ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2014年 11月 29日

北朝鮮のイカ釣り漁船急増は朝鮮東海岸の中国漁船の操業と関係がありそう

おととい(2014年11月27日)の朝日新聞に「北朝鮮、外貨を求めて海へ 日本海 イカ釣り漁船急増」という記事が掲載されました。
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「日本海の排他的経済水域(EEZ)境界で操業する北朝鮮のイカ釣り漁船が急増している。木造の小型船。監視役を合わせた少人数のグループ。軍への上納金――。難破して保護された北朝鮮の漁師らの証言から、外貨獲得のため、漁獲量を増やそうとして活発な動きを見せる北朝鮮の状況が明らかになった」

なんでも水産庁と海上保安庁が確認した北朝鮮漁船の数は、「2011年約15隻、12年約80隻、13年約110隻、14年約400隻」だといいます。確かに増えていますね。

同紙によると、「深刻な経済難 操業命がけ」と急増の背景を解説。「2013年2月の核実験で後ろ盾の中国との関係が急速に悪化。金融制裁に加え、中国とのパイプ役だった張(成沢)氏が粛清されると貿易量が激減し、食糧支援の向上も見込めず、政府関係者は『海に活路を求めている』とみている」という。

確かにそういう側面はあると思います。いまの北朝鮮が外貨獲得のために必死になっているのは事実だからです。

しかし、日本海の排他的経済水域(EEZ)境界に北朝鮮のイカ釣り漁船が出没するようになった理由は、朝鮮東海岸近海でイカが獲れなくなっているからではないか。ぼくはそう考えます。

今年7月上旬、ぼくは北朝鮮咸鏡北道の羅先と清津、七宝山を訪ねています。羅先では、現地ガイドの案内で水産加工工場を視察しました。関係者らによると、近年羅津港での漁獲量が激減していて、加工工場は長らく休業しているそうです。

戦前期に羅津に住んでいた日本人の話では、羅津港の漁獲量はハンパじゃない多さで知られていました。朝鮮半島の東海岸近海はもともと豊富な漁場だったのです。そこで1990年代頃から在日同胞が水産加工工場設立のためこの地に投資し、冷凍魚介類を中国などに輸出していたのです。経済制裁前は、日本にも朝鮮産のカニなどの水産物は流れていたでしょう。羅先には現在、ふたつの大きな水産加工工場がありますが、どちらも運営はうまくいっていないとのこと。

ではなぜ漁獲量が激減したのか。

現地の人間によると「北朝鮮政府は中国政府との話し合いで、中国漁船の朝鮮東海域の操業を認めた影響だ。2013年には約4000隻の中国漁船がイカを根こそぎ獲りまくったことが大きい。イカは還流性魚類なので、食物連鎖が崩れてしまった。そのため、近海ではかつてのような水揚げが望めなくなった」とのことです。

その結果、日本の排他的経済水域(EEZ)境界近くまで操業せざるを得なくなったのでは……。ぼくは朝日の記事を読んで直観的にそう思いました。

なぜ羅津港の漁獲量が激減したことを知ったかというと、現地ガイドの案内で羅津市場を訪ねたときのこんなエピソードがきっかけでした。

羅津市場の門の前に小さな川が流れ、橋が架かっています。その上空を大量のカモメが徘徊しているのです。確かに港町ですから、カモメがいてもおかしくないけれど、そこは市中なので、ちょっと不思議な光景です。ぼくはガイドに訊きました。「どうしてカモメがこんなに街中にいるの?」。

彼はこう答えました。「海に魚がいないからです。市場では魚のあらを取り出し、川に捨てています。それが餌になるから、カモメはこんな街中まで飛んでくるのです」。

ぼくは再び訊きました。「なぜ海に魚がいなくなったのですか?」

理由は前述したとおりです。

この話を聞きながら、北朝鮮はあらゆる資源を中国に切り売りしながら、つかの間の平穏を維持しているのだと実感せざるを得ませんでした。鉄鉱石などの地下資源だけでなく、水産資源までも。いまでも羅先の市中上空を徘徊する大量のカモメの異様な光景を思い出し、不穏な気持になります。

以下の写真は、羅津港近海で操業しているイカ釣り漁船です。朝日新聞の記事に載っていた漂流する漁船と同様の小型船です。これでは中国漁船にはかなわないでしょうし、とても遠海で操業できる代物ではなさそうです。
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もうひとつの写真は、某水産加工工場の中です。関係者によると、しばらく稼動していないようでした。
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中国漁船の違法操業は、今秋の小笠原諸島沖の赤サンゴ密漁問題でも話題となりましたが、彼らが例の調子で徒党を組んで北朝鮮の漁場を荒らしたことが(ただし、朝鮮東海域の操業は両国間の了解はあったとみるべき)、今回のニュースにつながっているのではないか……。羅先での見聞はまたあらためて。

※朝鮮半島近海の中国漁船の操業問題については韓国でも黄海上でいろいろ起きているようです。

[ルポ]中国不法操業漁船を取り締まる韓国海洋警察船

禁漁解除を控え経済水域に群がる
一群を追い出せば別の一群がやって来る
夜通し命賭けのかくれんぼ
鉄格子にひっかかり短艇転覆
「武力抵抗に命の危険を感じることも」

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18535.html
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by sanyo-kansatu | 2014-11-29 16:44 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)
2014年 11月 29日

大連現代博物館の近代史の展示は台湾に似ている!

