乗員が同乗するそうです。実は、クラブツーリズムの場合も日本人と外国人が混載するツアーと外国人専用のツアーがあります。

このツアーのハイライトである「もみじ回廊」を訪ねる目安は16:40~17:00頃。滞在時間は約1時間~1時間半です。

このツアーは、HISの外国客向けサイトのhisgoや同社が運営する原宿の観光案内所(H.I.S. HARAJUKU Tourist Information Center)で販売しています。

hisgo
http://www.hisgo.com

H.I.S. HARAJUKU Tourist Information Center
https://www.his-j.com/japan-tourist/tyo/

どちらのツアーも1万円を切る手頃な料金で、日本人も普通に参加しても十分楽しめるし、実際、日本人と外国人が一緒にバスに混載する点も面白いと思います。いまや日本人も外国人と一緒にバスツアーを楽しむ時代なのです。

日本の旅行会社は、もう30年以上前から国内客向けに格安なのにコンテンツはボリューム満点、多種多様なバスツアーを季節ごとに催行してきました。その資源を、インバウンドの時代になって、そのまま外国客向けに提供したところ、アジア客にもウケたという話です。日本人が感じるお得感は、彼らも理解できるのでしょう。

ただし、クラブツーリズムの担当者によると、欧米客への訴求は同じようにはいかないとか。旅に対する考え方が違うせいなのでしょうが、この値段でこれだけ中身の充実した体験ができるのは彼らにとっても悪い話ではないと思います。PRの方法を考えるともに、欧米客にも好まれる商品の形とはどういうものなのか、検討する必要がありそうです。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-13 18:15 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 13日

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?

これまで日本を訪れる外国人観光客の数は、月によって多かったり少なかったり、要するに繁忙期と閑散期に分かれており、春や夏が多く、秋や冬は少ないとされていました。

ところが、ここ数年、秋や冬に日本を訪れる外国人が増えており、1年を通して満遍なく彼らの姿を見かけるようになりました。それはデータからもいえるようです。

日本政府観光局(JNTO)の集計からこの5年間の月別外客数のトップ3を以下、調べてみました。

国籍/月別 訪日外客数(2003年~2017年)JNTO
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf

月別訪日外客数トップ3(2012年~16年)※外客数と( )は前年同月増比

2016
7月 2,296,451(19.7) ★10月 2,135,904(16.8) 4月 2,081,697(18.0) 
※11月は1,875,404(13.8)で11位

2015
7月 1,918,356(51.0) ★10月 1,829,265(43.8) 8月 1,817,023(63.8) 
※4月は1,764,691(43.3) で5位、11月は1,647,550(41.0)で6位

2014
★10月 1,271,705(37.0) 7月 1,270,048(26.6) 12月 1,236,073(43.0) 
※4月は1,231,471(33.4)で4位、11月は1,168,427(39.1)で5位

2013年
7月 1,003,032(18.4) ★10月 928,560(31.6) 4月 923,017(18.4) 
※11月は839,891(29.5)で10位

2012年
7月 847,194(50.9) 4月 779,481(163.5) 8月 774,239(41.7)
※★10月は705,848(14.6)で4位、11月は648,548(17.6)で11位

これをみると、月別トップは東アジアの国々が夏休みに入る7月ですが、中華圏が春節休暇に入る1月~2月、桜の開花や欧米のイースター休暇が重なる4月よりも、明らかに10月のほうが多いのです。10月は中国の国慶節休暇に入るので、訪日客数トップの中国客が全体の数を押し上げるとはいえ、肌感覚でいうと街に外国客があふれていることを強く感じる桜シーズンの4月よりも10月のほうが数が多いことがわかります。

では、なぜ秋に日本を訪れる外国人観光客が増えているのでしょうか。

理由として考えられることのひとつは、訪日外国人の団体客から個人客への移行が進み、とりわけアジアからのリピーターが増えたことから、繁忙期の夏ではなく、日本旅行の時期を秋にズラすという発想で動く層が現れていることが考えられます。日本人が8月ではなく、9月以降に遅めの夏休みを取るというのと同じでしょう。なにしろ近年、日本の夏は相当蒸し暑いので、旅行に適しているとはいいにくい面もあります。もともと暑いアジアの国から来る人たちは、できれば涼しい日本を体験したいでしょう。

