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2015年 04月 30日

白頭山(長白山)の国際観光化の行方はいかに?

最近、北朝鮮が外貨獲得のために外国人観光客を呼び込もうとする動きを再開したことがいくつか報じられています。

北朝鮮 白頭山のふもとに国際観光特区を設置 【ソウル聯合ニュース(2015.4.23)】

「北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、中朝国境地帯にある白頭山のふもとの両江道三池淵郡に「国際観光特区」を設置したと報じた。特区指定に関する最高人民会議常任委員会の政令が22日に発表されたという。

北朝鮮による国際観光特区の指定は南東部の景勝地・金剛山(2011年)に続き2例目となる。金剛山と併せて白頭山観光を本格的に活性化し、外貨稼ぎに力を入れるとみられる。

政令によると、三池淵郡の茂峰労働者区の一部地域が「茂峰国際観光特区」に指定された。

茂峰労働者区は標高1220メートルの位置にあり、北朝鮮は2000年代初めから同地に宿泊施設や浴場などを建設し、「山中の休養所」と宣伝してきた。空港も近く、北朝鮮内の他地域に比べ観光産業の育成に必要なインフラが整っている」。

平壌・上海間に定期便=26日に就航-中国メディア【上海時事(2015.4.25)】

「中国のニュースサイト澎湃は25日までに、北朝鮮国営高麗航空の平壌-上海間の定期直行便が26日に就航すると報じた。これまで同路線はチャーター便だけだった。北朝鮮は最近、観光に力を入れており、中国人観光客の取り込みを狙ったとみられる。

直行便は毎週日曜と木曜に平壌から上海へ飛び、月曜と金曜に平壌へ戻るという。北朝鮮と中国を結ぶ定期便は現在、平壌-北京と平壌-瀋陽の2路線。上海からは夏季に観光用のチャーター便が出ていた。

北朝鮮は今回の定期便就航に合わせて、旅行商品の価格を下げたという」。

北朝鮮の高麗航空が中国河南省の鄭州と平壌を結ぶチャーター路線を開設【Daily NK 2015年04月27日】
http://dailynk.jp/archives/40394

「北朝鮮の高麗航空が中国河南省の鄭州と平壌を結ぶチャーター路線を開設したと、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が22日、中国人民日報の記事を引用して報道した。

報じられたチャーター便は、19日に鄭州空港を離陸し、2時間20分後に平壌空港に着陸した。平壌に到着した140人の中国人観光客は平壌市内、開城、金剛山、板門店などを巡る4泊5日のツアーに参加している。

高麗航空が直行便を開設した中国の都市はこれで6つ目。これまでにも上海、延吉、瀋陽、西安などに直行チャーター便を飛ばした実績がある。

平壌ー上海便は昨年7月から10月まで運行され、上海発は木曜日、平壌発は日曜日に運行されていた。

北朝鮮はエボラウイルス流入を遮断するために外国人観光客の入国を禁止していたが、解除されて以降は中国人観光客が増えており、今回のチャーター便就航もその流れによるものだ。

一方、中国の吉林新聞はも延吉ー平壌間のチャーター便が6月に運行を再開すると伝えている。高麗航空の関係者は同路線を10月まで運航し、搭乗率によっては定期路線化も視野に入れていると語った。

さらに、中国の人民網は、ハルビン空港の関係者がハルビン平壌路線の復活について高麗航空の関係者と協議していると伝えた。

高麗航空の路線拡大、サービス改善は飛行機好きの金正恩氏の意思でもある。韓国の中央日報によると、2012年5月に高麗航空機に搭乗した金正恩氏は「機内食の質を高めて乗務員の衣装も洗練されたものにせよ」との指示を出した。

それに伴い、CAの制服は新しいものになり、高麗航空名物とまで言われた機内食のハンバーガーも一般的な機内食に変わった。また、EUや中国政府に域内飛行禁止を言い渡された旧型機種に変わるツポレフ204-300、アントノフ148の導入、平壌空港新ターミナル建設など国を上げての努力を行ってきた。

ところがそんな努力のかいもなく、英スカイトラックス社が毎年発表している航空会社のランキングで4年連続最下位レベルの1つ星を記録してしまった。680あまりの調査対象で1つ星を授与されたのは高麗航空だけ。不名誉な記録に金正恩氏はたいそうお冠だろう」。

さて、聯合ニュースが伝えるように、北朝鮮は中朝両国の国境地帯となっている白頭山(長白山)を国際観光特区として開放し、現在活況を呈している中国側だけでなく、北朝鮮側にも国内外の観光客を招き入れたいと考えているようです。しかし、このアイデアはもう10年前から言われていたことで、2000年代半ばの核開発などをきっかけに悪化した中朝関係もあってか、まったく実現には至っていません。その間に、中国側は着々とインフラ開発を進め、今日では中国国内でも稀に見る美しい現代的な山岳リゾートエリアに様変わりしています。その様子は本ブログでもすでに何回か報告しています。ぼく自身は、2000年代以降、長白山には4回足を運んでいます。

いま中国で人気の山岳リゾート、長白山
http://inbound.exblog.jp/20458097/

長白山(白頭山)は5つ星クラスの高原リゾート開発でにぎわっています
http://inbound.exblog.jp/20386508/

中国側にはすでに5つ星クラスの山岳リゾートホテルができているというのに、北朝鮮側では、表向き宿泊施設はあるとはいっているものの、実際の宿泊客を長期にわたって滞在させることは難しいようです。確かに週1便の平壌・三池淵(白頭山の最寄空港)線のフライトは運航されていると聞きますが、日帰り客のみのようですから。

これだけ両国の観光インフラに差がついてしまうと、中国側から北朝鮮側に足を運んだ観光客は両国の発展の違いを強く印象づけられることでしょう。かつて金剛山では韓国による同胞としての温情的な投資で現代的なホテルや温泉施設などが建設されましたが、同じことを期待するのであれば、中国側の要求に対してそれ相応の譲歩をしなければならないでしょう。はたして北朝鮮はそれを受け入れられるのか。現状がずっと硬直して動かないのは、むしろ北朝鮮側の覚悟が足りないからのように見えます。先日(4月18日)白頭山を視察したという金正恩第1書記は何を考えているのか。

さらに、両国の間には、国力の圧倒的な違いだけでなく、歴史認識問題もあります。白頭山を朝鮮民族の聖山とみなす北朝鮮側と、もともと中国の領土だった長白山の一部を朝鮮にくれてやったとする中国側の認識には大きな隔たりがあるのです。

長白山(白頭山)が中韓対立の舞台となっている理由(「東北工程」とは何か)
http://inbound.exblog.jp/20593858/

とはいうものの、もし本当に長白山(白頭山)の国際観光化が実現し、徒歩で両国を往来できるようになるのだとしたら、海外からも注目されることでしょう。開発の遅れたおかげで残されている北朝鮮側の原生林や高原植物は類まれな美しさでしょうし、これまで平壌経由でしか見ることのできなかった北朝鮮側から天池を眺めることもできるでしょう。

さて、前ふりがずいぶん長くなってしまいましたが、今回ぼくが書きたかったのは、いまはなき長白山のユニークな温泉旅館の話です。
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それは1998年に中日合資で建設された長白山国際観光ホテル(当時)です。開業当時は、長白瀑布から徒歩15分という好ロケーションにある唯一の現代的なホテルで、源泉から引いた温泉やサウナもあり、長白山で山岳リゾートライフを楽しむには最適の宿でした。
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露天風呂もあって、春先はまだ雪も残る長白山登山で冷えた身体を温めてくれました。
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客室も広く快適で、2000年代初頭の中国の山岳地域ではこれだけの設備を伴う宿泊施設は少なかったと思います。

このホテルを開発したのは在日朝鮮人のP氏でした。1992年の中韓国交正常化以降、多くの韓国人観光客が長白山を訪ねるようになったこともあり、栃木県の運輸業者だったP氏はこの地に投資したのです。

ぼく自身はこのホテルを2回訪ねています。ある年の5月、北朝鮮から招聘した服務員たちの歓待を受けたことがあります。
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そうなんです。中朝国境に近い山岳地帯で北朝鮮の美少女楽団による演奏会と食事でもてなされたのです。

これがそのときの写真です。よくもまあこんな山奥でこれだけの皆さんを揃えられたものです。
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演奏後もかいがいしく働く彼女たちの様子をカメラマンは撮り続けています。ちょっと想像してみてください。我々はまるで浦島太郎になって竜宮城にでも来たような気分になっていたのです。
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今思えば、こういうもてなし方というのは、朝鮮の伝統的な手法といえるでしょう。我々はまんまとそのお膳立てに乗せられてしまったのかもしれません。朝鮮側の宣伝戦の一端を担わされたといえなくもないからです。

もっとも、その引き換えとして我々が提供できたのは、このホテルの紹介記事をある旅行ガイドブックに載せただけのことです。実際には、たいした宣伝効果はなかったわけですが、それを見た中国側の理解は若干違ったかもしれません。

2008年頃から、すでにこのホテルは吉林省政府がこの地域の観光開発を主導するために設立した長白山管理委員会から買い上げを迫られていました。長白山の観光利権を海外資本に与えることなく、中国側がすべてを握ろうとしていたのです。

