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2013年 11月 29日

アジアのFIT客が日本の国内バスツアーに乗る時代になった

先日、インバウンド(訪日外国人旅行)サイト「やまとごころ.jp」の仕事で、新聞広告などでおなじみの多彩なバスツアーを企画催行しているクラブツーリズムを取材しました。いま同社の国内バスツアーでは日本のツアー客とアジアからの訪日客が同じバスに乗って一緒に旅行するようになっているそうです。これは日本のインバウンド、そして国内旅行の近未来の姿を考えるうえで、とても興味深い出来事だと思います。以下その記事を採録します。

やまとごころ.jp「クラブツーリズム」インタビュー
http://www.yamatogokoro.jp/inbound-interview/2013/index07.html
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新聞広告やツアー会員誌「旅の友」でおなじみの個性あふれるバスツアーを長年企画販売してきたクラブツーリズムが、2009年から外国人客向けバスツアーの募集を開始。アジアからのFIT客の集客に手応えを感じ始めている。どんなツアーが人気なのか。集客やプロモーションはどうしているのか。クラブツーリズム株式会社インバウンド推進部リーダーの関口和郎氏に話をうかがってみた。

目次:
外国人客に人気のツアーは?
アジア客向けのサービスのポイント
集客やプロモーション方法
今後の展開

――外国人客には、どんなツアーが人気ですか?

売れ筋商品は、富士山の日帰り体験モノです。5合目を訪ね、温泉に立ち寄る一般的なコースではなく、フルーツ狩りや雪遊びが楽しめるツアーです。

人気の背景には、日本のフルーツのアジアでのブランド化があります。アジアのお客様は、食べ放題ならお値打ちと考えているのです。イチゴ、さくらんぼ、桃、ブドウと、季節によってバリエーションがあるのも飽きさせない理由となっています。

おひとりでイチゴを70個も食べた方もいらっしゃいました。もともと富士山近郊の農園が国内客相手にやっていたフルーツ狩りが、いまではアジアのお客様の人気を呼んでいるのです。

さらに、定番商品としては白川郷を訪ねるコース。特に雪のシーズンに人気があります。春先にアルペンルートの雪の壁を訪ねるコースも、台湾やタイのお客様が多いです。日帰りツアーの料金は、1万円を切る価格帯で催行するよう努めています。また羽田発北海道の2泊3日ツアーも最近増えてきました。
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――アジア客向けバスツアーのサービスのポイントは?

ポイントは3つあります。

まず、食事はお弁当ではなく温かいものをお出しすること。そして、ベジタリアンの方についても極力対応していくようにしています。これは東南アジアのお客様の受け入れには重要なポイントです。食事処との事前打ち合わせは欠かせません。

ふたつ目は、高速のサービスエリアでしっかり時間をとること。海外のお客様には、サービスエリアで売られているさまざまな地産品が魅力的に映るようです。たくさんお土産を買っていかれるので、ただのトイレ休憩ではなく、ショッピングの時間と考えています。

3つ目のポイントは、皆さん雪が大好きということです。といっても、本格的にスキーをやりたいというのではなく、雪とたわむれたいのです。ですから、ツアーにソリや雪合戦などの遊びを入れると大好評です。ただし、雪の寒さに慣れていらっしゃらないので、時間を見ながら切り上げることも大切です。

バスの移動中は、添乗員が観光地の解説DVDの外国語版をお見せします。またアトラクションとしてくじ引きをやり、当たったお客様には立ち寄り先のお土産をお渡しします。これも大変喜ばれます。

外国人向けツアーの中には日本のお客様と外国のお客様が混載するツアーも多数あります。

興味深いのは、国内客は平均50~60代の女性が多いのに対し、外国客は30代のカップルやファミリーが一般的。車内でお客様同士、交流する姿が見られることです。これからは日本人とアジアのお客様が混載して国内バスツアーに出かけることが当たり前の時代になるかもしれません。
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――外国人客向けの集客やプロモーションはどうしていますか?

弊社のインバウンド推進部の立ち上げは、2008年12月です。翌年1月、英語と中国語(繁体字/簡体字)のHPを開設しました。当初、ターゲットをどこに絞るべきかわかっていなかったので、とりあえず海外のFIT向けにやってみようと始めたところ、最初の予約は香港の方でした。それ以後も、アジアのお客様の予約がほとんどで、ターゲットは欧米のお客様ではないことがわかりました。現在、外国人客の半数は香港で、それに次いで台湾、シンガポール、今年からタイやマレーシアのお客様が増えてきました。

海外のお客様はすべてHPで集客するという考えです。現在、外国人客向けメールマガジン(英語/中国語)の会員が約5万人。毎月3回発行しています。内容は、新しいツアー商品の紹介や日本の観光ニュースなどです。

実際、現在90%がネット直販です。ツアー後のアンケートを見ると、「どうやって知ったか?」の問いに対してFacebookが必ずベスト3に入ります。やはりアジアのFIT向けにはSNSの活用は欠かせません。

今後は海外プロモーションにも力を入れていくつもりです。最初は手探りでしたが、2010年の香港のトラベルフェアに初めて出展し、以後台湾やシンガポールでも、メルマガ会員を集めることに努めてきました。会場でのツアー販売も始めています。

――今後の展開をどうお考えですか?

アジアのお客様は、国によってツアーに参加される時期がそれぞれ微妙に違っています。たとえば、マレーシアは11~12月がスクールホリデーなので、最近は大勢いらっしゃっています。台湾はこの時期少なくて、1~2月の旧正月や7~8月の夏休みが多い。シンガポールは学校の長期休みが12月なので、これから増えてきます。

一方、国内客は正月明けから2月までがオフシーズンで、この時期インバウンド客はピークを迎える。日本の観光産業の長年の課題だった閑散期をアジア客が埋めてくれているのです。

弊社はこれまで国内向けに多種多様なバスツアーを催行してきました。つまり日本の消費者相手に培ってきたノウハウと豊富な商品ラインナップがあります。

売るものは揃っている。そのうち外国のお客様にどれをどう売っていくか。どれだけご満足いただけるか。また、まだ少ない中国本土のお客様にどう売っていくかは、今後の課題です。
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クラブツーリズム株式会社
東京都新宿区西新宿6-3-1 新宿アイランドウイング16F
http://www.yokoso-japan.jp
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【追記】
今回の取材で面白かったのは、クラブツーリズムの一部の国内バスツアーで、日本客とアジアのFIT客が同じバスに混載して旅を楽しむというシーンが見られるという話でした。

ツアーに参加する日本人客のメインは50~60代の女性、アジア客は30代のカップルやファミリーだといいますから、親子くらいの世代差があるわけです。でも、クラブツーリズムの常連客は海外旅行に慣れている人もきっと多いでしょうから(アジアのFIT客も同様です)、言葉ができなくても、バスの中で同じ客同士、ささやかな交流が見られるのではないでしょうか。ツアーの中には、1泊以上するものもあり、そうなるともう旅仲間です。こういう自然な光景が見られるのって、ちょっといいですね。国内バスツアーの世界が変わろうとしているのかもしれません。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-29 11:20 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 11月 27日

