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2016年 11月 30日

タイでも「ゼロドルツアー」摘発! キックバックに頼る中国人ツアーは万国共通

こんな記事をネットで見つけました。タイのインバウンド市場に関するニュースです。

タイ、12~2月の観光ビザ申請無料に(newsclip.be2016年11月23日)
http://www.newsclip.be/article/2016/11/23/31278.html

2016年11月22日、タイ国軍事政権は2016年12月1日から2017年2月28日までの3ヵ月間、観光ビザの申請料1000バーツを免除し、到着時ビザの申請料を2000バーツから1000バーツに引き下げることを閣議で承認した。

タイは例年、乾期の11月~2月が観光のピークだが、今年は中国人向けツアーの取り締まりや、プミポン国王死去にともなう自粛ムードなどから、観光者が減少してしまうことが懸念されている。今回の施策はそんな中で旅行者誘致が狙いとみられる。

タイは乾期の11~2月ごろが観光の書き入れ時だが、今年は中国人向け「ゼロドルツアー」の取り締まり、10月のプミポン国王死去にともなう自粛ムードなどで、客足が鈍ることが懸念されている。


えっ、「ゼロドルツアー」って何? 記事は以下のように説明します。

「ゼロドルツアー」はタイでの宿泊費、食費、ツアー費などが全て無料とうたった中国人向けツアー。ツアー参加者がタイ滞在中に宝石店、皮革製品店、絹製品店などに連れて行かれ、高値で商品を買わされるなどトラブルが多く、軍政が取り締まりを進めている。取り締まりの影響で、一部の観光地で中国人旅行者が激減したという報道がある。

なるほど。要するに、日本で行われているような免税店で購入した土産物の売上からキックバックをもらい、ホテルやバス代、食事代などのコストを切り盛りする中国人ツアーがタイでも行われているということです。

ネットで調べると、今年9月、タイでこの種のツアーを扱うランドオペレーターが摘発されたことがわかりました。

中国人向け「ゼロドルツアー」運営会社を摘発(グローバルニュースアジア2016年9月18日)
http://www.globalnewsasia.com/article.php?id=3756&&country=2&&p=2

2016年9月13日、タイ警察は資金洗浄取締法、旅行業法などの違反容疑でバンコクの大手旅行会社OAトランスポートの会長であるタイ人女性(61)と、その息子(26)で取締役の2人を逮捕した。

この逮捕に先立ち、タイ資金洗浄取締局(AMLO)は9日、OAトランスポートが所有する大型バス2000台以上、計90億バーツ相当の他、銀行預金、現金など42億バーツを差し押さえた。

OAトランスポートは「ゼロドルツアー」と呼ばれる、タイでの宿泊費、食費、ツアー費など全て無料とする中国人向けツアーを、中国の旅行会社と組んで運営し、巨額の利益をあげていた。

「ゼロドルツアー」に関しては、ツアー参加者がタイ滞在中に宝石店、皮革製品店、絹製品店などに連れて行かれて、高値で商品を買わされるケースが頻発し、タイ軍事政権が取り締まりを指示していた。


さらに検索すると、以下のブログの記事も見つかりました。

そのブログ「タイ字新聞、タイ語の記事をとりあえず日本語に」(http://taigoshinbum.blog79.fc2.com/blog-entry-1550.html)によると、

摘発されたのは「大手のゼロ・ドル・ビジネスを行っている会社、フーアン社、シンユアン社」の2社。「2社とも、違法にタイのIDカードを用いてツアー会社を設立し、秘密結社法に違反していた。資金洗浄取締局の財産没収罪となる。その後の拡大捜査で、広範なネットワークを持つ大手のオーエー・サーンサポート社に捜査が及び、ツアーバスが押収された」。

「5日間の飛行機代、車代、滞在費と食費を入れて、だいたい2,000~5,000バーツだ。ツアーの主催者はツアー料金があまりに安すぎると考えるが、中国人のツアー客を毎晩引き連れて買い物させ、商品価格の35-50%をサービス料として割り増している」と解説しています。

気になるのは、「フーアン社、シンユアン社」の実態です。あとでタイの知人に聞いてみたいと思います。

さて、これは日本に限らず、香港、台湾、韓国、オーストラリアなどのアジア太平洋地区、そして欧米諸国でも、万国共通で当たり前に行われていることですから、いまさら驚く話ではありませんが、「ゼロドルツアー」というネーミングがいかにもタイらしいというべきか。

結局、こうしたことは、中国国内のビジネス慣行を海外にもそのまま持ち出し、在外華人らと結託することから起きてしまうことですが、摘発による影響で中国人観光客が減少したことから、今度は観光ビザ代の申請料免除で、各国の旅行者を呼び込もうというわけでしょう(日本人はもとからビザ不要なので関係なし)。大挙して来れば問題を起こすし、来ないとなれば困る。それは周辺国の抱えるジレンマです。難しいものですね。

この人騒がせな中国人ツアーをめぐる各国の対応と攻防はこれからも続くことでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2016-11-30 14:54 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 11月 30日

フィリピンでも「爆買い」!?  それは中国が観光を政治の取引に使ったという話にすぎない

昨日、ネットで以下の記事を見つけました。フィリピンを訪れる中国人観光客が増えているのだそうです。

ドゥテルテ訪中効果?中国人観光客増で”爆買い”期待(WEDGE2016年11月29日)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8321

フィリピンを訪れる中国人観光客が急増している。比中関係は2012年4月以降、南シナ海における領有権争いの問題で長らく冷え込んでいたが、ドゥテルテ大統領による10月半ばの訪中で関係が回復した。また、中国当局がフィリピンへの渡航自粛勧告を解除したことも追い風になり、今後はさらなる増加が予想されている。

フィリピン観光省の統計によると、今年1~8月の中国人観光客数は約48万4500人に上り、韓国人(約97万6400人)、米国人(約58万4100人)に次いで3番目に多かった。

フィリピンへの外国人観光客数は昨年まで、上位3カ国は韓国、米国、日本の順で長らく変わることはなかった。日本と僅差で4位につけた中国は今年、現段階で4位の日本(約36万7100人)を大きく引き離しているため、通年で中国が3位にランクインするのはほぼ確実な情勢だ。中国人観光客の前年同期比の伸び率は50%と突出して高く、2位の米国をも抜く勢いで増え続けている。

フィリピン観光省によると、中国人観光客が急増している背景には、数年前からチャーター便を利用した団体客が増えたことが大きい。300人程度の団体客が、北京や上海など、中国各地の大都市からフィリピンの有名リゾート地であるボラカイ島やセブ島へ大挙して押し寄せているという。

3泊4日のツアーで客層は中年が多く、1日当たりの出費額はホテル代込みで80ドルに上る。日本で一時期話題になった「爆買い」には及ばないが、この勢いを受けて昨年、フィリピンと中国を結ぶ便数も増え、観光客増に拍車を掛けることになった。