その後、このホテルは12年に完全に閉鎖されてしまいました。14年夏に訪れたときは、跡形もなく取り壊されていました。
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これが取り壊し前の長白山国際観光ホテルの外観です。ご覧のとおり、平壌によくある朝鮮風の建築でした。中国側からすると、これも問題とみなされたかもしれません。ここは中国なのだから、というわけです。そうでなければ、取り壊しまでする必要はないではありませんか。

こうしたもろもろの背景があったにせよ、このホテルの野趣あふれる露天風呂は素晴らしかったと言っておきたいと思います。

今、長白山周辺には国際的なリゾートホテルが続々建設されています。その一軒にぼくは泊まったことがありますが、施設は立派に設計されているものの、肝心の温泉の運用に問題がありました。お湯がぬるすぎるのです。泉質については、さすがに悪くはないのでしょうが、お湯の温度調節ができていないのです。おそらく現地スタッフはこうしたことに慣れていないのでしょう。

その点、長白山国際観光ホテルの露天風呂はまさに源泉かけ流しそのもので、湯加減もサイコ―でした。在日の方とはいえ、日本の温泉文化をよく知る人物が設計していたからでしょう。

【追記1】
5月末になって以下のニュースが報じられました。

金正恩体制の聖地「白頭山」へ向かう観光鉄道工事再開(Daily NK 2015年5月30日)
http://dailynk.jp/archives/44934

その一部を抜粋します。

「白頭山観光鉄道(三池淵線)」は、朝鮮の霊山であり、金正恩体制の聖地「白頭山」と麓を結ぶ鉄道だ。両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)と鯉明水(リミョンス)を結ぶ森林鉄道として日本植民地時代に開通したが、1948年に一般鉄道に転換。これまで革命史蹟訪問に利用されてきたが、1994年に大洪水で路盤が流出した。(中略)

今回の工事において、北朝鮮当局は始発駅を渭淵(ウィヨン)駅から数キロ内陸に入った大五川(テオチョン)駅に変更、線路を付け替えて路線を新設した。

再開した理由だが、金正恩体制の正当性の柱「白頭の血統」をより強調するためにも復旧すべきという判断があったと見られる。金正恩氏は、白頭山観光鉄道の新設路線の測量結果を受け取り、2015年4月から復旧工事を再開せよと指示を下したという。

しかし、故日成氏の誕生や人民軍創設記念日などの準備に忙殺されたが、5月25日になって、ようやく工事が始まった。両江道の内部情報筋によると、2万人にも及ぶ人々が特別列車に乗って現地に到着したという。また、工事用の機械や資材を載せた列車も続々と到着している。

しかし、今回動員されたのは通常の「6.18突撃隊」ではなく、各道で選抜された人員からなる「白頭山観光鉄道突撃隊」という。

当初は、3万人が動員され「2020年の完成」を目指したが、完成目標が来年の10月10日に労働党創建日に前倒しとなった。また、前回の工事中断後「高山果樹農場」の建設に投入されていた「6.18突撃隊」も今後は再合流して、合計7万人という大規模動員を投入する予定という。

今のところ、「労働者用の宿舎を建設している段階」(内部情報筋)だが、目標に間に合わせるために「速度戦」、つまり杜撰で手抜きだらけの突貫工事になる可能性が高い。

※朝鮮に対する批判的な姿勢はお約束事の「突貫工事になる可能性が高い」で結ばれている記事ですが、朝鮮側に白頭山を観光地化したいという意向があることはうかがえます。それが実現できるかどうかはまた別の話です。

【追記2】
さらに、7月には中国発白頭山行きのバスツアーが始まったようです。

今年7月から中国発白頭山(北朝鮮)ツアーが始まったそうです
http://inbound.exblog.jp/24763312/
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by sanyo-kansatu | 2015-04-30 09:19 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)
2015年 04月 29日

日本人の知らない餃子の話―大連のイカスミ餃子は見た目よりずっと美味しい

旅に出ると、なるべくその土地でしか味わえない珍しいものをちょっと無理してでも食べに行こう、ついでに写真も撮ってしまおう。そういう食へのアプローチが仕事柄、すっかり身についてしまっているのですが、皿数を並べた豪勢な食卓よりも、その土地の人たちの日常食を口にすることのほうが好みです。

日常食という意味では、中国の華北および東北地方の代表は餃子でしょう。一方、戦後に中国帰りの人たちが全国各地で普及し、味も日本化したことで、もうすっかり日本人にとって日常食になっているのも餃子です。

日本の餃子は焼き餃子が主流ですが、本場中国東北地方では水餃子が一般的であることはわりと知られていると思います。最近開店した華人経営の中華料理店は、経営者に東北出身者が多いことから、水餃子がメインですが、日本人の口に合わせて焼き餃子を出すところも多いです。

ではその違いは何か。ひとくちでいうと、皮の厚みです。日本の焼き餃子は、皮の薄さがポイント。中の具を包んで、肉汁がこぼれ出さないようにするのが皮のメインの役割で、食感はそれほど求められない。要は、ご飯と一緒に食べられるような餃子なのです。

一方、中国の餃子は少し厚みのあるもちもちした皮が特徴です。そして、餃子はご飯とは一緒に食べません。それ自体が主食という位置づけだからです。たいていの中国人は「このぷるぷるした皮がおいしいでしょう」と言います。

そもそも位置づけが違うため、両国の餃子は皮の厚みが異なり、その結果、主流は焼き餃子か水餃子かに分かれているのだと思われます(南に行くと、上海あたりだと焼き小龍包などが主流になってきますが、ここはあくまで華北と東北の話なので)。

昨年、大連に展開していた「餃子の王将」チェーンが撤退したことが報じられました。ぼくも何度か店舗を見たことがありますが(さすがにわざわざ中国に行って入る気にはなれなかった)、苦戦している様がうかがえたので、さもありなんと思ったものです。

餃子の王将、中国から撤退 「日本の味受け入れられず」(2014.11.1)
http://www.asahi.com/articles/ASGB05WQZGB0PLFA00D.html

報じられなかった「餃子の王将、中国撤退」本当の理由
http://hbol.jp/13707

「餃子の王将」、なぜ本場中国で失敗したのか
http://toyokeizai.net/articles/-/52547

はたしてこれらのネットの記事がいうように、味が受け入れられなかったといえるのでしょうか。ひとことにしてしまえばそうなるのかもしれませんが、より実情に即していうと、一部記事でも解説されているように、味やサービスがどうこうというより、件の位置づけの違いを大連市民の皆さんに伝えること(あるいは、納得させること)ができなかったためではないかと思われます。というのも、たいていの中国人にこの件について話を聞くと、「餃子と一緒にご飯を食べるというスタイルが受けつけられなかった」と答えるケースが大半です。味そのものではなく、イメージあるいは固定観念の違いからくる違和感をぬぐえなかったということでしょう。

たとえば、カリフォルニアロール自体はおいしそうだけど、日本の寿司屋で出されたら、あまり口にしたくない気になる、納得できない感じがすると我々が思うようなことに近いのではないか。実際、ぼくの地元の私鉄沿線のまちには、3軒の華人経営の中華料理店があるのですが、2軒が黒龍江省出身、1軒は大連出身の店です。前者の2軒では水餃子と焼き餃子を出すのですが、大連の店では本場中国の味にこだわり、水餃子しか出しません。当然というべきか、いつもにぎわっているのは黒龍江省の店です。住宅街に出店し、大半は日本人客が占めるのですから、当たり前のことでしょう。

(実をいうと、この撤退話、そうした文化習慣的なコンテクスト上の違和といったことだけではなくて、昨年の同チェーン社長の射殺事件とからめて事件の真相を探るレポートが出版され、いろいろ詮索されてもいるようです。ここでは触れません)。

それはさておき、大連にはさまざまなタイプの餃子屋さんがあります。まだまだ我々日本人の知らない餃子の世界があるのです。

昨年7月、大連市内の魚介専門餃子店の「船歌魚水餃」というレストランに行ったとき、そのことにあらためて気づかされました。その店の餃子のメインの具は肉ではなく、海鮮素材なのです(一応肉の餃子も出しますが)。

これがその店で注文した餃子2種です。
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黄色いのが、黄魚という黄海でとれた魚の具の入ったもの。日本でいうイシモチだそうで、外見は本当に黄色をしています。上海あたりでもよく食べられている魚です。
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そして真っ黒なのがイカスミ餃子です。接写するとなかなかグロテスクですね。
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でも、中身を開いてみると、イカと豚肉を合わせた具が入っています。皮が黒いのはイカの墨が皮に練り込まれているからです。見た目のインパクトはなかなかですが、意外にさっぱりとして美味です。中国餃子特有の厚みのある皮の歯ごたえも口の中で具となじんでいい感じです。イカスミスパゲティのように口の中が真っ黒になるというようなこともありません。
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他にも、アワビとかサザエなどの貝類を入れた餃子もあります。これら海鮮餃子は肉入り餃子に比べると、肉汁パワーがないぶん、かえって上品な味わいともいえます。でも、餃子には肉汁パワーがほしいと思う人も多そうなので、意見は分かれるかもしれません。これも食のイメージや固定観念がもたらすものでしょう。

