ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 09月 30日

079 ハルビンのロシア料理店ではライブ演奏も

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もう一軒のハルビンのロシア料理店「アラウンド・ザ・ワールド」では、ロシア人歌手によるライブ演奏も行われる。ロシア人が好きなシャンパンと一緒にライブを楽しもう。テーブルの上にあるのは、ロシア風餃子のペリメニやサーモンのソテー、ロシア風サラダなど。(撮影/2014年7月)

※サーモンのソテー、おいしいです。ロシア料理は日本人の口に合うと思います。

ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(ハルビン編)
http://border-tourism.jp/haerbin/
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by sanyo-kansatu | 2017-09-30 10:54 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 09月 29日

樺太時代をいまに伝えるサハリン州郷土博物館

サハリンが樺太と呼ばれていた時代が確かにあったことをいまに伝えるシンボルともいうべき場所がサハリン州郷土博物館です。

この威風堂々とした建物は、昭和12年(1937)に樺太庁博物館として建てられました。当時流行していた「帝冠様式」を採用したもので、建築家の貝塚義雄が設計しています。
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同館の沿革は、サハリン北部のロシア人の最初の居留地のひとつ、アレクサンドロフスク・サハリンスキーにあった国境警備所に1896年に設置された博物館から始まります。その後、1905年に南樺太が日本の勢力下になり、17年に旧博物館を開館。37年に現在の建物に移され、樺太庁博物館となります。展示品は、樺太の動植物や鉱物、考古学、先住民族の民俗などの資料でしたが、日本の敗戦後の46年にソ連の手に渡り、今日に至っています。

樺太庁博物館時代については、国立国会図書館デジタルコレクションの中に、日本が独自に蒐集した旧博物館の展示品などが解説される「樺太庁博物館案内」(昭和8)があり、興味深い内容となっています。

樺太庁博物館案内」(昭和8)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1118555

今年6月、現在の博物館を訪ねると、地元ロシア人の子供たちが大勢見学に来ていました。
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館内の展示は以下のとおりです。

●地下1階
地質学
極東 海の生物
●1階
サハリンの植物や動物
特設展示会場
古代文化と先住民族
深海生物の世界
●2階
サハリン島と千島列島の発見と開発
ロシアの懲役徒刑地とされたサハリン
戦前の時代(日本統治時代)から第二次世界大戦まで
戦後期、現代のサハリン
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以下、ざっと見て回りましょう。

地下1階には、アンモナイトなどのサハリンの地質学資料や周辺の海洋に生息する動物たちの生態を解説する展示があります。古代動物や海龍の骨のレプリカなども。
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1階には、サハリンの動植物を展示するコーナーがあります。見学に来た地元の子供たちが海ガメを熱心にスケッチしていました。
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サハリンには珍しい蝶がいっぱいいるそうで、日本の研究家もこの地をよく訪れています。朝日純一さんの『原色図鑑 サハリンの蝶』(北海道新聞社 1999)はサハリンの蝶類93種を収録しています。
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1階には、サハリンの先住民族の展示もあります。サハリン南部や北海道、千島列島(クリル諸島)に住んでいたアイヌや、中部にいたトナカイを飼うウイルタ(オロック)やエヴェンキ、北部にいた狩猟民のニブフなどの衣服や生活道具、狩猟用具などがあります。この展示はニブフの衣装などを展示したもので、中国の清朝を起こした女真族の衣装と似ているのがぼくにはどうしても気になってしまいます。
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アイヌの衣装には動物の皮や植物の内皮、木綿などを素材にした3つのタイプがあるそうで、一目でわかる独特のデザインが魅力的です。この博物館は、日本時代の樺太庁博物館を継承しているため、南樺太に多く住んでいたアイヌの資料は、日本時代に蒐集されたものが多いと思われます。
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同館が収蔵する代表的なコレクションのひとつが、アイヌの挂甲(古代鎧)です。日本では古墳などで発掘されていますが、同館のサイトでは「アゴヒゲアザラシ皮を利用して作った桂甲です。この桂甲は1930年代、多来加湖(ネフスコエ湖)付近に暮らしていたアイヌ村長の家で見つかりました」とあります。
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サハリンに住んでいた先住民族たちにとって、非日常的な世界と交信し、ときに予言やご託宣、治療などを行うシャーマンは大切な存在でした。これはサハリンの先住民族みならず、北東アジアの女真族、モンゴル族などにも共通しています。
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2階に上がると「サハリン島と千島列島の発見と開発」の部屋があります。時代は18世紀、日本人とロシア人がこの地域を探検しています。間宮林蔵はロシアでも有名だそうです。
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その後、ロシア船は交易を求めて日本近海に現れます。江戸幕府が下田でペリーとの交渉を通じて日米和親条約を締結した1854年の12月、ロシア使節海軍中将プチャーチンとの交渉の末、日露和親条約を調印しています。
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そして、この部屋は日露戦争後、1905年に南樺太を日本が領有してから敗戦に至る45年に至るまでの「日本時代」の展示です。
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当時の暮らしを物語る展示があります。
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これが北緯50度の日ソ国境にあった標石のレプリカです。
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サハリン北緯50度線、日ソまぼろしの国境標石跡を訪ねる
http://inbound.exblog.jp/27114498/