もうひとつは、日本の紅葉の魅力が広く伝わったことがあると考えられます。

日本の紅葉は世界でも特別といわれるそうです。というのも、紅葉が見られるのは落葉樹だけで、多く存在している地域は、日本など東アジアの沿岸部やヨーロッパの一部、北アメリカの東部に限られます。なかでも日本は落葉広葉樹の種類が多いためで、バリエーションも豊富なのです。

日本の紅葉が世界一美しいと言われる理由が奇跡的だった!
https://matome.naver.jp/odai/2141615563062857401

「万葉集」「源氏物語」、「百人一首」などにも、紅葉が出てくるほど、日本人は古来もみじ狩りを楽しんでいましたが、外国の人たちはどうなんでしょう。

というわけで、次回以降、「外国人にとって紅葉の何が魅力なのか」「日本の紅葉を外国客たちがどのように楽しんでいるのか」といった話をもう少し詳しく調べていこうと思います。

どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/27327434/
外国客はどうやって紅葉の時期やスポットを知るのだろう?
http://inbound.exblog.jp/27344010/
隠れたトレンドメーカー『HK Walker』『Japan Walker』が伝える最新「紅葉」情報
http://inbound.exblog.jp/27354643/
「日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない」と海外のお客さんに伝えてほしい
http://inbound.exblog.jp/27355466/
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by sanyo-kansatu | 2017-10-13 15:26 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 27日

通訳案内士&ランドオペレーター制度の規制緩和の話より事態はもっと進んでしまっている!

先週終わったツーリズムexpoジャパンですが、22日(金)の業界日にもうひとつのセミナーがありました。

対馬を訪れる韓国客40万人。理由はexpected unfamiliarity(似てるけどどっか違う)という国境特有の体験
http://inbound.exblog.jp/27141258/

訪日外国人の増加にともなう制度変更が懸案となっていた、来年から施行される新しい通訳案内士制度やランドオペレーター登録制度に関する観光庁からの説明です。
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膨大なパワポの資料が提示されたので、面白そうなものだけ挙げてみましょう。

まず「言語別通訳案内士登録者数」です。圧倒的に英語に偏っています。
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次に「都道府県別通訳案内士登録者数」。東京、神奈川などの首都圏の一極集中です。
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その結果、「言語別通訳案内士1人あたりの訪日外国客数」では、中国語、韓国語、タイ語の通訳が著しく少ないことが示されます。
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こうした現状は10年以上前から変わっていないのですが、その対策として「地域限定通訳案内士制度」を立ち上げています。
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そして、今回の規制緩和のキモは、いわゆる「業務独占の廃止」。すなはち、国家資格の通訳案内士でなくても、有償で通訳ガイドの仕事ができるようになったということです。ただし、国家資格を持たない通訳ガイドとの差別化のために「名称独占規制」は存続します。まだ仮称ですが、「全国通訳案内士」と呼ばれることになるそうです。
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この問題については、すでに関係者らの間で何年も議論してきたことですし、市場の大きな変化に対応した規制緩和だといわれれば、そうなんだろうなあという感じしかありません。結局のところ、フリーランスの職業である通訳ガイドの場合、語学能力だけでなく、さまざまな営業能力もあってこそ、続けられるものであるのは、いまも昔も変わりません。

問題なのは、むしろ「ランドオペレータ登録制度」の実効性でしょう。

なぜなら、「訪日旅行の手配構図の例」「ランドオペレーターに関する外国人のクレーム」で観光庁も説明するように、「ブラック免税店」と「闇ガイド」が結託した法外な値段の買い物強要が、外国客のいちばんのクレームとなっているからです。
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で、その解決策について、新制度ではこれまで誰がやっていたかすら把握していなかったランドオペレーターの登録を進め、ツアーパンフに通訳案内士同行の有無を記載することを義務付けることなどが挙げられています。同行の有無は、そのツアーの品質を保証することになるという理屈でしょうけれど、う~ん。
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実態から言えば、この程度のことで問題解決とは気の遠くなるような話です。