ドゥテルテ大統領が今回の訪中で取り付けた中国からの経済協力は240億ドル(約2兆5000億円)という莫大な額だ。この影響で中国からの観光客増はさらに見込まれるが、観光省の担当者は「これまで通りボラカイ、セブ両島だけでなく、他の魅力ある島への誘致も進めたい」と意気込む。

ただし、昨年末にはボラカイ島のホテルで中国人観光客のグループ約30人が乱闘騒ぎを起こして警察に拘束される事件が起きており、マナーという点で懸念も残されている。


この話、どう思いますか? ぼくはこれを聞いて、呆れてしまいました。なぜなら、香港、台湾、韓国でいま中国政府が何をやっているかと思うと、あからさますぎるからです。

香港、台湾に続き韓国も。中国政府が訪韓中国人観光客を20%減らすよう通達を出したそうです
http://inbound.exblog.jp/26367228/
韓国は無視? 東京で日中観光大臣会談の気になる背景
http://inbound.exblog.jp/26408250/

中国政府は、自分の気に入らない国には観光客を送るのをブレーキをかけさせ、ドゥテルテ大統領の登場で対中関係を表向き改善したフィリピンには、観光客を送るよう仕向けているわけです。

この記事では、フィリピンでも「爆買い」か!? と面白がっているのかもしれませんが、 それは中国が観光を政治の取引に使ったという話にすぎません。まったくシラけた話です。

それに、増えているのは中国の団体客です。要するに、来るのはキックバックモデルの安いツアーばかり。それを成り立たせるために、土産の大量買いが起こるのでしょうが、数年もすれば、他のアジアの国々と同じように問題も出てくることは必至です。

中国客が増えても大歓迎といえないのは韓国、台湾でも同じらしい
http://inbound.exblog.jp/23872141/

フィリピンを訪れる外国人数で、昨年まで韓国、米国に次ぐ3位だった日本は、今年中国に抜かれるそうです。もっとも、昨年フィリピンを訪れた日本人は37万人相当だったようなので、今年は日本を訪れるフィリピン人の数と変わらなくなるかもしれません(2016年1~10月の訪日フィリピン人数は前年比30.9%増の27万6500人)。

こちらは時代の変化を感じさせる話です。
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by sanyo-kansatu | 2016-11-30 14:31 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 11月 26日

韓国は無視? 東京で日中観光大臣会談の気になる背景

今週、以下の記事が配信されていました。今年9月に中国の武漢で開催される予定だった日中韓3ヵ国の観光大臣会合が中国側の事情で延期になっていましたが、メディアによると「(中国側代表は)米国での観光イベントに出席した帰路、会談のために日本を訪問」(トラベルヴィジョン2016年11月24日)し、日中のみでの会談が実現したようです。

「ぼったくり追放」も合意 日中両国が観光拡大の覚書(産経ニュース2016.11.24)
http://www.sankei.com/world/news/161124/wor1611240041-n1.html

石井啓一国土交通相と中国の李金早国家観光局長は24日、日中観光の活性化について意見交換し、観光交流の拡大や観光サービスの質向上に向けて協力するなどの内容を盛り込んだ覚書に署名した。また、来年の日中国交正常化45周年、翌年の日中平和友好条約締結40周年の節目に合わせ、共同イベントを企画する方向で合意した。

覚書の合意事項は、(1)地方間交流や青少年交流、文化・スポーツ交流の3分野での観光交流促進(2)東アジア域外からの観光客誘致(3)観光サービスの質向上(4)「ぼったくりツアー」といった違法行為の是正など観光市場の監督と協力の強化(5)重要事項を定期的に協議するメカニズムの整備-の5点。

会談で、石井氏は中国からの訪日客が10月までに551万人に達したと説明し、「双方向の観光交流を一層拡大することが重要」との認識を示した。


両国の合意事項として挙げられる5点のうち、興味深いのは、(2)東アジア域外からの観光客誘致と(4)「ぼったくりツアー」といった違法行為の是正など観光市場の監督と協力の強化でしょうか。これはどういうことを指すのか。

産経の記事は大雑把なので、別の記事を見てみましょう。

中国から国家旅游局長が来日、石井大臣と会談、MOUも(トラベルヴィジョン2016年11月24日)
http://www.travelvision.jp/news-jpn/detail.php?id=75421

記事の一部を以下、抜粋します。

「東アジア域外からの観光客の誘致」については、15年の3大臣会合で決定した「ビジット・イースト・アジア・キャンペーン」の推進をはかるとともに、20年夏の東京オリンピックと22年冬の北京オリンピックについて情報と経験を共有することで一致。「観光サービスの質の向上」「観光市場の監督と協力の強化」では、観光客にとってより安全で快適な環境を作るため、不合理な格安ツアー、買い物の強制、ぼったくり行為などの減少に向けて連携することを確認した。観光庁は啓発のための新たなポスターを、近日中に制作する予定。

ここでは両国の合意事項の中身についてもう少し詳しく書いています。(2)については、2020年夏の東京オリンピックと2022年冬の北京オリンピックの開催が決定していることから、東アジア全体で海外からの旅行者の集客について協力しようということでしょう。
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そして(4)については、以前本ブログでも解説した中国のキックバックスキームに依存する安価なツアーの問題と、そのようなツアーがキックバックを得るために客を連れて行かなければなかった日本国内にある「ブラック免税店問題」を指していると思われます。今日、日本を訪れる中国人観光客は日本人の訪中客よりダブルスコア以上に多いことから、中国側としてはこの問題についての日本側の姿勢を問い正したいと考えていても不思議ではありません。要は、多くの訪日中国客を騙す「ブラック免税店」を日本の監督官庁はきちんと取り締まってほしいということなのでしょう。

中国「新旅游法」は元の木阿弥―キックバックを原資としたツアー造成変わらず
http://inbound.exblog.jp/24166349/

日本のブラック免税店が中国客を陥れる!?
http://inbound.exblog.jp/25875503/

それにしても気になるのは、なぜここに韓国側代表がいないのか? お国の事情がそれどころではないのかもしれませんが、なんだか韓国だけ除け者にされているような感じです。2018年には平昌冬季五輪もあるというのに…。

「日中韓観光大臣会合」は2006年から毎年行われていましたが、尖閣諸島「国有化」で、12年以降、中国側が一方的に開催を拒絶していたものの、15年4月、4年ぶりに第7回目として再開され、冒頭で述べたように今年も9月に開催される予定でした。ところが、今夏の中国、特に内陸部は大雨で被災したことから、延期となっていました。

武漢での日中韓観光大臣会合が延期に、理由は水害(トラベルヴィジョン2016年8月7日)
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=73790

武漢市各所が豪雨のため冠水、「航海」する車や人々(人民網日本語版2016年06月02日)
http://j.people.com.cn/n3/2016/0602/c94659-9067233.html