裏面はロシア語です。
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この時代、南樺太と千島列島、そして朝鮮半島は日本の領土でした。
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博物館の庭に、なぜか日露戦争時代の高射砲が置かれていました。
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ぼくはこれまで中国で多くの歴史博物館を観てきましたが、ロシアと中国の展示に違いがあることを強く感じます。どの国の歴史展示にも政治的な意図が含まれることは避けられないにしても、中国のような日本に対する憎悪は感じられないことです。

サハリン州郷土博物館(Сахали́нский государственный областно́й краеве́дческий музе́й)
http://jp.sakhalinmuseum.ru/

※サハリンには鉄道博物館もあり、こちらも面白いです。

日本人としてぜひ訪ねておきたいサハリン鉄道博物館
http://inbound.exblog.jp/27172862/
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by sanyo-kansatu | 2017-09-29 17:30 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 09月 29日

日本人としてぜひ訪ねておきたいサハリン鉄道博物館

ユジノサハリンスクにはいくつもの博物館がありますが、駅の近くにあるサハリン鉄道博物館は、日本人としてぜひ訪ねておきたい場所だと思います。

樺太時代をいまに伝えるサハリン州郷土博物館
http://inbound.exblog.jp/27174994/
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展示室は3つに分かれているのですが、まず目に飛び込んでくるのは、樺太時代の鉄道に関する部屋です。戦前の日本で流行した樺太の鳥瞰図が目を引きます。
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樺太時代の鉄道関連の資料が並べられています。
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ロシア語で書かれているので判読できませんが、サハリンの鉄道の歴史に関する展示もあります。写真に出てくるのは日本人の顔ばかりなので、樺太時代の話だと思われます。
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2つめの部屋は、ソ連時代の鉄道に関する展示です。こちらはさすがに豊富な資料があります。
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3つ目の部屋は、サハリンの鉄道を中心にした書籍や資料、地図が展示されています。日本時代の書籍もあるようです。
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館内はそれほど広くないのですが、展示を見て回っていると、ひとりのロシア人の男性が近づいてきました。この博物館の館長のアンドレイ・ニコラエヴィチ・チリキンさんです。
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ぼくはロシア語が話せず、館長さんは英語ができないことから、ほとんど具体的なコミュニケーションはできてはいないのですが、とにかく彼は日本人が来訪したことを心からうれしく思ったようで、館内をすみずみまで案内してくれるだけでなく、日本時代の樺太の写真を彼のPCからいろいろ見せてくれました。
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これはユジノサハリンスクの空中写真です。
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こちらは豊原駅(現ユジノサハリンスク駅)とありますが、初期の駅舎のようです。
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その後新しくなった豊原駅です。
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落合(現ドリンスク)にあった回転台です。
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その回転台の上に蒸気機関車が載っています。
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ぼく自身はサハリンの歴史についてもそうだし、鉄道に詳しいわけでもないので、館長さんにとっては物足りない相手だったに違いありませんが、彼は日本人との交流を望んでいるように思いました。