しかし、現在における訪日外国人の受け入れに関する問題の焦点はもっと別の次元に移っているというべきでしょう。なぜなら、訪日外国人における団体客の比率はだんだん下がり、個人客に移行しているからです。

では、どこに新たな問題が生まれているかというと、たとえば、中国事情に詳しいライターの高口康太さんが書いた中国の「白タク」の実態です。通訳案内士やランドオペレーター制度の規制緩和の話より、事態はもっと進んでしまっているのです。

日本各地で暗躍する中国版白タク「皇包車」の実態(Wedge2017.9.25)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10613

この問題は本ブログでも何度も指摘していますし、ぼく自身も以下の記事を書いています。

日本人が知らない、中国人観光客受け入れの黒い歴史(Newsweek2017年09月02日)
http://www.newsweekjapan.jp/nippon/season2/2017/09/198804.php

高口さんの記事が面白いのは、彼が実際に羽田空港や成田空港の現場を訪ね、中国の配車アプリサービスを利用して、日本国内で「白タク」に乗ってみるという体験取材をしていることです。利用者の立場に立てば、とても優れたサービスだと彼は書いています。

記事では「政府は、その実態や規模を全く把握できていない」と書かれていますが、実際はそんなことはないでしょう。日本より中国のシェアエコノミーの進化が早いため、対応できないだけのこと。じゃあしょうがない? でも、これじゃ日本のライドシェアをまじめに育てる意欲はなくなってしまいませんか。過疎地域の足など、いろんなニーズがあるはずなのに。

さらにいえば、「経済効果のリーケージ(漏出)」という問題があります。つまり、こんなに外国客が増えても、営業実態だけはあって、日本にお金が落ちず、経済効果を持ち去られてしまう。もちろん、これは規模の問題でもあるのですが、今日シェアエコノミーを軽んじるのは間違いでしょう。

だから、「知らなかった」ではすまないと思うのですが、とぼけてたほうが楽なのか。なんだかこの話、「ブラック免税店」や「闇ガイド」の存在を知りながら、ずっとやり過ごしてきた観光行政の姿勢と似ている気がします。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-27 10:00 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 10日

インバウンドの動きは地域によってタイムラグがあるのは自然なこと(鳥取でもゲストハウスラッシュ!)

先日、広島のゲストハウスに泊まった話を書きましたが、日本でおそらく最後に外国人が訪れるようになった中国地方では、ここ1、2年で鳥取のような小さな県でもインバウンドの動きが起きています。

広島のゲストハウスに泊まってみたら、なかなか楽しかった話(2017年09月08日)
http://inbound.exblog.jp/27102436/

それを感じたのは、鳥取にも昨年頃から外国人向けの安宿が数軒できたことです。

鳥取港に車で向かう途中、偶然見かけたのが「シャン亭」。インド好きの千石さんという30代前半の女性が昨年夏開業した宿なんですが、市内中心部から遠く、駅からバスで40分、しかも1時間1本というロケーション。鳥取砂丘も近ければいいんだけど、意外にそうでもないようで、本人も「私って経営のこととかよくわかんなくて…」。そう正直に語る彼女をみていると、少し心配になるのですが、部屋を覗かせてもらうと、スイス人の青年がパンツ一丁で歩いていたり、よくここを探し当てたなあという驚きも。サイクリストの人なんかもよく泊まりに来るとか。
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しゃん亭
http://shanti.guesthouse-tottori.com
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↑宿の看板の右に描かれた飾り傘は、鳥取の夏祭り「しゃんしゃん祭り」で使われるもの。地元愛が感じられます。

彼女の話では、駅の近くにはいま風のカフェバー付ゲストハウスもできているそう。

Y Pub&Hostel TOTTORI
http://y-tottori.com/

ネットで「鳥取 ゲストハウス」を検索すると、こんな地元発のサイトの記事がありました。

鳥取のゲストハウス一覧【2017年1月 更新】
http://tottorizumu.com/2016/03/02/tottori-guesthouse-matome/#Y-Pub-Hostel-TOTTOR-8211