当時中国メディアは、被災地の正確な状況や被災者数などを詳しく伝えず、人民解放軍らが復興支援で活躍する様子ばかりをテレビに映すので、知り合いの中国人たちは不安を隠せないと話していました。9月上旬、日本旅行業協会(JATA)の知人から「会合が延期になり、武漢行きがなくなった。どういうことだろう?」と聞かれ、場所が武漢であれば仕方がないと答えたことがあります。この時期、海外メディアには武漢に来てもらいたくないという事情もあったかもしれません。

今年、中国とアメリカは「中米観光年」を迎えていました。両国の観光交流を相互促進しようという年だったのです。

習近平主席が「中米観光年」閉幕式に祝辞(人民網日本語版2016年11月22日)1
http://j.people.com.cn/n3/2016/1122/c94474-9145227.html

米国で開催されたイベントの「帰路」に中国の国家観光局長が日本に立ち寄ったというのは、そういうわけです。

いま中国は香港、台湾のみならず、THAAD配備を決めた韓国に対しても徹底して報復措置を実施しているところですから、お呼びではないということなのかもしれません。日本側もわざわざ声をかけるという気にならなかったということか。

香港、台湾に続き韓国も。中国政府が訪韓中国人観光客を20%減らすよう通達を出したそうです
http://inbound.exblog.jp/26367228/

ここ数年、日本を訪れる外国人観光客が増えている反面、中国を訪れる外国客は伸び悩んでおり、北京冬季オリンピックに向けて、この方面については日本と協力したいという思惑が彼らの側にはあるのかもしれません。

アジアで珍しく外国客数が伸び悩む中国の観光PRのお寒い中身
http://inbound.exblog.jp/24475269/

だとしても、ここまで露骨に観光を政治の取引に使う中国との協力を、どこまで本気に進めればいいものか、考えてしまいます。
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by sanyo-kansatu | 2016-11-26 14:14 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 11月 19日

中国客が挙動不審に見えてしまう理由(すでに個人比率54%というけれど)

最近、都内でも中国本土の個人客が増えてきたことを実感します。こんな記事がありました。

中国人訪日観光客の買物は次第に理性的に(人民網日本語版 2016年10月05日)
http://j.people.com.cn/n3/2016/1005/c94473-9123124.html

ビザ制度の緩和、交通の整備、日本のサービス業や商品の良い評判にともない、近年日本を訪れる中国人観光客は過去最多を更新し続けている。今年の状況を見ると、中国人訪日観光客の買物は次第に理性的になり、以前のような「爆買い」ではなくなっている。新華社が伝えた。

2015年に中国人の海外旅行者数は延べ1億2000万人で、うち499万人が日本を訪れた。中国国家観光局駐日代表処の羅玉泉首席代表は取材に「今年、中国人訪日観光客は依然として比較的高い伸びを維持し、8月まですでに延べ450万人に達した。年間では延べ700万人近くになる見通しだ」と述べた。

目薬から便座まで、カメラから腕時計まで、中国人訪日観光客は元々たくさん買い物をすることで有名で、日本語にはこうした買物を専門に指す新語「爆買い」まで生まれた。だが、今年中国人訪日観光客の平均消費額は減少した。羅氏は、円高や中国人の買物がより理性的になっていることと関係があると考える。

2015年の中国人訪日観光客の1人当たり旅行支出は28万4000円近くで、うち買物の支出は16万円を超えた。一方、訪日外国人の平均買物支出は約7万4000円だった。だが今年上半期、中国人訪日観光客の1人当たり買物支出はすでに約12万4000円にまで減少した。

羅氏によると、中国人訪日観光客の変化はこれだけではない。観光客の居住地を見ると、以前は上海、北京、広東省が中心だったが、現在は江蘇省、浙江省、天津市、四川省、重慶市、遼寧省在住の観光客が増えてきている。2015年、上海、北京、広東省在住の観光客の割合は48.8%にまで下がった。

もう1つの大きな変化は自由旅行者の割合が次第に増加していることだ。2011年には自由旅行者の割合は4分の1に過ぎなかったが、2012年には30%に近づき、2013、2014年には40%に近づき、2015年には44%に達し、今年上半期は54%まで増加した。

また、中国人観光客の訪日目的も多様化してきている。伝統的な日本の風情と文化だけでなく、より日常生活に近い体験も望んでいる。新浪微博(ウェイボー)上の「日本で何をしたいか」に関する調査では、「買物」「日本料理を食べる」「温泉に入る」以外に、和服を着ての写真撮影、花見、スキー、民宿への宿泊などが挙がった。美容、そば作り体験、AKB48の握手会などへの参加を希望する若者も多かった。


この記事では、中国客の「買物は次第に理性的になり、以前のような「爆買い」ではなくなっている」としれっと書いているところに苦笑してしまいます。あの手この手で「爆買い」を「強制終了」させたのは、誰だったのでしょう? 

中国客の「爆買い」はこうして終わった で、今後はどうなる?
http://inbound.exblog.jp/26190593/

「爆買い」騒ぎで、海外から驚きと呆れ交じりのまなざしを向けられていた中国客でしたが、それは彼らの本能のようなもの。そうなる理由もいろいろあったはずです。でも、中国メディアはそれを非「理性的」だと否定的に捉えていたのです。

では、その後彼らが買い物をしなくなったかというと、そうでもないようです。

先日も中国から友人が東京に来ていましたが、ホテルの部屋に届け物をしに訪ねると、超ビッグなスーツケースを持ってきていて、「いろいろ頼まれるので、買い物が大変」と話していました。建前上、関税がかからないようにするためには、5000元(約8万円)以内に土産代を収めなければならないのですが、そういうわけにもいかないそうで、粉ミルクやもろもろ頼まれたものは、すでに郵便局から送ったそうです。

「訪日目的も多様化」していると記事にあるように、だんだん台湾や香港、タイの人たちに交じって中国本土客もこれまでとは違うスポットに出没していくのでしょう。中国メディアは、すでに全体の54%は個人ビザ客だといっています。

それはそれで心配です。その結果、何が起きているかというと、他の国々の観光客とは違い、街中で独特の異質感を漂わせる中国客の姿が目につくようになるからです。

正直なところ、香港や台湾の人たちは日本の社会に溶け込んでいるので、なかなか外国客だと気がつかなくなっているのですが、中国客は彼ら特有のどこか挙動不審の顔つきや荒っぽい話し方、洗練からはほど遠いふるまいから、すぐにそれとわかってしまうところがあります。単に言葉の問題ではなく、台湾や香港、タイの人なら、電車の座席の隣に座って「どっから来たの?」と話しかけても、ごく普通にお互いの意思や好意が伝わり、物腰の柔らかさを感じるのですが、中国の人相手では会話もこわばり、なかなかそうならない印象があります(日本に住んでいたり、日本語を話せる中国人は別ですけれど)。

台湾人やタイ人なら、日本を楽しんでいる感じが伝わってくるのです。ところが、中国客の場合、いったいこの人たち誰? 何しに来ているの? なんとも場違いな印象を周囲に与えてしまう。そのくせ、自撮りのときだけ、派手なポージングを見せるものだから、引いてしまう。結局、「爆買い」も、いろんな人から頼まれ、たくさん買わなきゃならないという理由はわかるとしても、なぜそこまでするのか。およそ外国人からすれば、理解不能に見えたことでしょう。