脱北者で話題となったラオスの中国国境ムアンシンの風景

少数民族の集落へのトレッキングと朝市で有名なムアンシンから東へ10数キロほどの場所に、パーントーン(パンハイ/班海)というラオスと中国の国境ゲートがあります。
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ここはラオスと中国の両国民だけが通行できる国境ゲートで、第三国人は抜けることはできません。今年5月、北朝鮮からの脱北者がラオスで身柄を拘束され、強制送還されたという報道がありましたが、その際、彼らが中国からラオスに密入国したのが、この近くだといわれています。

ラオス、脱北者9人を北朝鮮に強制送還 異例の措置の見方(CNN)2013.06.01
http://www.cnn.co.jp/world/35032834.html
ラオス、脱北経路遮断は非現実的
http://japan.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk00400&num=17147
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ラオス側のイミグレーション(パンハイ・イミグレーション)です。
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その先にブルーの建物の検問所があり、さらに先に中国(雲南省)方面のイミグレーションがあります。歩いて国境を渡る家族や中国の自家用車、トラックが見えます。のどかすぎて、道路では犬がねそべっています。
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イミグレーションは、出国と入国の窓口に分かれています。赤ん坊を抱いた少数民族の女性やおばあさんがいます。子供を抱いてベンチで休んでいる女性もいました。
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入国の窓口に、中国人らしいふたりの男女がいます。身なりや履いているシューズが、なんとなく地元の人たちとは違って見えます。
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中国とラオスの友好行事の写真が貼られています。

さらに、国境を渡る人たちや車の様子を見ていきましょう。籠を担いだ少数民族やバイクを押して渡る若者など、それなりに往来はあります。もともとここは周辺の住民の生活道路だったに違いありません。
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イミグレーションの脇に、検疫事務所と食堂があります。
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さて、ムアンシンからこの国境ゲートまで、ぼくは地元の人に借りたバイクで走ってきました。ゲストハウスの近くに華人経営のレンタルバイク屋もあるのですが、ツーリストの少ないオフシーズンだったため、休業中。そこで、民家で木彫りをしていたおじさんに声をかけて、2時間50000kip(約500円)でバイクを借りたのです。基本的に、この地では簡単な中国語は通じます。

ここから先の写真は、国境ゲートからムアンシンに至る帰り道で撮ったものです。密林に囲まれた一本道です。ある時期まで脱北者たちはこの密林を抜けてラオスに密入国してきたのです。これだけ深いジャングルであれば、彼らも手引きさえあれば身を隠して越境するには好都合だったと思われますが、その一方で華人が多く住み、往来している地であることも確かです。
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しばらくすると、水田も見えてきます。籠を担いだ少数民族が歩く姿は日常の風景です。
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ときおり中国からのトラックが走り過ぎていきますが、雲南省のプレートが付いています。
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水田を抜け、橋を渡ると、ムアンシンの町に着きます。田園風景の一本道をバイクで風を切って走るのは気分がいいものです。東南アジアの人たちがバイクを好む気持ちが、いまさらながらよくわかりました。このあたりでは、大人だけでなく小学生の女の子ですらバイクに乗っています。自動二輪の免許制度はどうなっているのか、わかりませんけれど……。
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※実は、同じ日ぼくは中国とラオスのもうひとつの国境ボーテンを訪ねています。下記を参照のこと。

ゴーストタウンと化していた中国ラオス国境の町ボーテン
http://inbound.exblog.jp/22437603/
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by sanyo-kansatu | 2013-11-27 09:01 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2013年 11月 24日

ちょっと悲しい少数民族のおばさんの日常着(ラオス北部ムアンシンの朝市)

ラオス北部のルアンナムターからバスで2時間ほど山奥に向かうと、少数民族の集落へのトレッキングで知られるムアンシンという町があります。中国国境のあるパーントーン(パンハイ/班海)から10数㎞という場所にあります。
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ムアンシンは朝市が有名です。周辺の山村から少数民族たちが自分の採った山菜や野菜を売りに来るからです。
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場所は町はずれのバスターミナルの向かいにあります。屋根の下はおそらく地元の人たちの売り場で、周辺の山村から来た少数民族たちは、屋根のない道端に布を広げ、売り物を並べます。
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ヒキガエルも網の中にいます。
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ラオ・ラーオという自家製の米焼酎もペットボトルで売っています。

こうしてみると、ビエンチャンの朝市がずいぶん都会のように思えてきます。屋根の中に入ってみましょう。

肉売り場です。牛の頭が置いてあったりします。魚もあります。
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妊婦のお母さんが鴨の売買をしています。気の強い女の人のようで、もっと高く買ってよと売り手のおばさんが懇願しても、頑として聞き入れませんでした。
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揚げ菓子屋もあります。ほくほくでおいしかったです。
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もちろん、この市場にも屋台があります。ひき肉入りの麺でした。平たい米の麺でベトナムのフォーに似ています。人によっては衛生状態を気にするかもしれませんが、淡い鶏ダシのスープに香辛料が利いてうまいです。
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大きな鍋が湯気をたてています。この女の子はフォー屋の娘です。
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少数民族とおぼしき女性もたくさんいました。でも、彼女らは民族衣装を身につけてはいません。独特に結った髪型で、巻きスカートのおばさんもいましたが、たいていは中国製と思われる柄物のスカーフを頭に巻き、長靴を履いていたりします。
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おばあちゃん3人組がフォーを食べています。
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それにしても、ラオスの最辺境に位置するこの土地の人たちですら、手の込んだ刺繍を織り込んだ色鮮やかな民族衣装をふだん身に付ける機会はほとんどないようです。あるとしても、ツーリスト向けの一種の見世物になっていることが考えられます。

中国製の安価な衣料品が大量に入ってきており、それを日常的には代用してしまうのでしょう。これは、ここに限らず、アジア各地の少数民族エリアでよく見られる光景となっています。ちょっと悲しい気がしますが、無理もないことでしょう。

市場内には、両替商もいます。タイバーツや人民元との両替が可能なようです。
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もっとも、市場の入り口に、「ここではラオス通貨(キップ)を使うように」と地元政府の告知が書かれた大きな看板があります。
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その内容がわかったのは、漢字の看板もあったからです。これを見ても、ここが国境の町であることを実感します。実際、この市場では中国語がふつうに通じました。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-24 23:19 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2013年 11月 24日

ビエンチャンのチャイナタウンは2001年頃と比べてどう変わった?