今年7月下旬、大連を訪ねて足を運んだいくつかの場所の中でとても興味深かったのが、大連現代博物館でした。
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大連現代博物館は2002年、いわゆる「愛国主義教育基地」としてオープンした博物館です。当初は改革開放以降の大連市の発展を紹介するプロパガンダ施設としかいえない代物でしたが、07年市政府はリニューアルを決定。13年4月に再オープンされました。その目玉常設展が「近代大連」です。ここではアヘン戦争の1840年から1949年の新中国建国に至る大連の歴史を扱っています。
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もともと小さな漁村にすぎなかった大連の誕生は、19世紀後半にロシア帝国がこの地に進出し、自由港とするべく港湾施設を建設したことに始まります。
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その後、日露戦争(1905)の勝利によって大連建設の主導権が日本に移ります。
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その遺構である「関東都護府」などの石碑も展示されます。
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大連港の建設や満鉄の設立、市街地の発展、路面電車の敷設など、見事に発展していく大連の近代史を豊富な写真や遺品で紹介していきます。
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この展示はいくつかのコーナーに分かれていて、中国ではお約束ともいうべき「人民反抗闘争」のコーナーもあります。
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しかし、何より驚いたのは、もうひとつのコーナーです。1840年~1945年の日本統治期を含めたその期間を「多元文化的交流与融合」の時代と位置づけ、当時の街の様子や人々の日常の暮らしを紹介していることでした。以前、旅順にある歴史博物館をすべて訪ねましたが、そこでの展示は、日本帝国主義の侵略と人民の抵抗だけの内容でした。それに対し、「多文化的交流と融合」の時代とは……。今日の中国では稀有ともいうべき斬新なコンセプトといえます。
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面白いのは、日本統治期に「浪速町」(現在の中山広場から旧ロシア人街に通じる通り)と呼ばれた繁華街のジオラマや、現在では跡形もない大連神社の太鼓(どこに保存されていたのでしょう?)の実物など、当時の市民生活の実像を紹介する展示がいくつもあったことです。
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そこには、中国の他の都市では決して見られない、戦前の日本と関わる史実を「歴史」として公平に扱おうとする姿勢があるのです。日本の記憶をすべて否定の対象とするのではなく、「多文化」の融合した時代の象徴として展示すること。そこには日本統治期を相対化しようとする視点があります。以前訪ねた台湾の歴史博物館の展示に似た印象を持ちました。

しかし、それはふつうに考えてみれば当然のことだ思います。なにしろ大連で都市建設が着手されたのは19世紀末のこと。自らの歴史を史実に沿って語ろうとすると約100年という短いスケールの中で日本の記憶を除き去ることができないのは無理もありません。それは上海の歴史博物館が西洋列強の租界を自らの歴史として取り込んでいるのと同様だからです。日本が占めた時間の意味をことさら誇張するつもりはありませんが、逆に政治的な意図があったため、これまで中国の歴史展示はそれを無視してきたといえます。

大連現代博物館の「近代大連」は、日本による侵略一色に塗りたてられていた中国東北地区の歴史展示を、固有の地域史として市民の実感に即して描き直そうとする野心的な試みではないかと思います。

しかし、ここは2010年代の中国。習近平体制以降、過去へと時代が逆行するような時勢の中で、このままずっとこの展示が許されるのだろうか。正直なところ、心配になったほどです。

ですから、あまり騒ぎ立てたりすると中国当局が反応してはまずいので、皆さんそっと足を運んでいただきたいと思います。実は、ぼくはこの博物館の館長と面識があるのですが、名前も伏せておこうと思います。その方に迷惑がかかると申し訳ないからです。中国とはどうしようもなく、そういう国だからです。

大連現代博物館の意欲的な取り組みは、近代史の展示だけではないようです。ちょうど訪れたとき、別の展示室で中部アフリカの民族文化の企画展も開催していました。アフリカへの莫大な投資を進める今日の中国が、市民に対して異文化理解を深めることを目的とした企画という意味であれば、これも興味深いといえます。
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さらにいうと、日本のアニメ文化の企画展なんてのもあったようです。
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大連現代博物館
沙河口区会展路10号
http://modernmuseum.dl.gov.cn
星海広場の北端にあります。
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by sanyo-kansatu | 2014-11-29 15:15 | 日本人が知らない21世紀の満洲 | Comments(0)
2014年 11月 28日

〔検証〕1300万人突破か!? 今年の訪日外国人旅行者数は何が押し上げたのか

今年1~10月の訪日外国人旅行者数が過去最高の1100万9000人(日本政府観光局(JNTO)調べ)になったことを、各メディアが先週一斉に報じた。昨年は年間1036万人で、今年は早くも10月までで1100万人を突破。前年度比27.1%増という高い伸率は、日本の経済指標の中でも数少ない成長事例といえるだろう。「年間では1300万人前後になる見込み」とJNTOは予測している。
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では、今年の訪日外国人旅行者数は何が押し上げたのだろうか? 