もともと外国人とのコミュニケーションに慣れていないところはありそうです。中国は多民族国家ですが、少数民族は「外国人」ではないので、本当の意味での異文化に慣れていないのが実情です。中国メディアも、海外との違いをごまかしがちです。しかし、問題は彼らがそもそも外国を訪ねておきながら、内輪で固まり、その国の人たちとコミュニケーションを取ろうとしている風に見えないところでしょうか。

このままでは、彼らはますます日本社会に誤解を与えてしまいそうです。こういう自らの異質性に気づいて、中国客のふるまいや態度を一般の国並みに変えるよう勧告することこそ、中国メディアに求められるのではないでしょうか。余計なお世話かもしれないけれど、やっぱり心配です。

中国個人客の増加で電車内でのトラブルが増える予感
http://inbound.exblog.jp/26380202/
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by sanyo-kansatu | 2016-11-19 18:20 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 11月 18日

「LIVE JAPAN」ってどうよ? 大丈夫?

今年4月、鳴り物入りでオープンした「LIVE JAPAN」をご存知でしょうか。

LIVE JAPAN
https://livejapan.com/ja/

「海外観光客向けの東京観光名所や体験情報を発信しています! SNSでも話題の誰もが行くべき東京都内近郊のお店情報や観光スポット&イベント、お土産情報を幅広くご紹介しています」というサービスです。

参画企業のラインナップは堂々たるものです。都内の交通機関、空港、エアラインまでが揃っています。

■参画企業(事務局)一覧
・株式会社ぐるなび
・東京急行電鉄株式会社
・東京地下鉄株式会社

■参画企業一覧(50音順)
・エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社
・小田急電鉄株式会社
・京王電鉄株式会社
・京成電鉄株式会社
・京浜急行電鉄株式会社
・西武鉄道株式会社
・全日本空輸株式会社
・東京空港交通株式会社
・東京国際空港ターミナル株式会社
・東京都交通局
・東武鉄道株式会社
・成田国際空港株式会社
・ヤマト運輸株式会社
https://livejapan.com/welcome/

これを仕切るグルメサイトの「ぐるなび」のプレスリリース(2016年2月18日)によると、

「訪日外国人向け観光情報サービス
LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO
4月13日グランドオープン!

東京国際空港ターミナルと京王電鉄が新たに参画し、計16社が空港・バス・鉄道の沿線情報を発信

本サービスは、観光地、飲食店、ショッピングなどの正確かつ詳細な観光情報をリアルタイムに提供します。また、Wi-Fiスポットの検索や経路検索といった旅行中に役立つ便利な機能の充実や、サービスを迷わず利用できるユーザーインターフェイスなど、訪日外国人の利便性を追求したワンストップ観光情報サービスの実現を目指します」とあります。

すでにオープンして半年以上がたちますが、いったいこのサービス、どうなっているのでしょうか。ぼくは副都心線を利用しているので車内広告の動画をよくみるのですが、英語版にもかかわらず、誰に何を伝えようとしているのか、ちょっと意味不明です。

ある関係者はこう言います。「このサービスは、UI(ユーザー・インターフェイス)が微妙ですし、明確なコンセプト・バリューがわからないです。当然、ユーザーからみても同じで、その結果がエンゲージメント率(ユーザーの反応)の低さにつながっていると思います。
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https://www.similarweb.com/website/livejapan.com#overview

競合調査ツールであるSimilarWeb でみると、Visit数は多いですが、日本からのアクセスの割合が47%と高く、本当に外国人が見ているのかは微妙です。

サイト滞在時間は56秒しかなく、平均で1.55ページ、直帰率も82%です。

これらの数値から、コンテンツの魅力が伝わっていないことが見て取れます。

記事を増やせばVisit数は増えますが、大事なのは、想定するターゲットがきちんと価値を感じて、サイトを回遊しているかでしょう」。

確かに、この種のサイトは本来、日本に来る前に情報収集のためにチェックするのが一般的だからです。

実は、「LIVE JAPAN」のプロモーション展開の資料をみたのですが、彼らがいう「ターゲットの接触タイミングに応じたメディアプラン」によると、「訪日前」「訪日中」「訪日後」に分けて設定すると書かれています。

「訪日前」に認知されることはユーザー獲得に大きく貢献することですから、どんなプロモーションをするのかみると、「世界各地計5箇所でリーフレットの配布」とあり、北京の旅行博800部、上海同6000部、タイ旅行会社1000部、ラスベガスのJapan Kabuki Festival500部」(2016年5月現在)。いまどき紙媒体を配っても海外での認知につながるとは思えません。
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さらに、「訪日中」は、成田空港や東横線各駅の広告パネルや車内動画を配信しているというわけですが、これで外国客の認知が生まれるかというと疑問です。

ぶっちゃけて言うと、ネーミングのような海外旅行者にとってのライブ感が感じられないのです。ただの地図サイトにしか見えないというか、東京を初めて訪れた外国人がこれから何をしよう、どこに行こう、というときのワクワク感もそうですが、道先案内をしてくれるツールというイメージがほとんど伝わらないのです。

ネットで検索すると、以下のような記事がみつかりました。

インバウンド需要を取り込め! ぐるなびの挑戦(日経ビジネス2016年6月9日)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/278209/060800046/?rt=nocnt

これをみると、日本の飲食店向けに「ぐるなび」の存在感を打ち出すことにはつながっていることがわかります。

でも、それって本来の目的としてはどうなのか?

日本の訪日プロモーションやPRのあり方は、どこか根本的に間違っているのではないか。そんなことを最近よく思います。
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by sanyo-kansatu | 2016-11-18 14:00 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 11月 17日

都内に続々生まれるゲストハウスの世界~ムック『東京ゲストハウス』を手にして

ぼくの仕事場のある東新宿は、外国人観光客の泊まるリーズナブルなビジネスホテルやゲストハウス、そして「民泊」の集積地になっています。

毎日通る道すがらに、昨年11月にオープンした「IMANO TOKYO HOSTEL」があり、ときどきお茶しに行くことがあります。

ここは1階がフロント兼カフェになっているので、昨日もちょっと足を運んでみました。遅めのランチを取るために。

東新宿の新ゲストハウス「IMANO TOKYO HOSTEL」の宿泊客国籍別トップは台湾人 (2015年12月02日)
http://inbound.exblog.jp/25142528/

お店を出ようとしたとき、入口のそばにこんなムックが置かれていました。
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ムック『東京ゲストハウス』
http://guesthousepress.jp/tokyo_guesthouse_mook/

ここ数年、東京都内に生まれた外国人向けのゲストハウスを紹介する内容です。どの宿も写真をかっこよく撮っているので、眺めているだけでも楽しいムックです。「IMANO TOKYO HOSTEL」も紹介されていました。ドミトリーの中はこんな風になっているのか。初めて知りました。