後日、サハリン在住の知人が同館を訪ねてくれたのですが、アンドレイさんの名刺には「上級学芸員」と書いてあったそうで、聞けばこの博物館は彼が実質的にひとりで現場を任されているそうです。そのため、冬にはスコップを手に階段周りの除雪までやっているとか…。まあそういう意味で、実質的な館長さんというわけです。

その知人はいいます。「サハリンの鉄道の歴史は、南部では樺太時代に日本人が建設した鉄道が起こりになっている側面があります。そんなこともあり、日本から訪ねてきた旅行者に対して熱烈歓迎になったのだと察します」。

博物館の外の駅北側の線路沿いには鉄道車両展示場もあります。以下のサイトが写真入りで細かく紹介しています。

鉄道車両展示場
http://ekinavi-net.jp/sakhalin/sights/railway.html
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サハリン鉄道歴史博物館 (Музей Сахалинской Жулузной Дщроги)
Vokzalnaya Ulista 55
開館 月~金曜日 9時~18時(12時~13時休憩)
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by sanyo-kansatu | 2017-09-29 10:34 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 09月 29日

078  木材を積んだ貨車が停車する満洲里駅

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数年前まで満洲里はロシアから運ばれる木材の集結地としてバブルにわいていた。いまはもうその勢いはないと地元の人はいうが、満洲里駅の裏手には、木材を積んだ長い貨車が並んでいた。写真右手の駅前には、高層ビルも見える。(撮影/2016年7月)

※木材を積んだ貨車が並ぶという光景は、黒龍江省の東側のロシア国境の町・綏芬河でも見られます。いずれにも、かつての活況はありませんが、いかにも国境の風景といえます。


ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(満洲里編)
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by sanyo-kansatu | 2017-09-29 09:53 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 09月 28日

日本時代の記憶が懐かしいサハリンで購入した写真集

今年6月、サハリンに行った話を知り合いや友人にしたら、ご両親や祖父母、親戚が樺太に住んでいたという人が何人かいました。

現地で購入したこの本は、日本時代と現代の同じ場所の写真を見開きごとに並べた写真集です。ぼく自身はロシア語に不自由しているので、よくわからないところもあるのですが、当時の記憶のある方に見せたらきっと懐かしく思うのではないでしょうか。
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この写真集の話をサハリン在住の日本の方にしたところ、「2010年頃に発行された、樺太時代やソ連時代の1950年代あたりの写真に現在の写真を並べたというモノはみたことがあります。『ソ連時代』といっても、1950年代であれば、樺太時代の最後の時期とそれほど変わらない程度に古いわけで、現在とはかなり様子が違うことに驚きます」とのこと。

「当時を知る日本人によると、樺太時代には集落があったのに、現在では路傍に“ソ連化”以降の地名の標識があるばかりという場所も多いです。

これは考えてみれば、“50度線”以南で人口40万人だった昭和10年代の状態が、今日以北も含めて40数万人と人口密度が昔に比べてかなり低くなっているので無理のないことだと思います」。

写真集のページを少しめくってみましょう。

これは旧王子豊原製紙工場です。工場の前に大量の材木が並べられています。
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これは旧豊原駅です。現在のユジノサハリンスク駅のビルがある場所とは違い、駅に向かって若干右手にあったそうです。
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当時の日本人が通った学校の写真もいくつかあります。
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この写真集を眺めていると、中国東北地方、すなはち満洲国と呼ばれた時代の日本人の暮らしや建築を収めた写真集が、日本と中国で大量に発行されていたことを思い出します。本ブログでも、そのほんの一部にすぎませんが、当時の日本とゆかりのある場所を紹介しています。

これが母校だったら、懐かしさもひとしおだろう【昭和のフォルム 大連◆校舎①】
http://inbound.exblog.jp/20556683/
大連の女学校の最後の同窓会が開かれたそうです【昭和のフォルム 大連◆校舎②】
http://inbound.exblog.jp/20566915/
自分の故郷が永遠に失われたという感覚【昭和のフォルム 大連◆校舎③】
http://inbound.exblog.jp/20573243/
当時こんなにいろいろあった専門学校【昭和のフォルム 大連◆校舎④】
http://inbound.exblog.jp/20573887/