ビエンチャンはレンタル自転車を借りて走り回るのにちょうどいい大きさの都市です。

1980年代であれば、北京や上海でも、ぼくはレンタル自転車であちこち訪ねまわっていたことを思い出します。いまはとても無理ですね。車の量が多すぎますし、都市化は郊外まで飛躍的に拡がり、都市交通機関が発達してしまいましたから。何より大気汚染がひどすぎて、サイクリングなんてやってる場合じゃないかもしれません(北京の胡同などでは外国人ツーリストがサイクリングしている姿をたまに見るけど、身体に悪そうです)。
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さて、ビエンチャンを自転車で散策すると、市内中心部でこそ仏領時代のコロニアル建築が残っていて目に楽しいのですが、ちょっと郊外に出ると、中国語の看板がよく目につきます。

東南アジアの各都市と同様、ビエンチャンにもチャイナタウンがあるのでしょうか。

それを知るうえで、筑波大学の山下清海教授の以下の調査報告が参考になります。山下教授は世界のチャイナタウンの研究者で、『池袋チャイナタウン』(洋泉社)という著書もあります。

ラオスの華人社会とチャイナタウン―ビエンチャンを中心に(山下清海教授 2006年)
http://www.geoenv.tsukuba.ac.jp/~yamakiyo/Laos-Chinese.pdf

その論文によると、ビエンチャンには2つの異なるチャイナタウンがあるようです。世界各地のチャイナタウンはどこでも「都市中心部に古くから存続してきたチャイナタウン(オールドチャイナタウン)と,それとは別に近年になって新しく形成されたチャイナタウン(ニューチャイナタウン)との2つのタイプ」に分けられるそうです。

前者(オールドチャイナタウン)が、チャオアヌ通り周辺です。通り沿いは、東南アジアのチャイナタウン特有の景観であるショップハウスが連なり、ビエンチャンの華人社会の最高組織であるとされる中華理事会や広東酒家などの広東料理店があります。
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チャオアヌ通りからメコン河沿いをファーグム通りに沿って東に進むと、福徳正神をまつる福徳祠があります。
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後者(ニューチャイナタウン)は市街地西部のノンドゥアン地区にあります。

「中国新移民が増加する中で,上述のオールドチャイナタウンとは別に,ニューチャイナタウンが形成された).ビエンチャンのニューチャイナタウンは,市街地西部のノンドゥアン(Nongduang)地区にあり,タラート・レーン(Talat Laeng,英語ではEvening Market)と呼ばれる.タラート・チーンの近くには,中国製のオートバイ,機械,金物,工具,部品などを販売する華人経営の金属関係の店舗が集中しており,華人は「塔拉亮(タラート)五金市場」と呼んでいる」(山下論文)
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実際、タラート・レーンを訪ねると、機械や工具などの店が並んでいました。

ビエンチャン市内には、中国の投資による建築物もいくつかあります。たとえば、国立博物館の真向かいに建てられた国立文化会館がそうだそうです。
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山下論文によると、もともとラオスは華人人口がそれほど多い国ではなかったようです。しかし、フランスからの独立後、1950年代後半になると、ラオスの商業の8割を華人に握られることになります。これは驚くべき数字といえます。当然ラオス政府は外国人の就業について制限を設けましたが、それでも華人は、ラオスに帰化するなどして経済活動をつづけました。

それが大きく変わるのが、1975年の社会主義革命の前後です。以下、その後の今日に至る経緯です。山下論文からの抜粋です。

「1975年の社会主義化の後,ラオス政府は,華人排斥の政策をとり,華人社会に大きな打撃を与えた.1976年には,華人の商店,工場を閉鎖した.1978年には,華人の財産の没収を開始し,華人団体の活動を停止させ,ビエンチャンの寮都公学を除くラオス国内すべての華文学校を休校させ,さらに社会主義化後,国内唯一の中国語新聞であった「老華日報」を停刊させた(《華僑華人百科全書・歴史巻》編輯委員会編,2002,pp.234-238)」

「1978年後半から,ラオスと中国の関係は冷却へ向かい,1980年,両国は外交関係を断絶した.しかし,1980年代後半,ラオスと友好的な関係にあるベトナムと,中国との関係が好転したのに伴い,ラオスと中国の関係も改善の方向に向かっていった.1988年,両国は国交を回復」

「1986 年,「新思考」(チンタナカーン・マイ)政策に基づく市場原理の導入などを柱とする経済開放・刷新路線が提唱され,市場経済化による経済成長が国家課題として掲げられた(天川・山田編,2005).新経済政策の実施後,華人企業は復興した.タイの華人資本や香港・台湾などの企業のラオスへの投資が増加した.また,社会主義後,海外に逃れていた華人の中には,ラオスへ帰国して,新たに創業する者もみられるようになった.中国の雲南省とラオスを結ぶ険しい山道の整備が行われ,メコン川を通行する船の往来も活発化した.これにより,改革開放政策が軌道に乗った中国から新来の華人(中国新移民)も増え,特に国境を接する雲南省出身者が急増し,1990年代半ばには,それまでの潮州人に代わり,雲南人がラオス最大の方言集団になった(《華僑華人百科全書・経済巻》編輯委員会編,2000,pp.243-244)」

ところで、山下教授の調査は2001年3月に行われたものです。それからすでに12年以上も月日が経っています。当時と比べてどう変わっているのでしょうか。

チャオアヌ通り周辺には、おしゃれなホテルやゲストハウスが並び、チャイナタウンの風情はほとんど失われているように思います。またタラート・レーンもさびれた印象です。
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こうしてみると、かつてオールドチャイナタウンのあった市中心部は、外国人ツーリスト向けの宿泊施設やレストラン、ショップに変わり、華人の経済圏は郊外に広がっているように見えます。

もっとも、これらのツーリスト向け施設のオーナーは、たいていの場合、東南アジア各地から来た在外華人ではないかと思われます。中国本土の華人に比べ、彼らはセンスがいいですし、英語も話すでしょうから、外国人相手のビジネスは秀でているのです。

ともあれ、華人に経済を握られてしまう構図は、1950年代後半に似てきたのかもしれません。

では、いったいこの10数年でビエンチャンに移民してきた中国本土からのニュ―華人たちはどうなったのでしょうか。

実は、山下論文にひとりの遼寧省出身の中華料理店経営者の話が出てきます。

「ビエンチャン市内では,中国新移民が開業した中国料理店や商店が各所でみられる.市内では珍しい餃子専門店を経営する華人(58歳)から聞き取り調査を行った(写真13).彼は中国東北地方の遼寧省瀋陽近くの出身で,ラオスに来て1年ほどしかたっていないため,ラオス語はなかなか覚えられないという.妻は北京出身.経営状態はまずまずである.ビエンチャンに来たきっかけは,先にラオスに来た彼の弟が,中国とラオスの関係が好転したので,これから中国料理店の経営は有望であると勧められたからである.ビエンチャン在留の餃子好きの日本人に人気があり,経営状態はよいという.日本語,英語,中国語のメニューを備えている.他の華人商店と同様に,店内の奥の床には,「土地爺」(土地神,土地公)をまつっていた」
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その彼の経営する遼寧餃子店がメコン河沿いのファーグム通りにありました。当時の写真に比べ、そこそこ立派な店構えになっていました。

中国本土で起きたこの10数年のめちゃくちゃ大きな変化に比べると、ラオスに移住してきたこの華人の境遇の変化は、実にラオスらしいというべきか、ずいぶんささやかなものだったといえるかもしれません。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-24 16:57 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(1)
2013年 11月 24日