これによると、今年1月現在、鳥取県には10軒のゲストハウスがあるようです。「しゃん亭」も紹介されています。

全国的にみると10年遅れかもしれませんが、鳥取県でも安宿ラッシュが起きているようです。

遅れて始まったからといって、なにも卑下するようなことはありません。インバウンドの動きは地域によってタイムラグがあるのは自然なことだからです。

観光庁などの統計によると、鳥取県を訪れる外国客の数は全国37位、宿泊者数は39位だそうです。しかもWifi登録件数は47位。コンサル系の人たちはこういう数字を見せて、地元を煽るのでしょうが、2000年代に始まった国レベルの訪日外国人の誘客キャンペーンがようやく鳥取のような日本海側の小さな地方都市にも及ぶようになっただけの話です。

それに合わせて行政も動き出そうとしていますが、当然課題はあります。10年前に比べれば、お金をかけずにプロモーションする手立てはいくつも開発されているので、新しい動きに行政ももっと敏感になってほしいと思います。

鳥取市の外国人向け大阪行きバス1000円は賢い施策だが、宣伝できていなくて残念 (2017年09月09日)
http://inbound.exblog.jp/27103837/

鳥取市は大阪からの高速バス外国人向け1000円キャンペーンを、これらのゲストハウスのサイトなどで宣伝してもらえばいのではないでしょうか。客層がマッチしている気がします。

ゲストハウスに泊まるような若い外国客は、なるべくお金をかけずに、日本の地方都市をのんびり旅しようとする、いわば日本旅行の先導者です。ささやかな地元の人たちとの交流が想い出となって、その後、結婚し、経済力を身につけた年代になったら、また訪ねてみようということはよくある話ですし、いまの時代、SNSで自国の友人たちに広めてくれます。

さらに、こういう話題で火がつけば、面白いことになるかもしれません。

まるでウユニ塩湖 鳥取砂丘で撮影された「奇跡の一枚」(朝日新聞2017年9月10日)
http://www.asahi.com/articles/ASK8Z7FXVK8ZPUUB00Q.html

鳥取砂丘(鳥取市)で撮影された「奇跡の一枚」と呼ばれる写真がネット上で話題になっている。波が引いた砂浜が「鏡」のようになり、空や人の姿を映し出す――。撮影に成功するには気象条件などがそろう必要があるが、同じような写真を撮ろうと訪れる人が増えている。

写真を撮影したのは、砂丘周辺で自転車ツアーを企画、運営する「TRAIL ON(トレイルオン)」(鳥取県湯梨浜町)代表の小椋宣洋さん(46)。ツアーは国などの許可を得ており、ファットバイクという通常よりタイヤの幅が広い自転車に乗って砂丘を走るもの。

昨年10月、ツアー客の思い出にとスマホで撮影。写真をフェイスブックに掲載したところ、旅行サイトで紹介された。SNSなどでも、空や人の姿が湖面に映される光景で知られる南米ボリビアのウユニ塩湖みたいと話題となった。県外客だけでなく、県民も砂丘の知らなかった一面に驚き、「同じような写真を撮りたい」とツアーに参加している。

8月25日午前の部に参加した10~20代の男女3人も、ネットに掲載された小椋さんの写真を見て興味を持ったという。ただ、「奇跡の一枚」はいつも撮れるわけではない。小椋さんによると、風や波、日光の差し具合などの条件が整う必要があるという。

この日、小椋さんはタイミングを見て、3人に波打ち際を走り抜けるよう指示。小椋さんは「今日のコンディションではこれが限界」と撮った写真を見せたが、ツアー客は「かっこいい」と声を弾ませた。奈良県の高校2年の岩井康洋さん(17)は「ウユニ塩湖っぽい写真が撮影できた。LINEのプロフィル画像にします」と満足げだった。

小椋さんは最近「写真だけが独り歩きしている」とも感じている。期待を込めて訪れた客がうまく撮影できず残念な思いをすることを心配する。「砂丘にはほかにも写真映えする場所があるので、砂丘の自然をもっと満喫してほしい」

ツアーは1回2時間程度で予約制。身長150センチ以上で、料金は1人5千円。不定休。問い合わせは(080・1649・1796)。

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by sanyo-kansatu | 2017-09-10 10:38 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 09日

大阪インバウンドのにぎわいは日本最強か!?