他にも十数軒載っていて、いくつかはぼくも訪ねたことがありました。

訪ねたことはあるけれど、都内に住んでいるぼくはこれらのゲストハウスには泊まったことがありません。

「IMANO TOKYO HOSTEL」のスタッフの女の子に聞くと、基本的に外国客が多く、国籍はシーズンによっていろいろ変わるそうですが、ときどき就活で地方から上京してきた学生さんなども泊まることがあるそうです。

同じようなことは、歌舞伎町のカプセルホテルでも聞きました。やはり、こちらにも就活の女子学生さんが1週間くらい滞在することもあるそう。

ぼく自身は、ゲストハウスでたむろしているみなさんとは世代的に少し離れていますが、若い頃はよく海外のゲストハウスを利用していたものなんだぜ、なんて話をスタッフの女の子にしてみたくなるような、ならないような……(まだしてません)。

でも、最近は、地方出張に行くとき、わざわざゲストハウスに泊まることも増えています。

なぜそんなことをするかって? そりゃ最近、ホテル料金が高騰してたまらないってのもあるけれど、やっぱりゲストハウスにいるみなさんの様子を見ているのが楽しいからです。

彼らは旅空の下にいるからです。

そんな境遇を少しうらやましがりながら、日々の仕事の合間にひと息つくのが、最近の楽しみになっているのです。

ここ数年の東新宿については、以下を参照ください。

東新宿は新しい外国客向けホテル地区になりつつあります(2013年07月02日)
http://inbound.exblog.jp/20672715/

東新宿のビジネスホテルにはロシアや東欧の旅行者が多いらしい (2015年05月28日)
http://inbound.exblog.jp/24525927/

新宿は都内で外国客に最も人気なホテル地区(エクスペディア調べ)(2015年05月24日)
http://inbound.exblog.jp/24510962/
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by sanyo-kansatu | 2016-11-17 15:17 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2016年 11月 16日

〔TBS・Nスタ〕中国人観光客はなぜ民家に侵入して自撮りをするのか?

昨日の夕方にTBSを視ていたら、やれやれ……。中国人観光客のマナー違反を伝える特集が組まれていました。

世界遺産に大量1円玉 外国人客マナーに困惑(TBS Nスタ ニュースアイ2016年11月15日)
http://www.tbs.co.jp/n-st/

最近、この種の番組が多いのは、時代の流れだろうと思います。ただし、番組の作り手があまりに何も知らないため、視聴者をミスリードする傾向が強いことが気になります。

番組では、まず民家の庭で自撮りする迷惑な中国人観光客たちが映し出されます。番組のディレクターは彼らを隠し撮りをします。それでも、ゾロゾロ彼らがやって来るのは(番組では触れられていませんが)、理由があります。

この特集の舞台である山梨県の忍野八海は、東京・大阪ゴールデンルートの定番立ち寄り地です。一般に中国に限らず、アジアからの団体ツアーは、富士山五合目までバスで登る前後に忍野八海に立ち寄ります。

忍野八海は「天然記念物である「忍野八海」は、富士山の伏流水に水源を発する湧水池です。富士信仰の古跡霊場や富士道者の禊ぎの場の歴史や伝説、 富士山域を背景とした風致の優れた水景を保有する「忍野八海」は、世界遺産富士山の構成資産の一部として認定」されています。

忍野八海
http://www.vill.oshino.yamanashi.jp/8lake.html

中国大陸ではめったに見られない美しい湧水池は、彼らにとって観光的にも価値が高いといえますし、東京に向かう途中にあるので、バスで立ち寄りやすいことが、彼らの訪れる理由なのです。東京発の外国人向けはとバス富士山日帰りツアーでも立ち寄り地になっています。

それはともかく、なぜ彼らは民家に侵入して自撮りをしたがるのか?

最初に言っておきますが、ぼくは彼らを弁護しようとしているのではありません。しかし、この番組を視て、ただやみくもに腹を立てる前に、彼らの無作法なふるまいの背景を知っておくことは、同じような問題が他の場所で起こったときの解決や予防に役立つのでは、と思うからです。なんだか言い訳がましく聞こえるかもしれませんが、まあ聞いてください。

彼らが民家に侵入してしまうのは、以下の3つの理由があります。

①手入れの行き届いた日本の庭が魅力的に見える
②マンション暮らししか知らない中国人の一戸建てへの憧れ
③門番のいる住宅環境ゆえに、侵入の意識がない

まず①ですが、日本では個人宅でも庭に手を入れることを趣味にする人が多く、中国の庭のコンセプトとはまったく違うことから、彼らにとって新鮮で魅力的に見えることです。中国の代表的な庭園といえば、たとえば上海の豫園に見られるような中国江南的な世界です。

豫園
http://www.yuyuantm.com.cn/yuyuan/Jp/Index/

②は彼らの住環境に由来することです。一般に日本に旅行に来られるようなお金にゆとりのある中国人は、都市部に暮らす中間層以上の人たちですが、たとえどれだけ金融資産を持っていても、人口密度の高さと政策的な理由から高層マンション暮らしが当たり前。都市に暮らす彼らのほとんどは、一軒家に住めることは一生かけてもまず手が届かない憧れです。番組の中で、ある中国人観光客が口にしていたように、地方の民家でも、一軒家に住めるのはさぞ金持ちに違いないと彼らは考えるのです。そのため、彼らはつい自撮りしてみたくなるのです。こういう方面に限っては、彼らはすごく子供っぽいところがあります。

もう7~8年前ですが、ぼくは中国語ガイド付きの富士山日帰りはとバスツアーに取材で乗ったことがあります。そのとき、隣の席にいた若い中国の女の子と道中いろいろ話をしたのですが、忍野八海に来たとき、やはり彼女は一般の民家にとても興味を持ち、写真を撮りたがったことを思い出します。彼女は、TBSの特集に出てきた中国人観光客の男性とほぼ同じことを言っていました。「一戸建てだなんて、きっとこのお家の人はお金持ちに違いない」と。

だからといって、勝手に民家に侵入する言い訳にはなりませんが、③の彼らがなぜ民家に入り込んでしまうのかについても、彼らの住環境と関係があります。

中国の都市では、どんな古い決して豊かとはいえない地区の団地でも、門と門番がいます。外部からの侵入者を自由に入れない構造になっているのです。これは中国の歴史文化と関係があります。北方民族による侵略に耐えかねてきた彼らは、決して日本のようなオープンな構造の住居は考えられないのです。しかも、田舎では家に鍵をかけないなんて、彼らには信じられません。オフィスのデスクでも、引き出しでも、基本的に鍵がつけるのが、中国人の常識です。常に誰かが自分のものを盗むこと、侵入するかもしれないことを想定した社会といえばいいでしょうか。彼らに言わせれば、鍵をしないほうが悪いというわけです。