すぐに思いつくのは、今秋以降さらに顕著となった円安効果だろう。だが、それだけが理由とはいえない。通貨安となった国がどこでも観光客が増えるかというと、必ずしもそうではないからだ。ならば、背景には何があるのか。以下、JNTOのリリースを基にその要因を検証したい。

5人のうち4人がアジアからの旅行者

2014年1~10月の訪日外国人旅行者数トップ10の国別訪日外客数(推計値)と伸率は以下のとおりである。ここから何が読み取れるのか。

1位 台湾 2,381,200(26.4%)
2位 韓国 2,245,400(6.8%)
3位 中国 2,011,800(80.3%)
4位 米国 744,900(11.9%)
5位 香港 734,400(20.2%)
6位 タイ 513,300(48.2%)
7位 豪州 242,900(22.6%)
8位 英国 184,700(14.0%)
9位 マレーシア 182,500(49.8%)
10位 シンガポール 153,400(17.0%)
※( )内は前年度比

トップ5(台湾、韓国、中国、米国、香港)はこの10年間変わらないが、今年初めて台湾がこれまで不動のトップだった韓国を抜いて1位に躍り出た。背景には、台湾と日本の間で結ばれた航空協定(オープンスカイ)による路線の拡充がある。同協定が調印された2011年11月以降、日台を結ぶ航空便は飛躍的に増加。13年2月以降は21カ月連続で訪日客数が過去最高を更新と、その勢いは今年に入っても変わっていない。台湾の航空便は日本の多くの地方都市と結ばれているのが特徴だ。その結果、訪問地の多様化が進む台湾は訪日旅行市場の中で最も成熟しているといわれる。

※台湾がトップとなった背景については、やまとごころコラム「25回 過去最高200万人超えなるか!? 今年の訪日5人に1人が台湾客となった理由」http://www.yamatogokoro.jp/column/2013/column_143.html 参照。

2位は韓国。他と比べ伸率(6.8%)が低い理由は、4月の旅客船沈没事故の影響が指摘される。ただし、夏以降回復傾向が見られる。4位は米国。米国経済の回復基調が続き、今年4月以降、7カ月連続で各月の過去最高を更新している。5位は香港。こちらも台湾同様、21カ月連続で過去最高を更新。「9月末からのセントラルのデモの影響はまったくない」(現地関係者)という。

一方、伸率でみると、3位の中国は前年度比80.3%増と最も勢いがある。12年秋の尖閣問題で一時激減したが、昨秋以降大幅回復を見せているのだ(その背景については後述する)。タイ(6位)やマレーシア(9位)、シンガポール(10位)など、昨年観光ビザを撤廃したアセアン諸国も急増している。フィリピン(63.5 %増)やベトナム(49.1 %増)などの伸びの高さからも、政府の実施したビザ緩和がアセアン諸国の訪日客急増のもうひとつの要因であることがわかる。

いまや訪日外客数全体でアジア諸国が占めるのは約8割だ。今年、欧米主要国からの旅行者も各国平均10%以上増えており、欧米人ツーリストの姿をよく見かけるようになったと感じた人も多いだろう。だが、実際には5人のうち4人がアジアからの旅行者である。それが訪日旅行市場の実像だ。国別の伸率をみる限り、この傾向はますます強まりそうだ。

アジア各国の精力的な訪日路線の拡充

こうした市場の概況をふまえ、今年訪日旅行者数を押し上げた具体的な要因を考えてみたい。

観光白書(平成26年版)によると、訪日外客数の国別ランキングで日本は27位(2013年)だが、陸路で国々がつながる欧州やアジア諸国と違い、島国である日本が訪日客を増やすには、基本的に航空便の増便や新規就航で座席数を積み上げていくことしかない。つまり、今年伸率の高い国ほど訪日路線が拡充したことを物語っている。

なかでも突出しているのが中国だ。

今年の日中の航空路線の動きで注目すべきは、中国ナンバーワンLCCの春秋航空の路線拡充と天津航空の新規就航だろう。春秋航空は昨年までの上海から茨城、高松、佐賀の3路線に加え、今春以降、関空、新千歳の2路線と、内陸都市の重慶、武漢、天津から関空への3路線を新規就航させ、全8路線となった。夏には春秋航空日本(スプリングジャパン)が国内4社目のLCCとして成田から国内3路線(広島、高松、佐賀)を就航している。これは中国客の乗継需要も活かせるため、外資LCCならではの新しい動きといえる。天津航空は夏季限定の天津・那覇、静岡(ただし、静岡はチャーター便)を就航した。
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春秋航空日本の成田・佐賀線初就航便

※春秋航空については、やまとごころコラム「31回 中国客の訪問地の分散化に期待。中国ナンバーワン旅行会社、春秋国際旅行」 http://www.yamatogokoro.jp/column/2014/column_163.html 参照。

今年6月以降、中国国際航空や中国東方航空などの国営キャリアでも、上海発を中心に関空や新千歳、那覇などの増便が目立っている。7~8月、中国南方航空の広州・新千歳のチャーター便も多数運航された。総計で週に約40便が増便され、路線も拡充した背景には、旺盛な中国の訪日旅行需要があったことは間違いない。

今年出遅れていた韓国も、8月以降回復基調をみせており、10月の訪日客の前年同月比は57.7%増となった。実際、日韓間の増便やチャーター便の運航は増えている。主なところでは、エアプサンの釜山・福岡、ティーウェイのソウル・那覇などのLCCの路線拡充が目立つ。大韓航空のソウル・旭川などの夏季限定のチャーター便など、北海道や九州、沖縄方面への増便が多いのも特徴だ。韓国の訪日旅行市場も台湾同様成熟しており、訪問地の多様化がさらに進むことが期待される。