そもそも餃子の中に何を入れようが自由なのです。文革期など、中国が貧しかった時代に肉の代用として安い魚介が使われたという面もあるようですが、まあ地元料理とはそういうものでしょう。海に近い大連という土地だからこそで、内陸の瀋陽や長春ではほとんどこの手の店はないでしょうし、あってもたぶんあまり人気はなさそうです。

お店の中では、こうやっておばさんたちがイカの墨を皮に練り込んで、具を包んでいます。
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店内では魚を選んで、一品料理として調理してくれます。手前左の「大黄花」と書かれているのが黄魚でしょう。
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貝類もいろいろあります。
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日本の演歌みたいな店名の「船歌魚水餃」は大連市内に2軒あり、ぼくが行った店は、人民広場に近い唐山街26号にあります。
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by sanyo-kansatu | 2015-04-29 10:34 | 北東アジア未来形:満洲の今 | Comments(0)
2015年 04月 26日

日本初のハラール中華料理店「東京ムスリム飯店」に行ってみた

今年1月中旬、新年会に誘われて亀戸の中華料理店「東京大排档」に行ったとき、店員さんからあるレストランの開店チラシをもらいました。この「東京大排档」という店自体が老舗キャバレーを改装したという場末モードたっぷりの時代がかったレストランで、とても面白かったのですが、その店も同じオーナーによる経営のようでした。

店の名は「東京穆斯林(ムスリム)飯店」。「(2014年)11月20日新規開店」「日本初ハラール中華料理店を錦糸町でオープン」と書かれています。

ハラール中華料理店? そのときは、あまりぴんことず、「最近インドネシアやマレーシアの観光客が増えていることを当て込んで、在日華人がムスリム向けのレストランをオープンしたのだな。ハラール認証とはいうけれど、彼らのことだから、どこまで厳密なのだろう。あやしいものだな」などと思ったものの、しばらく忘れていました。山手線の西半分を日常の活動域にしている人間にとって、錦糸町はめったに足を運ぶことがないからです。

先日、千葉在住の年長の友人から会食に誘われました。都心に出ていただくのは申し訳ないことから、お互いの中間地点で会いましょうかという話になり、その人が「錦糸町あたりはどう?」と言ったので、ぼくははっとして「そうだ。例のハラルレストランに行ってみよう」と思い立ったというのが、今回同店を訪ねることになった経緯でした。
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店はJR錦糸町駅南口から西に向かって飲み屋街を歩いて3分ほどの場所にありました。
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東京スカイツリーが間近に見えるロケーションにあります。
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入口にはイスラミックブルーの吹き流しとモスクの尖塔を模した目を引くデザインが施されています。

少し早い時間だったので、客は我々を除くと、ブリヤート系ロシア人か、あるいは新疆ウイグル系だろうかと思われるエキゾチックな風貌のカップルのみでした。おかげで、調子に乗って店内をバシャバシャ撮ってしまいました。
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アラビア文字で書かれたらしいコーランのことばを記した布地や書が飾られています。
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ハラール認証の表示もあります。
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これがメニューです。豚肉料理はもちろんありませんが、ぱっと見た感じ、羊肉料理が多いことを除けば、牛肉や鶏肉料理は豊富で、中華料理屋さんのラインナップとさほど変わらない印象です。

そのうえ、アルコールもあります。日本の焼酎のボトルが1本1800~2200円とはお安いですね。

ひとまず羊肉串といんげんのひき肉炒めを注文しました。これはうまいです。トウガラシの辛みも利いていて、味がしっかりしていながら、意外にさっぱりしている。都内には数多くの華人経営の中国家常菜(家庭料理)をうたう店がありますが、調理人が中国東北地方出身である場合が多いせいか、味付けも調理法もかなり雑なため、期待はずれな店が多い。でも、ここはちょっと違います。
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しばらくすると、客が続々入店してきました。中国人の若い女性ふたり組は、この店の特色菜(看板料理)の「直火烤羊排(羊のスペアリブ)小1980円」と「羊蝎子锅(特製骨付き羊肉の麻辣鍋)1800円」を豪勢に注文しています。さすがは食に金を惜しまない中国人らしいです。
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そのうち店には関取さんもやって来ました。確かに、錦糸町は両国の隣駅ですものね。

そして、ついに真打登場。イスラムスカーフを身に付けたムスリム女性とその家族がやって来ました。
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赤いイスラム帽をかぶった女性はこの店の老板(店長)です。

彼女に少し話を聞くことにしました。「その帽子からすると、あなたは回民ですか? ご出身はどこ?」

「回族です。瀋陽から来ました」
「えっ、そうなんですか…。だとしたら、ご実家は回民街に近い?」
「そうですよ。よく知ってますね」

ぼくは中国遼寧省の省都である瀋陽に仕事でときどき行くのですが、決まって回民街に足を運んでいました。回民街は、中国の少数民族でイスラム教徒の人たちが暮らす地区です。瀋陽の回民街は、市内の中心部の一角にあり、500mくらいの通りに羊肉の屋台や清真レストランがぎっしり並んでいます。

都市化が進み、高層ビルばかりが林立する今の瀋陽では、昔ながらの中国ののどかな雰囲気が味わえる数少ないスポットなんです。

東京ムスリム飯店の人たちの故郷である瀋陽の回民街の様子はこちらをどうぞ。
 ↓
中国瀋陽の回民街(イスラム通り)に行くと、和んでしまう
http://inbound.exblog.jp/24406266/

「ぼくは中国の回民街の屋台に行くのが好きなんです。もしかしてお家は近いの?」
「私の家は、あの近くですよ」

自分のよく知る外国の土地から来た人たちだとわかると、親しみを覚えるものです。

「今日は初めてこちらに来ましたが、本場の味でおいしいですね。調理しているのはやはり回族の人ですか?」
「そうです。私と同じ瀋陽出身の回族です」

帰り際、ぶしつけに厨房を覗くと、白い帽子をかぶった調理人がいたので、思わず声をかけたくなりました。

「あなたも瀋陽の人?」
「そうです。瀋陽ですよ」

そして、写真を撮らせてくれました。
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日本人から見ると、彼が漢族なのか回族なのか、聞いてみないとわからないものです。

中国には、当たり前に彼らのようなムスリム系の少数民族(回族、ウイグル族など)が住んでいます。であれば、ハラールが日常生活の中に根付いていて当然でしょう。最近、日本の大学にもムスリム系留学生のために、ハラール料理を学食で出すところがあるそうですが、中国の大学ではもとより回民食のコーナーはありました。昨今のムスリム系観光客の訪日ブームの中で、彼らが都内にハラール料理の店を出そうと考えるのは、とても自然なことだったのです。

老板に「このお店には東南アジアのお客さんもよく来るんですか?」と聞くと、「よく来ますよ。桜のころは、インドネシアやマレーシアからいっぱい団体客が来ました」と話してくれました。

ぼく自身はハラールに関しては勉強中で、まだまだわからないことだらけですが、以前一般社団法人ハラル・ジャパン協会の関係者に日本企業のムスリム市場に対する取り組みについて話を聞いたことがあります。ハラール対応については、ムスリム系在日中国人に限らず、国内でもいろんな動きが起きているようです。

日本の良いものを世界のムスリムへ―ハラル食品をオンラインで販売
http://inbound.exblog.jp/22415316/

※日本観光振興会でも、ムスリム観光客向けのこんな情報提供をしています。

ムスリム観光客おもてなしガイドブック
http://www.nihon-kankou.or.jp/home/committees/report/event/20141104.html

【追記】
実は、今年(16年)になって2度ほどこのレストランに行く機会があったのですが、1年前に比べると味が落ちている印象がありました。どうしたことだろうと思って、厨房を覗いてみたのですが、以前いた回族の調理師はひとりいたものの、どうも調理が雑になっている気がします。ですから、この記事を書いた当時のように、このレストランを積極的におすすめする気になれなくなっていることを、念のため、告白しておきます。一般に在日中国人の経営するレストランにはこの傾向があります。味が長続きしないのです。回族経営のハラルレストランという意味では珍しいのですが、ちょっと残念です(2016年3月27日)
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by sanyo-kansatu | 2015-04-26 15:54 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 04月 26日

中国瀋陽の回民街(イスラム通り)に行くと、和んでしまう

中国遼寧省の省都・瀋陽を訪ねると、必ず足を運ぶのが回民街(イスラム通り)です。
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場所は瀋陽北駅から南に2㎞ほどの市中心部の一角で、大通りに面した入口に白地にブルーの屋根のついた門が建っています。門には「清真美食街(イスラムグルメ通り)」と書かれています。
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その脇には、中国風モスク、いわゆる清真寺院が建っています。中華とイスラムを折衷したような様式の清真寺院は、中国各地で見られます。
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門の中を一歩入ると、500mくらいの通りに清真レストランや屋台がぎっしり並んでいます。
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回民街の通り沿いには団地が建っていて、多くのムスリム系住民が暮らしています。