ところが、日本には、相当な高級住宅でもない限り、門番のいるような民家はほとんどない。門番がいない以上、彼らは入ってもかまわないのではないかと思ってしまうのです。そう思うこと自体、おかしいんじゃないかと思いますが、彼らは旅空の下にいて「旅の恥は掻き捨て」ではないですけれど、つい普段はそこまでやらないことをやってしまうところがあります(中国では、彼らも民家に勝手に侵入したりはしません)。

誰も禁止していない以上、見つからなければかまわないだろうという中国人特有の感覚もあります。彼らは常に政府から監視され、干渉され、地下鉄に乗るにも荷物をX線を通さなければならないような社会を生きています。ですから、日本をはじめとした外国では、中国のようにいつでもどこでも監視、施錠ということがないので、好きにやってしまっていいと勘違いするのです。

では、忍野八海の湧水に中国人観光客が1円コインを投げ入れるのはなぜか。

番組の中で中国人ガイドが「コインを入れるとハッピーになれる」と言ったという話になり、ディレクターが問い詰めるシーンもありました。

実際、中国ではこの種の観光地の水のあるスポットはどこでもコインだらけです。

番組では触れられていませんでしたが、ここで問題にすべきは、中国の無資格ガイドの存在でしょう。彼らの大半は日本の文化やマナーを知らないまま、ガイドをしている在日中国人です。おそらくTBSのスタッフはそういう基本的なことを知らないのではないでしょうか。

この種の番組の作り手たちが本来考えなければならないのは、ただ中国人観光客のマナー違反を指摘するだけでは十分ではないということです。それでは偏見を助長し、固定化することにしかなりません。では何をすればよかったのか。この際、観光庁に取材をすべきでしょう。なぜ忍野八海の湧水にコインを入れるとハッピーになれるというような、間違った案内をする中国人ガイドがいるのか。もし、本気でこのテーマに取り組むつもりなら、なぜ彼らの存在を許しているのかと、監督官庁に問いただすべきではないでしょうか。

監督官庁の側も、国内にある中国の国家観光局と協力して、日本滞在中に中国人が間違えそうなマナー違反を調べ上げ、事前にトラブルが起こらないよう中国向けの周知・指導を促すよう働きかけるべきではないか。この番組を視ながら、そう思った次第です。
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by sanyo-kansatu | 2016-11-16 20:51 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 11月 15日

中国個人客の増加で電車内でのトラブルが増える予感

昨日の午後、丸の内線に乗っていたとき、決して目にはしたくはないと思っていた光景をついに目撃してしまいました。

赤坂見附から中国人のファミリー旅行者が乗ってきたときのことです。

彼らは子供連れの5人組の家族でした。おじいさんと思われる老人もいて、彼は空席を見つけると、なんと無頓着なことに、デイパックを背負ったまま狭い席に無理やり腰掛けようとし、さらには隣に座る若い会社員の男性に寄りかかり、手を伸ばして座席の手すり棒を握り続けるのです。無言のままで。
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その後、しばらくして娘が近寄り、デイパックを外させ、おなかに抱えるようにしたのですが、反対側にいた中高年のビジネスマン氏は、そのおじいさんが何度も身体にぶつけてくるので、それはもう不快な表情を浮かべ、このままではいきなり怒鳴り出すのではないかという一触即発的な状況になっていました。

向かいに座っていたぼくは、もう見てみぬふりはできないほど心配していたのですが、幸いなことに、目の前に腕を差し出された若い会社員は涼しい顔をして無視していたので、事なきを得たのでした。

ぼくが何を心配しているかというと、中国の個人客が増えることで、都内の交通機関を利用する機会が増え、日本でのマナーや作法を知らない彼らと日本の乗客の間でトラブルが起こることです。なぜなら、中国の地下鉄に乗ったことのある人はわかると思いますが、基本的に彼らは日本人のように、他人のことを気にしません。もちろん、公序良俗に違反するふるまいは許しませんが、特に老人や子供の粗相については大甘なのが中国社会の特徴です。

一方、日本はいうまでもなく、他人を気にする社会。人と人の許容する距離感も違います。狭い席にわざわざ腰掛けてくるような、ずうずうしいおばさんもたまにはいるけれど、無言で何度も身体をぶつけてくるようなふるまいは普通の日本人にはできません。でも、中国人は一般的にそういう身体接触は気になりません。

さらにいえば、この世代の中国人は、人生の大半を、狭い車両に人を詰め込むだけ詰め込んで走る鉄道の時代を生きてきた人ですから、隣の人に少々肘鉄を食わしても、足を踏んでも、なんとも思わないのです。もちろん、いまの若い都会の中国人はそのようなことはしませんが、こういう老人が普通に社会にいることは承知しているので、大目に見る習慣が身についています。

問題は、そういう違いを大半の日本人は知らないことです。知らないどころか、想像もつかないのは当然なのですが、中国人の側もそれを日本人が不快に感じ、ときに許さないことを知りません。ゆえに、一触即発なところがあるのです。

この種の経験は中国ではよくあるので、そういうとき、ぼくははっきりと「不行(ダメですよ)」と言葉をかけ、手を振りほどかせるようにします。自分が不快であれば、内に溜め込まず、意思表示をすることは中国では欠かせませんし、それを責める人はまずいません。でも、同じことが日本で起きたとき、ぼくは同じように中国人に向かってできるかというと、自信がありません。中国人相手にそれは必要なことだとわかっていても、日本人客が見ている前ですることにためらいを覚えるからです。そこまでしなければならないことが日本人の世界ではまずないからです。

先月、大阪の南海電車で外国の乗客をめぐる以下のような事件が起きていますが、背景には日本人と外国人の間のマナー問題の認識とともに、人と人の身体的な接触の距離感や公共の場での自由に対する許容度の違いもあったのではないかと思われます。違いについていえば、最近はさすがに減りましたが、かつて車内で化粧をする若い女性が多かったことに象徴されるように、ある特定の方面では日本にもすこぶる自由な空間が現出していた時期もあるくらいですから、どちらがどうとは一概にいえませんけれど。

「外国人多くご不便を」とアナウンスした車掌さん 訪日客急増で日本人はストレスをためてる?
http://inbound.exblog.jp/26268458/

これから暮れに近づくにつれて、ぼくは心配が尽きません。昨年、JR山手線で「これはやばいなあ」と思われる光景をすでに目撃していたからです。

クリスマスの山手線で見かけたアジア系ツーリスト、いい話と気になる話
http://inbound.exblog.jp/25211756/

詳しくは、上記の記事を読んでいただくとわかりますが、要するに、中国では地下鉄などの公共交通機関で駅の停車中に乗り降りする際、どんなに混雑していても、扉の近くにいる人がいったん降りて、降車に協力するという習慣が身についていません。そのため、大混雑する状況でも、扉の近くに中国の個人客が立っていると、当然降りて道を空けると思っている日本人客と衝突が起こるというわけです。

なぜ中国ではこうなるかというと、それは社会の特質の問題でしょう。ひとことでいえば、「引いたら負け」という社会なのです。混雑時に乗り降りが円滑になるようにスペースを譲ると、残念なことに、そこに入り込んでくる人が必ずいる社会なのです。