本来、航空路線の拡充は日本と海外の双方向の人の流れが基調となるべきだが、日本からの中国・韓国方面への渡航者は一方的に減少している。そのため、日系エアラインはこの方面のレジャー路線を絞り、ビジネス路線に傾注せざるを得ない状況にある。つまり、拡大するアジアの訪日旅行市場は海外のエアラインのレジャー路線拡充戦略にかなりの部分握られているといえるだろう。市場規模は中韓に比べればまだ小さいアセアン諸国でも、精力的な路線拡充の動きはみられる。一部、日系LCCのアジア路線の就航の動きもあるが、全般的にみてこの状況は変わりそうにない。

一回の寄航で2000人以上を運ぶ大型クルーズ船

訪日中国客数を押し上げたもうひとつの要因に、大型クルーズ船の寄航の再開がある。なにしろ中国発のクルーズ船は、一回の寄港で2000人以上の乗客を運ぶからだ。

主な出航地は上海と天津。最もスタンダードなのが、東シナ海周遊4泊5日コースで、福岡など九州各地や韓国(済州島、釜山)を寄港する。2000年代後半から欧米や中国国内のクルーズ会社が東シナ海を周遊するクルーズ船の運営を始めており、いまや上海の海外旅行市場では最もポピュラーな商品として定着している。
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今年7月運航した上海発クルーズ船(プリンセス・サファイア号)は福岡と釜山に寄航

もともと東シナ海クルーズは夏がメインシーズンで、中国発クルーズ船の九州寄港は、2012年秋に尖閣問題でいったん休止した。そのため、13年は九州を訪れる海外クルーズ船の総数が半減。ところが、同年秋以降、徐々に運航が再開され、今年に入って一気に増えた。14年寄港した上海発クルーズ船の数は以下のとおりである。

上海発クルーズ船の寄航数(JNTO調べ)
2014年2月 1隻
    3月 5隻
    4月 9隻
    5月 8隻
    6月 6隻
    7月 17隻
    8月 14隻
    9月 16隻

主な九州のクルーズ船寄港状況は以下のサイトで確認できる。

博多港
http://port-of-hakata.city.fukuoka.lg.jp/guide/cruise/index.html
長崎港
http://www.jopa.or.jp/port_detail/nagasaki.html
那覇港(那覇港管理組合)
http://www.nahaport.jp/kyakusen/nyuukouyotei2014.htm

上海のクルーズ人気について、現地の旅行関係者はこう語る。「人気の理由は3つ。寄港地でのショッピングが楽しめること。船が大きいぶん料金が安いこと。祖父母と親子3世代のファミリーが安心して参加できること」。

上海発のクルーズ商品は3つのランクに分かれるが、最も大衆的な価格帯は4泊5日で5000元が相場だ。飛行機やバスで移動し続ける団体ツアーは、シニアや子供連れには大変だが、クルーズの旅ならのんびり船上で過ごせることで、海外慣れしていない層も参加しやすいという。上海では初めての海外旅行がクルーズというケースも一般的だ。

東シナ海の中心に位置する上海は、数日間で周遊できる寄港地が近場にいくつもあり、バリエーション豊かなコースの造成が可能なのだ。今日の東シナ海が、島をめぐる日中の確執の舞台であるだけでなく、中国人の大衆的なレジャー空間になっているという、もうひとつの顔を承知しておいてもいいだろう。

※上海発クルーズの人気の背景は、やまとごころコラム「30回 クールな上海の消費者にいかに日本をアピールすべきか?(上海WTF2014報告)」http://www.yamatogokoro.jp/column/2014/column_161.html 参照。

もちろん日本に寄港するクルーズ船は中国発ばかりではない。欧米からのクルーズ船も全国各地を訪れている。舞鶴港(京都府)では、今年15回の寄港があり、地元では上陸してくる外国人観光客の歓迎ムードが盛り上がっている。地元の高校生らが歓迎のうちわを制作したり、英語によるボランティアガイドに挑戦したりしているという。

一般にクルーズ船の上陸時間は8時間程度で、ホテル利用もなく、買い物も特定の量販店や大型ショッピングモールに限られがちなため、地元に幅広く経済効果をもたらすかについては疑問の声もある。それでも、国際航空便のない地方都市で外国人観光客受入のノウハウを学べる好機となるクルーズ船誘致の動きは全国で広がっている。

※クルーズ船の全国の寄港状況については、以下のサイトを参照。
CRUISE PORT GUIDE OF JAPAN
http://www.mlit.go.jp/kankocho/cruise/jp

10年の積み重ねが巨大な吸引力を生んだ

日本政府観光局(JNTO)は、今年10月の訪日外客数が単月として過去最高の127万2000人となった理由について、以下のように解説している。

「円安による割安感の浸透や、消費税免税制度の拡充、大型クルーズ船の寄航、秋のチャーター便の就航、大型国際会議の開催、中国・国慶節休暇中の集客を狙ったプロモーションや、各市場において紅葉の魅力を集中的に発信したこと」