これらの写真を撮ったのは、2009年夏のことです。撮影は佐藤憲一さんです。

通りには羊肉串の屋台がたくさんあります。どの店も通りにテーブルとイスをだし、客を待っています。串を焼くのは回族やウイグル族たちですが、なかには青い瞳の青年も交じっています。
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この街で食べられるのは、羊肉と小麦をベースとした素朴な味わいです。小麦の生地に羊肉を包んだ「回頭餅」や羊のモツ煮込みスープ「羊雑湯」、東北風に発酵させた白菜を牛肉で煮込んだ「酸菜牛湯」、蘭州名物「牛肉麺」などは、見た目に比べて淡白な味わいで、食べやすいです。回族料理の麺は、一般の中華料理の麺に比べ強いコシがあるのでぼくは大好きです。
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メニューは漢字とアラビア文字併記です。
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瀋陽に来ると、どうしてもこの地区に足を運びたくなるのは理由があります。ここだけは、昔ながらの中国ののどかな雰囲気が味わえるからです。和んでしまうのです。
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上半身裸に坊主頭という風体は東北の漢族の男たちのトレードマークともいえますが、屋台で串焼きに食らいつくこの男の子の幸せそうなこと。
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もっとも、この街にはエキゾチックな顔立ちの子どもたちも大勢います。
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このおじさんの顔つきも、もともとシルクロードの住人であったことがよくわかります。

そして、何より目を引くのは、首をはねられた羊を丸ごと一匹解体するシーンです。
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カメラを向けると、若い新疆ウイグル地区出身の若者がほこらしげに羊を抱えて見せてくれました。
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夕闇が近づいてくると、回民街はいっそう味わい深い雰囲気を醸し出してきます。
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先ほど解体されていた丸ごと一匹の羊も半分くらいは、串焼き用に切り取られています。
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通りにはネオンが灯り、漢族の若いカップルも散歩しています(それにしても、東北の男性は若くても上半身裸なんですね)。
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夜になると、羊肉串を焼く白い煙がもうもうと立ち昇っていく様子が見られます。
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肉の焼け具合もいい感じです。
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麺屋を覗くと、小麦粉を練って手で伸ばしている男たちもいました。
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そして、この髭じいさん。この界隈のウイグル族の年長者のようです。
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最後にみなさんで記念撮影。これが瀋陽の回民街の世界です。
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……とここまでは、よくありがちな地元とのふれあいを楽しむ旅ネタですが、ちょっとした続きがあります。

カメラマン氏が撮った写真をメールで送るから、メルアド教えてと尋ねたところ、ひとりの青年がこう言うのです。

「ぼくたちウイグル族は今、ネットを政府から監視されていて、海外からメールが届くと面倒なことになる。プリントして送ってほしい」。

実は、この写真を撮ったのは、2009年7月に起きたウイグル騒乱から1か月後のことでした。彼らが中央政府から監視の対象とされているとは聞いていたものの、新疆ウイグル地区からこんなに離れた瀋陽ですらそうなのか、とちょっと驚いたものです。

中国では、わざわざ政治向きの話を詮索する気はなくても、こういう場面によく出くわすものです。

それから約9か月後の朝日新聞(2010年5月15日)に次のような小さな記事が載りました。

「中国新疆ウイグル地区自治区政府は14日、昨年7月の約200人が死亡したウイグル騒乱以降、同自治区内で規制していたインターネット接続を全面的に回復させたと発表した」。

都内でこの回民街出身の回族と出会うことになったのは、それから5年後のことでした。
 ↓
東京ムスリム飯店は中国瀋陽出身の回族のお店でした
http://inbound.exblog.jp/24406306/
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by sanyo-kansatu | 2015-04-26 15:35 | 北東アジア未来形:満洲の今 | Comments(0)
2015年 04月 17日

これはやばい!? 日本にはおかしな中国語表示があふれている

昔アジアの国々では、おかしな日本語の使われ方をした表示や商品コピーが氾濫していました。今でも見かけることはありますが、そういう物件を見つけては脱力感を味わいつつ、面白がっていたものです。

たとえば、海外のお土産店などに書かれた「どうぞフタタビよくいらっしやいませ」(「またのお越しをお待ちしております」のつもり?)というような日本語表示です。

雑誌『宝島』で連載されていた「VOW街のヘンなもの」という読者コーナーには、国内外の看板や標識、商品コピーなどに見られる誤植や間違った日本語の例が数多く投稿されていました。海外旅行に行ってわざわざおかしな日本語を探したり、変な日本語が書かれたTシャツを土産にしたりする、なんてことを競い合っていたのです。

VOW街のヘンなもの
http://vowtv.jp/

ところがです。最近の訪日中国客とその爆買い旋風にあおられた全国各地の観光地や量販店などで、同じことが起きてしまっているようなのです。

そうなんです。いまや日本でも、間違った中国語が使われた看板や標識、商品表示が続々と現れ、中国語VOWな世界と化してしまっているのです。

海外でもそうであるように、そのまちに暮らすコミュニティの人たちはほとんどその間違いに気づいていません。この場合、それに気づくのは中国語を使っている人たちです。彼らから見れば、「なんじゃこりゃ!?」という感じでしょう。

このことをぼくに教えてくれたのは、台湾のドラッグストア研究家の鄭世彬さんです。以下、彼が見つけてぼくに送ってくれたVOWな中国語表示をいくつか紹介します。

台湾のドラッグストア研究家、鄭世彬さん
http://inbound.exblog.jp/24182824/

まず単純に笑っちゃうものから。これは大阪のあるコンビニに貼られていた中国語表示です。
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「从清晨到深夜 你可以购买便利店 上午7:00~2300(全年无休)」

これを見たとき、鄭さんは「エーっ」と思わず声を上げたそうです。なぜなら、これは「早朝から深夜まで、あなたはコンビニ店を購入できます」という意味になるからです。購入できるのは商品であって、コンビニ店舗そのものではありませんよね。

正しくはこうなります(以下すべて、ぼくが中国語を教えていただいている中国人大学院生に添削してもらったものです)。

「可以在便利店买东西 7:00~2300(全年无休息日)」

次は某量販店の告知です。「万引きは犯罪です。発見次第、警察に通報します」と日本語では書かれているのですが、中国語簡体字の表記はこうです。
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「高是犯罪,找到在次序和警察通」

ここでも、鄭さんは一瞬頭がポカーンとしたそうです。「高」って誰だ? 中国人の名字に高さんというのはよくありますが…。なぜこんな単純な間違いをしたのか、笑うしかなかったそうです。万引き=偷窃です。

正しくはこうなります。

「偷窃是犯罪,一旦被发现将被通知警察」

次はもうなんというか、たいして中国語のできないぼくから見ても、唖然としてしまいました。「多目的トイレ」の中国語繁体字表示です。
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「多功能馬桶」

「馬桶」というのは、室内で使用するふた付き簡易トイレ、要はおまるのことです。いまのように高層ビルが建つ30年くらい前、水洗化の遅れていた上海では、ふつうに使っていたそうですが……。このトイレ、ウォシュレットや赤ん坊を寝かせるベッドなども付いた最新式のものだと思われますが、なぜこういう中国語が充てられたのか。悪意すら感じられないでもない。トイレの中国語は、初級者でも知っている「洗手間」「廁所」でいいはずなのに。鄭さんも、さすがにびっくりしたそうです。

【追記】
後日、ネットで以下の記事を見つけました。

日本で爆買いされているウォシュレットが売れている理由
http://omiyagejapan.blue/omiyage/panasonicwashlet.html

この記事によると、ウォシュレットは中国では「馬桶蓋」と呼んでいるようです。そこで、鄭さんにこれは正しい理解かどうか尋ねてみました。以下、彼のメールによる回答です。

「「馬桶蓋」は台湾では、一般に便座の蓋の意味です。ウォッシュレットは「免治馬桶座」と言っています。調べたところ、中国では一部の人がウォッシュレットのことを「智能馬桶蓋」と呼んでいるようです。

もしかしてそこから略してそう呼んでいるのではないかと思います。でも、「馬桶蓋を買う」という言葉は中国人なら理解できるかもしれませんが、台湾人には便座の蓋を買うことに聞こえるため、なんで蓋だけ買うの? と理解不能かもしれません。やはり台湾と中国の言葉遣いは大きな差がありますね」。

以下は、ちょっと惜しい!という例。

これもある量販店の表示です。
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「我可以使用银联卡 可使用 各种信用卡」

「当店では、中国のデビットカードである銀聯カードが使えますよ」と伝えたかったのでしょう。でも、これでは「私は銀聯カードが使えます」と読めてしまいます。

正しくはこうなります。

「您可以使用银联卡 也可以使用各种信用卡」

あるいは、主語の「您(あなた)」を取って「可以~」でもいいはずです。

次は、成田空港行バス乗り場の表示。「未予約のお客様」という意味の中国語として以下が充てられています。
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「客户毫无保留」

「毫无保留」というのは、「保留なく(隠すことなく)、すべてを打ち明ける」といったときに使われる四文字熟語です。ただ予約の済んでいない乗客ということなのに、すごく大げさな表現になっているのです。こういうのも、中国客から見ればVOWそのものでしょう。