中国東北地方の場合、日本人が多く訪れるようになったのは、日中国交回復後、中国で改革開放が始まった1980年代半ば以降ですが、樺太の場合は、ソ連崩壊後の1990年代以降です。今回サハリンを訪ね、日本の関係者らと話をしていると、90年代以降、多くの日本人が樺太時代の記憶を求めてサハリンを訪れていたことをあらためて知りました。

中国で発行されたこの種の写真集の背後に政治的な意図が感じられるのに対し(なぜなら、その多くは日本語だからです)、サハリンで発行されたこの写真集は、ロシア人自身のためにつくられたものだと思われます。デザインからもそうですが、懐旧の念に温もりを感じるからです。

奥付をみると、この写真集は今年出版されたばかりのようで、まだあまり知られていないと思います。もしご興味のある方がいたら、お貸しします。そのほうがきっと役立つでしょう。ご連絡ください。そして、写真の場所が現在のどこであるかなど、教えていただけるとうれしいです。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-28 09:32 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 09月 28日

077 現在の満洲里駅

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かつて中国からモスクワに向かう「シベリア鉄道」の中国側国境駅として、最果てのイメージを持っていた満洲里だが、現在の駅はこのように現代化している。駅前にはタクシーが多く停車しており、南方から草原観光に訪れた国内客をホテルに運んでいる。もはや中国では辺境が消失してしまっている。(撮影/2016年7月)

※駅だけみると、ここが中国最果ての町という印象はありません。かつての通過点の町から、国境の町という目的地になっているのです。でも、駅の構内には国際列車の乗車口やイミグレーションがあります。

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by sanyo-kansatu | 2017-09-28 08:14 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 09月 27日

通訳案内士&ランドオペレーター制度の規制緩和の話より事態はもっと進んでしまっている!

先週終わったツーリズムexpoジャパンですが、22日(金)の業界日にもうひとつのセミナーがありました。

対馬を訪れる韓国客40万人。理由はexpected unfamiliarity(似てるけどどっか違う)という国境特有の体験
http://inbound.exblog.jp/27141258/

訪日外国人の増加にともなう制度変更が懸案となっていた、来年から施行される新しい通訳案内士制度やランドオペレーター登録制度に関する観光庁からの説明です。
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膨大なパワポの資料が提示されたので、面白そうなものだけ挙げてみましょう。

まず「言語別通訳案内士登録者数」です。圧倒的に英語に偏っています。
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次に「都道府県別通訳案内士登録者数」。東京、神奈川などの首都圏の一極集中です。
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その結果、「言語別通訳案内士1人あたりの訪日外国客数」では、中国語、韓国語、タイ語の通訳が著しく少ないことが示されます。
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こうした現状は10年以上前から変わっていないのですが、その対策として「地域限定通訳案内士制度」を立ち上げています。
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そして、今回の規制緩和のキモは、いわゆる「業務独占の廃止」。すなはち、国家資格の通訳案内士でなくても、有償で通訳ガイドの仕事ができるようになったということです。ただし、国家資格を持たない通訳ガイドとの差別化のために「名称独占規制」は存続します。まだ仮称ですが、「全国通訳案内士」と呼ばれることになるそうです。
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この問題については、すでに関係者らの間で何年も議論してきたことですし、市場の大きな変化に対応した規制緩和だといわれれば、そうなんだろうなあという感じしかありません。結局のところ、フリーランスの職業である通訳ガイドの場合、語学能力だけでなく、さまざまな営業能力もあってこそ、続けられるものであるのは、いまも昔も変わりません。

問題なのは、むしろ「ランドオペレータ登録制度」の実効性でしょう。

なぜなら、「訪日旅行の手配構図の例」「ランドオペレーターに関する外国人のクレーム」で観光庁も説明するように、「ブラック免税店」と「闇ガイド」が結託した法外な値段の買い物強要が、外国客のいちばんのクレームとなっているからです。
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で、その解決策について、新制度ではこれまで誰がやっていたかすら把握していなかったランドオペレーターの登録を進め、ツアーパンフに通訳案内士同行の有無を記載することを義務付けることなどが挙げられています。同行の有無は、そのツアーの品質を保証することになるという理屈でしょうけれど、う~ん。
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実態から言えば、この程度のことで問題解決とは気の遠くなるような話です。