なかでも10月1日から実施された消費税免税制度の拡充(外国客向けの免税品目の拡大)はひとつのポイントだろう。これまで家電や衣料品などに限られていた免税品目を、食品や化粧品などの消耗品にまで広げたことで、外国人旅行者の購買意欲に火をつけようというのが狙いだ。実際、この情報は中国をはじめアジア各国でいち早く広まったという。

全国の免税販売対応店は、10月1日現在9,361店。メイド・イン・ジャパンを掲げる「ショッピング・ツーリズム」の推進は、アジア新興国の旅行市場のニーズに合っているのは間違いない。だが、実際にはクルーズ客の事情と同様、一部の量販店や百貨店、大型ショッピングモールの利用が集中。恩恵を受けるのは大都市圏の一部であり、全国での「幅広い経済効果」は難しいとの指摘もある。

この点をふまえ、日本政府観光局(JNTO)の鈴木克明海外マーケティング部次長は次のように指摘する。「訪日客の増加は円安効果が大きいとよく言われる。確かに円安は訪日のひとつの動機になるが、通貨安だからといって急に観光客が増えるというものではない。これまで10年かけて培ってきたプロモーションによる日本のイメージがあり、日本に行きたいというニーズが生まれた。国と民間が一体となってやってきた努力が実を結んだと思う」。

政府が「観光立国」を目指してビジットジャパンキャンペーンを開始したのが2003年。これまで10年をかけて積み重ねてきた官民一体のプロモーションの相乗効果が海外の消費者に対する日本への理解や期待を高め、訪日旅行市場に巨大な吸引力を生んできたことは確かだろう。円安効果は日本に対する認知度があってこそ追い風となるのであり、何事も実を結ぶには10年くらいの地道な営みが必要だと考えるべきなのだ。

このまま増え続ける保証はない

では、20年までに2000万人という目標を掲げる訪日外国人旅行者数はこのまま増え続けるのだろうか。

実際には、来年も今年のような高い伸びが続く保証はどこにもない。なぜか。

まずこの1、2年高い伸率をみせたアセアン諸国のビザ講和の効果はすでに一巡し、伸率は鈍化するかもしれない。そして、今年トップの台湾や香港の1~10月の訪日客数を人口比率でみると、台湾(人口約2300万人、238万人)、香港(人口約700万人、73万人)とすでに1割を超えている。これは十分驚くべき数字であるが、伸びしろは多くないと考えても不思議ではない。

そう考えると、頼りは巨大なポテンシャルを感じさせる中国市場となる。今年1億人超という中国の海外渡航者数は、うち4000万人を占める香港を除いても、桁違いに大きな市場である。

日中関係が最悪といわれるなか、中国からの訪日客が増えている状況に戸惑いを感じるむきもあるかもしれない。この点について日中間には認識の違いがあるようだ。中国の消費者の立場で考えれば、中国メディアがどんなに騒ごうと、個人レベルでは日本に行ってみたいというニーズは、とりわけ中国で最も消費社会が進んだ上海を中心に確実に存在する。

一方、日中の航空路線の拡充は上海発に集中しており、全国的な動きとはいえない面もある。地方都市の旅行関係者からはこんな声も聞かれる。「中国は一様ではない。もし日中関係が良好なら、いまの2倍は日本に行ってもおかしくない。多くの中国人はまだ政府に遠慮している」。事実上中国客は増えているが、政治的な理由でまだ相当抑制されている地域の消費者も多いという。

今年韓国に約600万人もの中国客が訪れると聞けば、政治の影響がいかに大きいか物語っている。先般、実現した日中首脳会談が今後どう市場に影響を与えるか、気をもんでいる日中両国の関係者も多いだろう。

ともあれ、手をこまぬいていては何も始まらない。台湾や韓国、香港といった成熟した訪日旅行市場はまだ全体の一部である。中国の訪日客は個人ビザ客が増えているにもかかわらず、訪問先は圧倒的に東京や大阪などの大都市圏に集中しているといわれる。訪問地の多様化はそれほど進んでいないのだ。これはアセアン諸国の市場も同じだろう。

訪日外国人旅行者を今後も順調に増やしていくには、訪問先を全国各地へと分散化していく戦略が不可欠なのだ。これは「地方創生」にもつながる話である。

現在、海外で広く知られている日本の旅行先および商品群は、①東京・大阪ゴールデンルート周遊、②首都圏・関西圏の都市観光、③北海道、④沖縄などに限られるのが現実だ。今後、仕掛けなければならないのは、これらに次ぐ新しい「顔」の創出だ。その点でいえば、アジアから距離的に近い九州をまずは優先すべきだろう。

残念ながら、海外での九州の認知度はいまひとつのようだ。上海の旅行会社の担当者から、九州の売り方がわからないという話を聞く。アジア新興国市場ほどこの傾向が強い。一方、韓国のように九州を舞台に自ら新しい旅のスタイルを生み出している市場もある。両地域の歴史的なつながりがいかに深いか感じさせる話だ。
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九州では韓国客が始めたハイキングコース(オルレ)が人気

日本人の目で見れば、九州には火山もあるし、自然も温泉もある。歴史もグルメもある。しかし、いろいろある、だけではダメなのだ。対外的にすでに認知された4つの旅行先とは明らかに異なる明快な九州イメージの確立が求められている。それがなければ、外国客には選んでもらえない。イメージ確立のためには、持ち札のすべてを見せようとするとかえって逆効果だ。むしろ、まず何かひとつに絞り込むしかない。相手国に合わせてまったく別の「顔」を見せてもいい。