正しくはこうです。

「没约的乘客」

次は同じくバス乗り場の表示。
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「客人乘坐请等待巴士站」

これなどはぼくには、どこがどうおかしいかうまく説明できませんでしたが、通常お願いの場合、頭に「请」を持ってくるべきでしょうし、以下のように直すと中国人にはわかりやすいそうです。

「请乘坐(巴士的)乘客在巴士站等候」

最後の例は、かなりやばいことになっています。中国人向けにファストフード店がアルバイトの募集をしているようなのですが、鄭さんならびに中国人大学院生も、これでは何を伝えようとしているのか、よくわからないと言っていました。
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「新的船员大学招募
1周两次在1日从2小时起热烈欢迎!
每周能改变日程!
计时初次来访的用户放心,能工作。
如果日语能说的话,可以。
许多的外国人工作」

ここで仰天なのは、頭の「新的船员」です。「船員」すなはち「Crew(クルー)」という表現は日本では一般化しているようですが、中国人にはまずこれがわからないそうです。「船員」は文字通り船で働く人だからです。中国では一般にレストランなどのスタッフを募集する際、「服务员(服務員)」を使っています。

そして「如果日语能说的话,可以」ですが、これを直訳すると「もし日本語を話せればいい」というようなことになるのでしょうが、その前文の「初めての人でも安心して仕事ができます」の後に続く一文だとして、採用に当たって「日本語を話せなくてもいい」のか「話せた方がいい」のかよくわからないそうです。中国人大学院生による添削語の文章は以下のとおりです。

「新的服务员招聘
1天工作2个小时也可以
每周能改变工作日/时间
1000日元~/小时 从5:00到22:00
夜间1250日元~/小时 从22:00到6:00
第一次打工人也能放心地工作
不会说日语的人也可以(日本語が話せなくてもいい)/会说日语的话更好(日本語が話せればなおいい)
有很多外国人在这里工作」。

……とまあこんなことになっているのです。これらが中国客の脱力感を誘い、「日本人もかわいいところあるね」と好意的に解釈してもらえるといいのですが、鄭さんによると、このままではいろいろ支障もあるのではないか、といいます。

たとえば、高額なブランド品や化粧品のコーナーでこうした“とんでも”中国語表示を見かけると、なかには品質を疑いたくなる人も出てくるのではないか、というのです。笑いや脱力ではちょっとすまされないシーンであることは、確かに想像できます。

またこれは彼が台湾人であることからくるものですが、とにかく日本は簡体字に席巻されていることが不満だといいます。これは微妙な話ですが、一般に台湾の人たちは簡体字を見ると、目を背けたくなるといいます。つまり、台湾人は簡体字表記ばかりの店には足を運びたくないという心理があるということです。

鄭さんはこんなことも話してくれました。

「いま台湾では日本のオーブンレンジが人気で、購入する人が多いのですが、中国本土ではまだブームになっていません。先日、新宿のビックロに行ったとき、オーブンレンジのコーナーの商品表示に繁体字が使われていました。よくわかっているな、とぼくは思いました。オーブンレンジを買うのは、台湾客だけだから、繁体字を使っていたのです」。

ビックロの販売スタッフは、中国本土客と台湾客の売れ筋商品を理解したうえで、簡体字と繁体字を使い分けているというのです。実際に、ビックロの免税品コーナーに行くと、オーブンレンジは「過熱水蒸氣水波爐」と繁体字表記されていました。すごいですね。
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中国語をかじったことのない人からすると、こうした話をされてもお手上げと思うかもしれませんが、そんなに難しく考えることではないと鄭さんはいいます。

「最近では外国客がよく利用するショッピング施設に中国人スタッフを置いていることが多くなりました。であれば、まずは彼らにチェックしてもらうことが必要でしょう。ただし、中国人だからといって安心してはいけません。中国人は出身地によって方言もあり、言葉の使い方が異なります。正直なところ、台湾人からすると、中国本土の中国語はかなり違和感があります。ですから、そうした両岸や地方による違いも理解している正式な中国語翻訳会社に発注したほうがいいと思います。そのうえで、売れ筋ごとに簡体字と繁体字の使い分けまでできると、さすが!と思います」。

実をいうと、これは中国語に限った話ではありません。同じことは、タイ人留学生も気づいていました。日本のショッピング施設には、タイ語のおかしげなポップや表示も各所に見られるというのです。

タイ人留学生とお土産談義~なぜ日本の文房具は人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/22471366

その留学生は、安易に翻訳ソフトを使うのは間違いのもと、と指摘しています。

訪日客が増えると、実にいろんなことが起きるものです。彼らといかにフレンドリーなコミュニケーションを築いていけるのか。そのためにも、台湾や中国、タイの皆さんからの指摘には謙虚に耳を傾けていきたいと思います。

【追記】
その後、中国本土の人たちも指摘してくるようになりました。

日本にあふれる「恥ずかしい中国語」をついに中国人に指摘されてしまいました
http://inbound.exblog.jp/26343657/
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by sanyo-kansatu | 2015-04-17 10:27 | “参与観察”日誌 | Comments(2)
2015年 04月 16日

「最大の問題は、日本人が中韓両国に行かなくなったこと」なのだろうか?(第7回 日中韓観光大臣会合)

この週末(4月11日、12日)、東京プリンスホテルで日中韓観光大臣会合とフォーラムが開かれました。2006年以降、毎年3カ国の持ち回りで開かれていた同会合は、2012年11月に福島県で開催予定だった回以降、中国側が参加を見送ってきたため中断が続き、今年は4年ぶりの再開です。
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メディアは以下のように伝えています。

日中韓、4年ぶりに大臣会合…観光客増に協力(読売新聞2015年4月11日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150411-OYT1T50127.html

日中韓の観光相会合、交流規模の目標3000万人に (TBS News i 2015年4月12日)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2467489.html

なかでも会合の内容について、それなりに詳しく説明している朝日の記事を抜粋します。

日中韓交流、20年に1.5倍の3千万人に 担当相会談(朝日新聞2015年4月13日)
http://www.asahi.com/articles/ASH4D54BSH4DULFA004.html

「4年ぶりに開かれた日本、中国、韓国の観光担当大臣会合は12日、3カ国間を行き来する人を2020年に3千万人に増やすなどとした共同声明を採択した。14年の約2050万人から約1・5倍をめざす考えで、日本は、有名な観光地以外もめぐる中韓の旅行先の紹介や、飛行機やクルーズ船の就航を広げることなどを検討する見通しだ。

東京で開かれた会合の終了後、太田昭宏国土交通相は「日本から中韓への旅行者を増やすことが課題だ」と述べた。

14年に3カ国間を行き来した人は過去最多だったが、日本から中韓を訪れた人は500万人と、10年と比べ26%も減った。円安で旅行代が割高になっているうえ、日本が尖閣諸島を国有化した後に、中国で反日デモが起きたことなどが理由とされる。

共同声明には、18年の韓国・平昌(ピョンチャン)五輪や20年の東京五輪に向けて欧米から観光客を呼び込むため、3国間をめぐるツアーをつくり、共同で宣伝することも盛り込んだ。

また、「観光交流における質の向上」も記した。中国から日韓を訪れる一部の観光客が、生活習慣の違いからトラブルを起こしているためで、中国側も対策の必要性を認めた。

会合は、日本と中韓との関係悪化で12年から中断していた。韓国の金鍾徳(キムジョンドク)・文化体育観光相は「観光交流は、厳しい政治状況を克服するうえで非常に大きな意味がある」と、関係改善に期待を示した。次回会合は16年、中国湖北省の武漢市で開く」。

観光大臣会合の概要というのは、まあこういうことですが、午後2時から開催された3カ国の民間業者らを交えた「日中韓観光交流拡大フォーラム」の会場で、各国の関係者から出てくる発言は三者三様で興味深かったです。

そもそも日中韓3カ国の交流人口(それぞれの双方向の渡航者数のことです)は、2000年代半ばくらいまでは、日本から中国・韓国を訪れる人の数が最大でした。それが14年になると、最大は中国から韓国を訪れる人、次いで韓国から中国へと真逆の形勢になっています。

2014年の日中韓国の相互訪問者数

日本→中国 272万人
日本→韓国 228 万人
中国→日本 241万人
中国→韓国 613万人
韓国→日本 276万人
韓国→中国 418万人

なかでも急増しているのは、中国から韓国への訪問者です。ご存知のように、日本への訪問者も増えていますが、それどころの増え方ではありません。

理由は朝日の記事も指摘するように、「円安で旅行代が割高になっているうえ、日本が尖閣諸島を国有化した後に、中国で反日デモが起きたこと」もあるでしょう。また中国在住の業界関係者が指摘するのは「PM2.5の影響」です。

実のところ、世界の国境を越えて移動する観光人口は年々拡大していますが、ここ数年、わずかとはいえ入国者数が減少している数少ない国のひとつが中国です。こうした不人気ぶりは中国の旅行関係者にとってもそうでしょうが、むしろ面子を重んじる中国政府の頭を悩ましているかもしれません。彼らの価値観からすれば、世界の中心である中華(帝国)には、多くの外国人が集まってくるはずだからです。