ビエンチャンの中国系ショッピングモールに行ってみた

ビエンチャンの朝市でフランスパンのサンドイッチを食べたあと、自転車で郊外にある中国系ショッピングモールを訪ねてみました。
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そこは「ラオス三江国際ショッピングモール(老挝三江国际商贸城)」といいます。ビエンチャン中心部から西に少し離れた場所にあります。2007年に中国の投資できた日常生活品を扱う商店が多数集まるローカル向けの施設です。中国でいうと、庶民向けの商品を大量に扱う北京の東郊市場に近い世界です。東南アジアの主要都市にあるような現代的なショッピングモールではなく、とても旧式な施設ですが、ラオスではおそらく最大規模だと考えられます。
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ラオス三江国際ショッピングモール(老挝三江国际商贸城)
http://www.laowosj.com/
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では施設の中を歩いてみましょう。案内図をみると、100店舗以上の店があるようです。
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まず冷蔵庫や洗濯機、浄水器といった家電のコーナーです。基本的に中国製品です。オーディオ製品などもありました。いまのラオスの人たちがほしいと思っているものは、これらでしょう。
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文具や楽器、玩具、衣料などの店もあります。まさに中国の安価な日常品が世界市場に送り込まれている光景そのものです。
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バッグやスーツケース、寝具などのゼイタク品も扱っています。
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ATMも置かれています。もちろん、中国の銀聯カードが使えます。
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求人募集は中国語オンリーです。ローカルの雇用は考えていないのでしょうか。
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モールの隣に、三江大酒店というホテルや娯楽施設(三江会所)が建っています。ただし、そんなに宿泊客がいるように思えません。
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建設機械や携帯電話を扱う商店、両替商もあります。
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さらには、華人労働者用と思われる簡易宿泊施設すらあります。つまり、ここはラオスでありながら、まったくの中華世界なのです。
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ここがラオスであることに気づかされるのは、ラオス人らしい客を見かけたことと、マラリア予防のために地元の衛生局が貼ったと思われる注意書きくらいでした。

訪ねたのは土曜日の午前中でしたが、客の姿はほとんど見られませんでした。こんなことで大丈夫なのでしょうか。

評論家の宮家邦彦さんが、今年5月、この地を訪ねていることをネットで知りました。記事のタイトルは「中国に飲み込まれるラオス経済」です。

中国に飲み込まれるラオス経済 (JB Press)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37900

実際、「ラオスは中国の属国だ」という認識は、現地通の人たちの間では常識のようです。なにしろ両国はあらゆる点で規模が違い過ぎるので、経済交流が対等に進むなんて土台無理な話ではあるからです。

しかし、こうしてラオス三江国際ショッピングモールの閑散とした光景を見る限り、はたして中国の投資がうまくいっているのかよくわかりません。これは中国国内でもよく見られる光景ですが、立派な施設をつくってはみたものの、ゴースト化している施設はあまた存在するからです。

もっとも、ラオス経済の発展段階からすると、中国商品のショーケースおよび販売拠点としての意味があるのかもしれません。ラオス側も、投資してくれる相手にそう文句ばかり言うわけにはいかないのでしょう(そこがラオスと北朝鮮の違いでしょうか)。

ネットによると、ラオス三江国際ショッピングモールを投資したのは、浙江省台州市出身の丁国江という人物のようです。

老挝三江有限公司董事长、丁国江
http://www.zgxc.org.cn/html/xiangcunmingqi/lingjunrenwu/20130312/1347445.html

中国雲南省政府がラオスでの国境貿易を活性化しようと考えたのが1996年。丁国江は1999年10月、ビエンチャンに最初のショッピングセンターを開業します。現在のタラート・チーンショッピングセンターです。もともとタラート・レーン(中国市場)と呼ばれていた地区にあるのですが、火事で燃えた跡地に建てられたものだそうです。その後、彼は1800万ドル投資して、2007年8月にラオス三江国際ショッピングモールを開業します。

ところで、中国ではラオスの不動産都市開発について、ずいぶん立派な構想があるようです。

ラオス国際発展有限会社
http://www.wtclao.com/home/

それによると、ビエンチャンを以下のようなゾーンに分け、開発を進めていくんだそうです。
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でもこれ、誰が決めたのでしょうか? 中身になんら斬新さもないくせに、もっともらしい青写真と大風呂敷の構想をぶち上げたものの、どれもが難航しているのは、中国各地で起きている開発区の実態です。それと同じことをよその国でもやろうとしているのだとしたら……。

実は、中国国境近くでも似たような光景を見たので、それは別の機会で報告しましょう。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-24 15:20 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2013年 11月 21日

25回 過去最高200万人超えなるか!? 今年の訪日5人に1人が台湾客となった理由

8月のタイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)に続き、10月は台北国際旅行博(ITF2013)に行ってきました。日程は、10 月18 日(金)~21日(月)です。
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台北国際旅行博(ただし、サイトの内容はすでに来年の告知に更新)
http://www.taipeiitf.org.tw/

JNTOが10月23日に発表した訪日外客数統計によると、2013年1月~9月の訪日台湾人は前年比52.3%増の166万9900人。伸び率でみればタイ59.2%増、ベトナム49.8%増、香港49.5%増と並んで見えますが、母数が違います。台湾は香港の3倍、タイの6倍近い規模です。訪日外客全体の5人に1人(21%)を台湾が占めていることからも、今年いかに多くの台湾客が訪日旅行したかを物語っています。

【追記】
昨日(11月20日)、JNTOから10月の訪日外客統計が発表されました。それによると、台湾からの訪日客数は21万3500人と前年同月比58.0%増、1~10月の総計はすでに188万3400人となり、200万人超えは確実と思われます。

台湾からの訪日旅行者の大幅な増加の背景に何があるのでしょうか。その答えを探るべく、旅行博の会場に入ってみることにしましょう。

ツアーの叩き売りのような展示即売ブース

台北国際旅行博(ITF)は毎年10月に開かれます。1987年から始まり、今年で27回目。会場は、台湾を代表する超高層ビル「台北101」(高さ509.2m、地上101階)に隣接する台北世界貿易センター1号館と3号館です。午前10時から開門されるのですが、1時間前から行列ができるほどの盛況ぶり。主催者発表によると、今回の来場者数は31万5240人と過去最高になったそうです。

台湾滞在中に見たテレビニュースや新聞でも、ITFのことは報道されていました。台湾の年間出国者数は1000万人相当で、総人口2300万人の約40%にあたる高い出国率が知られています(日本は13%)。それだけに台湾の人たちにとって旅行博は、日本では想像できないほど話題性の高いビッグイベントなのです。
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広い会場の中で、活況を呈しているのは、やはり地元の旅行会社のツアー即売会でしょう。タイでもそうでしたが、台湾でも旅行博ではスペシャルプライスのツアー商品が多数販売されます。各旅行会社の担当者は、マイクを片手にステージに上がり、びっしり貼り出された会期中限定の商品を販売します。ツアーの叩き売りといってしまうと、少し言い過ぎかもしれませんが、日本ではちょっと見ることのない光景です。売れ行きを見ながら、スタッフはその場でチラシも書き直します。ブース内にはPC端末がいくつも用意されていて、来場者はスタッフの説明を聞きながら商品を検討しています。

※ITF会場についての詳細は、中村の個人blog「来場者数が過去最高となった台北国際旅行博(台北ITF報告その1)」を参照。

広域連携化と豊富なFIT向け商品

今回、日本の出展ゾーンのにぎわいはひときわ目立っていました。展示ブースの間の通りは、人ごみで身動き取れないほどでした。
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地方自治体のブースは、北は北海道から南は沖縄まで勢ぞろい。興味深いのは、各県単位のバラバラな出展ではなく、広域連携化が進んでいたことです。