言うは易く行うは難しだが、これは九州に限らず、まだ海外で認知されていないほとんどの地方が抱える共通の課題でもある。

ともあれ、訪日外国人旅行市場には明らかに追い風が吹いている。課題は数々あれど、いまの日本、これほど先行き楽しみなチャレンジはそうあるものではない。

※やまとごころレポート7回 http://www.yamatogokoro.jp/report/2014/report_07.html
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by sanyo-kansatu | 2014-11-28 16:15 | 最新インバウンド・レポート | Comments(0)
2014年 11月 19日

大連の若い世代(80后)は日本時代の住居や路面電車が懐かしいという

今年7月下旬、大連を訪ねたとき、最も印象に残った場所が、地元生まれの若いカップルが経営しているカフェ「瀋小姐の店」でした。
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この店の特徴はお茶を飲むだけでなく、店内で版画や手づくり工芸を楽しめることです。アトリエ風の店内は、創作教室といってもいいかもしれません。
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客層は圧倒的に若い女の子ばかり。彼女たちは地元だけでなく、中国全土から旅行で訪れた人たちも多いそうです。
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店内には、大連の老房子(古い建築)をイラストや版画で描いた絵はがきや日本統治時代の古地図が売られています。
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「大連印画」「老大連」「大連の詩」「大連老式電車の旅」「歩く大連」「大連老建築」など、種類もいろいろ。中国の歴史博物館に展示されているような、どこかおどろおどろしい日本統治時代の写真とは、まったくの別世界。いまどきの中国の若者のセンスが感じられるポップな仕立てとなっています。

このカフェを経営しているのは、1984年大連生まれの周科さんと瀋潔さんです。ふたりは大連工業大学時代の同級生。ちなみに同大学には、アートデザインや服飾などの学部もあります。なぜこの店を始めたのか聞くと、こう話してくれました。
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「ぼく(周さん)は子供の頃、祖母の住む古い日本家屋でよく過ごしました。いまはオリンピック広場となっている北側の一画ですが、当時はそれが日本家屋だとは知りませんでした。高校生になった頃、これらの老房子が次々に再開発されるのを見て、自分の大切な思い出が失われていくようで惜しいと思ったのです。

大学で美術を専攻したぼくは、老房子の写真を撮り始めました。大学を卒業後、美術教師をしながら、撮りためた写真や版画を絵はがきにして、大連を訪れる観光客に伝えたいと考えたのが、このカフェの始まりです」。

※再開発の進む大連の状況については「次々に壊されていく文化台の一戸建て住宅【昭和のフォルム 大連◆文化台②】」http://inbound.exblog.jp/20697489/参照。
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奥さんの瀋潔さんは浙江省出身ですが、大学で知り合った周さんに大連をあちこち案内されたとか。そのときの移動の足はたいてい路面電車だったそうです。いまも自宅からこのカフェまで毎日通勤の足は路面電車。車窓から見える老房子を眺めながら、電車に乗るだけで大連の魅力が満喫できてしまうと思ったことから、このイラストマップ「大连漫游计划」(一部)や「大連老式電車の旅」の絵はがきをつくることを思いついたといいます。
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実は、奥さんの瀋潔さんは毛糸や皮の小物の手作り作家で、ノウハウ本の著書もあるという女性。このカフェには、そんなふたりの噂を聞きつけて、手作り創作と大連の魅力を教えてもらおうと全国からファンが集まるようになったといいます。
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周さんの話を聞きながらとても興味深いと思ったのは、1980年代生まれ(中国では「80后」世代といって、文革以前の古い社会主義中国を知らない新世代)の彼らが大連の日本家屋に対して親しみと懐かしさを感じているということでした。彼らは1990年代以降の「愛国主義教育」を最初に受けた世代ですが、そこで教え込まれた「歴史認識」をするりとスルーして、日本時代の建築に自らの幼少期の舞台としてノスタルジーを感じていることです。彼らにとって日本家屋は自分たちの大切な思い出なのです。

※中国の「80后」世代については、カテゴリ「アニメと「80后」の微妙な関係」を参照。
http://inbound.exblog.jp/i13

もっとも、いまとなってはわずかに現存するにすぎない大連の日本家屋は、いわゆる内地の家屋とは違い、当時は最先端の文化住宅だったはずです。なにしろ水洗トイレやお風呂も普通に備わっていたのです。大連で幼少期を過ごした年配の方が、日本に引き上げてきてからいちばん驚いたのは、「ボッチャントイレ」と「五右衛門風呂」だったと話していたことを思い出します。「大連の当時の生活環境に日本が追いついたのは、昭和50年代になってからではないか」。そう語る引き上げ世代の話を聞いたこともあります。つまり、大連の若い世代が懐かしく思っているのは、戦前期の日本にはまだ一般化していなかった昭和モダンの最新式住居が歳月とともに老朽化した姿だったといえます。