またかつて多くの日本人旅行者が訪れていた韓国も、いまや中国客が全体の半数を占める片寄りぶり。さらに、訪韓日本人が激減し、訪日韓国人がそれを上回る時代になってしまいました。これまで日本人客を相手にしていた韓国の業者は廃業に追われていると聞きます。しかし、今年はさらに激減し、180万人程度しか訪韓しないという声もあります。

日本の旅行業界も、ここ数年の海外旅行者数の減少に悩んでいます。海外旅行市場の拡大とともに成長してきた業界だけに、減っているとはいえ、依然トップ2の訪問先である中韓への訪問者がこれ以上減少する事態は好ましい話ではありません。

そういう意味では、近年政治的な不和が続くこの3国にとって、珍しくお互いの利害が一致しているように見えるのが観光分野でした。昨秋の北京のAPECの日中首脳会談(中国側はそう呼んでいない?)以降、ようやく両国政府の折衝が始まり、今回の大臣会合にたどりついたということでしょう。

つまり、今回の大臣会合で3カ国に共通する課題として「日本人をもっと中国、韓国に旅行に行かせるにはどうしたらいいか」があるはずでした。少なくとも、日本側関係者(松山良一日本政府観光局理事長、田川博己日本旅行業協会会長)はその点を指摘していました。

ところが、中韓両国の関係者からは、そのためにどうしたらいいかという提言はあまり聞かれなかったように思います。あるいは、ご本人たちはそう言っているつもりなのかもしれませんが、少なくともぼくには感じられませんでした。

以下、フォーラムの挨拶および講演として登壇した関係者らのコメントを簡単に書き出してみます。

松山良一日本政府観光局理事長
「日本から中韓両国への渡航者が減少。ドイツとフランスは50年前、ドゴール大統領とアデナウアー首相の間でエリゼ条約を結び、首脳同士の定期会談と青少年相互交流を決め、年間1400万人の交流を実現している。昨日より開催されていた観光大臣会合では、日中韓相互交流の拡大、地域・地方への観光交流の拡大、観光による地方活性化や青少年交流、文化交流、スポーツ交流において連携を深めると合意された。3カ国共同による第三国に対するビジット・イースト・アジア・キャンペーンの推進や、観光交流における品質の向上についても話し合われた。これが日中韓観光交流の潮目となることを願う」。

太田昭宏国土交通大臣
「日中韓観光交流新時代への民間の取り組みを期待したい」。
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李金早中国国家旅游局長
「3カ国の交流人口はいまや2000万人を突破。さらにこれを進めていくには、ビザ緩和や滞在時間の延長、航空路線の拡張に取り組んでほしい。観光交流の品質の向上のためには、共同で監視するシステムの構築やガイドの質を高める取り組みが必要。マナーに関しては生活習慣の違いもあるので、相互理解も必要」。
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金鍾徳韓国文化体育観光長官
「2006年から日中韓観光大臣会合がスタート。2018年には平昌、20年東京と五輪開催が相次ぐなか、3カ国の同伴成長に向けて協力しよう」。
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三田敏雄昇龍道プロジェクト推進協議会会長
「中部北陸9県が参加する昇龍道エリアの知名度はなぜ低いのか。これまで各自治体がバラバラにPRしていたためだ。平成24年度のスケジュールを見てほしい。これは失敗例である。エリア全体が一体となって知名度を上げていくべきだ」。
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宋宇北京観光委員会主任
「2014年の北京市に入境した観光客数は2.6億人。うち外国人は約430万人。日韓は北京のインバウンド市場にとって最も主要な国(14年に北京を訪れた韓国人は38万6800人(2位)、日本人は24万8800人(3位))。両国の観光部門と提携関係を維持している。13年には北京市とソウル市が「北京ソウル混合委員会」を構築し、両市の観光、経済、教育、文化などの分野での交流を進めた。今後は、3カ国間の旅行簡便化、具体的には団体ビザ、航空、クルーズ観光、個人旅行などの推進。また欧米市場に向けて3カ国共同でのプロモーションの実施。市場の監督管理強化と旅行サービスの品質向上において協力してほしい」。

元喜龍済州特別自治道知事
「済州島は現在、180カ国のノービザ入国が可能。クルーズ観光のさらなる拡大のため、新たなクルーズターミナルも開港予定。北朝鮮も参加できる平和クルーズ事業を提案したい」。

また以下は、フォーラムのパネルディスカッションのコメントです。大臣会合をふまえ、1)相互交流人口の拡大のため民間で何ができるか、2)共同プロモーションについて、3)観光交流の品質の向上をいかにはかるか、が議題とされました。

1)相互交流人口の拡大のため民間で何ができるか

田川博己日本旅行業協会会長
「3カ国の相互交流が叫ばれるなか、最大の問題は、日本人が中韓両国に行かなくなったこと。日本旅行業協会としては、日韓共同販売プロジェクトを立ち上げ、韓国の地方を売るためのキャンペーンを行う。また対中国でも、日中観光交流団を組織し、3000人規模の業界関係者を中国に送る予定。また一般消費者が中韓に行きやすい雰囲気づくりを進めたい」。
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張立軍中国旅行社協会会長
「中国の海外旅行市場の歴史は20年と生まれたばかり。歴史は短いが、スピードは速い。日韓両国は、中国人がどこを訪ねたらいいかもっと教えてほしい。また中国人の日本観光ビザの簡素化も進めてほしい。中韓ではホテルのランク付けを国家が行っているが、日本はそれがないので、中国の消費者にどう説明していいか難しいことを理解してほしい」。
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梁武承韓国旅行業協会会長
「韓中1000万人時代は到来している。一方、韓日の航空便も週720便、25空港に運航。韓中は9空港で、韓国はソウルへの集中が大きな課題。地方での広域観光プロジェクトを推進する必要がある」。
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2)共同プロモーションについて

田川博己日本旅行業協会会長
「ヨーロッパから北東アジアへの観光ルートが確立していない。かつて日本では海外旅行の黎明期にロンドン・パリ・ローマの周遊旅行ツアーが人気だったが、同じように東京・北京・ソウルの周遊航空券の設定をつくることも必要では」。

張立軍中国旅行社協会会長
「上海自由貿易特区のような日中韓観光自由区をつくってはどうか」。

梁武承韓国旅行業協会会長
「日中韓共同クルーズはなぜ実現しないのか。文化の共通性を切り口に3カ国を周遊するクルーズをプロモーションしてはどうか。またユーレイルパスのような日中韓域内の鉄道パスを創設して、ビジット・イースト・アジア・キャンペーンを行うのはどうか」。

3)観光交流の品質の向上をいかにはかるか

田川博己日本旅行業協会会長
「質の問題にはふたつある。日本人の海外旅行市場と訪日外国人旅行者の受入態勢だ。前者は日本の場合、1965年に旅行業法を施行し、82年に旅程管理主任制度による消費者保護を進めた。これを学んではどうか。後者に関しては、日本ではまったくうまくいっていない」。

梁武承韓国旅行業協会会長
「近年中国からの訪韓客が急増(2012(280万人)→13(430万人)→14(620万人))し、受け入れ態勢が問題になっている。ガイドやバスと駐車場、宿泊施設など品質の低下をどうするか。またショッピング中心の旅行商品ばかりであることも問題。ソウル市故宮における中国人客のマナー違反も指摘されている。ソウル市内では急ピッチでオフィスビルから宿泊施設への業態転換を進めている」。

張立軍中国旅行社協会会長
「中国は海外旅行者のマナー問題を重視している。ただし、3カ国では発展段階も異なるし、マナー違反はひとにぎりに過ぎないと思う。中国には2万7000社の旅行会社があり、旅行業法を通じて品質向上に努めているが、海外の旅行会社ではその規律が守られているか。共同の監視システムも必要」。

ざっとそれぞれのコメントを整理したにすぎませんが、3カ国ともに相互交流といいながら、自国のアウトバウンド市場に対する言及が多かったように思います。ところが、唯一アウトバウンド市場が減少している日本側の働きかけに対して、中韓両国からそれに呼応する発言はあまりなかったように思えました。一方、中国の拡大するアウトバウンド市場の受け入れ態勢に関して、韓国側からはそれに対応する動きがあるようでしたが、日本側からは、昇龍道PRの失敗に対する反省の弁はあったものの、それ以外の目立った発言はなかったと思います。日本側も中国側の要請に対して呼応していないように受け取られているのでは、と思われます。

この会合やフォーラムの意義について、ぼくは否定的に見ているわけではありません。しかし、事態が思うように好転しない背景を知る必要はある。それぞれの思惑や言い分のどの部分がすれ違っているか、把握しておきたいだけです。

さて、今後この会合は潮目になるのか。この点について全体の流れとしては、このまま中韓から日本への訪問者が増え、逆は停滞を続けるという状況はしばらく変わらないのでは、という気がしました。

というのも、日本側にしてみれば、このまま中国客が爆買いしてくれるのなら、それはありがたい。中国側にしてみれば、日本人が中国に来てもたいして消費するわけでないし、かえって「PM2.5がひどい」などとSNSでまき散らされてはたまらない。国内の実情はなるべく知られたくない、という意味ではこのままでいいかもしれない。韓国側は本音では日本人に来てもらいたいのだけど、プライドが邪魔してそう表向きには言えない…。