9月頭に大阪に立ち寄りました。当初その予定はなかったのですが、予約していたLCCが欠航となり、新幹線で帰ろうか思案したのですが、週末にかかっていたこともあり、1泊することにしたんです。

おかげで1年ぶりの大阪を、ほんの一部ですが、歩くことができました。

それにしても、大阪のインバウンドのにぎわいは、相変わらずすごいですね。

そこで、東京ではなかなか見られない、大阪ならではのインバウンドな風景の数々をご紹介しようと思います。

まず大阪といえば心斎橋商店街。一部を除き、多くの店が開くのは午前11時ですが、10時過ぎると商店街は外国客だらけです。日本人はこの時間帯、少数派です。
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この日はアジア系の若い女性のふたり組というのが目に付きました。前者のスキのなさげな都会風は中国系で、ペアルック(?)でゆるい感じのふたりは台湾系でしょうか(あくまでイメージです…)。
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なぜかサッカー日本代表のユニフォームを身につけたタイ人の女の子たちもいました。日本代表のWカップ出場が決まった翌朝だったのですが、面白いですね。
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ビニール袋にいっぱい買い物をした若い女性のふたり組が歩いてきたので、袋の中身だけこっそり接写(失礼!)したところ、さきいかやユニチャームのシルコットやらチープな爆買い商品満載でした。
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なにしろマツキヨでは、外国客限定でFacebookや微信で優待券をダウンロードした客には、消費税8%プラス7%もの割引をするというのですから。「爆買い」は終わったといわれ、一時ほどの売上げはないと思われますが、大阪ではドラッグストア系を中心に客の争奪合戦が繰り広げられています。アジア客が買い物好きであることは変わらないのですから当然でしょう。じゃあ日本を旅行中どの町で買おうかというとき、商品が豊富で潔く割引してくれる大阪が選ばれるのだと思います。さすがは「商売の街」。
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ダイコク屋の中国人女性店員も、商品の書かれた宣伝パネルを掲げて大声で客引きをしています。
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難波に近い黒門市場にも足を運んでみました。もう数年前からですが、外国客であふれて縁日のようなにぎわいです。もともとここは高級食材専門の市場でした。ですので、カニやらウナギやらフルーツやら、あらゆる食材が観光客用に見せ前に並べられ、観光客は立ち食いしています。ここまで外国客で密集し、立ち食い客てにぎわう商店街は、全国を探してもないかもしれません。大阪すごいです。
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大阪城にもちょこっと寄ってみました。インド系の若い3人組に会いました。大阪城をバックに写真を撮りまくっていました。
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ところで、今回大阪でいくつかの発見をしました。もしかしたら、東京でも見られる光景なのかもしれませんが、まずは難波の高島屋の資生堂コーナーの前に並ぶ中国客です。なんでも限定商品の販売があることを聞きつけてきたからだそう。
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中国客は、すでに日本の家電商品は世界的なブランド性を喪失しており、むしろ中国家電のほうが広く支持されていることを知っていますから、家電量販店には以前ほど足を運ばなくなりましたが、化粧品をはじめとしたドラッグストア系商品の日本の価値は認めているため、どこで誰が情報を広めたのか、限定商品が販売されると聞くと、この行列です。彼らはやることがはっきりしていて、わかりやすいともいえます。

おかげで高島屋の1階はスーツケースを引きずる中国客であふれています。きっと中国人以外の人もいるのでしょうけれど、コスメ売り場で彼女と一緒に並んで買い物をするあたり、どう見ても華人的ふるまいです。ここまでやるのが優しい中国男なのです。
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興味深かったのが、難波のOCAT(大阪シティエアターミナル)と関西空港の国際線到着ロビーのHISカウンターで見た以下のパネルでした。
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これらは以下の中国の(一部、台湾、香港系もある)オンライン旅行会社で販売されているJRパスや大阪周遊パスなどの受け取り窓口であることを示すものです。