大連の若い世代の日本家屋に対する感覚は、大連育ちの日本の年配の皆さんと重なる部分とそうでない部分があるかもしれませんけれど、実はぼくのような戦後まれの「満洲3世」にとっても共感する部分が大きいといえます。それは大連との同時性を有していた日本の昭和モダンが持つフォルムの温かみや懐かしさを、高度経済成長期に重なる自らの成長とともに失ってしまったという想いであり、日中の経済発展のタイムラグによって同じ経験が後年外地でも生まれたのだという共時性を周さんに感じるからです。実際、ぼくが初めて大連を訪ねたのは1980年代半ばで、彼が生まれたばかりの頃でした。

だからでしょうか、ぼくは初対面の周さんと話がずいぶん合いました。なぜ彼が老房子の写真を撮りためようとしたか、その動機が手に取るように理解できたからです。そんな話を周さんにしたところ、彼も日本で刊行された大連の老房子の写真集や本を集めていると言いました。

ちなみに周さんは電車ファンでもあるそうです。実は、1990年代の薄熙来市長時代の大連では、それまで使っていた日本時代の老朽化した電車を新式車両に転換する際、あえて外観のデザインは日本時代の姿を残そうとしたそうです。それが大連市民のフィーリングに合ったからでしょう。その決定はいまも高く評価されていると聞きます。
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その車両は、時代を経て今日も残る日本時代の石造建造物との対比でみると、少し真新しすぎるように見えなくもないのですが、遠目のシルエットは当時と変わらないものです。それが旧満鉄関連のビルの前を走っていたりする姿がいまでも見られるのが、大連の風情となっています。そして、その路面電車は周さん夫妻たち、現在の大連市民の日常の足でもあるのです。

大連市民の間では、いまでも失脚した薄熙来の人気が高いようですが、こうした日本がらみのエピソードが穏やかに語られているのは、中国広しといえども、大連くらいではないでしょうか。

カフェ「瀋小姐の店」は、旧ロシア人街の最も奥まった場所の右手にあります。いまや新しい大連観光の情報発信地となっています。
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旧ロシア人街の建物はいまではあざとくペイントを塗り替えられ、テーマパークと化してしまいましたが(そういう意味では、もう情緒はありません)、カフェの窓の外には旧大連自然博物館が見えます。なぜかここだけは投資の対象からはずされ、かつて東清鉄道事務所や市役所にも使われた老房子の荒れ果てた姿は、ちょっぴり痛々しさを覚えます。
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●カフェ「瀋小姐の店」
住所:大連市西崗区団結街6号文化産業研究中心
http://site.douban.com/129650/


※現在の旧ロシア人街については――

ショック!? 大連「旧ロシア人街」の再開発が一気に進んでいた
http://inbound.exblog.jp/24019874/
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by sanyo-kansatu | 2014-11-19 18:35 | 日本人が知らない21世紀の満洲 | Comments(0)
2014年 11月 13日

スカイツリーが台湾客に大人気!…そう聞くと癒される今日この頃

朝日新聞(2014年11月13日)によると、「世界一高いタワー・東京スカイツリー(墨田区、634m)が台湾人観光客の人気を集めている」といいます。
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「2013年どの台湾人団体客は前年度の約8倍になり、個人の外国人客の2割近くを占めた」とか。

同記事によると、人気の理由は「高さとデザイン」。「テレビでも新聞でもよく紹介されている。新しくてデザインが格好よくて、世界一高い。ずっと見たかった」(会社経営者の王怡仁さん(26))。「キャノン製のカメラのシャッターをしきりに押し、「ここでプロポーズしたら最高ですね」」と話してくれたそうです。

まるで仕込みのようにも思えてくる期待通りのコメント。スカイツリーってホントにそんなに外国人に人気なんでしょうか。訪日客の8割を占めるアジア新興国の人たちの住む主要都市には、いまどきたいてい高層ビルや展望タワーがあるものです。彼らにとってスカイツリーがそんなに珍しいとは思えないからです。

ところが、相手が台湾の人だとすれば、まんざらウソではなさそうなのです。普段から近隣国の悪意のこもった嫌がらせや日本を貶める非難の声ばかり耳にしているので、つい心根もひねくれてしまいがちですが、台湾の人たちだけは、日本のバリューを素直にまっすぐ受けとめてくれる。その姿にふと癒されてしまう今日この頃です。

思うに、台湾の人たちの日本に対するまなざしは、日本人が西欧に向ける憧れのまなざしに似たところがあるのではないか。日本人は明治以降、西欧の文化であれ、制度であれ、技術であれ、好ましいものとしてひたすら受け入れてきました。その後、日本は西洋列強に対して戦争まで仕掛けてどん底に堕ちたわけですし、アジア主義者たちもたくさんいて、別方向のベクトルも多数存在していました。それでも、ベースとなるまなざしは変わらない気がします。憧れとは、相手を優れたものとして尊び、親しみたいという想いでしょうか。同じようなことは、台湾と日本との間にもいえるのかもしれません。

なぜなのか。その理由を理詰めで説明しようとしても詮無いように思います。そういう意味では、日本の中国文化に対する愛好も、双方がほどよく距離を置けた時代までは、西欧と同じようにあったのに、残念なことです。

こういう台湾と日本の特別な関係なくして、スカイツリーを訪れる台湾の人たちの想いを理解することはできないと思います。普段はこちらも台湾のことなどそれほど気にかけているわけでもないのに、ありがたいことです。せめて彼らの期待に応えられるようにしなければ。こういう気分、悪くはないですね。