つまり、3カ国観光交流の現状のアンバランスを変えたいという意志を(日本の旅行業界を除いて)誰からも感じられないのです。

しかし、こうしたことは、人の移動に象徴される日中韓3カ国の関係性がかつてとは大きく様変わりしたことを強く実感させます。

ぼく個人の意見としては、やはりこの3カ国の交流人口はある程度バランスが取れているべきだと思っています。そのために、非力ながら仲間と一緒に中韓の旅行ガイドブックをせっせとつくっているんですが、最近はあんまり売れないのでつらいところです。
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by sanyo-kansatu | 2015-04-16 11:05 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 04月 16日

4月に入ってもその勢いは止まりません(ツアーバス路駐台数調査 2015年4月)

4月に入っても、中国からのツアーバスの勢いは止まりません。昼どきになると、例の新宿5丁目の中国客専用食堂の周辺の路上は、バスを降りたツアー客でにぎわっています。今年は、桜が早く咲いてしまい、おまけに咲き終わったと思ったら、寒波が襲うという気候で、せっかく花見を味わいたいと思っていた中国の皆さんには、ちょっと残念な桜シーズンに終わったかもしれません。ただ、この寒波のせいで、東北以北の桜はこれからでしょう。こうしたニュースはいち早く中国にも伝わっているでしょうから(それが中国の旅行会社の宣伝には好都合のはずです)、この先も中国客は足しげくやって来るのかもしれません。
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※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(水)17:40 4台
2日(木)12:20 5台
3日(金)12:20 6台
4日(土)未確認
5日(日)未確認
6日(月)12:20 6台、19:00 4台
7日(火)18:00 4台
8日(水)13:20  9台
9日(木)12:30  8台
10日(金)17:20  5台
11日(土)未確認
12日(日)11:50 7台、13:20  8台
13日(月)18:20 6台
14日(火)未確認
15日(水)未確認
16日(木)18:10 4台
17日(金)12:20 7台
18日(土)13:10 6台
19日(日)未確認
20日(月)12:30 9台
※今日のお昼も「味仙荘」の前はバスを降りた中国客であふれていました。すぐには店に入れなさそうで、どうするのでしょう。新宿にはいくらでも飲食店はあるのに、この2軒しか利用しないだなんて…。おそらく中国客の手配をしている在日中国人の業者たちも、数が増えすぎていっぱいいっぱいなのではと思われます。

21日(火)12:40 6台
22日(水)12:20 6台
23日(木)13:10 4台
24日(金)未確認
25日(土)未確認
26日(日)未確認
27日(月)11:40 5台
28日(火)19:10 3台
29日(水)未確認
30日(木)17:20 3台
31日(金)12:20 5台
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by sanyo-kansatu | 2015-04-16 06:49 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2015年 04月 11日

イースター休みに渋谷スクランブル交差点に出没した外国人をシューティング

今週の木曜日(4月9日)に渋谷に用があって出かけたら、“Shibuya Crossing”こと、スクランブル交差点の周りで、たくさんの外国人観光客が撮影を楽しんでいました。
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この街ネタ自体はもう何年も前から知られていることで、新鮮さは特にないかもしれませんが、イースター休み(2015年は4月5日(日)がイースター)に入った週だったせいか、欧米系や東南アジア系の人たちが多かったです。訪ねたのは午後4時半頃のことでした。
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みなさん渋谷駅側、109側、スターバックス側など、それぞれお好みの場所にカメラを構えて陣を取り、信号が緑に変わるのを待ち構えています。
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群れるのは好まず、ひとり一眼レフのファインダーを覗き続ける女性もいます。彼女は東南アジア系のようです。
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なかには三脚まで用意して、動画を撮ろうとしている本格派もいます。
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このブロンドの彼女の表情からは「これが噂のShibuya Crossingなのね」と、人が観光地を訪れ、期待通り好奇心が満たされたときに見せる天真爛漫な心持ちがみてとれないでしょうか。思わず、良かったねえ、と声をかけたくなります。
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写真を撮っているのは、若い人たちばかりではありません。このふたり組のおばさんは、信号待ちの間も一眼レフを手にして真剣なまなざしです。
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一方、東南アジア系の人たちは家族連れが多く、にぎやかに記念撮影に興じている人が多いです。
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もちろん自撮り棒も大活躍。もうこれは世界的な現象です。
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次の用が押していたので、これらを撮ったのはほんの数分の間なのですが、おそらくそのときこの交差点の周辺にはざっと見たところ、100人近い外国人がいたと思われます。
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何撮ってんだろう? 気になるので、そっと彼らの手にしたスマホの画面を覗くとこんな感じでした。この撮り方、構図のつくり方は、完全にこの交差点がひとつの観光スポットとして認知されていて、彼らもネットやガイドブック等の写真および動画をすでに見て、しっかりイメージが頭に入っていること。そこに自分が訪れたことを記録するための確認作業であることがわかります。そう、それは富士山を撮るのと基本的に同じ観光行動なのです。

海外で渋谷スクランブル交差点が話題となり、観光スポット化してからすでにずいぶん時間が経過しているので、ネットでも多くのことが言及されています。

たとえば、外国人から見た渋谷スクランブル交差点に対する驚きは、このようなものだそうです。

「信じられないよ! こんなたくさんの人たちがいろんな方向に横断しているというのに、誰一人ぶつからないなんて」

「ある雨の日、スクランブル交差点を色とりどりのかさがスイスイと事も無げに、人を上手くよけながら行ったり来たりする様子を見て、『万華鏡(kaleidoscope)のようできれいね』といったフランス人観光客もいました」。

これらについては、以下のまとめサイト参照。

渋谷のスクランブル交差点に訪日外国人が増加した理由【海外の反応】 (2014年9月3日)
http://matome.naver.jp/odai/2140574575108108601

日本経済新聞でも、外国人に人気の理由を解説しています。

交差点も「観光地」 訪日外国人が喜ぶ意外なツボ (2014年12月23日)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO81113100Z11C14A2000000/

東京の英語情報誌「Time Out Tokyo」では、編集部が選んだ『渋谷でしかできない101のこと』というマップ(日本語版/英語版)の中で、栄えあるナンバーワンスポットとしてスクランブル交差点を紹介しています。これが発行されたのは2012年3月のことです。
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そこにはこう解説されていました。「これほど混雑している交差点は世界でも例がないだろう。人が多い交差点をひとりで渡る時は、孤独感を味わう事もある。これぞ東京砂漠か」。

いかにも異邦人的な心理描写というべきか。日本を訪れた外国人たちは、少々おセンチになって孤独な旅人気分を味わっていることが伝わってきます。

ニューヨークでもパリでもかまいません。自分が海外の街でひとりたたずむとき、同じような気分を感じることはないでしょうか。ありますよね。同じなんです。

こうしてひとたび海外の人たちから認知されてしまうと、富士山同様、初めて日本を訪れた外国人たちは、おそらく半永久的に渋谷スクランブル交差点に足を運ぶようになるでしょう。我々東京の住人としては、彼らのことを温かいまなざしで見つめてあげたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2015-04-11 12:08 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 04月 04日

2015年、日本政府観光局は九州の訪日旅行プロモーションを強化しています

訪日客の増加で、東京や大阪など大都市圏のホテルの予約が取りにくくなっていることが報じられています。

訪日客全体の5人のうち4人がアジアからの旅行者であることを考えると、都市圏に集中してしまうことは無理もないかもしれません。彼らの大半はアジア新興国の都市住民で、円安の日本を楽しむのであれば、やはり地方より都会のほうがショッピングであれ何であれ、いいに決まっています。

しかし、大都市圏のホテル客室不足はますます冗談ではすまされない状況になっていて、日本に暮らす我々にとっても予約が取りにくいのは同じことなので、なんとかしなければなりません。

観光庁や日本政府観光局(JNTO)が、海外各地で訪日客の訪問地の分散化を図ろうとプロモーションを打ち出しているのもそのためです。

では、今年彼らが掲げる訪日プロモーションの強化エリアはどこか。

それは九州です。
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これまで官民で継続的に続けられてきたプロモーションによって、東京・大阪の大都市圏とそれをむすぶ「ゴールデンルート」、北海道、沖縄といったエリアは海外の旅行マーケットにも浸透し、多くの訪日客が訪れるようになりました。それまで海外の人たちの頭の中で、日本という白地図に記されていた地名は、東京、京都、大阪、広島くらいにすぎなかったのですが、いまでは北海道や沖縄の地名も記されるようになりました。

逆にいえば、知られているのは、それだけなのです。彼らが日本旅行を計画するとき、残念ながら、九州の地名はまったく認識されていません。それは、ひどい言い方をすれば、存在していないことと同じなのです。

九州はアジアにも距離的に近いのに、なぜなのだろうと思うかもしれませんが、それは単に存在を認識されていないからなのです。日本人なら九州の魅力はよく知っています。海外で認識されるかどうかは魅力の中身ではないのです。