Kloock(客路) https://www.klook.com/ https://www.klook.com/zh-TW/ ※台湾、香港系
JTR WEB http://www.jtrweb.com/
大衆点評 https://www.dianping.com/ ※中国系
C-trip  http://www.ctrip.com   http://jp.ctrip.com ※中国系
蚂蜂窝 http://www.mafengwo.cn/  ※中国系
KKday https://www.kkday.com/zh-tw/home/index2 ※台湾系
出国去 http://www.chuguoqu.com/ ※中国系
穷游网  http://www.qyer.com/  ※中国系
最会游  http://www.zuihuiyou.com/  ※中国系
同程旅游 https://www.ly.com/  ※中国系
南湖国旅 https://www.nanhutravel.com/ 中国系

関空のHISの前には行列ができていました。もしかしたら、ここで並んでいる中国客の中には「こんなのわざわざ発券しないでアプリで対応してくれればいいのに。日本って遅れてる…」と心の中でつぶやいている人がいるかもしれません。中国では高速鉄道の発券は事前にネット予約し、窓口ではなく、発券機で簡単に受け取ることができますから。
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こうした中国オンライン旅行社の受け取りを東京各地にあるHISツーリストインフォメーションなどで行っているかどうかはまだ確認していません。

さて、最後にいくつか気づいたこと、新たに知ったことなどを書いておきます。

JR大阪駅のツーリストインフォメーションでは、海外のVIPに人気のとんだばやしを売り出そうとしていました。
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中国の富豪たちがショックを受ける町 「大阪・富田林」を歩く(2016年05月30日)
http://inbound.exblog.jp/25859112/

大阪環状線JR新今宮駅のホームの前に広がる空き地は、星野リゾートが購入した高級旅館の建設予定地です。線路の反対側には西成のあいりん地区が広がっています。
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関空行きの南海の急行電車はこのとおり、スーツケースが並んでいます。昨年秋、こんなこともありましたね。
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「外国人多くご不便を」とアナウンスした車掌さん 訪日客急増で日本人はストレスをためてる? (2016年 10月 11日 )
http://inbound.exblog.jp/26268458/

最後は関空第2ターミナルの国際線乗り場近くで見かけた、いま話題の中国「白タク」です。実は、成田空港でも何台も見かけました。
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大都市圏を中心に増殖中!中国系「越境白タク」の問題点を追跡 (2017年06月26日)
http://inbound.exblog.jp/26951467/

大阪の友人と梅田駅周辺を歩いていたときも、あるホテルのロビーに中国「白タク」がいました。

友人は「ここにもあそこにもですよ…」とぼやいていました。

最後のオチで少しがっかりさせてしまったかもしれませんが、大阪は日本のインバウンドの最前線であることは間違いありません。

大阪と東京のインバウンドの特徴の違いを外国人の視点で考えてみる (2016年01月31日)
http://inbound.exblog.jp/25315756/
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by sanyo-kansatu | 2017-09-09 13:31 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 09日

鳥取市の外国人向け大阪行きバス1000円は賢い施策だが、宣伝できていなくて残念

今朝、ぼくはFacebookで先月の広島行きの交通手段についてこんな書き込みをしました。

「今回広島にはLCCのスプリングジャパンを使いました、成田第3ターミナルまでのバス代は東京駅八重洲口発で1000円(ネット予約なら900円)、広島空港から市内までのリムジンバスは1370円です。これなら新幹線や高速バスより安く広島にいけそうです」

今回の旅は、外国人観光客の立場になって、なるべくお金をかけないで楽しもうと考えていたので、ちょっとした報告のつもりでした。
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すると、ある友人から以下の返信がありました。