上記記事には、もうひとつのエピソードとして、若いアジア客が日本の老夫婦に席を譲る光景を見た話も書いています。それはとてもすがすがしい情景でした。一般にアジアの人たちは、日本人に比べ、老人に席を譲る習慣が身についています(もちろん、日本の場合、譲られる側の意識の問題があり、どちらがいいとか悪いとかいう話ではありません)。

今後、日本政府観光局(JNTO)をはじめとしたPR機関は、プロモーションだけでなく、日本での公共空間や交通機関のマナー、作法について、中国当局と協力して告知していく必要があるのではないか、と強く思います。そうでないと、個人客が増えたいま、不愉快なことが起こるような予感がしてなりません。

中国客が挙動不審に見えてしまう理由(すでに個人比率54%というけれど)
http://inbound.exblog.jp/26390881/
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by sanyo-kansatu | 2016-11-15 15:26 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 11月 10日

香港、台湾に続き韓国も。中国政府が訪韓中国人観光客を20%減らすよう通達を出したそうです

昨日、中国黒龍江省から訪れた友人の旅行関係者に会ったのですが、突然こんなことを言い出しました。

「韓国はこれから大変ですね」
「朴大統領の支持率が急落し、デモが起きていること?」
「それもそうですが、11月上旬に政府から訪韓中国人観光客を20%減らすよう通達があったからです」。
「ハルビンからも多くの観光客が韓国に行っているんですか?」
「ええ、そうです。日本に行くより多いです」
「ハルビン・ソウル線も多いのですか」
「はい。でも、こうなると、減便になるかもしれません」

この話は、すでに韓国メディアで報じられていました。

中国政府「韓国に行く中国人観光客20%減らせ…ショッピングも1日1回だけ」(中央日報/中央日報日本語版2016年10月25日)
http://japanese.joins.com/article/987/221987.html

一部を抜粋します。

「中国政府が韓国を訪問する中国人観光客数を昨年より20%以上減らせという指針を各省の一線の旅行会社に出したことが確認された。

在中大使館および各地域総領事館・旅行業界によると、先週、上海・江蘇・浙江・安徽・陝西など現地政府が管轄地域内の旅行会社の幹部を招集したり電話をかけたりしてこうした内容を口頭で伝えた。通知内容の中には▼韓国に送る旅行客を減少させる方法と対策を今月末までに報告▼格安団体観光の販促中止▼韓国現地ショッピングは一日1回に制限▼これを犯した場合は30万中国元(約450万円)の罰金--などの内容がある」。

同じ通達が少し遅れて黒龍江省にも発せられたということでしょう。

このようなお上からの民間企業への通達は、中国ではよく行われるものです。今回は、国家旅游局の省の部局が現地旅行関係者を集め、口頭で伝えたようです。中国では自国民の海外旅行者の名簿は旅游局に提出が義務付けられています。ですから、たとえば今年2000名の訪韓客を扱った旅行会社は来年は上限1600名以上は許可を出さないということです。まったく市場経済とはほど遠い世界ですね。

「なぜいま頃になって急に?」と彼に聞くと、「THAADの影響でしょう」と迷わず答えます。そりゃそうでしょう。中国メディアは連日のように韓国のTHAAD配備決定を批判し続けていたからです。中国の一般国民からすれば、間違いなく報復措置だというのが認識のようです。

それでも、上記記事には「中国当局がなぜこうした決定をしたのかはまだ疑問だ。韓国関連機関・業界は高高度ミサイル防衛(THAAD)体系の韓国配備決定に対する報復措置である可能性と格安観光の弊害を減らすための対策である可能性を分析中だ。ソ・ヨンチュン韓国観光公社北京支社長は「中国当局が今回の決定を出した理由についてはっきりと説明していない。いかなる理由であれ中国人観光客の減少による打撃が懸念される」と話した」とあります。韓国側は、それを報復措置だとは受け取りたくないのでしょうか。現実から目を背けたいのでしょうね。

もっとも、「通知内容には格安旅行に対する規制が含まれている。格安商品はビラやインターネット・SNSを通じた一切の広告活動ができないようにし、これを犯した場合は30万元の罰金を科して行政監視も強化すると警告した。一部の地域は価格基準を2000元(約3万1200円)と明示したりもした」とあるように、土産の売上からコミッションを得て成立させているようなツアーの弊害を根絶することが狙いという説明もあるようです。

しかし、それは受け入れ側の韓国の問題だけでなく、送り出し側の中国の問題でもあるわけで、結果的には訪韓中国人観光客を減らすことにつながることは変わりありません。

これをうけ、韓国メディアは「韓国のホテルと免税店の打撃は避けられない」と言っています。

中国当局、「遊客」の韓国行きを制限...泣き面に蜂の旅行・流通業(MK NEWS2016-10-27)
http://japan.mk.co.kr/view.php?category=30600004&year=2016&idx=5246

表向き、消費者保護を謳いながら、その実、観光を政治の取引に使うやり口は、台湾や香港ですでに見られたものでした。

中国政府は相手が気に入らなければ観光客を減らす― 蔡英文当選後の台湾インバウンド事情
http://inbound.exblog.jp/25941821/

いまのところ、日本への中国人観光客の制限は出ていないようです。黒龍江省の彼からすれば、韓国方面が減る以上、タイや日本への送客は増えるだろうといいます。

もっとも、今回の措置、中国側の表向きのロジックは「格安旅行の弊害を減らすための対策」ということですから、いずれ日本国内の「ブラック免税店」問題などを持ち出す日がくるかもしれません。

日本のブラック免税店が中国客を陥れる!?
http://inbound.exblog.jp/25875503/

今回のような韓国に対する報復につながる通達は、政権上層部から直接出ているというより、中国の場合、各行政機関が政権の意に沿うように自発的に打ち出しているのではないか。政権のおぼえをよくすることは出世につながる。少々訪韓客が減っても、天秤にかければ利は残るという自分都合の発想から出てきたに違いないでしょう。これまでの経緯をみていると、そう思ってしまいます。

でも、こうした中国政府のやり口で影響を受けるのは周辺諸国だけではありません。実際には自国民への不利益をもたらすはずです。なぜなら、中国政府は相手が弱いとみると、容赦なく弱みを突いてくるけれど、そんなことばかりしていては、中国人観光客の受入国は彼らを尊重しようとする意欲を失いかねないからです。「中国人観光客縮小」カード(中央日報)の安易な持ち出しは、周辺諸国から警戒されるだけで、尊敬されることはありません。そんなことに、いつになったら気づくのでしょう。

【追記】
中国政府も、いよいよ日本にも物申してきたようです。北朝鮮に対する防衛のため、THAADの配備を日本が検討し始めたとたん、黙ってはいられないようです。

「慎重な対応を」=日本のTHAAD導入検討で-中国外務省(時事通信2016.11.28)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016112800714
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by sanyo-kansatu | 2016-11-10 16:04 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 11月 09日

一蘭ラーメンに外国客の行列ができる3つの理由

外国客で行列のできる店といえば、広く知られているのが一蘭ラーメンでしょう。

ぼくも以前一度池袋店に行ったことがありますが、「天然とんこつラーメン」のみの一品メニュー、「味集中カウンター」と名づけられた隣の客との仕切り壁と厨房との間にすだれを下げるという個室食空間、スープの味の濃さやこってり度、麺のかたさなどの7項目を事前に書かせる「オーダーシステム」など、独自のシステムが導入された同店は、確かに外国客でにぎわっていました。

外国客に人気と噂の一蘭ラーメン池袋店に行ってみた
http://inbound.exblog.jp/24938081/

それにしても、一蘭ラーメンにはいつ頃からどんな理由で外国客が行列するようになったのでしょうか?