さて、スカイツリーを運営する東武タワースカイツリー社によると、2013年度の台湾人団体客は約2万1千人で、12年度(約2700人)だったとか。「前年度の約8倍」とはこのことでした。今年度は4~9月に約1万7千人と昨年同期比で4割増えたそうです。

台湾ではPRも叩けば響くといいます。

昨年秋、台北国際旅行博(ITF)を視察に行ったとき、現地のPR関係者から台湾人訪日客のプロモーションについて、こう言われたことを思い出しました。

「台湾というのはありがたいことに、何かやると必ず反応が返ってくるんです。レスポンスがすごくいい。やりたいことはだいたいできている。もともと台湾の人たちは日本に行く気があるので、うまく押してあげるといいんです」

過去最高200万人超えなるか!台湾客急増の背景にはオープンスカイがある(台北ITF報告その5)
http://inbound.exblog.jp/21387914/

ちなみに東京スカイツリーは台湾の超高層ビル「台北101」と友好関係を結び、それぞれで両方訪ねた人にはプレゼントがもらえるそうです。
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by sanyo-kansatu | 2014-11-13 17:15 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2014年 11月 12日

100円ショップを観光客に広めたのは外国人ツアーガイドだった

100円ショップは、コンビニと同様に日本人の日常生活にはなくてはならないインフラといえますが、いまでは外国人ツアー客も必ず立ち寄るお土産買いスポットとなっています。
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4年ほど前、中国から来た団体ツアー客の同行取材をしていたとき、皇居、浅草、新宿(歌舞伎町、都庁展望台)、銀座など、都内の定番スポットを2日間かけて訪ねた後、最後にお台場でバスを降ろされました。

そこで中国人ガイドがツアー客を案内したのは、ザ・ダイソーアクアシティお台場店。「ここは商品のどれでも100円均一。食品から雑貨、文房具、化粧品、衣類、食器など、何でも売っています。中国に帰ってみんなに配るおみやげを買うにはうってつけですよ」。

バスでの移動時間が長い中国をはじめとしたアジアからの観光客は、たいていの場合、外国人ツアーガイドによって100円ショップに連れてこられるようです。

100円ショップの商品には確かに玉石混交はありますが、さすがは日本の長期デフレ時代を象徴する商業施設。商品のデザイン性や品揃えの豊富さ、陳列の美しさなどに定評があります。

外国人ツアーガイドの多くは、日本在住者か添乗で何十回も日本を往来している人たちです。100円ショップに連れていけば、お約束で連れ回される怪しげな華人経営の免税店では、常に何かを買わされるのではないかと疑心暗鬼になっているツアー客の信頼を勝ち得ることも心得ている。彼らにとって免税店からのキックバックのような実入りはなくとも、客の気持ちをつかむ一種の隠し技なのでしょう。

では実際、ツアー客はどんなものを購入していくのか。

実はそれもガイド次第なのです。中高年客が多い場合は、意外に便利なお値打ち実用品をおすすめ。たとえば、ピーラー(野菜の皮むき器)は驚くほど皮がむけるので女性客にウケるといいます。爪切りセットも人気のアイテムだそう。若い客が多い場合は、キャラクター系や色味の鮮やかな和雑貨類。「これが100円だなんて、誰もわからないでしょう」とガイドはそっと口添えするのを忘れません。
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ただし、中国客は「メイド・イン・チャイナ」では価値が暴落すると考えているので、商品に「メイド・イン・ジャパン」と記されているかどうか、厳しい目で見極めています。

日本全国にある100円ショップの場所は、以下のサイトで探せます。「ダイソー」や「キャンドゥ」などのチェーン店が特に有名です。

全国100円ショップMAP
http://100yen.shopmap.jp/
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by sanyo-kansatu | 2014-11-12 14:59 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2014年 11月 09日

11月になってもバスはそこそこ来ています(ツアーバス路駐台数調査 2014年11月)

11月に入ってもバスはそこそこ来ています。ここ数年を振り返っても、この時期までバスが何台も並んでいる光景を見るのは初めてです。
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JNTOの統計によると、今年1~10月の訪日外国人旅行者数が過去最高の1100万9000人(日本政府観光局(JNTO)調べ)になったそうですし、新宿に現れるツアーバスの主人公、中国人旅行者数はこの時点ですでに200万人を突破し、前年度比80.3%増と最も勢いがあります。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(土)未確認
2日(日)未確認
3日(月)未確認
4日(火)12:20 3台
5日(水)17:40 2台
6日(木)18:00 3台
7日(金)12:20 5台
8日(土)未確認
9日(日)未確認
10日(月)12:30 4台
11日(火)未確認
12日(水)17:40 3台
13日(木)18:00 2台
14日(金)17:20 4台
15日(土)未確認
16日(日)未確認
17日(月)11:50 3台、19:30 2台
18日(火)17:40 2台
19日(水)未確認
20日(木)18:30 4台
21日(金)12:50 3台
22日(土)未確認
23日(日)未確認
24日(月)未確認
25日(火)11:40 5台
26日(水)未確認
27日(木)12:20 6台、17:50 3台
28日(金)11:40 5台
29日(土)12:30 6台
40日(日)未確認
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by sanyo-kansatu | 2014-11-09 17:18 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)