「広島空港からのバスが高いなと、以前からやや不満に思っています。他に手段がないんですよね...」

広島空港は市内から少し離れているので、そのくらいの料金はかかっても仕方がないとぼくは考えていたので、

「1時間くらいかかるので、まあ仕方がないかも。成田のように競合するバス会社はないでしょうし」と書き込んだら、

「何度か行きましたが、空港バスは1000円位までがありがたいですね。特に外国人目線であれば!」との返信。

そうか…。この友人は海外在住の人なので、「外国人目線」になると、そうかもしれません。なるほどと思いつつ、ぼくは再度こう書き込みました。ほとんど返しになっていませんが。

「ただ10月からシンガポール線が広島に飛ぶこともあり、バスの増便はしているようです」

それからしばらく。空港までのバス代1000円といえば、東京駅・成田空港間だけではないことを、ぼくは思い出しました。そして、再び書き込むことにしました。

「実は、鳥取市は大阪との高速バスを外国人に限り1000円(ふつうは3700円)にする助成をしています。まだ十分知られていないようで、利用者は少ないと聞きました。こういうことに助成をするのは、とても賢いやり方だと思います。PRに多額の税金を使うのに比べれば、安いものだからです。ただこんなに日本人の一般客と差をつけられてしまうのはどうなんだろう、という声もあるかもしれません。」
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外国人観光客限定超割引鳥取-大阪1000円高速バス
Only for foreign tourists! Special Price Bus!
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1492568317584/index.html
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これによると、今年6月から来年3月31日までの期間限定で、通常3700円の鳥取・大阪間の高速バス代が、市の助成により、外国人限定で1000円になっていることがわかります。

鳥取県には県庁所在地の鳥取市と東部の米子市に空港があるのですが、鳥取空港は羽田便のみの運航で、国際線はありません(米子空港はソウル便、香港便がある)。

つまり、鳥取県東部に外国人を送り込むには、米子空港以上に、関西国際空港から呼び込むのが効果的です。同じことは、国際線があるとはいえ、岡山や兵庫、徳島などでも実は同様です。

その意味では、拠点空港からのバス代を行政が助成するという施策は、実に賢いことです。広告代理店やコンサル会社に多額の税金を渡してPRしたところで、たいした効果がないし、個人旅行の時代、いちばん大事なのはアクセスのコストの軽減だからです。

ネットでざっと見たところ、岡山や徳島からの大阪行きバス料金は、鳥取県のような助成はやっていないようです。

もっとも、Facebookにも書いたように、ひとりの乗客として、自分は3700円払わなければならないのに、外国人は1000円というのは不公平? そんな気分がないわけではありません。そこで、鳥取市のバスセンターのカウンターのスタッフに、外国客の利用状況について聞くと「1日数名くらいでしょうか」というものでした。ほとんど活用されていないのが実態でした。

宣伝がほぼできていないせいだと思われます。バスセンターのラックにチラシが置かれていましたが、これでは目につきませんし、そもそもいまどきチラシをつくっても、外国人の手には届きません。鳥取に来てもらうためには、日本に来る前にこの割引運賃を知っておかなければ、旅行計画の材料にもなりません。
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鳥取市役所のHPの外国語ページをみても、載っていないようです。

鳥取市役所の外国語ページ
http://www.city.tottori.lg.jp/foreign/index.htm

せめて関空の外国語のアクセスページに載せていれば見る可能性もあるのでしょうが、鳥取市としては広告まで出す考えはないのでしょう。

関西国際空港の英語のアクセスページ
http://www.kansai-airport.or.jp/en/index.asp

こういうところに日本の自治体の限界が見えるというか、PR手法をもっとネットに集約すべきなのに、やることが中途半端で効果を生み出せていない実例にもなっている気がします。担当者が訪日外国人の実態をリアルに把握していないからでしょう。

とはいえ、これは自治体だけの問題というよりも、日本のIT力が国際的に圧倒的に弱いせいで、海外に通じる情報のプラットフォームをほとんど生み出せていないことがいちばん大きな問題でしょう。Live Japanの惨憺たるありさまはそれを象徴しています。

残念です。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-09 11:07 | “参与観察”日誌 | Comments(0)