しかし、現在における訪日外国人の受け入れに関する問題の焦点はもっと別の次元に移っているというべきでしょう。なぜなら、訪日外国人における団体客の比率はだんだん下がり、個人客に移行しているからです。

では、どこに新たな問題が生まれているかというと、たとえば、中国事情に詳しいライターの高口康太さんが書いた中国の「白タク」の実態です。通訳案内士やランドオペレーター制度の規制緩和の話より、事態はもっと進んでしまっているのです。

日本各地で暗躍する中国版白タク「皇包車」の実態(Wedge2017.9.25)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10613

この問題は本ブログでも何度も指摘していますし、ぼく自身も以下の記事を書いています。

日本人が知らない、中国人観光客受け入れの黒い歴史(Newsweek2017年09月02日)
http://www.newsweekjapan.jp/nippon/season2/2017/09/198804.php

高口さんの記事が面白いのは、彼が実際に羽田空港や成田空港の現場を訪ね、中国の配車アプリサービスを利用して、日本国内で「白タク」に乗ってみるという体験取材をしていることです。利用者の立場に立てば、とても優れたサービスだと彼は書いています。

記事では「政府は、その実態や規模を全く把握できていない」と書かれていますが、実際はそんなことはないでしょう。日本より中国のシェアエコノミーの進化が早いため、対応できないだけのこと。じゃあしょうがない? でも、これじゃ日本のライドシェアをまじめに育てる意欲はなくなってしまいませんか。過疎地域の足など、いろんなニーズがあるはずなのに。

さらにいえば、「経済効果のリーケージ(漏出)」という問題があります。つまり、こんなに外国客が増えても、営業実態だけはあって、日本にお金が落ちず、経済効果を持ち去られてしまう。もちろん、これは規模の問題でもあるのですが、今日シェアエコノミーを軽んじるのは間違いでしょう。

だから、「知らなかった」ではすまないと思うのですが、とぼけてたほうが楽なのか。なんだかこの話、「ブラック免税店」や「闇ガイド」の存在を知りながら、ずっとやり過ごしてきた観光行政の姿勢と似ている気がします。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-27 10:00 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 27日

076 ハルビン発満洲里行き夜行列車

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中国にはまだ夜行寝台列車が走っている。ハルビンを夜8時半に出て朝10時に満洲里に着くというのんびりした行程だ。すでにハルビンからチチハルまでの高速鉄道は開通しており、近い将来、満洲里までつながれば、飛躍的な時短が実現されるだろう。(撮影/2016年7月)

※高速鉄道が全土に張りめぐらされている中国ですが、昔ながらの列車旅はいいものです。

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by sanyo-kansatu | 2017-09-27 08:18 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 09月 26日

075 長白山、南坡からの天池の眺め

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長白山の中国側からの登山道は、北坡、西坡、南坡の3つのコースがあるが、最近整備されたのが南坡。北朝鮮領に近い場所からの天池の見え方は、北坡からののように絶壁の下にあるのではなく、手前にゆるやかな勾配が広がっている。ところが、2015年頃より、南坡の登山道は閉鎖されてしまった。中朝関係の影響もある。(2014年7月)

※かつては自由に登れた長白山も、吉林省政府による管理が進んでいる。環境保護の観点からすれば悪いことではないと思うけれど、南坡の場合、立派な山門や山頂までの自動車道も造ったのにどうしたことか。だが、南坡は北朝鮮との国境最前線でもあるのだ。


ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(長白山編)
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by sanyo-kansatu | 2017-09-26 08:17 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 09月 25日

中国メディアがTBS報道「中国、訪日旅行に制限」に反論! とはいうものの…

先週木曜日、TBSは中国当局が自国の旅行会社に日本行き観光ツアーを制限するよう通達したと報じました。同様の内容は日本経済新聞9月15日付でも報じられています。

「中国当局、旅行会社に日本行き観光ツアー制限を通達」(TBS News2017.9.21)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3164671.html
中国が訪日団体旅行を制限 外貨流出警戒か (日本経済新聞2017/9/15)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM14H3F_U7A910C1FF2000/