なかでも注目は、中部広域観光推進協議会でしょうか。中部北陸9県を巻き込んだ「昇龍道」プロジェクトを展開していたからです。
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「昇龍道」プロジェクト
http://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/kikaku/syoryudo/index.html

関係者によると、「アルペンルートで人気を呼んだ富山県も、単独では集客に限界があるので石川県、福井県と横で連携し、さらに長野県、岐阜県、愛知県などとも縦で結び、『昇龍道』というネーミングをつけて一つのルートとして魅力付けした。日本は島国で、外国客は空から入ってくるしかないのだから、まず定期便の発着する空港同士を結ぶモデルコースをつくることが重要」とのこと。その点、台湾からは日本各地にフライトが多数就航しているぶん、モデルルートのバリエーションの可能性が広がっています。

自治体ブースがPR主体であるのに対し、企業グループはどれだけ旅行商品が販売できるかが勝負です。ITFでは、他の国の旅行博ではあまり見られない独特の販売スタイルとして、現地の旅行会社を自治体のブースの中に招き入れて、各地域のPRとツアー商品の販売を同時に行っています。これだけ競合相手がいると、価格競争が熾烈になるのは無理もなさそうです。

企業ブースで目に付いたのは、豊富なFIT向け商品が揃っていたことです。

なかでも近畿鉄道グループの中にある国内メディア販売大手のクラブツーリズムがFIT向けに販売しているバスツアーです。
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はとバスなどが催行する外国人向けバスツアーは、英語圏の利用者の比率が高いとされますが、クラブツーリズムの催行するツアーは、アジア客に好評です。最も人気があるのは富士山とフルーツ狩りを組み合わせたツアーだそうです。日本人向けと基本的に同じツアー内容で、最近では、日本人客とアジア客を混載する商品もあるといいます。

世界でいちばん目が肥えているといわれる日本の消費者を相手に長年練り上げられてきたクラブツーリズムのバスツアーが、アジアのFIT層にも受け入れられているというのです。日本人とアジア客が混載するバスツアーというのは、これからの新しい国内旅行のかたちを先取りしているといえるかもしれません。

ところで、異色のブースが日本の出版大手の角川書店です。同社では現地法人の台湾国際角川股份有限公司がローカル向け情報誌『台北ウォーカー』を発行していて、同誌の付録に日本旅行のための冊子『Japan Walker』があります。
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台湾国際角川股份有限公司 
http://www.kadokawa.com.tw/

近年、インバウンドビジネスにさまざまなメディア企業が参画していますが、長く現地に根付いて日本のコミックやライトノベルズ、情報誌などを発行してきた角川書店は、台湾の訪日旅行市場の下支えに大きく貢献してきたといえるでしょう。

※日本の出展ゾーンについては、中村の個人blog「地方自治体の広域連携化で活気づくジャパンゾーン(台北ITF報告その3)」、「FIT向け商品が続出する台湾市場(台北ITF報告その4)」を参照。

訪日客増加の背景にはオープンスカイがある

さて、そろそろ台湾からの訪日旅行者の大幅な増加の背景について、タネ明かししましょう。

それは、台湾と日本の間で結ばれた航空協定(オープンスカイ)です。

台湾と日本の航空協定は、2011年11月10日に調印されました。それによってチャイナエアライン(CI)とエバー航空(BR)の2社に加え、翌12年3月以降、マンダリン航空(AE)とトランスアジア航空(GE)を加えた4社が定期便を就航させています。

これに昨年以降、LCCが日本と台湾を結んでいます。日本のジェットスター・アジア(3K)やピーチ・アビエーション(MM)、そして元エアアジアのバニラエア(JW)、シンガポールのスクート航空(TZ)です。もちろん、これに日本航空と全日空が加わります。しかも、台湾のエアラインは日本の地方都市とも多く就航していることが特徴です。

台湾の訪日旅行は団体ツアーとFITが半々の割合だといいます。今回、台湾では、いわゆるスケルトン型といわれる航空券+ホテルのみの安いツアーが大量に販売されていることがよくわかりました。旅行会社はもちろんですが、エアラインも独自にツアーを販売しています。
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たとえば、今年9月に成田に就航したばかりのトランスアジア航空では、東京5日間のツアーが16900台湾ドル(約56000円)、大阪はなんと10999台湾ドル(約37000円)です。これなら軽い気持ちで日本に遊びにいこうと思えるでしょう。なにしろ台湾は2005年以降ビザが免除されていますから、前日でも予約できてしまうのです。

もちろん、日本側のプロモーションの成果も忘れてはいけないでしょう。もともと日台間には国交がないため、日本観光協会などが中心となって1990年代から細々と訪日PRを続けてきたそうですが、ビジットジャパンキャンペーンのスタートした2003年から本格的なプロモーションが始まっています。

関係者によると、台湾では新聞やテレビ、雑誌などあらゆるメディアを使った通常のプロモーションはすべて行っていますが、特に有効なのはFacebookだそうです。人口2300万人の台湾で1400万人がFacebookを利用しているからです。
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観光庁もFacebookのアカウントを持っていて、ブロガーの意見を載せたり、おすすめコースを紹介したり、新しいデスティネーションのショートムービーをつくって公開したりと、いろいろやっているようです。

日本政府観光局(台湾)公式サイト 
http://www.welcome2japan.tw/
日本旅遊活動 VISIT JAPAN NOW(Facebook) 
https://www.facebook.com/VisitJapanNow

現地で会った日本の関係者は台湾での訪日旅行プロモーションについてこう語ってくれました。「台湾というのはありがたいことに、何かやると必ず反応が返ってくるんです。レスポンスがすごくいい。やりたいことはだいたいできている。もともと台湾の人たちは日本に行く気があるので、うまく押してあげるといいんです」

では、この恵まれた台湾でのプロモーションは今後どうあるべきでしょうか。

「台湾の訪日旅行市場は多様化し、成熟化しているので、特定な地域を売ることも大事ですが、スポーツやグルメなど、新しい切り口を提案しながら呼び込むことではないでしょうか。たとえば、台湾国内ではマラソン大会が100近くあります。サイクリングも人気です。日本で走りたい人も多い。各種スポーツ団体と連携しながら、誘客を進めていくと面白いですね」

※訪日客増加の背景についての詳細は、中村の個人blog「過去最高200万人超えなるか!台湾客急増の背景にはオープンスカイがある(台北ITF報告その5)」を参照。

心温まる魅力いっぱいの訪日ツアーも続々

会場でお会いした現地の旅行関係者の話からも、台湾の訪日旅行市場の成熟ぶりを肌で実感できました。台湾の日本ツアーは実に多様化しています。以下、2つの例を紹介しましょう。

まず「日本輕井澤悠閒鐵馬泡湯自由行5日(軽井沢でのんびりサイクリングと温泉の旅)」です。長野県軽井沢で開催される「グランフォンド軽井沢」というサイクリング大会に参加し、温泉に浸かって過ごす4泊5日のツアーです。催行しているのは、台北の上順旅行社です。