2009年、北海道を舞台にした中国映画がヒットしたおかげで、初めて「北海道」という地名を中華圏の誰もが知るようになり、中国客が北海道を訪れるようになったことからもわかるように、観光地のひとつとして認識されないと、外国客はやって来ないのです。

とはいえ、そんなに簡単に外国人に地名を認識されるものではありません。結局のところ、いろんな手をこつこつ打っていくなかで、なにかのきっかけが生まれる瞬間を待つ、ということなのかもしれません。

今年2月に上海を訪ねたとき、そういうこつこつ型の中国市場向けの九州プロモーションが始まっていることを知りました。以下、報告します。

2月上旬、地下鉄静安寺駅の2号線と7号線の乗換通路に、日本政府観光局による九州プロモーションの大ポスターが貼り出されていました。それがこの写真です。
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ご覧のように、名湯・黒川温泉や阿蘇山などの自然、熊本城、テーマパークのハウステンボスなど、九州の訴求ポイントが表現されています。地下鉄構内のある一画とはいえ、これだけ派手なポスターがデカデカと集中的に貼られている光景は、日本ではあまり見たことがないと思います。でも、これが中国の地下鉄構内広告のスタンダードなスタイルです。

関係者によると「当初、1月1日~28日が掲載の契約期間だったのに、2月12日に同所を通過したときにもまだありました。次の広告主が未定であるため、デザインが残っているようです」とのこと。こういう大雑把なところがいかにも中国らしいですね。逆にいえば、上海も次々と新しい広告が打たれるような景気のいい時代ではなくなったということでしょう。

近年、中国経済の減速が指摘されています。それは北京や上海の地下鉄広告の状況からも実感します。以前は地下鉄路線の飛躍的な拡張にともない、乗換通路もどんどん伸び、ド派手なポスターがあちこちに貼りまくられていました。それが、ここ1、2年で明らかに減っています。あれほどにぎやかだった地下鉄広告は、いまでもないわけではありませんが、ずいぶんおとなしくなってきた印象です。

それでも訪日客が増えるのはなぜか。これは個人的な推測にすぎませんが、バブル崩壊で株価が暴落した1990年代でも、海外旅行者数が増え続けた日本の状況(ただし、2000年代に入り、伸びは止まる)と少し似たことが上海でも起き始めているのではないか、と思います。

こういうことです。不動産価格がついに下がり始めた中国で(ところが、昨秋から株価は上昇中。不動産が期待できないため、株にお金が流れたのでしょう)、人々はバブル志向からやや地道な消費スタイルに移り始めている。日本もそうだったように、経済の伸びが鈍化して初めて人や社会は成熟化するものだと思います。しかし、いったん知った豊かさや消費の楽しみは忘れられない。そんな時代、気軽に消費を楽しめる近場の国はどこか。政治向きの事情もあって、最初は韓国に殺到したものの、やはり日本のほうがいい。

少なくともいま、彼らはそう思っているのではないか、そんな気がします。実は90年代の日本人の海外旅行先も圧倒的に近場のアジア各国でした。

さて、話がそれてしまいましたが、上海の海外市場向けの九州プロモーションとしてメディアがらみのものも、いくつかあるようです。
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たとえば、中国の旅行雑誌『旅行者』2015年2月号では、1冊丸ごとの九州特集をやっていました。これは完全な日本側とのタイアップ企画ですが、一般的な観光地だけでなく、九州の食文化とその担い手となる人物なども続々登場し、きわめて完成度の高いものでした。人や素材を提供したのは九州側だったのでしょうが、中国側の編集スタッフもよくまとめたと思いました。

数年前まで新潮社が出していた『旅』の休刊を最後に、日本にはほぼビジュアル系の旅行雑誌がなくなってしまいましたが、中国ではまだいくつか生き残っています。その一誌が『旅行者』です。しかし、中国でも広告を頼りに旅行雑誌を維持していくのは大変なよう。ネット時代のいま、紙媒体の影響力がどこまであるのか、という指摘もあるかもしれません。

その点、中国の大手ネット旅行会社の途牛(tuniu)での九州キャンペーンは面白そうです。
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途牛
http://www.tuniu.com/zt/jiuzhou/

阿蘇山を背景に熊本城と着物姿の女の子という、日本人の目からみればいかにもこてこて“フジヤマ、ゲイシャ”的な絵柄ですが、海外向けにはこれくらいしないと伝わらないものだと、ここは大目にみてほしいと思います。実際、こうしたトップページは中国人のデザイナーがつくっています。この手のPRとはそういうものなんです。そういう意味では、『旅行者』のイラストを使った表紙は、日本人からみると悪くないと思いますが、中国市場からみてどちらの訴求力があるか。これは判断が難しいですね。

いずれにせよ、このサイトのコンテンツは、九州を中心としたさまざまな旅行商品の特集で、その販促を強化することが目的でした。やはり中国で九州をPRするといっても、まずは海外旅行市場が最も成熟し、個人旅行化も進んでいる上海エリアから始めるのは当然のことでしょう。

はたして今年、中国客は九州を訪れるのでしょうか。

こんな話もあります。実は、最近上海でも「福冈(福岡)」「长崎(長崎)」といった地名をよく見かけるようになりました。なぜなら、上海発の東シナ海周遊クルーズ客船が九州各地をよく訪れるようになっているからです。その話については、昨年5月上海旅行博(WTF)を視察したとき、紹介したことがあります。

上海の海外旅行市場の大衆化を象徴するクルーズ人気(上海WTF2014報告その2)
http://inbound.exblog.jp/22692387/

そして、今年なんと福岡港に約200回クルーズ客船がに寄港することになっています。これは去年の倍増ですから、ちょっと驚くべき話です。当たり年といってもいいかもしれません。そのため、福岡という地名自体は上海の消費者にかなり認識されるようになっています。これは九州にとって絶好のチャンスといえます。

ところが、地元の福岡では、それほど盛り上がっていないという話を耳にしました。どういうことなのか。

次回以降、上海発のクルーズ客船の話をしてみたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2015-04-04 14:05 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 04月 04日

イースターも近い原宿では非英語圏の言葉があちこちで聞かれた

昨日、所用で訪ねた原宿で、久しぶりに竹下通りを歩きました。

春休みのせいか、地方からやって来た若い子たちで身動き取れないほどの人ごみの中、やはり目につくのは、欧米系や非中華圏のツーリストたちです。中華圏の人たちは日本人と見分けがつかず、人ごみに埋没してしまうからでしょう。
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竹下通りに向かってカメラを向けると、特に狙いをつけなくても、外国人の姿はふつうに写り込んでいます。

実は、明日4月5日は今年のイースター(復活祭)の日にあたります。この時期、キリスト教圏の人たちは旅行シーズンです。東京在住の欧米人たちの姿はふだんでも原宿や表参道ではよく見かけますが、さすがにこれほど多くの外国人ツーリストが現れるのも、この時節だからでしょう。

以下、原宿駅から明治通り側に向かって竹下通りを5分くらい歩きながら、なにげに撮った外国人スナップです。
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クレープ屋に並ぶカップルもいます。
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どこの国の人にとってもスマホは欠かせない旅のツールです。
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若い人が多いですが、なかには家族連れもいます。
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重い一眼レフを首からぶらさげている人も多いです。
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このカップル、地図を見ながらぼそぼそ何か言っています。でも、それはどこの国の言葉かぼくにはよくわかりませんでした。
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天丼てんやの前に並ぶのは東南アジア系の人たちでしょうか。
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歩きながら彼らの話す言葉にずっと耳をそばだてていたのですが、イースターも近い原宿竹下通りでは、非英語圏の言葉があちこちで聞かれました。さすがにぼくだって、フランス語やドイツ語、スペイン語、ロシア語くらいは、意味はわからなくても判別できます。スウェーデン語も友人がいたので、なんとなくわかります。しかし、この日聞かれたのは、もっとローカルな欧州語も多く含まれていました。

日本政府観光局が3月18日にリリースした今年1~2月の外客動向によると、訪日客で圧倒的に多いのは中華圏で、次いで韓国、そして東南アジアの旅行者と続き、これで全体の8割以上を占めるのですが、非アジア圏をみると、ロシアを除けば、平均20%近く伸びていることがわかります。

米国 121300人(8.5%)
豪州 78900人(23.4%)
英国 32800人(13.9%)
カナダ 30600人(26.1%)
フランス 22000人(22.1%)
ドイツ 18100人(10.9%)
イタリア 8900人(25.7%)
ロシア 6800人(▲11.8%)
スペイン 5300人(28.8%)
その他 93400人(20.5%)

英語圏はシンガポールやフィリピン、マレーシア、インドなども入ってくるので、中華圏に次ぐ多数派です。しかし、非英語圏の人たちもそこそこ増えてきているのは間違いないと感じます。ちょっと面白いことになってきたと思いました。

2012年4月にオープンしたTokyu Plazaは、今の表参道・原宿のランドマークなんですね。ラフォーレの向かいにあります。同店のサイトには、英語、中国語簡体字、ハングルの3か国語のページがありました。
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東急プラザ表参道原宿
http://omohara.tokyu-plaza.com
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by sanyo-kansatu | 2015-04-04 13:27 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)