そこで、同店の広報・宣伝担当の三浦卓さんに話を聞くことにしました。
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今回訪ねたのは、新宿3丁目店です。まず店内紹介から。

これが入口にある外国語表記の食券販売機。
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この日は、平日の正午過ぎで、日本人もいましたが、やはりアジア客が多く、白人の女の子や黒人男性なども並んでいました。
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空席がひと目でわかる「空席案内板」があります。これもこの店独自のシステムですね。
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仕切り壁に隔てられ、各々ラーメンに向き合う独特の空間です。
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これが「味集中カウンター」。テーブルにオーダー用紙が置かれています。
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日本語以外は、英語、中国語(繁体字)、ハングルが用意されています。
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これが創業以来変わらない「天然とんこつラーメン」。
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店内にはインスタグラムへの投稿を呼びかけるプレートが置かれていました。
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以下、三浦さんとの一問一答です。

-いつ頃から外国客が現れるようになったのか。そのきっかけは何だったのか。

「実はいつ頃からとははっきり言えないのですが、特に増えたのは3~4年前からです。やはり口コミで広がっている感じで、フェイスブックやインスタグラム、微信などのSNSによるものだと思います。

もっとも、すでに10年以上前から外国客は、いまほどでなくてもいました。またこれはいまでもそうですが、全国に62店舗営業しているうち、すべての店に外国客が来ているのではなく、渋谷や新宿、池袋、浅草などの外国人観光客の多い特定の店に限られます。たとえば、渋谷駅に近い渋谷店は行列ができるほど多い一方、スペイン坂店には少ないんです。これもSNSの影響だと思われます」。

-どんな国の人たちがよく訪れているのか。味の好みに違いはあるか。人気の理由は何だとお考えか。

「やはり多いのは、中国や台湾、香港、東南アジアの方ですが、最近は欧米の方も増えています。当店のとんこつスープには臭みがないので、欧米の方にも親しんでいただけると思っています。また替え玉という博多ラーメン特有のサービスが体験できることも魅力かと。また中国の方はやわらかめな面がお好みという印象もあります。

何よりラーメンが日本食の一ジャンルとして定着したことが大きいと考えています。つまり、日本に来たら、すしやてんぷら、鉄板焼きを食べるのと同じようにラーメンも体験したいと多くの外国客が考えているからだと思っています」。

-一蘭ラーメンに外国客の行列ができる理由はズバリ、何だとお考えですか。

「3つあると考えています。まず、SNSで「イイネ」が海外に拡散されたこと。これがご来店の最大の動機になっていると思います。

ふたつめは、創業以来変わらないとんこつラーメンの味への支持です。

3つめは、食券購入から、独自のオーダー記入用紙、仕切り壁の食空間という独自のシステムを体験してみたいということではないかと思っています」。

三浦さんによると、同店独自のオーダーシステムや仕切り壁などは、1993年に同店が法人化し、福岡でチェーン展開を始めた当初から導入されていたといいます。女性でもひとりでラーメンを食べられるようにという配慮があったそうです。

7項目のオーダー用紙でスープの味やこさ、特性ダレの量、麺のかたさなどを自分で選べるしくみが面白いと思うのは、タイなどアジアの屋台で麺を食べるとき、たいてい麺の種類を選べるのと同時に、唐辛子入りナンプラー(プリック・ナンプラー)、唐辛子(プリックポン)、唐辛子入り酢(プリック・ナムソム)、砂糖(ナムタン)の4種類がテーブルに用意されていて、自分の好みで調合してから食べるという習慣に似ていることです。

日本のラーメンは一般的に、その店の味をありがたく、そのままいただくという感じが多いのに対し、一蘭はアジア的というべきか、自分で味の好みを決められるというしくみが外国客、特にアジア客に支持されているのではないか、という気がします。

-今後の展望はどうお考えか。

「一部の店舗に外国客が増えているといっても、大半の店は日本人のお客様がメインです。これまでは基本的に都市の繁華街の雑居ビルにビルトインという店舗が多かったのですが、今後は千葉県のロードサイド店を開業しますし、10月19日にはニューヨーク店も開業しました。今月17日には中野店も開業します。中野はサブカルの町として外国人にも知られるようになっていますから、楽しみです。

ラーメンという日本独自の文化をいかにつきつめるか。いかにブランドとして維持できるかに、今後も注力していくつもりです」。

一蘭ラーメン
http://www.ichiran.co.jp

三浦さんの話を聞きながら、あらためて「ラーメンが日本食の一ジャンルとして定着」したことを実感しました。では、それはいつ頃から定着し始めたのでしょうか。

ぼくの友人に、台湾や香港で日本スタイルの現地情報誌の立ち上げに尽力した鈴木夕未さんという編集者がいます。彼女によると、当初は日本と同じように、現地のグルメ情報などを発信していたが、2010年頃から日本旅行のための情報誌を創刊するようになったといいます。

その特集記事に、日本のラーメン特集が人気企画としてよく取り上げられたといいます。

以下は、2015年の香港ウォーカーのラーメン特集の冒頭ページです。彼女によると、日本の編集サイドの協力とともに、香港のグルメ達人などが日本を取材して店選びをしたそうです。
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実は、前回このブログで書いた池袋の「無敵家」の関係者によると、取材を受けた覚えはないのだが、2000年代の半ば頃、台湾に行ったとき、現地の雑誌で同店が紹介されているのを見たそうです。つまり、SNSが普及するずっと前から、台湾や香港などでは、日本のラーメン店が紙媒体で紹介されるようになっていたのです。

行列を体験として楽しむアジア客たち~池袋「無敵家」に並んでみてわかったこと
http://inbound.exblog.jp/26363800/

面白いのは、その特集記事に「ラーメン分析アイコン」なる項目があって、紹介する各店ごとに、麺の太さや形、量、ベースとなる味(醤油、とんこつ、魚介など)、濃さなどが記されていることです。
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これは日本の情報誌が昔からやっていたことで、こういう下地が現地情報誌にあったことは、一蘭ラーメンのオーダー用紙に台湾や香港の人たちが慣れていた理由といえそうです。こういう用紙に自分の好みを書き込むことも、体験として面白がられているのだと思います。
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by sanyo-kansatu | 2016-11-09 10:39 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)