上順旅行社 
http://www.fantasy-tours.com/
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このツアーを企画運営している海外個人旅遊部(FIT担当)の高世軒さんによると、「このサイクリングツアーは2011年夏から始めています。台湾ではサイクリングが盛んで、国内でも大会は多く開かれていますが、海外のスポーツ大会に参加したいと思っている人がたくさんいます。私自身もスポーツが大好きで、軽井沢で毎年5月末に開催されている『グランフォンド軽井沢』を最初のツアー先として選びました。軽井沢の新緑の一本道をサイクリングするのは最高の気分です。マイ自転車を日本に運んで走る人もいますよ。もちろん、温泉やショッピングもツアーに組み込まれています。うちのような専門の旅行会社が企画しているので、お客様も安心して参加できるんです」。

もうひとつのツアーは「田舎に泊まろう(來去郷下住一晩)」です。日本の農家に民泊(ホームステイ)するツアーです。舞台となるのは山形県飯豊町。特に観光名所があるわけではない、ごくふつうの日本の山村です。そこを訪ねた台湾客たちは民泊する農家の仕事を手伝ったり、家族と一緒に食事をしたりして、一晩過ごします。2010年春からスタートし、東日本大震災後に一時休止しましたが、12年に再開。年間200名以上の台湾客がツアーに参加しているそうです。

山形県飯豊町観光協会(ようこそThe日本の田舎へ)
http://samidare.jp/iikanjini/note?p=log&lid=310581

ツアーを企画したYUKIさんこと、名生旅行社の女性社員に話を聞きました。ちなみに彼女は元日本留学生です。

名生旅行社(トップページに同ツアーのミニ動画があります)
http://www.msttour.com.tw/web/major.asp

――「田舎に泊まろう(來去郷下住一晩)」について教えてください――

「ツアーは4泊5日か5泊6日の2パターンがあります。前者の場合、台北から仙台空港に飛んで、初日は山形県の上山温泉に泊まり、2日目は蔵王などをめぐります。午後に飯豊町の農家にホームステイし、翌日午前10時には家族とお別れになります。その日は銀山温泉に泊まり、最終日は松島などを観光して仙台空港から帰国します。

ホームステイの翌朝、車でお客さんを迎えにいくと、皆さん必ず涙を流して別れを惜しむんです。台湾のお客さんだけでなく、民家の方も泣いてしまう。一晩一緒に過ごしただけなのに、感動で涙があふれてくるんです」

――このツアーはどのようにして企画されたのですか?――

「数年前から台湾では日本のバラエティ番組の『田舎に泊まろう』が人気でした。こういうツアーが実現できたらいいなと思ったのが2009年。それから1年かけて弊社の会長と一緒に全国を訪ね、民泊にふさわしい農村を探したところ、飯豊町がいいということになりました。飯豊町では、もともと学生のホームステイを受け入れていたこともあり、観光協会に話をしたところ、快く受け入れてくれました」
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同ツアーは、2012年に台湾観光協会から優れたツアーとして金賞(金質旅游奨)が授与されています。実は、彼女が日本留学していたとき、TBSの『世界ウルルン滞在記』をよく観ていたそうで、それがこのツアー企画の原点だったそうです。まさに台湾発日本行き「世界ウルルン滞在記」のツアー版といえるでしょう。

これらのツアーに共通するのは、小規模の専門旅行社が催行していること。初めから数で稼ぐことは考えていないこと。そして、何より日本と縁があり、ベースとなる感動体験の持ち主である台湾サイドのキーパーソンが企画運営していることでしょう。加えて、日本の受け入れ側の鷹揚でかつ、きめの細かい対応が鍵だといえそうです。

こうした心温まる魅力いっぱいの訪日ツアーが台湾の旅行関係者自らの手によって生まれています。こういう話を聞いていると、うれしくなってしまいますね。逆に我々日本サイドは台湾に対してどんな新しい提案ができるのか、あらためて考えてみなければならないと感じました。

※本稿で紹介した2つのツアーの詳細は、中村の個人blog「台湾だから実現できた軽井沢サイクリングツアー(台北ITF報告その7)」、「台湾発日本行き『ウルルン滞在記』ツアーはこうして生まれた(台北ITF報告その8)」を参照。また本稿では触れなかった台湾の訪日旅行市場の最新動向については、「台湾で中国本土ブースが不人気な理由(台北ITF報告その2)」、「台湾でいまホットな話題は『シニア旅行』と『自由旅行』(台北ITF報告その6)」を参照。

※やまとごころ.jp http://www.yamatogokoro.jp/column/2013/column_143.html
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by sanyo-kansatu | 2013-11-21 10:07 | やまとごころ.jp コラム | Comments(0)
2013年 11月 21日

ラオスの北朝鮮レストランはわりとゆるくてオープンな店だった

ビエンチャン滞在中、つい北朝鮮レストランに足を運んでしまいました。べつにぼくは「北レス」マニアでもないつもりですけど、今年5月、北朝鮮からの脱北者がラオスで身柄を拘束され、強制送還されたという報道もあり、遠く離れたこの2国が中国を介して複雑な関係にあることを知ったばかりでしたから、興味本位にすぎませんが、行ってみようかということになったのです。
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ラオス、脱北者9人を北朝鮮に強制送還 異例の措置の見方(CNN)2013.06.01
http://www.cnn.co.jp/world/35032834.html

さて、ビエンチャンの北朝鮮レストラン「朝鮮平壌飯店」は、市内中心部から北東の方角にある黄金の仏塔「タートルアン」の近くにあります。
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朝鮮平壌飯店(Korea Pyongyang Restaurant)
Unit19,Nongbone, Xaysettha District, Vientiane
Tel:021-263118 kpr.lao@gmail.com

トゥクトゥクに乗って店の前で降りると、白頭山の天池の大きな写真の飾られたレストランがありました。その日は雨が降っていて周辺の通りは暗く、うまく写真が撮れませんでしたが、事情通の人なら一目で北朝鮮レストランとわかります。
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店内には、朝鮮の美人画や風景画が飾られています。カラオケ用のテレビもありました。

客は、中国の中高年の男女6人組(といっても女性はひとり)や韓国系の男性ふたり、北欧系のツーリストのカップルでした。あとで奥の個室からぞろぞろ男たちが5~6名出てきたのですが、おそらく彼らはラオス在住の北朝鮮の関係者でしょう。
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メニューはこんな感じです。ドリンクは地元ラオビヤーやカールスベルグ、ペプシなど、料理は冷麺やビビンバ、プルコギなど定番朝鮮料理が並びます。その日ぼくが頼んだのは、特製豆乳スープ冷麺(コングッス)で40000kip(約400円)。
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これは中国客のテーブルです。席が空いているのは、いよいよ北朝鮮の歌謡ショーが始まるということで、彼らは総立ちになり、席を離れたからです。
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8時を過ぎるとショータイムがスタートします。海金剛と呼ばれる北朝鮮の名勝、金剛山の岩の柱の大きな写真を背景に、ピンクのチマチョゴリ姿の4人の北朝鮮ガールズがおなじみの「ようこそ共和国へ」を歌い始めました。この曲の妙に浮かれたリズムやアレンジ、彼女たちの甲高い歌声は、北朝鮮のこわばったイメージを腰砕けにさせるような脱力感を外国客に与えるのが特徴です。しかも、曲調の単純さから一度聴いたら耳を離れないわかりやすさがある。この曲が流れると、気分がはしゃいでくるような暗示効果が仕込まれているようで、まったくクセモノです。
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【動画】ラオスの北朝鮮レストランの踊りと歌(2013年8月)