本ブログでも、これを取り上げ、今後について考察しました。

中国はついに日本への渡航制限を始めるのか? (2017年 09月 22日)
http://inbound.exblog.jp/27130164/

ところが、その2日後(9月23日)、中国メディアは日本メディアのネット記事の文面を取り上げ、以下のように反論しています。

日本メディア「中国が訪日団体旅行に制限」と報道。国家旅游局「そんな通達は出していない」(日媒称中国限制赴日团队游 国家旅游局:没有下过类似文件)(2017-09-23 国际在线 )
http://news.hexun.com/2017-09-23/190978288.html

9月21日傍晚,日本TBS电视台发布了一条新闻,称中国有关部门发出通知,要求旅行社限制赴日团体游客的数量。继韩国之后,难道赴日旅游也要受到限制了?请看记者的调查。

日媒:赴日团体游遭遇禁令
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TBS电视台的报道称,本月中旬,中国政府对旅行社发出了相关通知。各地情况各不相同,北京一些旅行社被口头通知“请减少赴日团体游数量”。而在山东、大连等地,各旅行社发团人数被限额,一些已经把一年内额度销售完毕的旅行社,甚至不再发团。关于原因,报道称还不清楚,猜测是为了防止资本流向海外。
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 《日本经济新闻》的报道说,福建省旅游相关部门要求各旅行社减少团体游数量。另外,河北、河南、湖北等地也收到了同样的指示。
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文章说,北京等大城市没有看到这样的情况,并且自由行不包含在内。中国国家旅游局也否认曾做出该类指示。

这篇文章同样分析称,限制团体游数量可能是一些地方为了防止外汇流出。

日媒报道是否属实?

对此,记者以游客的身份咨询了北京、山东、大连、河北等地的几家大型旅行社:

山东济南一家旅行社明确表示,现在不发日本团,日本、韩国旅游团均已停掉。另一家山东旅行社则透露,目前赴日团体游确实会有限额,但是具体限制到多少人,还没有决定。

辽宁大连一家旅行社的工作人员称,确实收到了限制团体游人数的通知,所以目前还没有制定今后的旅游产品。但今后赴日团体游的价格可能会提高到8000以上,从11月开始正式实行。

而河北石家庄、河南郑州的旅行社则表示,没有听说限额一事,所有旅行团照旧运作。北京一家旅行社的工作人员也表示,没有听说此事,并称如果属实,肯定会在旅游圈炸锅。

记者最后致电国家旅游局,得到的回复是:“没有下过类似文件,也没有听说过此事。”

日本网友的反应竟然是开心

TBS电视台的报道在日本雅虎新闻网上得到很多网友的回应,按照点赞最多的评论来看,网友简直是一片欢呼:
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她认为,或许限制团体游的理由是为了防止资本流出到海外。她说:“虽说‘爆买’有减速趋势,但中国游客的消费金额非常庞大,不得不表示担忧。”她提到,现在中国访日游客中,有40%是跟团游,60%是自由行,可以预想今后自由行将会迅速增加。因此,她猜测即使相关部门阻止,中国人出国游的热情也不会减退。而TBS电视台在报道中,却提到中国游客减少将对日本旅游业产生影响。

日本观光厅数据显示,2016年中国游客在日本的消费额是1.4754万亿日元,人均消费达23万1504日元。2016年日本接待2400万人次外国游客,其中中国大陆游客达637万人次。在日本政府大力发展“观光立国”的政策下,显然,失去中国游客将是一笔重大损失。


この記事では、中国メディアが実際に各地の旅行会社に取材をしています。それによると、山東省の旅行会社は「現在、日本や韓国への団体ツアーは止まっている。ただし、人数の制限は決まっていない」。大連では「確かに制限の通達を受け取っている。そのため、現在ツアー商品はない。今後ツアー価格を8000元以上に上げ、11月以降販売を開始する」。

一方、河北省や河南省、北京の旅行会社は「そのような通達はない」。国家旅游局も「そんな通達は出していない」といいます。

記事ではこの報道を聞いた日本のネット民から「うれしい」との声が出たと、そのコメントを上記のように画像にしています。どっちもどっち、嫌な話ですね。最後に「2016年に中国の観光客の日本での消費額は1兆4754円で、1人当たり23万1504円に達したこと。日本が中国の観光客を失うのは大きな損失だろう」と締めています。

それにしても、「通達を受けた」「受けていない」と、地域によって言い分が異なるのはなぜでしょう?