その後、彼女たちは客層を意識して、朝鮮の歌だけでなく、中国の歌を歌ったり、ちょっとした踊りを披露したりしていました。4人のうち、ふたりはふくよかな美人です。
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そのうち、席を立った中国おやじ5人組は、ビデオやカメラで彼女たちのショーの撮影に本格着手し始めました。とってもうれしそうです。
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ショーが終わると、カラオケタイム。ひとりの中国おじさんは、お気に入りの彼女の手を取り、デュエットを始めました。彼は最後まで彼女の手を放そうとしません。

でも、曲が終わると、さっと彼女は奥に消えてしまいます。

これまで中国各地の北朝鮮レストランをいくつか覗いてみましたが、ここラオスの店は、わりとゆるくてオープンな印象です。北朝鮮ガールズたちも、北京あたりだと、どこかツンケンしていますが、ここでは物腰もやわらかいのです。やはり、平壌から距離が離れるほど、彼女たちもゆるくなるのか。それともラオスという土地柄ゆえ、中国客の強引さがまかり通りやすくてこうなってしまうのか。いずれにせよ、いいことじゃないでしょうかね。

この場でちょっと浮いていたのが、北欧系のカップルとぼくでした。その感じが伝わったのか、彼らに目くばせすると、ニコッと微笑んでいました。なにしろ娯楽の少ないビエンチャンですから、コリアン・ショー・レストランを観るのは、外国人旅行者にとってちょっとしたイベントかもしれません。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-21 09:41 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2013年 11月 20日

平壌空港より立派なビエンチャン国際線ターミナル

この夏、ラオス国営航空(Lao Airlines)の国内線に乗りました。今年の8月はまるで「世界のマイナーエアライン試乗月間」という感じで、実は同じ月の後半高麗航空(Air Koryo)にも乗っています。
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そこで今回も、空港から搭乗、機内、降機に至るまでの間に撮った写真を並べてみましょう。高麗航空と比較してみると、面白いかもしれません。

●8月某日 QV601 ビエンチャン→ルアンナムター 12:50発
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これがラオスの首都ビエンチャンのワットタイ国際空港の国内線ターミナルです。
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国内線ロビーはのどかです。タイ製のバイクが展示されていました。
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チェックインカウンターです。
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国内線は11都市に就航しているそうですが、季節による運休や休止した路線も多いといいます。詳しくは公式サイトで調べられます。

ラオス国営航空(QV)
http://www.lao-airlines.jp/
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フライトまで時間があったので、ターミナル内の食堂に入ってみました。食堂のおばさんの娘です。
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ラオスでは国内線でもパスポートチェックがあるようです。一部の少数民族の移動に関する制限などが関係するそうです。
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待合室の風景です。
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いよいよ搭乗です。平壌国際空港と同じように、乗客は飛行機まで歩いていきます。
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機体は、中国製のMA60。プロペラ機です。実は、国際的な安全性の基準に達していないとの指摘もあるそうです。
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これが機内です。ローカル客がほとんどですが、外国人客も少しいました。日本人はぼく以外に関西から来た男性がいました。
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プロペラ機に乗るのはひさしぶりです。10年前に、ミャンマーの国内線に乗って以来かも。眼下は、最初は平野部でしたが、だんだんラオスの密林が見えてきます。
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一瞬のことでピンボケしてしまいましたが、ラオス航空の客室乗務員です。笑顔がすてきな美人さんでした。以前、といってももう20年くらい前ですが、旅行作家の下川裕治さんが「ラオス航空の国内線のスチュワーデスは、素足で機内を歩いているんだよ」と話してくれたことがあり、ぼくの中ではなかば都市伝説化していたのですが、さすがにいまどきそんなことはありません。
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ルアンナムター空港に到着しました。乗客はさっさとターミナルビルに歩いていきます。
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空港ビル内では、預けた荷物を受け取りますが、運んでくれる空港の人の姿が丸見えです。
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ルアンナムター県は、ラオス北部に位置し、中国やミャンマーと国境を接しています。少数民族の村を訪ねるトレッキングが人気ですが、8月は雨季なので、それほど観光客は多くないようです。

さて、ラオス国営航空の乗り心地ですが、プロペラ機特有の上昇時にふわっと身が浮くような感じが苦手な人もいるかもしれません。しかし、ヴィエンチャンからルアンナムターまでもしバスで行こうとしたら1日がかりだと聞いているので、乗る価値は大きいです。

ところが、今年の10月、ラオス国営航空の国内線は墜落してしまいました。

ラオス航空の旅客機が墜落、乗員乗客49人死亡(CNN) 2013.10.17
http://www.cnn.co.jp/world/35038610.html

「(墜落したのは)首都ビエンチャンからパクセに向かっていたATR72型のプロペラ機。現地では台風25号の影響で突風が吹いており、着陸準備に入っていた機体があおられて制御できなくなり、メコン川にある島の付近に墜落したという。(略)同航空によると乗客44人を含む49人が死亡」とのこと。
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まいりましたね。でも、墜落したのはぼくが乗ったMA60ではなく、フランス製のATR72です。台風の突風にあおられたとしたら、これも異常気象と関係あるのでしょうか。いやですね。

さて、ラオスの国内線はこんな感じですが、国際線はちょっと事情が異なります。今回ビエンチャン市内からトゥクトゥクでワットタイ国際空港に向かったものの、運転手が早とちりして国際線のターミナルに連れていかれました。それで知ったのですが、国際線のターミナルは国内線に比べ、ずいぶん立派な新しいビルでした。
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平壌国際空港でもこの夏、新ターミナルを建設中でしたが、ラオスのほうがはるかに規模も大きく現代的でした。これはなぜなのか。海外からの投資によるものだからでしょう。あとで触れますが、ビエンチャン市内には、2007年にできたという中国系の大きなショッピングモールがあり、華人商人と中国商品があふれていました。また中国国境とタイを結ぶラオス北部の国道もきちんと整備されています。つまり、ラオスと中国の経済関係が急速に進んでいることがうかがわれるのです。この両国の空港ビルの違いは、海外からの投資を受け入れる姿勢によるものと考えられます。

実際、ラオス国営航空は、アセアンの主要都市はもちろん、中国南方の3都市、さらにソウルへも就航しています。もちろん、他国のエアラインも多数就航しています。都市の人口規模に比べ、その路線数はなかなかのものです。
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その国際線ターミナルビルでちょっと楽しいワンシーンに出くわしました。ちょうどTVドラマの撮影をやっていたんです。おそらくラオス人だと思いますが、目のぱっちりしたきれいな女優さんでした。主人公の女性が出国するシーンを撮っていたのでしょう。いまのビエンチャンの国際線ターミナルビルであれば、ドラマのシーンに使われてもおかしくないほど現代的な空間ですからね。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-20 11:56 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2013年 11月 20日

ラオスの朝市に癒される(ビエンチャン編)

今年8月、ラオスを訪ねたのですが、癒されたのがビエンチャンの朝市でした。
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早朝、ゲストハウスでレンタル自転車を借りて、トンカンカム市場という朝市を訪ねました。市場の周りは、トゥクトゥクやバイクが並んでいます。
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自転車を停めて中に入ると、さまざまな食料品や日用雑貨の売られる市場が広がっていました。外から差し込む光が、ふとめまいのような感覚を引き起こします。ああこの感じ、いいです。激しい売り声が飛び交うこともなく、東南アジアの市場ならではのやさしい空気感に包まれます。
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野菜や卵、パイナップル、バナナなどが並んでいます。
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お惣菜も売っています。漬物や日本でいうと粕漬けのような魚もありました。
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肉団子売りの女の子はカメラを向けても、きょとんとした感じでこちらを見ています。
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インスタントラーメンはたぶんタイ製かな。
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市場の周囲は、ぎっしりバイクが並んでいます。「HONDA」のロゴが見えます。
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面白いのは、フランスパンが売られていることです。仏領だった時代の名残でしょう。ベトナムと同じですね。
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うれしいのは、フランスパンに地元の食材をはさんだサンドイッチをつくってくれることです。野菜やひき肉などがたっぷり入って、味付けはちょっとカレー風味のピリ辛です。パリっとしたバケットの食感とエスニックな具材の異色なマッチングがたまりません。ここがインドシナであることを再認識させてくれます。
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市場といえば、屋台が付き物です。みなさん仲良く並んで、静かに朝ごはんを食べていました。
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お粥や麺類が食べられます。このこがしニンニク入りのお粥は絶品でした。こちらで会った日本人が話していましたが、ラオスの食事は東南アジアでも随一、日本人の口に合うそうです。ラオスは海のない国ですが、山の幸が豊富で、スパイシーさもほどほどなのがいいのでしょう。
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お客には地元のおばあちゃんもいて、フランスパンのサンドイッチを袋に入れて持って帰るみたいです。この男の子も、かわいいですね。
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帰り際、バナナ売りの女の子が座っていたので、カメラを向けるとぎこちなく笑顔をつくってくれました。
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特に身構えるでもなく、自然体のままじっとこちらを見ているので、かえってこっちも緊張してしまいます。こういう瞬間、彼女は何を考えているのでしょうか。しかしその彼女を撮ろうとするぼくも、いったい何をしようとしているのやら。すべてを見透かされているような妙な感覚……なんて思いながら、アップでぱちり。

アジアの市場は活気がみなぎっているというのが、特に華人の多く住む場所では相場でしょう。でも、ラオスの市場は穏やかで静謐な時間が流れています。こういう他愛のない時間を久しぶりに過ごすことができ、感謝したい気分になりました。

なにしろビエンチャンは、首都といっても人口80万人。東南アジアでは、地方都市の規模です。ですから、ビエンチャン市民の胃袋を満たす朝市もささやかな大きさで十分なのでしょう。

急ピッチで発展を続ける東南アジアの中で、まるで置き去りにされたかように見えるラオス。首都ビエンチャンの都市景観は、高層ビルの立ち並ぶアセアン主要国と比べると、一時代以上昔のものであり、それゆえ外国人旅行者にとって好ましい存在となっています。いまのアジアはどこもかしこも“アゲアゲ”感がみなぎっていて、うんざりだからです。そんな熱気にあんまり引きずられても、いいことばかりとは限らないのでは。そういう皮肉な見方は、一部のラオスの人たちには不本意かもしれませんが、今回久しぶりに訪ねてみて、その思いを強くしました。

【追記】
実際には、ラオスの2000年代以降の経済成長率は平均して6~8%と高く、ビエンチャンも最近では不動産投機の動きが起きているそうです。これは東南アジアではどこでも起きてきたことですが、いい意味でマイペースであってほしいと思うのは、身勝手でしょうか。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-20 09:08 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2013年 11月 19日

平壌の高麗飯店で見られるTVチャンネルは?

一般に平壌を訪ねた外国人は、平壌駅の近くにある高麗飯店に宿泊することが多いようです。ホテルのロビーには、さまざまな国籍の人たちが行き交っています(もっとも、数の多い中国からの団体客は大同江の中州に建つ羊角島ホテルに泊まることが多いよう)。日朝首脳会談のとき、小泉首相らが宿泊したのも高麗飯店だそうです。
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客室には、テレビが置かれています。チャンネルは数えると、12ありました。どんなテレビ局の番組が見られるのか、チェックしてみました(2013年8月現在)。
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① 朝鮮中央放送(KCTV)
朝鮮の国営放送局である朝鮮中央放送は、平日は夜間(17:00-23:00)のみ、日曜・祝日は午前中から放送しているようです。

②と③はチェック時には番組が放映されていませんでしたが、朝鮮には他にも「万寿台テレビ(娯楽番組が多い)」や「竜南山テレビ(教養番組、語学番組が多い)」があるそうで、時間帯が合わなかったのかもしれません。

④アルジャジーラ(Al Jazeera)
http://www.aljazeera.com/
カタールの衛星放送局。同国の国営放送とされているが、事実上アラビア語による国際ニュース専門局。

⑤ NHK World(英語)
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/
NHKワールドはNHKの海外向けサービスです。公式サイトの「海外で英語放送を見る」のページを見ると、視聴できる国として北朝鮮は入っていませんが、なぜか高麗飯店では視聴できました。

⑥ 中国中央電視台(CCTV-4 英語)
http://www.cntv.cn/
中国の国営放送局の英語チャンネル。

⑦ 香港フェニックステレビ(香港)
http://v.ifeng.com/live/
香港の衛星放送局。

⑧ 中国中央電視台(CCTV-1 中国語)
中国の国営放送局の総合チャンネル。

⑨ BBC world news(英国)
http://www.bbc.co.uk/news/world_radio_and_tv/
英国BBC放送の国際ニュースチャンネル。

⑩ Утро России (Rossiya 1 ロシア)
http://russia.tv/
ロシアの国営放送局の第1チャンネル。

⑪  RT news(ロシア/英語)
http://rt.com/on-air/
RT(旧称:ロシア・トゥデイ)はモスクワを拠点を置くニュース専門局。

⑫ НТВ МИР(NTV Mir ロシア)
http://www.ntvmir.ntv.ru/
ロシアのケーブルテレビ。ロシアのドラマなどが多い娯楽系チャンネル。

敵国アメリカのテレビ局はさすがに見当たりませんが、かなりの多国籍メディアが視聴できることがわかると思います。そのバランス感覚は興味深いです。

中国系とロシア系が各3チャンネル、欧州系はBBC、そしてアルジャジーラが見られるのも面白いです。NHKワールドが見られるのは、2000年代前半まで、そこそこの数の日本人客が平壌を訪問していたころの名残かもしれません。いまでは、日本人は平壌では圧倒的に少数派です。

一般市民の家庭では、これらのチャンネルは視聴できるとは思えません。金剛山のホテルでは、外国のチャンネルは見られませんでした。

ちょうど平壌に滞在していたころ、中国の中央電視台で薄熙来が山東省済南市中級人民法院で裁判を受ける報道が流されていました。
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平壌にある各国大使館や外交官たちは、どれだけのTVチャンネルを見ることができるのでしょうか。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-19 20:19 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)