日本のメディアは「資本の海外流出を食い止めるための措置」との見方を示しています。そういう側面もあるかもしれませんが、中国側としては、かねてより問題となっていた安すぎる団体ツアーにつき物の「ブラックガイド」こそが問題で、その解決に向けた動きが起きているのだと主張しているように見えます。

というのも、確かに今年に入って中国からの訪日団体ツアーは減少傾向にありました。一方、個人客やリピーター、そしてクルーズ客は増えているため、中国客の数は以前に比べ伸びは落ちていますが、結果的に増えていました。

これは今年5月の中国メディアの記事で、数年前から散発的に繰り返し報じている内容でもあるのですが、なかなか興味深いことが書かれています。

低価格の海外団体旅行に繁殖する「ブラックガイド」が中国客を陥れる(出境低价团滋生海外“黑导游” 中国游客屡屡被坑)(2017/05/19 界面新闻)
http://www.jiemian.com/article/1333466.html

迅速增长的中国游客数量让海外目的地正规导游供不应求,而低价旅行团也衍生出强制购物等问题。无正规资质的黑导游破坏了出境体验,有什么可以防范的举措?

近日媒体曝光的海外“黑导游”事件引发广泛关注:日本无证黑导游夸大产品效果,联手商家诱导国内游客高价消费,并拿取回扣;5月4日,泰国也曝出黑导游甩客事件,这是今年2月泰国导游甩客之后的又一起引发国内热议的事件。随着中国游客出境游越来越普遍,海外遭遇黑导游的情形也频频发生。

黑导游一般指的是,在有导游资格认证体系的国家,没有取得资格认证而从事导游业务的人,黑导游往往可能做出伤害游客利益的行为。

一位在日本工作的导游告诉界面新闻,从2004年开始,旅行社出于竞争而压低日本旅游产品价格,尤其近两年,中国赴日旅游人数大幅增加,市场竞争激烈。旅行社为削减成本,会聘用非正规的导游来带团,带游客去购物店消费并收取佣金。

“一般是旅行社拿5%,导游拿7%,领队拿3%的佣金。去年有位导游被曝出每带一个团就能拿到至少百万日元的佣金。”这名导游说,“正规导游需要通过严格的通识考试,进入正规旅行社后有收入保障,不会刻意引导游客消费。而这两年由于非正规导游的出现,正规导游的工作越来越少。甚至有的旅行社聘用在日本的中国留学生,让他们花20至30万日元买一个没有实效的导游证,培训他们如何销售商品,欺骗客人。”

中国未来研究会旅游分会副会长刘思敏告诉界面新闻说,“东南亚、日本、韩国这些热门出境目的地的黑导游情况比较严重。中国出境旅游市场发展较快,鱼龙混杂。这种情况下,出售不合理低价团的旅行社,压低成本,就会启用黑导游,也就是薪酬低的非正规导游,并通过自费项目来补贴收入。”

2016年共有1.22亿人次中国游客出境旅游,花费高达1098亿美元。曾有业内人士透露,早在泰国等地作为出境热门目的地刚火起来不久,就有国内人去当地经营地接社、开设购物店,把国内低价团强制购物的现象延伸到出境游,中国游客的旅游消费观念也尚在提升的过程中。

中国出境游客的快速增长、当地中文导游的供不应求,也是海外黑导游出现的原因之一。“虽然日本原本有严格的导游资格考试,但由于导游严重供不应求,日本官方也放宽了要求。”刘思敏介绍说。

在泰国,2015年起国内的正规中文导游约8000人左右,而当年去泰国旅游的中国游客人数近800万人,一些旅行社只能启用有一定工作能力的非正规导游。

除了在低价旅行团中,游客自由行在海外当地雇请导游也可能遇到黑导游;或者借助网站聘请导游,而网站对导游的资质审核不严格,也可能遭遇黑导游。

刘思敏介绍,在有导游资格认证体系的国家,没有资质的黑导游就是非法执业,游客可以投诉,也可以通过旅游警察来执法;而在没有导游资质认证的国家,导游多为自由职业者或者兼职,管理的难度增加。

据上述在日工作的导游介绍,从去年起,日本国税局开始严查免税店账单,如果查到导游拿回扣,会对这些导游进行拘留、罚缴税金,部分在日工作的中国黑导游因此离开日本;另外也有几名领队因为被质疑是黑导游,在成田机场入境时被阻止入境。

该导游认为,出境旅游团都应聘用当地导游,来解决跨国管理的问题。“中国国内旅行社在出境游中往往会聘用领队兼任导游,其实旅游法规定不能如此。如果让领队兼任导游,而不雇请当地有备案的导游,一旦发生纠纷和事故,在境外目的地就很难追究责任。”

北京同创律师事务所杨航胜律师认为,对于自由行之类的当地国导游问题,国内旅游监管部门没有权力和方法进行监管,因为涉及行政权力的行使的国界范围限制,但国内旅游监管部门一定程度上也可以介入到黑导游问题的监管当中。

“比如通过对出境社做出要求,要求出境社对地接社和当地导游的选择上设置门槛,达不到门槛可以进行惩罚等。”杨航胜说,“应该对出境社加强管理,对它的合作伙伴选择进行监管,当然也可以设备黑名单、白名单制度等。”

另外,各地设置的旅游警察,作为专门针对旅游乱象设置的执法岗位,也在规范旅游市场、监督黑导游问题上起到一定作用。

去年8月开始,泰国政府开始大力打击零负团费的旅游现象,以维护泰国旅游的品牌,当地正规导游抗议黑导游扰乱了市场秩序,缺少关于泰国文化的专业知识,并损害泰国旅游的形象。据泰国当地媒体报道,今年4月,泰国特别警务警察、旅游警察和军方就突击查扣了一批正在参与导游和产品销售培训的人员。从2016年初到4月15日,泰国旅游警察已经逮捕了374个无证导游。

而在阿根廷、俄罗斯、埃及、夏威夷等地,也都有会外语的旅游警察,在酒店和旅游景区等地解决游客遇到的各类问题,包括帮忙指明方向、寻找遗失物品,或是处理与商家、导游发生的纠纷。

中国国内目前在三亚等地设立旅游警察的同时,也有与国外警察联合执法的尝试,例如今年4、5月间,有来自意大利的警察与中国警察在北京、上海有关景区联合巡逻,而在6月,中国警察将赴意大利与意方分别在罗马、米兰、佛罗伦萨、那不勒斯等4个旅游城市开展联巡。


この記事では、日本の「ブラック免税店」と結託した「ブラックガイド」の内実を簡単に紹介しています。彼らは国家の認証するガイドライセンスを持っておらず、中国側の旅行会社も価格競争のため、コスト削減の必要から正規ではないガイドを採用していると正しい指摘をしています。特に状況がひどいのが、東南アジアや日本、韓国だともいっています。

一方、日本の国税局がブラックガイドの摘発を始めたことや、昨年タイでも無資格ガイドを374名逮捕したことなども書かれています。さらには、イタリアに中国の警官をツーリストポリスとして派遣するような両国共同の取り組みも始まっているそうです。

今や日本を訪れる中国客の6割は個人客といわれますが、残りの4割は地方からの団体客で、彼らは現状では日本で「ブラックガイド」の添乗するツアーに参加せざるを得ません。一般の募集ツアーではそのような商品しかほぼないからです。この問題を解決したいというのが中国側の言い分で、それは理解できる話です。

ただし、これまで4000~5000元程度で集めていた日本ツアーの客を、大連の旅行会社のように「8000元以上」にするとなると、どれだけ集客できるのでしょうか。これまでは安かったから、多くの人が参加しただけで、結果的に、訪日中国客は、団体に限り、ますます減っていくことになるのではと思わないでもありません。

【追記】
その後、中国の複数の旅行会社に確認したところ、通達は出ていたことが確認できました。しかし、それで影響を受けるのは、団体客だけで、いまや6割以上が個人客なので、影響は限定的といえます。しかも、これまでの中国人観光客のイメージを変えていかなければなりません。ForbesJapanに以下の記事を書きました。ご参照ください。

これからの中国人観光、「爆買い」から「女子旅」へ(ForbesJapan2017.10.5)
https://forbesjapan.com/articles/detail/17954
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by sanyo-kansatu | 2017-09-25 16:56 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)